異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
もうあと10日で2025年も終わりです…え、早ない?
あ、最初に言っておきますが今年は(多分)クリスマスにTaleは投稿しません(おそらく)。
気が向いたらするかも…?
では本編をどうぞ。
「こちらがしなの の艦橋になります」
「おお、広いな…」
しなの の艦橋は広々とした作りであり、全面ガラス張りで見晴らしがよい。
艦橋の外には見張り台があり、片方は大海原を、もう片方は眼下の飛行甲板を見晴らせる。
「我々が乗ってきた回転翼機がおもちゃの様に小さいな…」
「ステルス性を高める為、艦橋はあまり高くないですがね」
「だがこんなに船体が大きいとレーダーに探知されやすいのでは?」
「この しなの は、最新技術を用いて様々なレーダーに探知されにくいようになっており、16km先でも見つかりません。まぁこの世界では50kmで見つかるんですがね…」
「転移前の水平線は16kmだったんですか?」
「ええ」
そんな話をしながら艦橋から飛行甲板に移動する。
「しなの の搭載機数はどれくらい何ですか?」
「今回はおよそ450機程搭載していますね。お恥ずかしい話ですが、主力戦闘機はつい最近量産体制が整ったばかりでして、まだ余裕があります」
「4、450でもまだ余裕があるのか!?」
グ帝のペガスス級空母でも75機程、この空母は未完成ながら正規空母6隻分に匹敵しているらしい。
「さ、最大搭載機数は…?」
「最大では600機まで搭載可能です。実際には、対潜ヘリや対潜哨戒機、早期警戒機等を積んでいますので、攻撃機は500機程載ります」
対潜哨戒機やら早期警戒機やら、我が国では構想にすら至っていない機種もあるらしい。
「あの、自分からも質問してもいいですか?」
「お付きの方ですね。もちろんです、どうぞ」
「あの艦橋の近くに設置されている12糎噴進砲みたいな物は何ですか?」
「あれですか?あれはSeaRAMという近接防空ミサイルです。敵の航空機や対艦誘導弾を迎撃する為の最終迎撃システムです」
「そうなんですね。どれくらいの迎撃能力があるのですか?」
「実戦を想定した模擬戦闘では40発中40発が命中、実に100%の命中率を誇ります」
「凄いですね!以前自分が乗っていた空母が使っていた噴進砲は、急降下爆撃機への威嚇程度にしかならなかったです…」
「もしかして弾頭はロサ弾…ロケット式焼霰弾ですか?」
「な、何で知っているんですか!?」
「我が国も80年前以上に開発、運用していたのですよ」
80年もあれば我々もここまで技術が発達するかもしれない…
因みに帝国ではロケットは使えない技術として優先度が低く、開発がかなり後回しになっていたはずだ。
帰国出来たら、開発再開の旨を意見具申しないといけないな。
「近接火器はあれだけですか?」
「空母が攻撃された場合は、まず戦闘機によるAAM…対空迎撃ミサイル、次に護衛艦による迎撃、それを突破されたら最後にSeaRAMの出番です。なので近接火器は基本ないですが、念のため側面に格納式CIWSファランクスが設置されており、片舷に5基、両舷に計10基あります」
「CIWSファランクス?」
「はい。元々は対艦誘導弾を迎撃する為に作られた機関銃で、基本的に全自動です。この船では誘導弾の迎撃の他、単独行動中に小型船が接近した際に威嚇、撃沈にも使われます」
「性能は?」
「毎分7500発、毎秒換算だと125発ですね」
「な、何ですって!?」
海軍が使っている25mm機銃は毎分230発、実用発射速度は130発。
CIWSファランクスとやらは、たった1、2秒で250発、こちらが1分かかる数をあっという間に…
「護衛艦等にも搭載されていますが、あちらは弾倉が取付型で弾数が少ないため1分程の射撃で撃ち尽くします。逆にこちらは弾倉が独立式で後方に設置されているので、10分以上も射撃可能です」
圧倒的な対空能力、グレードアトラスターの対空砲が霞んで見える。
ブロロロロ!
