異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
ここ最近、投稿出来ず申し訳ありません。
ちょっと前は護衛艦 かがを見に行くため大分まで行っておりましたので…(言い訳)
結局、見れなかったわけですが…無念。
そしてリアルの方も急に忙しくなってしまい…(言い訳その2)
それでは本編をどうぞ。
―グラ・バルカス帝国 レイフォリア飛行場
大勢の人々が見守る中、1機のレシプロ機が青空に向かって飛んで行く。
その後ろから数機のアンタレス型戦闘機が護衛の為に離陸していった。
機が見えなくなるまで見送った彼らは安堵の息をついた。
「シエリア様、何事もなく無事に終わりましたね」
「ほんと。全く緊張したわ…」
今見送ったのはグラ・カバル皇太子が乗ったレシプロ機。
レイフォリア飛行場からバルクルス基地にある飛行場まで飛行する予定だ。
皇太子来訪という大きな出来事により後回しになった他の仕事を終わらせるため、外務省庁舎に戻る。
「もう昼休みか。昼ご飯を食べるとしよう」
執務室には様々な書類があるため基本飲食は禁止されている。
シエリアたちは弁当を持って食堂に移動した。
「すまない。テレビのチャンネルをムー国営テレビに変えてくれるか?」
ここレイフォルでもムーのテレビの電波は受信できる。
敵の情報を掴むことは戦争においてとても重要であるため、昼食時にはムー国営のニュースを見ることが日課になっていた。
『本日は特別ニュースがあるため、時間を延長してお送りします!』
いつもはのんびりと話している男性のキャスターが真剣な表情で話している。
傍らの美人な女性キャスターも真剣な表情で頷く。
このニュース番組はキャスター2人が問答形式で進むもので、視聴者にとって非常にわかりやすいシステムとなっている。
『読読新聞一面に掲載された内容をこちらでも繰り返しお伝えします。世界連合艦隊とグラ・バルカス帝国海軍が衝突したバルチスタ沖海戦直後である、中央歴1643年2月7日、グラ・バルカス帝国艦隊が我が国の首都 オタハイトを攻撃するため8隻からなる艦隊を派遣、また同時に帝国は商業都市 マイカルを火の海にするため別動隊として空母機動部隊を展開させていたことが明らかとなりました!』
1人の軍幹部が酒の場でポロっと流した、グラ・バルカス帝国によるオタハイトとマイカルへの同時攻撃、そしてそれを迎撃したという機密情報は、朝刊新聞の一面にでかでかと掲載された。
ちなみにポロっと話した幹部はこの後、
ニュースを横耳で聞いていたダラスは、コーヒーを飲んでいたために思いっきりむせた。
バルチスタ沖海戦とムー国重要都市への同時攻撃、昔本国へ報告のため戻った時に偶然食堂で出会った外務大臣に雑談程度で話した案だった。
『今朝の新聞の記事ですね。これらの帝国の脅威を、どのようにムー国は排除したのでしょう?』
『ラ・カサミはご存知ですよね?』
『ええ、ムー国の象徴であり最強の戦艦ですよね。少し前に日本国で改良を施され、ムーに返還されたと話題になっていましたね』
『今回、そのラ・カサミがオタハイトを守り抜きました!』
『カルトアルパスの戦いでは大破にまで追い込まれたラ・カサミ、どのようにしてグラ・バルカス帝国艦隊を退けたのでしょう?』
『ラ・カサミは日本国から返還された後、日本国海上自衛隊の援助の元、新兵装の訓練が行われていました。丁度その時グラ・バルカス帝国艦隊来襲の情報を受けたラ・カサミは、日本国海上自衛隊援護のもと出撃、グラ・バルカス帝国艦隊と会敵しました。それではこちらのフリップをご覧下さい』
キャスターが時系列の書かれた一枚のフリップを取り出す。
