異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
買い換えたパソコンのスペックがそこそこ良いので、最近EDF5(地球防衛軍5)にはまっています。100%とDLCやりこんだら、6も買おうかな。
空爆万歳だ!
それでは本編をどうぞ。
お詫び)タイトルを付け忘れたこと、誠に申し訳ありません。
―グラ・バルカス帝国 レイフォル海軍基地
「何故今まで黙っていた!迅速な情報の共有は戦の基本だろうが!貴様らは儂をなめとるんかぁ!」
帝国東方艦隊司令長官 カイザルの怒号が幹部室に響き渡る。
海軍幹部たちは全員凍り付いているが、1番凍り付いているのは海軍本部から派遣されてきた本部の者たちだった。
本部から派遣されてきた職員らは、軍神と呼ばれているカイザルに怒鳴られ、生きた心地がしない。
「いえ、あまりにも内容が荒唐無稽だったため、まさかこのような…」
グラ・バルカス帝国本国艦隊所属第52地方隊イシュタムは、バルチスタ沖海戦と同時に別動隊として、ムー国首都 オタハイトと商業都市 マイカルに攻撃を仕掛けた。
結果、彼らはラ・カサミ改と海上自衛隊(+財団所属の17護衛隊)と交戦し全滅した。
当初全艦が未帰還だったため理由が判明せず、神聖ミリシアル帝国の空中戦艦によってやられたのではないかと、帝国海軍は全力で調査を始めた。
(ちなみに、グラ・バルカス帝国の諜報員が第17護衛隊がマイカル港から出撃する姿を確認しているが、全員捕まっているため情報が届かなかった)
やがて、ムー国に潜入していたスパイから日本国海上自衛隊によりあっさりと葬り去られてしまった、との情報が入った。
この情報は海軍の上層部に大きな衝撃を与えたが、情報源はたった1人の要人からであり、誤った情報である可能性が指摘された。
情報の精査と更なる情報収集をしていたところ、ムー大陸南東側に展開していた潜水艦が偶然、非常脱出装置を使って漂流していた乗組員数名を発見した。
彼らは酷く衰弱しており、回復後に事情聴取したところ、なんと「日本国海上自衛隊にあっという間にやられた」と、スパイからの情報とものの見事に一致してしまった。
敵の使用した兵器、情報を精査し、対策を考えて、ある程度まとめてから東方艦隊司令長官に報告しようと考えていた。
だが、報告前にムー国のテレビにより本国艦隊が全滅した理由をカイザルが知ってしまった。
しかも運の悪いことに、海軍本部は日本国がイシュタムを全滅させた可能性を知っていたにも関わらず、カイザルに黙っていたこともばれてしまった。
何らかの原因でイシュタムが全滅したことはカイザルも分かっているが、可能性の段階で自分に知らされなかった事に対して怒りが収まらない。
「まあいい…それでは会議を始めよう」
ようやく気分が収まったのか会議の開催を告げるカイザル、その顔は不機嫌そのものだが。
「そ、それでは本国艦隊第52地方隊 イシュタムの全滅に関し、現在までに判明している情報と日本国に関する現時点での情報について、資料をお渡しします」
会議には東方艦隊と監査軍の幹部らが参加している。
彼らの艦隊だけでも、文明圏外国家や第3文明圏程度ならば、十数ヶ国を完封することが出来るだろう。
全員に資料が行き渡ったことを確認すると、本部職員が話し始めた。
「これまで日本国が我が帝国と衝突したことはなく、軍艦の性能は未だよく分かっていませんが、カルトアルパスで行われた先進11カ国会議に参加していた軍艦は機関砲のようなものしか積んでおらず、海戦において然したる脅威ではないと判断されていました。しかし日本国には、更に強力な砲を搭載した巡洋艦が存在することが、多方向からの情報により明らかとなりました」
職員は一度話しを区切ると資料をめくった。
「ご説明いたします。資料の4ページに記載しておりますが、ムー国に潜入していたスパイが、日本国の使用する兵器に関する本を入手致しました。欺瞞情報なのか真実なのか、本部で精査していたところ、先の本国艦隊地方隊全滅という悲劇が発生しました。この件に関し、当初は神聖ミリシアル帝国の空中戦艦が投入された可能性が指摘されましたが、ムー国要人から日本国による攻撃であったという情報を得ることが出来ました。多角的情報から分析したところ、日本国は大口径砲を搭載した艦艇が存在する、という結論に至りました」
