異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

遂にUAが6万を超えました!!
まさかここまで読んでいただけるとは…

それでは本編をどうぞ。


臨時会議

―日本 首相官邸

グラ・バルカス帝国の進軍を確認したため急遽開催されることになった臨時閣議、防衛大臣と防衛省幹部が説明を始めた。

 

「改めて詳しく説明します。昨日、グラ・バルカス帝国本国とレイフォルの各海軍基地から多数の艦隊が出港したことが分かりました」

「現在地は?」

「残念ながら特定出来ていません」

「艦艇数は?」

「駆逐艦が大多数を占めていますが、総合計1975隻です」

「以前の想定より1.5倍以上だな…」

 

総理は、以前防衛省が予想していた艦艇数より1.5倍以上多いことに戦慄する。

 

「第2次世界大戦時のアメリカの様に、タンカーを無理やり短期間で空母に改装したようですので、防御力は低く足は遅いと推測されます。また、駆逐艦は大量生産状態にあるようで、信じられない速度で建造されています」

 

戦時体制に入ったグラ・バルカスは民間企業からタンカーを徴収、空母に改造したり、駆逐艦を大量生産したりと急ピッチで戦力を拡大させていた。

その増産速度は当初の予想を遥かに上回っていた。

 

「これほどの大艦隊が来るのか…!防げるだろうな?」

 

圧倒的な数の暴力は、いくら技術格差があるとはいえ突破されるのではないかと不安を覚えさせる。

 

「この時のために我々は存在しているといっても過言ではありません。必ず防ぎきります」

「意気込みは良いが、現実問題はどうなのだ?」

「我々としても不安がないわけではありません。ですので、財団に助力をお願いたいのです」

 

その発言と同時に防衛省幹部らが新藤に向けて頭を下げた。

 

「日本国を守るため、力を貸してください」

「勿論ですとも」

 

新藤は即答した。

 

「本土に攻撃をしようなど、財団に宣戦布告をしているのと同意義。本気で相手させて貰いますよ」

「現在、防衛省にて作戦を協議中、決まり次第こちらに連絡が来る手筈になっています」

 

不意に総務大臣が立ち上がった。

 

「我が国転移後初の本格的な軍事的危機といっても過言ではない!80年前の本土侵攻で沖縄は攻撃され、多くの住民たちが地獄を見た。しかし、我々には80年をかけて培った技術がある。決して日本国民を、1人たりとも敵の手によって死なせてはならぬ。総理、よもやこのような国難に兵器の使用制限等と言いませぬな?」

「…当然だ!武器の使用制限は行わない!陸海空、3自衛隊にあってはその持てる力全てをもって、日本国を防衛せよ!各関係機関は全面的に自衛隊に協力するよう関係省庁に通達、全国力を持って日本を守り抜くぞ!」

 

総理は力強くそう宣言した。

 

 

ーサイト-8100

「防衛省との打ち合わせはどうだった?」

「順調にいきました。既に情報は総合管制室に送っています」

「そうか。お疲れさま」

「いえ、管理官の代打として仕事を全うしてきただけですよ」

 

労いの言葉に有田がそう答えると同時に扉がノックされた。

 

「管理官、失礼します」

 

入ってきたのは総合管制室の田島だった。

 

「ああ、有田秘書。防衛省との会議、お疲れ様でした。お陰でこっちも準備が進みます」

「いえ、仕事をしてきただけなので。それでどうされたんですか?」

「管理官、報告に参りました。1件目ですが、各機動部隊の配置が決まりました。先ほど配置図を端末に送らせていただきました。また敵艦隊の予想進軍ルートも記載されています」

「分かった。今から確認しよう」

「そしてもう1件です。今朝、リーム王国に向けて飛ばされた無線と魔信を傍受しました。それぞれミリシアルとグラ・バルカスからでした」

 

普段は傍受内容をわざわざ報告してこないため、余程大事な内容なのだろう。

 