『グラ・バルカス艦隊が接近しているとの報告を受けたラ・カサミは、港の護衛を首都防衛隊に任せ、ラ・カサミをムーまで送り届けた日本国海上自衛隊と共に出撃しました。出撃してから20分後、ラ・カサミ上空にグラ・バルカスの航空戦力が出現しますが、ラ・カサミはたった1隻でこれを殲滅します』
『神聖ミリシアル帝国ですら撃墜するのに手こずった航空戦力をたった1隻で対処するとは…日本国の改修を受けたとはいえ、さすがラ・カサミですね』
『航空戦力を失ったグラ・バルカス艦隊8隻は艦隊決戦を行うため接近、ラ・カサミと30㎞の地点まで接近します』
『ミリシアル艦隊と互角に戦えるグラ・バルカス艦隊8隻に日本国の支援があるとはいえ、たった1隻で挑むとは…』
『実は戦闘時の艦橋音声データを我が社の社員が入手しましたので聞いてみましょう』
本来はもう少し後に公開するはずだったのだが、朝刊に載せられたのであれば仕方ないと政府がマスコミにリークしていた。
『敵艦発砲!』
『弾道を報告!回避行動!』
『敵弾まっすぐこちらに飛んできます!』
「面舵一杯!」
直後、水を叩くような轟音が響き渡る。
『敵駆逐艦、25kmまで接近。敵巡洋艦は28kmです!』
『これ以上近づかれると、敵の射撃密度が上がるな…新兵器を使用するぞ!』
『テープは少し途切れ、続きは少し時間が経ってからです』
『くそっ、何て硬さだ!』
『艦首被弾!前部主砲湾曲、使用不能!』
『後部主砲、撃ち続けろ!』
『後部主砲被弾!使用不能!』
『な、なんてことだ!』
『日本国海上自衛隊より連絡!只今より援護を開始するとのことです!』
『彼らが戦うのに我々が諦めるわけにはいかん!ムー国を、祖国を守り抜くぞ!』
『以上が入手できた音声になります』
『私達が平和な日常を享受している間に、命を懸けて戦い抜いた男たちがいたのですね』
『ムー国政府の関係筋によりますと、この後ラ・カサミは日本国より付与された新兵器を使用し、日本国自衛隊と共にグラ・バルカス艦隊を撃滅したとのことです。被害はラ・カサミは中破し、現在ドッグにて修理中とのことです』
『マイカルを攻撃していた艦隊はどうなったのでしょうか』
『グラ・バルカスはマイカル攻撃艦隊を本体とし、オタハイトより大きな艦隊が差し向けられた様です。入手出来た情報は限られており、詳細については政府発表が待たれます。概要ですが、敵艦隊は日本国海上自衛隊第17護衛隊と交戦し、全滅したとのことです。日本国は敵艦隊に対し、艦対艦誘導弾による攻撃が行われたとの情報が入っています』
『一体どのような攻撃なのでしょうか?』
『詳細は不明です。マイカルでの戦闘については、夕方から特集を組んで放送いたします。また、日本の軍事に詳しい軍属の方をお呼びする予定です』
『日本国自衛隊の被害の程はどうなっているのでしょうか?』
『日本国自衛隊の被害は…なんと0です!』
『神聖ミリシアル帝国も先の大戦ですら多大な被害を受け、かなりの数の艦艇が撃沈、または損傷しています。日本国の被害が0というのは、ちょっと信じられませんね』
『ムー国政府は15時より記者会見を開く予定です。記事の真偽が明らかになるでしょう。繰り返しお伝えします。2月7日、ムー国軍及び日本国海上自衛隊は首都 オタハイト、並びマイカルに侵攻してきたグラ・バルカス帝国艦隊を殲滅しました。関係筋によりますと、この艦隊は本国から派遣された艦隊であるとのことです。世界連合ですらなしえなかった快挙をたった2国間連合で達成したのです!』
テレビから流される聞いたことのないニュース。
あまりの衝撃的な情報に全員固まり、一部の者は立ち上がってテレビを見つめる。
しばらく沈黙が続いたのち、シエリアは呟いた。