「どの程度の口径か分かっているのか?それに大口径の戦艦は存在するのか?砲撃の威力は口径の3乗に比例する。地方隊相手に1発の被弾もない、は流石に欺瞞情報だろうが、1隻の撃沈もない、というのが真実だった場合、彼らはこちらのアウトレンジから正確に砲撃出来る可能性がある、ということになる。全滅したという情報だけでも、日本国は我々と同等に張り合える程の実力があると見ていいだろう」
自分たちと同等に戦える国家の登場、その事に幹部たちの間に緊張が走る。
「あとは対空能力だが、確かイシュタムには空母が配属されていたな?」
「はい、正規空母1、軽空母1が配属していました」
「マイカルに向かったのはどっちなのか分かっているのか?」
「乗組員の証言によりますと、ペガスス級空母が向かったようです」
ペガスス級空母…旧日本海軍の持っていた翔鶴型空母にそっくりな空母。グラ・バルカス帝国の空母での最新型空母である。
「正規空母だけでも、ムー程度の戦艦であれば余裕を持って撃沈出来るほどの攻撃能力がある。もしかしたら彼らの対空能力も、我々と同等クラスかもしれないな」
「地方隊を全滅させれるほどの砲撃能力に、強力な対空能力…同等の戦闘能力であれば、数で押すしかないですな。潜水艦による雷撃でも、艦隊戦を決定づけるほどの働きは期待できない。戦艦クラスを保有していたら、厄介ですな…」
「現時点では、日本国の軍艦で戦艦クラスの艦はどの情報筋からも確認出来ていません」
戦艦の存在を否定され、場の緊張感が少し緩んだ。
「では、どうやって地方隊を落としたのでしょう。巡洋艦…例えば重巡クラスの20センチ砲でも、戦艦は簡単には沈みません。むしろ戦艦から手痛い一撃を貰いかねません」
「…いや、魚雷を使えるのであれば説明がつく。彼らは我々よりも高性能な魚雷を使えるのかもしれない。それを巡洋艦にも積めるのであれば、相手が戦艦だろうと十分戦える戦闘力を持っていることになる」
「魚雷!?…確かにあり得なくはないですな。命中率は低いですが、魚雷であれば戦艦だろうと数本で撃沈出来るでしょう」
グラ・バルカス帝国での魚雷命中率は7%ほどとされており、当たればいいな、程度の兵装である。
とはいえ、1本当たりの破壊力は高く被雷すれば、戦艦でもただではすまない。
「これまで相手にしてきた国家に魚雷を使ってきた相手はいなかった。そのため、イシュタムも油断していた。そこに大量の高性能魚雷が流れてきたとすれば…」
「一度に全滅、例え浮いていてもその状態で艦隊戦は厳しいでしょうな」
納得できる仮説が浮上したところで、本部職員がおずおずと口を開いた。
「しかし、その、未確認情報なのですが…」
「何だ?申してみよ」
「これは、少し荒唐無稽でもありますが、一応信頼できる情報筋から得られた情報です。今から申し上げる情報は、その確度を分析中であり…」
「構わん。早く言え!」
「はっ!資料の最後のページに掲載しています。ムーの本屋で得られた日本国の情報、およびムー国要人から入手した情報になります。上から5段目をご覧ください」
「ふむ……な、何だと!?」
指定された箇所に目を落としたカイザルは思わず声を上げてしまう。
そこには信じられない情報が記載してあった。
護衛艦主要装備
・SSM2(17式艦対艦誘導弾)
飛翔速度 1150km/h
射程 400km
ミサイル重量 700kg
誘導方式 中途航程 INS(慣性航法装置)、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)
終末航程 ARH(アクティブ・レーダー・ホーミング)
「…これはどういう事かね?」
「文字通りの意味です…」
「では、日本国の巡洋艦は400㎞先から誘導でき、当たれば巡洋艦ですら1発で大破に追い込める兵器を配備していると!?更に対空用のものもあり、100㎞以上先から航空機を迎撃出来るというのか!日本国は魔法のような、出鱈目な兵器は無いと聞く。科学でそこまで出来るというのか!そんなSF小説のような事があってたまるか!」