「ん?」
爆音が聞こえる方向を見てみると、回転翼機が着陸態勢に入っている所だった。
扉が開き、中から担架が運び出されてくる。
「あれは?」
「海上を漂流していた兵の方ですよ。現在全てのヘリを動員して救助活動を行っています」
「救助活動も行っているのか!」
確かに先ほど診察室が手一杯だと言っていたが、これが理由だったのか…
「漂流しているのは、あなた方からしたら敵兵だろう?何故放置しない?助ける義理はないだろう」
「目の前で困っている人、命の危機が迫っている人を助けるのに理由も国境も無いでしょう?」
「……」
自分たちと素の考えが根本的に違うことを改めて感じる。
「司令、総合管制室より連絡です」
艦内から阿部の元に一人職員が走ってくると、1枚の紙を手渡した。
阿部は紙を一瞥すると、こちらを振り向いた。
「カイザル司令、まもなく応援部隊が到着しますので一旦艦内に戻りましょう」
「分かった」
再び艦内に戻り最初の部屋に戻るのかと思いきや、どうも別の場所に連れていかれているようだ。
「今どこに向かっているんだ?」
「日本に着くまでお休みして頂く部屋です。こちらですね」
案内された部屋は扉こそ鉄製で頑丈そうだが、壁にはテレビや本棚、中央には小さいちゃぶ台に座布団が置いてあり、まさに小さな庶民の家の様な印象だ。
「これが独房か?」
「この船にはかなり余裕がありますからね。捕虜用の独房も充実していますよ」
「この部屋は士官用の独房か?」
「いえ、一般兵も同じですよ。人数によっては、この部屋に2,3人入らないとですが」
捕虜の待遇があまりにも良すぎる。
「こちらの小さい部屋はお手洗い場。寝具は部屋隅に置いてありますので、必要なら使って下さい」
「わ、分かった」
「では私は失礼します。何か用がありましたら、こちらのボタンを押して下さい。職員が参ります」
阿部が出ていくと扉が閉まり、ガチャンと鍵が掛けられる。
さてどうしたものか…
「カ、カイザル司令、同じ部屋で宜しかったのでしょうか?」
おずおずと護衛役が尋ねてくる。
「君は護衛役だろう?気にしなくていいぞ。ゆっくりしなさい」
「は、はっ!」
「テレビを付けても良いか?」
「はい!私の事はお気になさらず」
ガッチガチの敬礼をする護衛役に若いな、と思いつつテレビを付ける。
ニュースやアニメがカラーで流れることに感銘を覚える。
護衛役は本棚から漫画を取り出し読んでいるようだが、かなり面白いらしく夢中で読み進めている。
まだ数十分しか経っていないのに、彼の横にはシリーズ本が塔の様に立っていた。
(思ったより寛げているな。私も少し落ち着くか)
そして私はこの部屋で日本に着くまで、ゆっくりと過ごすのだった。
―機動部隊ほ-00 しなの 艦橋
阿部と河野らが艦橋に戻ると、話し合っていた幹部らが一斉に敬礼した。
「増援が着いたか」
「はい。現在捕虜を収容中です」
「送り先は舞鶴のサイト-81□□で良かったかな?」
「そこで自衛隊に引き渡しですね」
「よし、機関始動!通信士、総合管制室へ連絡。機動部隊ほ-00、任務終了。現海域を離脱し、指定されたサイトに向かう」
機動部隊ほ-00は動き出す。少しずつだが世界に夜明けの光が差し込もうとしていた。
日グ攻防戦長かった…え?1ヵ月投稿してなかったから長く感じただけ?はい、すみませんでした
次回は感想でも頂いたあの回をしようかな、と思っています。(何だろうワクワク、なんて荷が重い期待はしないで下さい)
SeaRAM(財団開発型)…47連装(9×3、10×2)発射機。射程50km。
今後のパーパルディアは?
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原作通りに敗北
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更に大敗北を喫す
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