「ま、まさかこの事をギーニ議員は知っていた…?」
「ば、バカな…こんな事があってたまるか!戦争によくある欺瞞情報ではないのか!?」
日本国から「80年もの技術格差がある」との情報。
それに先日、陸軍将校のランボールから「海軍が怯えている」との情報を得たばかりであり、このニュースが正しい可能性に拍車をかける。
しかし今まで帝国は不敗であるとの常識、日本国が周辺諸国を支配していないという事実、戦争を仕掛けてきたパーパルディア皇国ですら支配していないという、帝国の常識からすると矛盾した現実が、ムーの報道を欺瞞情報ではないかと疑わせる。
もしこれが正しい情報なのであれば、皇太子殿下への危機となる可能性がある。
それも皇内庁を飛び越えて、帝王府に報告しなければならないクラスの。
しかし欺瞞情報だった場合、敵にまんまと踊らされたと無能なレッテルを貼られてしまう。
「まずは状況確認が必要だ」
「今流れた情報について、本国に問い合わせます」
気を利かせた1人の部下が、シエリアに報告し部屋を飛び出していった。
―神聖ミリシアル帝国 港町 カルトアルパス
世界の様々な情報と物資が集まる港町 カルトアルパス。
その港町でも、特に国同士の情報が飛び交う有名な酒場で、いつも通り酔っ払いたちが話をしていた。
と、その一角で2人の男が向かい合っている一つのテーブルだけがお通夜ムードになっていた。
彼らはイルネティア王国の王子 エイテスと、王都諸侯 ビーリーである。
王子が民衆の集まる酒場で護衛も付けずに何をしていて、なぜそんなに空気が重いのか…
ムー大陸から西側に500㎞程の位置に、北海道ほどの大きい島がある。
この島は、
少し前、この王国はグラ・バルカス帝国に存続を脅かされていた。
ムー国にも近いため補給所として丁度いい、ムー国をある程度牽制出来るうえ、飛行場でも作ればムー国本土に攻撃しやすくなる、という軍事的理由からだった。
エイテスとビーリーは、帝国の脅威から祖国を守るため外交の旅に出た。
ムー国、そして神聖ミリシアル帝国に積極的に働きかけた彼らは、先の先進11カ国会議にて国際社会からのグラ・バルカス帝国に対する非難決議を導き出すに至った。
文明圏外国家の働きで先進11カ国会議で非難決議が出た、これはとてつもない外交戦果…なのだが、決議が出た時には既に祖国は滅ぼされてしまっていた。
「では世界連合は…世界の覇者とも言える神聖ミリシアル帝国は第1戦力を投入し、更に古の魔法帝国の超兵器 空中戦艦を投入したにも関わらず、痛み分けに終わったと?」
「はい。グラ・バルカス帝国がここまで強いとは、完全な想定外です。列強のムーであれば勝てると考えていましたが、ミリシアルでも痛み分けとなると…」
文明圏外国家のイルネティアにとって文明圏国家は強国、列強 ムーに至っては雲の上の国家だった。
神聖ミリシアル帝国は古の魔法帝国に準ずる強さがあり、魔法帝国復活時に唯一戦えるであろう、そんな神の領域ともいえる強さであると、そう信じていた。
そんな神の領域の国が本気を出したのにも関わらず、痛み分けに終わったという事実。
グラ・バルカス帝国の世界征服は阻止出来るかもしれないが、祖国を取り戻す等夢のまた夢。
「はい、ビールだよ!それと焼き鳥に枝豆ね!」
失意に満ち溢れていた2人にのテーブルに、元気のいい娘が旨そうなお酒と料理を持ってきた。
「おお、ありがとう」
「2人とも、顔が暗いわよ?でもうちの料理を食べたらそんな気分、あっという間に吹き飛んじゃうけどね!」
「お気遣いどうも」
「ごゆっくり!」
旅に出てからずっと断酒を続けてきた2人、しかし情報を集めれば集めるほど分かってくるグラ・バルカス帝国の実力。