「はい、ですので本件については荒唐無稽であり、現在精査中です」
「しかもなんだ、このイージス艦というのは!同時に何百もの目標を追尾し、12以上を同時攻撃可能?しかも艦同士を連携させると、更なる能力を発揮出来るだと!?このSF兵器の対艦誘導弾の大規模攻撃すら防ぐことが可能?そんなものがあったら……」
幹部はあまりの情報に処理が追い付かず、勢いでまくしたてる。
「もしもそんな兵器があれば、小規模でもある程度数が揃っていた場合、負けるぞこの戦」
カイザルがゆっくりと口を開き、こう告げる。
その言葉に幹部たちは衝撃を受けた。
「仮にこの記載が本当だったとしよう。戦艦を所有しているか否か等関係がない。敵は戦艦の主砲を遥かに超える射程を持つ兵器を、遥かアウトレンジから放つ事が出来るということだ。しかも命中率は高く、航空攻撃も防がれる。しかも対潜能力も非常に高いとの記載がある。完全無欠ではないか…そうなれば補給基地や生産設備を叩くしかないが、当然無防備ではないだろう。もしも、奴らがこの技術をミリシアルやムーに輸出した場合、数の多い彼らが同技術を習得してしまったら、いかに生産規模で押したとしても、分が悪すぎる。ムー大陸が落ちれば、日本も技術流出に気を使っていられないからな。この戦い、長期化すればするほど不利になっていくだろう。奴らの数によっては、短期に圧倒的物量で押せばまだ勝機はある」
たった数隻だけでも艦隊を容易く葬れる、それを繰り返し使用されるだけで、帝国は疲弊していく…あまりにも恐ろしい。
「ほ、本部としても更なる情報精査に努めます!」
「頼んだぞ。欺瞞情報であることを願う」
「ははっ!」
会議が終わろうとした、その時であった。
「失礼します!緊急事態です!」
1人の職員が扉を開けて入ってきた。
「何事だ!」
「先ほど本部より連絡がありました。内容は―」
―神聖ミリシアル帝国 帝都 ルーンポリス
帝都に設置されている情報局、その局長室にて2人の男が話していた。
局長のアルネウスと局員のライドルカ、2人の間には机があり、上には多くの資料が並べられている。
「以上が今回ムーで発表されたグラ・バルカス帝国とムー国海軍、そして日本軍の交戦記録と現在判明している事項です。なお、こちらの資料が情報局員が入手した自衛隊の兵器性能における資料となります。同資料は過去に日本国内で入力され、情報の真偽と日本国の技術で制作可能なのか、様々精査しましたが、今回の戦闘結果を見るに真実であろうと推察されます」
「我が国と日本国の国交樹立以降、部分的に我が軍の性能を上回る兵器を所有していることは分かっていましたが、その兵器群が組織的に使用された時の攻撃力が、まさかこれほどとは…」
ライドルカの発言と資料を見ながら、少し震えた声で話すアルネウス。
「局長、日本はたった数隻を全滅させただけです。我が国も、空中戦艦 パル・キマイラや海上要塞 パルカオンを使用すれば、日本国と同じ事は可能なのではないでしょうか」
「確かに可能でしょう…ですが、それらは古の魔法帝国の兵器群、別格であることは当然です。それらを我が国が作ることが出来れば良いでしょうが、我が国は作れない。そして我が国の魔導戦艦では、日本国と同じ事は出来ないのです。悔しいが、兵器単体の性能は日本国の方が上と言わざるを得ない。この魔法文明の頂点である我が国が、強さにおいて負けているのですよ!」
少しだけ感情的になるアルネウス、お茶を一口飲むと話を続けた。
「ライドルカ、今回の交戦戦績を見て君はどう思う?」
「え?はっ!日本国は兵器単体性能において、グラ・バルカス帝国を超えている、ということでしょうか?」
「半分正解だな。このキルレシオ、日本国艦艇の被害は0だ。0というところがすごく大きい。仮に日本国が1隻でもやられていたら、1発でも被弾していたら強さの上限を図ることも出来ただろう。しかし被害0だと、上限の強さが読めない。これは極論だが、日本国にとって文明圏外国家の船も、元列強のパーパルディア皇国の魔導戦列艦も、グラ・バルカス帝国の軍艦も、そして神聖ミリシアル帝国の魔導戦艦ですら等しく、何隻集まろうが関係なく退けられるのかもしれない」
