異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

どうやら某大統領が戦艦を建造したい、と言っているらしいですね。
戦艦1隻作るより、護衛艦とイージス艦を数隻生産した方が効率良いと思うんですがね…

それでは本編をどうぞ。


防衛戦開始

―サイト-8100 総合管制室

「第1先遣隊の全滅を確認。現在、機動部隊援護の元、救難艦が海域へ向かっています」

 

グラ・バルカス帝国海軍第1・2先遣隊、計440隻はロデニウス大陸南方海上で、海自の潜水艦艦隊とBP-3C 70機、そしてF-2 35機の攻撃により全滅した。

 

「今のところ、順調そのものですな」

「だが気を抜くなよ。まだ70%も艦隊は残っているからな」

「分かってますよ。任せてください」

 

新藤の注意に松本が胸を張って答える。

 

「このままのペースですと、敵本隊は1日後にニューランド島で補給。数時間後に再度侵攻を始めると思われます」

「よし。これで暫くは休めるな…」

「報告!無線傍受しました。本隊より本国へ…解読成功。内容を読み上げます『発 グラ・バルカス帝国海軍本隊、宛 特殊殲滅作戦部 超重爆撃連隊の出撃を要請する』とのことです」

 

その報告にほぼ全員の頭に?マークが浮かんだ。

 

「特殊殲滅作戦部 超重爆撃連隊?聞いたことないな」

「情報部のサーバーで検索してみます。…ヒットしました。詳しい情報はあまりありませんが、一つ分かっているのは、大型爆撃機による都市への大規模無差別爆撃を行う部隊のようです」

「WW2のアメリカの様な事をするってことか!?」

 

その推察に部屋中の空気が一気に張り詰めた。

 

「偵察衛星ですぐに全ての飛行場、並びに付近の空域を調べろ!」

 

―数分後

「帝都近くの空軍飛行場で、多数の大型爆撃機が暖機運転に入っているのを確認しました。メインモニターに表示します」

 

主任オペレーターがキーボードを操作すると、モニターに衛星写真が表示された。

 

「これがグラ・バルカスの超重爆撃機 グテゥマウンですね」

「…いやこれ、富嶽にそっくりだな」

 

誰かがモニターを見てそう呟いた。

そう、グテゥマウンは日本の幻の爆撃機、富嶽に瓜二つだったのだ。

 

「性能は?」

「残念ながら分かりませんが、もし富嶽に求められた性能だった場合、上限高度は15000以上、最高速度780km/h、航続距離は19400kmかと」

「バ、バケモノ性能だな…」

「核兵器の運用は可能なのか?」

「スペック上は可能ですね」

「ルートは?」

「安全に飛行するならば、と言ってもこの高度ではまともに迎撃出来るのは日本だけなので、あり得るルートとしては、ムー上空を通過しリーム王国を経由して、新日本海(転移後の日本海の事)から侵入してくると思われます」

「既に防衛省はF-15J 20機が準備中、更にF-15J 80機とF-2 50機に援護に向かうよう指示しました。また、F-2 15機とBP-3C 40機が対地爆装中、全機撃墜後にリーム王国内に設置されたグラ·バルカス帝国の最前線基地を攻撃するとのことです」

 

防衛省から迎撃作戦を聞いた新藤はとある命令を出した。

 

「空自がリーム王国を攻撃した後、付近の潜水艦から基地へSLBMを撃ちこんでおけ。弾数は幾らでも構わん」

「い、良いんですか?」

 

あまりの容赦の無さに流石の松本でも若干引いた雰囲気で言った。

 

「日本に媚びを売り、そのくせその恩を忘れてグラ・バルカスに寝返った挙句、日本を攻撃して民間人に被害が出るのを厭わない国なんて残す必要はない。宰相ら親日派は保護しているから交渉も遥かに楽だし、何ら問題はない」

 

新藤は冷たく言い放つ。その冷酷さには静かな怒りが伺えた。

 

数時間後―

予めリーム王国基地に駐機していた陸軍航空隊、そして合流した超重爆撃連隊、計548機は日本本土を攻撃するべく出撃*1した。

同時にリーム王国海軍基地から第44任務部隊 44隻が出撃。

それに呼応し、グラ・バルカスに脅され出撃させられたリーム王国のワイバーン部隊がパーパルディア皇国を攻撃し、多少の被害が出てしまった。

 