たまには息を抜こうと酒場にやって来ていたのだった。
「さあ食べましょう」
2人が旨いお酒と料理に手を付けようとした、その時。
「おいおい!始まったぞ!」
大柄のドワーフが大きな声で映像が流されている画面を指さす。
その声に2人もつられて画面の方を見た。
いつも思うが魔信に映像をつけ運ぶという、とんでもない情報量を処理する魔導技術は素晴らしい。
神聖ミリシアル帝国に来て何度もニュースは見ているが、今回はなんだか様子がおかしい。
『臨時ニュースをお伝えします。ムー国政府の発表によりますと、中央歴1643年2月7日、ムー国軍及び日本国海上自衛隊は、ムー大陸東側海上においてグラ・バルカス帝国本国艦隊と交戦、これを撃滅したとのことです!グラ・バルカス帝国本国艦隊に属するとみられる空母機動部隊は、首都 オタハイト並びに商業都市 マイカルへの同時攻撃を試みましたが…』
「おいおい、本当かよ!」
「空母機動部隊を撃滅!?我が神聖ミリシアル帝国でさえなしえなかった大戦果だぞ!一体どれだけの戦力を投入したんだ?戦艦単体では大したことないが、物量で押し切ったのか?」
「し、信じられん!さすが列強2位のムー国だ!」
「静かにしろ、聞こえんだろ!」
酔っ払いたちは流されている映像に釘付けになりながら、自分たちの感想を述べる。
ニュースではムーでも流されていた音声データが公開された。
海戦の概要、敵の喪失数とムー国の被害が説明される。
『ムー国は首都に戦力を集中させていたため、商業都市 マイカルが手薄になっていたのですが、グラ・バルカス帝国は虚を突き、マイカルに主力を集中させました。日本国は各国の民、および邦人を守るため、現地に来訪していた海上自衛隊に対し、グラ・バルカス帝国艦隊の撃滅を指示。日本海軍単独でグラ・バルカス帝国主力艦隊との艦隊決戦にもつれ込んだ模様です。なお、日本国海上自衛隊の護衛艦の損害についてですが、損害は…え?この数字は本当ですか?』
キャスターがうろたえる。
見ていた者たちは何事かと画面に集中した。
『本当に間違ってないんですね。分かりました。失礼いたしました。改めてお伝えいたします。日本国海上自衛隊とグラ・バルカス帝国艦隊は、マイカル沖合にて交戦いたしました。同海戦に参加していたグラ・バルカス帝国艦隊は壊滅いたしました。全艦撃沈とのことです。一方、日本国海上自衛隊の損害は0です。1隻の損害も、1発の被弾もなくグラ・バルカス帝国艦隊を殲滅したとのことです。帝国大学軍事専門家 タイガー氏によりますと、信じられないような大戦果であり・・・・・・』
イルネティア王国王子 エイテスはニュースを見て震える。
日本国の力があれば、蹂躙されたうえ屈辱的な統治下にある祖国を救えるかもしれない!
「ビーリー候!」
「ええ、明日朝一で神聖ミリシアル帝国日本大使館を訪ね、そのあとすぐ日本行きの天の浮き船便を取りましょう!忙しくなりますぞ!」
「ええ、構いませぬ!国民のため、全身全霊で挑みましょう!」
希望の光が見えた。
2人は料理とお酒に手を伸ばす。
久々のアルコールは、疲れ切った2人にとって悪魔的においしい飲みごたえだった。
投稿出来なかった分、一気に書いたので5000超えちゃいました。
来週も多分同じくらいになるかも…
今後のパーパルディアは?
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原作通りに敗北
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更に大敗北を喫す
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