異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

クリスマスに投稿しないと言ったな、あれは嘘だ。
というのは冗談で、本当に投稿する気はなかったんですが、ふと思いついちゃったので…

それでは本編をどうぞ。


Tale 某Dクラスのクリスマス

―日本国内のとあるサイト

「今日の飯はいつもより豪華だな…」

 

そう呟く彼女の前には、チキンやポテトといった所謂ジャンクフードに加え、デザートは苺を乗せた白い物がプレートに乗っている。

 

「あんた、こういう物は食べた事無いのか」

「ああ、初めて見た。何で今日はいつもと違う食事なんだ?」

「今日はクリスマスっていう特別な日なんだよ」

「クリスマス?」

「クリスマスっつうのは、とある神様が降誕した日って言われててな。それを祝うための日なんだ。因みに12/25に祝う理由は諸説あって、古代ローマで信仰されていた太陽神ミトラを祝う日だから、ていう説もある」

「流石、あなたはよく知っているな」

 

自分の目の前で説明しながらバクバク食べている女、名前は知らないが、保安職員からは「D-3809」と呼ばれている。

 

「今はこんななりだが、昔はかなり優等生だったんだぜ」

「D-3809、雑談は結構だが食事時間はいつも通り15分だぞ」

「へいへい、わーってるよ」

 

近くに立っていた保安職員からの言葉に、彼女は軽く答える。

ふと彼女のプレートを見ると、いつの間にか既にケーキだけになっていた。

(まだ5分しか経っていないのに…)

 

「あんたも早く食べないと、1年に1度の大事なケーキ、食い損ねるぞ」

「あ、ああ」

 

そう言われクリスマス用特別プレートの味の余韻に浸ることなく、ただパクパクと食べ続ける。

ケーキも食べ終わった頃には食事開始から13分経っていた。

 

「どうだったよ、ケーキは」

「…とても美味しかった。こんなに美味しい物は初めてだ」

「そりゃ良かった。さ、後は就寝準備だ。早く部屋に戻るぞ」

 

彼女と共に席を立ちプレートを返却すると部屋に戻る。

歯を磨く等の就寝準備を終え、布団に潜ったが何故か久しぶりに寝付けない。

(この生活にもだいぶ慣れてきたな…)

ふとここに来た頃を思い出す。

 

 

―1年前 某サイト

「降りろ。ここがお前が今日から働く場所だ」

 

日本に着いて暫くの間、私は拘留場という場所に留置されていた。

私の風貌が珍しいからか、はたまたニュースで私の顔を知っているのか、好機の目に晒される事も少なくなかった。

中には軽蔑の目を向ける者もいた。

外に出られるのは裁判の時だけ。

それも窓に鉄格子の嵌ったバス(後から知ったが護送車、というらしい)に乗せられ、自由は無い。

そして半年頃経った頃、判決が言い渡された。

 

「主文。被告人を死刑に処する。本件公訴事実は被告人が殺人を指示したものであり、これは殺人教唆罪に該当する。被告人は反省の態度が見られるものの、223名の無関係である観光客の殺人を指示した事は非常に残虐かつ非道な行為であり、人の生命という極めて重要な法益を侵害している。よって、死刑が相当である」

 

死刑…私がした事はそれほどの行為だったというのか…

 

翌日目にしたニュースには一面に大きく「日本人観光客虐殺事件 犯人に死刑」と書かれていた。

(嫌だ、死にたくない。死にたくない…!)

 

そんな死の恐怖に晒されていたある日、2人の男性が私の元にやってきた。

 

「あなたには死刑判決が下っており、このままでは死を待つだけです。ですが、我々と共にくれば少なくとも死刑執行が行われる事はないでしょう」

「本当か!?」

 

藁にも縋る思いだった。生きていればどうにかなるかもと…

次の日、迎えの職員がやってきた。

職員に連れられ護送車に乗り、揺られる事数時間、降ろされたのは一見普通のビルだった。

だが中をある程度歩き奥に行くにつれ、なんだか普通では無いことに気づいた。

 

以前皇国でワイバーンオーバーロードを生み出す為の実験施設に行った事があるのだが、それと雰囲気が似ているのだ。

 