「まずはグラ・バルカスからです。1か月後、港に駆逐艦52隻、補給艦12隻を入港させるとのことです」

「駆逐艦であればあまり問題ではないな。ミリシアルからは?」

「ミリシアルはリーム王国に対し、『貴国が先日行ったグラ・バルカス帝国艦艇の受け入れ選択に是正を求める。攻撃用、親善訪問用という振り分けは詭弁である。万が一、貴国に親善訪問したグラ・バルカス帝国艦隊が帰国することなく他国を攻撃した場合、グラ・バルカス帝国の同盟国と判断し神聖ミリシアル帝国は貴国に宣戦を布告する』と通達しました」

「ほう。ミリシアルはかなり容赦がないと聞く。リーム王国はかなり苦悩することになるだろうな」

「調べによると、ミリシアルから一度敵と認定された場合、商船、軍艦関係なく撃沈され、中央世界で行商を行っている国民全員が拘束されるそうです」

「想像よりも容赦がないな…だがそれぐらいしてくれた方が、こちらとしてはありがたい」

 

端末で確認していた新藤はふととある事に気づいた。

 

「ロデニウス南方に展開している部隊が少ない気がするが大丈夫か?」

「一応海上自衛隊第4護衛隊群が展開していますし、ナハナート王国には空自や陸自も展開し迎撃態勢を整えているので大丈夫かと」

 

自信満々に答える田島、だが新藤はどうしても不安が拭えなかった。

 

「念のため、クイラ王国の南方100km海域に機動部隊 ほ-00 を投入しよう」

 

あまりの決定に有田も田島も驚愕する。

 

「ほ-00 を実戦投入ですか!?ほ、本気ですか、管理官!」

「ああ、本気だ」

「あれは新たな財団最後の切り札ですよ!何かあったら…」

「グラ・バルカス程度で支障が出るなら、今後の魔帝戦では使えんだろう。それにあくまで念の為だ。準備しておくに越したことは無い」

「確かにそれはそうですが…」

「もう一度言う。機動部隊 ほ-00を指定海域に派遣せよ」

 

新藤はグラ・バルカス艦隊の迎撃に、機動部隊 ほ-00の投入を決定した。

これがこれからの戦闘を決定づける判断になるとは誰も思っていなかった。

 

 

―神聖ミリシアル帝国 帝都 ルーンポリス アルビオン城

日本がグラ・バルカス艦隊の進攻に気づき対応している頃、ミリシアルも緊急会議を行っていた。

 

参加者の面子は以下の通り

・皇帝 ミリシアル8世

・軍務大臣 シュミールパオ

・国防長官 アグラ

・対魔帝対策省古代兵器分析戦術運用部長 ヒルカネ

・対魔帝対策省(以下上文)パル・キマイラ2号機艦長 メテオス

・情報局長 アルネウス

・外務大臣 ペクラス

・外務省統括官 リアージュ

 

「それでは只今より会議を始めます」

 

今回の司会進行役を務めることになったアルネウスが会議の開催を宣言した。

軍と情報局が総力を挙げて掴んだグラ・バルカスの動向について、報告が始まる。

各人の持つ石板に、魔法によって文字が浮かび上がった。

 

「先刻、文明圏外国家 メーズに設置した魔導海上レーダーに多数の人員が海上を進んでいることを探知しました。より詳細な調べにより、その規模や魔力の無さ、速度からグラ・バルカス帝国の艦隊に間違いありません。艦艇数1500以上の大艦隊が中央世界東側海域を速度13ktで東進しています」

「バルチスタ沖海戦の艦艇数を上回るのか!」

「一体どうやってこれほどの大艦隊が、中央世界南側海域を通過したのだ!」

 

会議室に飛び交う質問にアルネウスは答えていく。

 

「艦隊はこちらに察知され攻撃されないよう、中央世界を大きく迂回した模様です。また、今回発見された艦隊は情報局が想定した規模を遥かに上回るものです。これらの艦隊が全て日本国への攻撃に当てられた場合、分析によるとグラ・バルカス帝国艦隊にも相当数の被害が出ますが、おそらく日本の首都は焼かれ、多くの軍艦が撃沈、撃破されます」

 

国防長官 アグラが手を挙げて質問した。

 

