推しの子の幼馴染は有名Vtuber   作:疾風“はやて”

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今回は少しシリアスで複雑な内容かもしれません。
作者の独自解釈と原作と異なる点も多くありますので、そこらへんをご了承していただいた上でこれからも本作品を見ていただきたいです。
わからないところや疑問点などがあれば感想フォームにてお願いします。




18話 運命

「はぁー!!顔出しめっちゃ緊張したぁ〜!!!!」

 

特殊メイクで顔を変えているとはいえ、皆の想像する僕の顔はこの顔になるのか~、、

 

「ハヤテくんって顔全然悪くないから気にせず顔出していけば良いのに」

 

化野めいさんからそんなことを言われる。

 

「めいさんがこのメイクしてくれるならいいですよー?」

 

「うへぇ…それは無理かもー」

 

「なら私がやったげるよ!」

 

すると横から吉冨こゆきさんが名乗り出てくる。

 

「私が化粧してあげるから今度どっか行こうよ〜?」

 

「ハヤテくんは私と遊びにいくからダメでーす!」

 

「え!?どこいくの!!」

 

「えぇ…!?えーっと〜、、そう!映画!映画行こって…!」

 

「ならハヤテくん私とも……!ってハヤテくんいないい!逃げられたぁ〜、、」

 

2人がハヤテをめぐって言い合うのは日常であり、ハヤテはそそくさと廊下へと行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、早く化粧取ろう…」

 

トイレで顔を見てそう呟く。

 

顔を動かした時の感覚が気持ち悪い……。

 

ガチャ…

 

すると個室の扉が開き、中からアクアが出てくる。

 

「あ、アクア。大丈夫そう??」

 

「ああ、、初めに比べれば幾分かマシだ」

 

「そっか、顔でも洗いなよ。スッキリする」

 

僕の提案に、そうだなといいパシャパシャと顔に水をかけ始める。

 

「はい、タオル」

 

「悪いな」

 

お互いに話さず、ただ僕が化粧を落とす際の衣擦れと水道の音のみが2人しかいないトイレに響く。

 

「ハヤテの演技、、すごかった」

 

「ありがと、稽古通りやったって感じかな」

 

「東ブレの世界に引き込まれたと錯覚する演技、、誰にでもできることじゃない。周りの人も巻き込んで没入させる演技だ」

 

「いや、アクアの感情演技の方がすごかったよ。俺も泣くとこだったし」

 

「ハヤテの演技のおかげで俺も深く役に入り込んでいたからな」

 

よし、、化粧落とし終わった…っと!

 

「先戻るから、気持ち落ち着いたら来なよ?」

 

「ああ、、」

 

そして廊下に出る。

 

ふとスマホを取り出すと、チケットを渡した人たちから連絡が来ていた。

 

「フフッ…!」

 

皆んないい舞台だったと満足しているようで嬉しかったので思わず笑みがこぼれる。

 

僕は、この舞台に出て本当に良かった…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京ブレイドの舞台は評判が良く、その勢いのまま舞台公演は続いていった。

 

そして舞台の後は頻繁に飲み会が開かれており、今日は金田一さんもいくとのことだ。

 

 

 

『かんぱーい!!』

 

「このままあのおっさん酔い潰して…」

 

姫川さんが女の子にそう耳打ちする。

 

「ったくなんで僕まで……」

 

今は飲み会をしていた焼肉屋から場所を変え、金田一さんの過去の失敗談が気になるからとアクアと姫川さんが意気投合し、アクアに無理やり僕も連れてかれ4人でガールズバーに来ていた。

 

「はい!これ」

 

「あ、、ドーモ…」

 

「そんなに固くならないで?それにお酒じゃないから安心しなよw」

 

「ア、ハイ」

 

どこぞのメイドを笑えないな僕も…。

 

「ここは売れてない芸能人やらが隠れて働く店だ…。内緒話をするにはうってつけだ」

 

「俺たちまだ未成年なんだが??」

 

アクアが突っ込む。

 

「別に年齢制限なんてない。ジュースだって置いてあるしな」

 

「他にも目的ありそうですけどね…w」

 

「まあ、可愛い女の子に接客してもらうのは気分良いしな」

 

女の子の頭を撫でながらそう言う姫川さん。

 

“絶対そっちが本当の目的だろ”と心の中でアクアとハヤテは呟く。

 

「…お前らの演技良かった」

 

「ありがとうございます」

 

「そう言ってもらえると嬉しいですね」

 

「ハヤテ、お前のポテンシャルなら役者一本でも食っていけると思うけど?」

 

姫川さんにそこまで言われると少し照れるな。

 

「僕は、ネットの世界で輝くって決めたので…」

 

「そうか、、まあ星野も今回の舞台で役者として一皮むけただろうし…」ゴクゴク

 

金田一さんは連れてかれたけど大丈夫かな。

 

「少し金田一さんの様子見てきますね?」

 

「ああ」

 

「頼んだ」

 

……なんか似てんな2人って。

 

そう思いながら僕は金田一さんの入りテーブルに向かう。

 

「おーうハヤテか」

 

僕を見てそう呼ぶ。

 

「いやぁ、お前を見てると昔のことを思い出すなぁ〜……」

 