だがそこまでだった。

陸軍航空隊と超重爆撃連隊、計548機は日本の領空に侵入する前に、F-15JとF-2 計150機の盛大な歓迎により日本海上空で全滅。

そして第44任務部隊は、領海から出た瞬間にF-2 15機から発射された対艦誘導弾 60発により海の藻屑と化した。

お返しと言わんばかりに、対地爆装したF-2 15機が対空レーダー、対空陣地、滑走路、格納庫に管制塔を吹き飛ばし、更にBP-3C 40機による無誘導弾による絨毯爆撃によりリーム王国基地は壊滅。

この時、アンテナが設置されていたが為にリーム王城(セルコ城)も爆撃対象となり、大部分の王族や臣下毎潰された。

 

だが、国王 バンクスは悪運強く巻き込まれなかった為に更なる地獄を見ることとなる。

 

本土を攻撃され怒り狂ったパーパルディア皇国は、リーム王国の王都にワイバーンロード 230騎と戦列艦 43隻を派遣し攻撃、王都は火の海に包まれた。

目の前で自分の全てが燃やし尽くされ絶望していた彼は、遂に運にも見放されたのか遥か上空から降ってきた超音速の物体の直撃により跡形もなく姿を消した。

 

そう財団の潜水艦が放ったSLBMである。

 

基地には10発ものSLBMが飛ばされたが、リーム王国にとって記念すべき1発目の着弾地点が丁度彼が座り泣き叫んでいた場所だった。

 

 

―サイト-8100 総合管制室

「リーム王国基地の壊滅を確認。これで最前線基地は無くなりました」

 

部屋中に安堵の空気が流れる。

だが、一部の幹部たちは少し違和感を抱いているようだった。

 

「わざわざ第44任務部隊を本隊と別々に動かす必要は無いはずだ。何故このタイミングで出撃させたんだ?」

「確かに気になるな。まるでこちらの目をわざと引くように動いたような…」

「な、何だって!?」

 

突然主任オペレーターが立ち上がると、作戦本部にすっ飛んできた。

 

「報告します!グラ・バルカス帝国本隊はニューランド島で補給せずそのまま東進している模様です!」

「あそこで補給しなければ日本本土を攻撃することは出来ん。一体何を考えているんだ…?」

 

幹部たちがあーでも無いこーでも無いと考えていると、1人がふと思いついたかの様に話し始めた。

 

「あの周辺で日本と関係があり、かつ補給せずに攻撃出来るとすれば…敵の目標はナハナート王国ではないでしょうか」

「「!?!?」」

 

幹部らに衝撃が走った。

 

「あり得なくはないが…今のナハナートには最低限の物資と第4護衛隊群しかいないぞ!1500隻以上で突撃されたら確実に甚大な被害が出る!」

「近くに機動部隊はいないのか!?」

「ダメだ。とてもじゃないが追いつける距離にはいないし、仮に追いついたとしても1500隻も相手出来る訳がない!」

 

全員の顔からサーっと血の気が引いていく。

ふと松本がメインモニターを見つめる新藤の元に行くと突然頭を下げた。

 

「管理官!機動部隊 ほ-00であれば確実に間に合いますし、撃滅も可能です!どうか ほ-00のナハナートへの派遣を!」

 

機動部隊 ほ-00は最新鋭かつ、魔帝戦の為に作られた財団の切り札の一つ。

その指揮権は最高管理官である新藤しか持っていない。

暫く黙っていた新藤だったが、松本の方を向くと一言尋ねた。

 

「何故?」

「え?」

「何故派遣しなければならないんだ?」

「……」

 

予想外の質問に松本は思考が停止してしまう。

 

「我々はあくまでも日本本土を守れれば良いだけだ。どうして他の国まで面倒を見なければならない?」

「確かに財団にとって利益がある行動ではありませんが…」

「利益があるかどうかじゃない。財団に損害が出るか出ないのか、それだけだ」

 

更に新藤は畳みかける。

 

「最近は戦争なり防衛なりで忘れかけているが、本来我々はアノマリーを確保、収容、保護していれば良いんだ。本土を攻撃されたら収容違反が起きる可能性があるから仕方なく相手していただけで、わざわざ他国を守る必要はない。違うか?」

 

新藤は真顔で淡々と松本に告げる。

管理官は確かに間違っていない。本来であれば国同士の争いに武力介入する事すらありえなかった。

 

「財団は困っている国があったら介入してお助けしますよ、という善意なお人好し集団では無いことを忘れてはいないだろうな?」

 