「そんな…」
アルネウスの適格な推察に、ライドルカはショックを受ける。
「それに今回、ムー国のラ・カサミが日本国で改修を受け、大幅に性能が上がっていることも気になる。かつてのムーだったらあっさりとやられていたはず、それが死闘を繰り広げ、日本国の援護があったとはいえ、実質1隻で多数の艦艇を退けている。日本国からムー国へどのような技術移転があったのか、全力で調べる必要があるな。仮に技術移転後にムーがグラ・バルカス帝国の手に落ちれば、帝国が日本の技術を吸収してしまったら、更に手の施しようが無くなってしまう…とんでもないことになってしまうぞ」
日本の兵器はその性能から、敵国だけでなく友軍からも深刻な脅威として認識されていくことになる。
―日本 サイト -8100
新藤はいつもの執務室ではなく、総合管制室でメインモニターを見つめていた。
もうすぐ第2文明圏と連携したバルクルス基地攻撃作戦が始まる。
これを失敗するわけにはいかない。
「これがグラ・バルカス帝国にとって、長い終わりの始まりになるだろうな…」
「折角帝国の諜報員が自衛隊に関する兵器の資料を入手して気づくきっかけは幾らでもあったのに…勿体ないですね」
「気づいた時にはもう遅い。既に崩壊が始まっているだろうからな」
と、1人の職員が新藤に話しかけてきた。
「新藤管理官、お話し中のところ失礼します。こちらを…」
その手には1枚の紙が握られている。
その紙を見た瞬間、新藤は誰からなのか理解できた。
「ああ、ありがとう」
紙を受け取り文面を読んでいく。
しかし次の瞬間、新藤の顔からさっと血の気がなくなった。
「どうしましたか、管理官」
「……」
暫くフリーズしていた新藤だったが、ふと我に返ると、
「作戦開始時刻は!?」
「13:30からです」
「まずい。まずいぞ!」
狼狽える新藤に松本も困惑する。
「管理官、落ち着いてください。深呼吸です、深呼吸」
「す、すまない。今諜報部から情報が入った。内容は今日13:00過ぎにグラ・バルカス帝国の皇太子、グラ・カバルがバルクルス基地に視察に行くというものだ」
「ということは今頃、バルクルス基地には…」
「敵国の皇太子がいる。怪我で済めばいいが、もし重症や死亡してしまったら取り返しがつかなくなってしまう!」
―グラ・バルカス帝国 バルクルス基地
「まもなく殿下が到着致します!」
破壊尽くされた最前線基地 バルクルス。
そんな時に皇太子殿下が急遽来訪する事となり、基地の復旧よりもまずは空港の復旧が急がれた。
なんとか空港とそこから見える位置の体裁を整えられたことに、軍団長 ガオグゲルはホッとする。
日本国の攻撃は正確に基地を破壊した。
正直再度攻撃があれば、残念だが防ぐ手はない。
あまりにも危険すぎるため、「現状の警戒態勢では安全を保障出来ない」と、上層部に報告した。
だが、上は応援部隊を派遣し陸軍兵力を大幅に増強、対空、対地施設と周辺の航空基地の強化を行うと伝えてきた。
ガオグゲルは日本の攻撃力は圧倒的であり、幾ら数を増強しても基地の警備体制は確保できないと意見具申したが、そんなわけないと一蹴された。
(今日だけでも乗り切ってくれ)
そう祈ることしか出来ないガオグゲルの前に、皇太子を乗せた飛行機がゆっくりと着陸した。
そして遥か遠く、ムーのキールセキの基地では、第2文明圏の総力を挙げたバルクルス基地攻撃作戦が始まろうとしていた。
現実では、17式艦対艦誘導弾はまや型護衛艦 2番艦「はぐろ」と、もがみ型護衛艦にしか搭載出来ませんが、この世界では改修工事の末、あきづき型護衛艦以降の艦艇に積めるようになっています。
それと来週の金曜日に、少し外伝を投稿しようと思っています(未定)。
今後のパーパルディアは?
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原作通りに敗北
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更に大敗北を喫す
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