「奴らの補給はどうなっている?機械式動力の艦といえどもあれ程の大艦隊、補給艦のみでも補いきれないだろう?」

「一次補給は本国、またはレイフォルで行ったと仮定致します。既に第3文明圏国 リーム、ニューランド島にある文明圏外国家 チエイズ、同島のグルートが実質的にグラ・バルカス帝国に降っております。彼らはここに港を建設しており、補給基地も用意している為、これらの基地に寄ると推察されます」

「補給も可能か…」

 

以前、神聖ミリシアル帝国はグラ・バルカスによる日本国侵攻が予想された時、日本国への攻撃は静観し、帰投してくる艦隊を攻撃することを決定した。

この決定は皇帝陛下の決定であるため、これを無視して艦隊を派遣することは出来ない。

それに、仮に艦隊を結成し派遣しても、追いつける可能性は限りなく低いだろう。

 

ミリシアル8世が手を挙げると、場が静まった。

 

「このままでは日本国は再起不能になると?」

「はい。今回のグラ・バルカス帝国の艦隊はそれ程の大艦隊です」

「仮にこの艦隊を撃滅した場合はどうなる?」

「流石にこれほどの艦艇数、まだ本国艦隊が何隻あるのか詳細には判明しておりませんが、撃滅された場合、再建には相当な日数が掛かるものと思われます」

「ふむ…流石に友好国を見捨てたと他国から言われる訳にもいかぬ。最低限のことはしておくべきか…日本国には最新のグラ・バルカス帝国艦隊の規模を進行方向を教えてやれ。軍は…アグラよ、どうだ?」

「はっ!残念ですが間に合いませぬ」

「やはりか…では軍部は敵艦隊の帰投時に迎撃出来るよう備えろ。それとヒルカネ」

「はっ!」

「空中戦艦パル・キマイラの出撃は間に合うか?」

「現在整備中であります。部品取替え、燃料補給、弾薬補給を終えた後派遣したとしても、日本本土に着く頃までに間に合うかどうか…といったところです。仮に東京に向かうとして、グラ・バルカス帝国が想定以上に補給に時間を掛けるか、ロデニウス大陸を南から大きく迂回するのであれば間に合いますが」

「良い。1機でいいので派遣してやれ。ただしメテオスよ」

「はっ!」

「今回は日本と世界にミリシアル帝国は助けに来る、という事を見せる事が目的である。日本国にミリシアルの力を見せつけるいい機会となろう。ただ初号機の様に、無闇に近づいて落とされるような事は許さぬ。決して無理な戦闘は行わず、時間を掛けてもじっくり攻撃せよ。燃料、弾薬が少なくなってきた場合、無理せず確実に帰投せよ。次にリアージュ」

「はっ!」

「文明圏外国家の各国に、グラ・バルカス帝国の艦艇を1隻でも撃沈すれば、5級対象国から3級対象国へ待遇を引き上げると通達せよ。それとニューランド島各国には、チエイズとグルートに攻撃を仕掛けるなら、神聖ミリシアル帝国から後に支援があると伝えよ。反抗的な態度を取る国家は潰さねばな。リームはミリシアル帝国が直に潰せ」

 

ミリシアル帝国の外交には等級が存在し、列強は特級国家、先進11ヶ国及び中央世界は1級国家、第2文明圏は2級国家、第3文明圏は3級国家、文明圏外国家は4級国家、そして文明圏外国家かつ第3文明圏よりも外側の国は5級国家と区別されている。

つまり5級国家は最低クラスなのだ。

そんな国を、グラ・バルカスの艦艇を1隻沈めただけで、第3文明圏と同じ扱いをするという。

 

そんな常識からぶっ飛んだ指示に、流石のリアージュも驚いた。

 

「よ、宜しいので?」

「良い。日本国の登場により、近い将来現在のパワーバランスは壊れる。文明圏外国家を使える時に使わんとな。それと東方国家群の冒険者ギルドに対し、敵艦に導力火炎弾か魔導砲を1発でも叩き込めば、ミリシアルが褒美を与えると伝えよ。身分、門地は問わぬとな。特に、チエイズとグルートのギルドには攻撃を当てた場合、神聖ミリシアル帝国の第3級市民権を与えると伝えよ。海賊でも良いと付け加えるのだ」

「はっ!直ちに!」

 

神聖ミリシアル帝国は様々な策略を張り巡らせるのだった。

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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