返す言葉も無い、とはこの事か。松本は唇を嚙み締めた。

 

「…だが、もしナハナートが攻撃されたら親日派の国が減るうえ、基地を建設している国は防衛力の増強か撤退を求めるだろう。更に自衛隊にまで被害が出たとなると国防どころではなくなる。そうなれば必然的に我々の仕事が増える訳だ。自分の身は自分で守れ、とな。ただでさえ大変な状況なのに、それだけは御免蒙りたい」

 

その言葉に松本はハッと顔を上げる。

 

「管理官、ということは…」

「今回ばかりは特別だ。機動部隊 ほ-00をナハナート沖に急行させろ!本隊を必ず叩け!」

 

 

―機動部隊 ほ-00 旗艦

機動部隊司令は艦橋の見張り所から夜風に当たりながら、飛行甲板を眺めていた。

 

「司令、こんな所でどうされたんですか?もしかして司令自ら見張りですか?」

 

ふと後ろから冗談めいた口調で声が掛かる。

振り返ると河野艦長が笑いながら立っていた。

 

「いやなに。少し感慨深くなっただけだ。この艦を、いやこの機動部隊を指揮できることがな」

「お前らしくないぞ、阿部。感慨深いなんて。昔はもっと感情に疎かったじゃないか。いつからそんなに物思いに耽るようになったんだ?」

「お前こそ任命された時のあの顔は面白かったな。数十年一緒だが、あんな顔は初めてだ」

「やめろ!恥ずかしい…」

 

ははは、と2人が笑っていると、一人の通信員が扉を開けて見張り所に入ってきた。

通信員はピシッと敬礼した後、報告を始めた。

 

「司令、艦長、作戦司令本部より連絡です。ナハナート王国に向かっている本隊を攻撃せよ、とのことです」

「戦う事になるとは思っていたが、まさかナハナート沖とはな」

「戦場は動き続ける。臨機応変に対応する為の実践訓練だと思えば良いだろう。少し数が多すぎる気はするがな」

 

阿部はそう言うと艦橋に入って無線を手に取った。

 

「機動部隊 ほ-00の全艦に告ぐ!目標はナハナート王国に進路を変えた。だがこれらを取り逃がせば後に必ず障害となる。必ずやこれらを叩き、これ以上戦火が広がる事を防ぐのだ!全艦、最大船速!」

 

機動部隊 ほ-00(計13隻)は、35kt以上の速さでナハナート沖に急行する。

 

 

―グラ・バルカス帝国連合艦隊 グレードアトラスター

艦橋において司令長官 カイザルと、艦長 ラクスタルは軍本部から届いた連絡を読んでいた。

 

・リーム王国基地から出撃した陸軍航空隊及び超重爆撃連隊は壊滅、同基地も壊滅した

・敵に被害はほとんど与えられていないと思われる

 

上記の文章だけでも頭が痛くなるのだが、更に帝王府より「日本国へ確実にダメージを与え、降伏乃至戦闘の意思を排除せよ」との通達があった。

現場と上層部の乖離、そして既に25%程の被害が出ているにも拘わらず相手に1発もダメージを与えられていないという現状。

帝国が投じ、そして失ったものがあまりにも多すぎる。とても後には引ける状態ではないのだ。

 

「やるしかないのか…」

 

カイザルはそう呟くと目を瞑り、精神を集中させる。

少しして目を開いた。その目には覚悟の意思が宿っている。

 

「ラクスタル艦長」

「はっ!」

「奴らは先遣隊を葬り、本土の超重爆撃連隊並びに駆逐艦を主体とした艦隊を全滅させた。本部の想定が最も最悪な形で当たってしまったという事だ。しかも、おそらく被害を全く与えられていないというではないか」

 

軍本部から伝わってくるあまりにも衝撃的な連絡は、まぐれや偶然等の域を遥かに超えたものであり、艦隊司令部にも衝撃が走っていた。

もはや艦橋に日本国を侮る者は誰一人としていない。

 

「我らはユグド*2で1番の最強国家、グラ・バルカス帝国だ。ただではやられんぞ!」

 

軍人は命令に忠実である。帝王府が死ねと言えば死ぬ。

やれと言われれば、どんなに困難な命令であってもやらなければならない。

軍神と言われるカイザルが絶望せず前を見続ける、その姿は他の幹部たちの心に希望の光を灯した。

艦橋の指揮が再び高まったのを確認すると、カイザルはラクスタルにこそっと話しかけた。

 