建物内をエレベーターも使いながらあちこち移動し、ようやく着いたのはまるで刑務所の様な場所だった。

 

「この部屋が今日からあなたの住む所だ。詳しくは同居人が教えてくれる。D-3809、新人だ」

「あ、新人だぁ?」

 

そう言って職員が開けた扉から出てきたのは黒髪短髪の男勝りな女だった。

その女はこちらを一瞥するとめんどくさそうに

 

「つまりこいつを案内しろ、って事だな」

「こいつ!?」

「ああ」

「はぁー、わかったわかった。取り敢えずあんた、奥で着替えてこい」

「あんた!?」

「これが着替えです」

 

私の驚きを無視して、職員が持っていた袋からオレンジ色の服を取り出した。

 

「5分で着替えを終えて下さい」

 

昔であれば5分で自分で着替え等考えられなかっただろう。

だが拘置所では時間通りの集団行動、規則正しい生活を強いられた事もあり、何ら問題なく着替えを終えた。

 

「…ふーん、思ったより早えな。じゃ、施設内を説明して回るぜ。1度しか言わねえからよく覚えとけよ。そういや職員さんよ、こいつの番号は?」

「D-1653だ」

「おk。1653、ね」

 

その後私は施設内を簡単に説明してくれた。

言葉使いは荒いが面倒見が良いようだ、姉御肌というやつだろう。

 

次の日から拘置所よりも更にきつい生活が始まった。

月曜日は清掃、火曜日は事務作業、水曜日は炊飯係、……と曜日ごとに役職が変わる。

つまり覚える仕事が多いのだ。

 

「ほら、もっと手際よく!そんなちんたらしてたら、昼食食えんぞ!」

「ジャガイモの皮剥いて…え、ピーラーを使った事無い?貸せ!ピーラーはこうやって使うの!」

 

最初はかなり厳しく叱責される事が多かった。

何度もくじけそうだった。

(これなら独房にいた方が良かったかも…)と。

 

だが彼女は 責だけではなかった。

 

「へぇー、先週より上手じゃん。まだまだだけど」

「ちょっとは手際良くなったんじゃない?」

 

当初は嫌味かと思ったが、彼女のこれまでの言葉使いを思うとこれは褒め言葉なのでは…?

そう気づいたら少し嬉しくなった。

 

日本に来てから誰にも相手をされず、みなから嫌悪の眼差しで見られ、塞ぎこみ掛けていた。

だが彼女だけは自分の相手をしてくれた。叱ってくれた。褒めてくれた。

 

「…ありがとう」

「へ?」

 

口からポロっと出た感謝の言葉、それに彼女は相当驚いたのか目を丸くした。

 

「…感謝される筋合いはねえよ!ただ、あんたが居れば少しは私も楽出来るからな!その為に教えてるだけだ!」

 

そう言ってプイっと顔を背けてしまったが、少し耳が赤い。

(可愛いところもあるんだな)

 

その日から少しずつ雑談する事が増えていった。

これまでは仕事に付いていくだけで精一杯だったが、少しずつ心に余裕が出来たからかもしれない。

 

「あんたが何やって此処に来たのか知らんけど、此処は皆同じ、平等だ。勿論うちもな」

 

彼女に初日に言われた言葉だ。

これまで列強の皇族として生きてきた、十何年も。

だがここだとそんな肩書を気にしなくていい、これが私の心を軽くしてくれた。

 

「おい、まだ起きてんのか?」

 

ふと暗闇から声が聞こえる。

 

「ああ、少し寝れなくてな」

「うちもだ。クリスマスだからお互い興奮してんのかもな。でも早く寝るぞ。明日もいつも通りだからな」

「分かってるよ。おやすみ」

「ああ、おやすみ(レミールさんよ)」




判決の下り、自分なりに調べて書いてみましたが、知ってる人とかだったらツッコミどころ満載だと思いますが、そこはどうぞ大目に見て下さい…(メッセージでこういう感じですよ、って例文有で伝えて下さると喜びます)

後、前話の題名が数字になっておりました(2回目)。今後気を付けます…

余談)作品時系列(日グ大海戦)だと既に日パ戦争から3年以上経っているんですが、そこはTaleと言うことで…

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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