「ラクスタル艦長、日本国に味方をしたナハナート王国を落とすことは軍事的な意味はあまりないが、政治的意味合いはかなり大きい」

「帝国に歯向かい、日本の味方に付いたにも関わらず、国土を灰にされたとなると、今後日本に味方をする国も少なくなりましょう」

「ああ。今回はナハナートを叩くことに全力を掛ける。現実的に日本国本土へ刃は届かん」

「敵は間違いなく強力です。帝王府の思惑との乖離はあるでしょうが、現実的に考えて致し方ありません」

「艦長、次が我々の…いや、我が艦隊の死に場所となるかもしれん。すまん」

「軍に拝命した時から、覚悟の上です」

 

彼らはその使命を全うする為、全力を尽くすことを心に誓った。

 

 

―機動部隊 ほ-00

「早期警戒機より情報来ました。距離400、数1500以上の大艦隊です。30ktでナハナートに向けて侵攻中」

「もうすぐ作戦開始時刻だな…」

「続いて本部より連絡です。グラ・バルカス艦隊よりも西方200km海域上空に神聖ミリシアル帝国の空中戦艦 パル・キマイラが1機展開中。日本から要請が入るまで待機しているとのこと」

「600km先か…BVRAAM(長距離空対空ミサイル)さえ使わなければ当たることは無いだろうが、少し気を付けておこう」

 

その後も最後の確認をしつつ、開始時刻を待つ。

そしてその時はやってきた。

 

『ただいまより、午前0時ちょうどをお知らせします』

「時間です」

「ああ、分かった」

 

阿部は少しの間目を瞑ると、静かに無線を手に取った。

 

「こちら機動部隊 ほ-00 旗艦より作戦司令本部へ、

空母 ()()() 攻撃を開始する!」

*1
それぞれの目標は福井県あらわ市と名古屋であった

*2
グラ・バルカス帝国が元居た世界




ということで1番自分が書きたかった、空母 しなの の登場です!
と言っても自分が満足しているだけなんですが…
(実は一つ前の話にアナグラムとして登場していましたが、気づいた方いる?)

信濃は大和型戦艦の3番艦、空母不足を解消するために戦艦から空母に改装された艦艇で、1945年当時、世界最大の空母でした。
ですが、横須賀から呉への移動中に潜水艦 アーチャーフィッシュの雷撃により日の目を見ることなく撃沈された悲劇の空母です。

本作では、彼女はもう一度この世界を守る為に立ち上がりました。
次回、姉妹喧嘩勃発、お楽しみに!


―以下、独り言ですので気になる方のみお読み下さい。
日本の戦艦と言えば、大体の方は大和や武蔵を思い浮かべるでしょう。
詳しい方なら、長門や陸奥、金剛、扶桑、etc…色々ありますね。

空母と聞かれると、加賀、赤城、龍驤、翔鶴、大鳳、etc…

正直ロマンがあります。
もう実際に見ることは出来ませんが、彼女たちとその乗組員の方々のお陰で今の日本があります。

World of Warships(wows)では、信濃も実際に登場しており、乗ることが出来ます。
まぁ私は持っているだけで使いこなせないんですが、ゲーム内では活躍の機会が無かった鬱憤を晴らすかのように、猛威を奮っております(笑)

たまに戦って散っていった英霊の方々を無駄死にだと言ったり、非難する方々がいます。
ですが、彼らが戦わなければ日本は今よりも小さいか、最悪存続していないことでしょう。
彼らは自分たちの為に戦っていた訳ではありません。
本土にいる大事な人、家族や親友、恋人を守る為に命をかけて戦い抜いたのです。
そんな方々を非難する権利は安全に暮らしている自分たちには無いと思います。
彼らを非難出来るのは、同じく国の存亡が掛かった時に最前線に立てる人達だけです。
そして同じ状況になった時、本当に非難出来るのでしょうか。自分は出来ません。
近いうちに知覧まで行こうと思っています。
自分より若い人達がどのような思いで飛び立っていったのか、知りたいのです。

ここに書いたのは自分が思っていることです。
反論や違う意見もあると思いますが、それは心に留めておくか、自分で作品を書いてください。

今回の独り言は、出来れば感想欄で触れない様にお願い致します。

最後まで独り言に付き合って下さった方、ありがとうございました。
今後も本作品をよろしくお願いします。

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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