「昔のこと…ですか?」

 

俺が金田一さんを連れ戻しに来たら突然話し始める。

 

「昔、俺がまだ若い頃にララライに所属していた子を思い出したんだ」

 

「へぇ…どんな子だったんです?」

 

「お前の演技によく似ていた女だ…お前の演技を見ているとそいつの姿とお前が重なるんだ……」

 

「へぇ〜その子って今は何してるんですか?」

 

興味本位で聞いた…。

でも聞かなけえればよかった。

 

「いや、亡くなったよ。まだ若かったんだったがな〜…」

 

「えっ…!?そうだったんですか…お、お気の毒に」

 

「本当に残念だった」

 

「事故とか、、ですか…?」

 

「いや、出産と同時にな……」

 

「しゅ、、出産……」

 

「あぁ。その事は俺とそん時のお偉いさんしか知らないんだがな、、あの子は本当に演技がうまかった。それこそ姫川や黒川と肩を並べるくらいで顔も良かった。出来ちまった子をしっかり産むって聞かなかったらしく、元気に産まれはしたんだが…な」

 

ドクンッ…!!

 

何故か僕の心臓は、大きく脈打ち早まっていく…。

聞いてはいけない気がする…そう頭では考えていても止まらなかった…。

 

それは何故か…。

 

 

 

 

僕の頭の中に1人の人が思い浮かんでいたから…。

 

「あれは確か15〜6年前になるか…」

 

僕の身近には、劇団ララライに所属していた人が1人…。

 

「名前は、、神風楓花……」

 

金田一さんが口にした名前は僕の頭に浮かんでいた人であり、僕の母の…妹の名だった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

母の妹は既に他界している。

他界の理由は聞いていなかったのだが…。

 

僕が母の妹について知っているのは、彼女の命日が僕の生まれた日であることと、昔ララライに所属していたということ。

 

そして、まだ20ほどだった時に亡くなってしまったということである。

 

母の悲しむ顔は見たくなかったため、僕はずっと聞かないようにしてきた。

 

辛い出来事を思い出させるような事をしたくなかったから…。

 

 

今の話を聞いて、僕は頭がパンクしそうであった。

 

今の話から、色々な疑問が生まれてくる。

 

 

 

母はなぜ僕に彼女の亡くなった理由を言わなかったのか…。

そして生まれた子はどこに行ってしまったのか…。

関係だと、僕の従兄弟にあたるその子が父親の方に引き取られたとしても、そんな話を親や祖父母から聞いたことがない。

施設に預けられたのか。

 

 

そのような疑問は1つの仮説になり、ピースがピッタリとハマっていく感覚を起こすのだった……。

 

 

 

 

 

 

“僕は、神風楓花から生まれた”という仮説であった………。

 

そう考えると全ての疑問に説明がつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

頭を整理できぬまま何とかそれを悟らせまいと僕は平然を装う。

 

「その、相手とかって……」

 

「あ?そんなん分からねーよ、、やつは人当たりがよく人気だったのは覚えてるが…」

 

「そーなんですか…あ、これ水です」

 

「おぉ、悪いな」ゴクゴク

 

そして、女の子がやってきて今度こそ金田一さんは完璧に潰れてしまった。

 

「ねえ、キミってVTuberのハヤテくんなんでしょ?」

 

「えぇ、まあそうですね」

 

「中の人はどうなのよ〜?ねぇ!仮面とってみてよ!」

 

「それは出来ません…」

 

「えぇ〜どうして?」

 

やはり仮面をつけていて正解であった。

色々とリスクが高すぎたしな…。

 

「僕の素顔がバレるリスクがあるし…….」

 

僕の素顔が世にバレたら、外を気軽に出歩けない。

 

彼女は作らないということは決めてるし、公言もしているけど週刊誌などに取られでもしたら視聴者が騒ぐし、その話題を鎮めるために時間が取られる。

 

まあ気に留めないけど、、そんな炎上なんて。

 

無駄な時間は嫌いだからね。

 

そろそろ、アクアのところにも戻ろうか…。

 

僕は、席を立ちアクアたちの方へと向かう。

 

「ハヤテ…どうかしたのか?」

 

何故かアクアにそう聞かれる。

 

「え、いやなんも無いけど…」

 

「そうか、ならいいが…顔に元気がない様に見えた」

 

「ふっ…なんだよそれ」

 

さすがアクアだな。

気づいちゃうんだな、僕のちょっとした変化にも。

 

多分、今の僕は色々混乱しててそれが顔に出てたんだろうな。

 

「これ、、見てみろよ」

 

そう言って姫川さんが持っていた紙を差し出してくる。

 

「コレは…??」

 

「俺と姫川さんとハヤテのDNA鑑定の結果だ」

 

「……は?父親が、、同じ…?」

 

「そうだ…世間って狭いよなー。俺たち三人は、実は半分が血のつながった兄弟で、揃ってみんな役者だ…。変な話だぜ、、全く…」

 

姫川さんが酒を飲みながら呟く。

そして、金田一さんのところへと歩いて行った。

 

「んなわけ…」

 

「俺は今、姫川さんの父親の話を聞いた。だが、ある矛盾が生まれたんだ…」

 

もう既にパンク前だった頭が悲鳴をあげている。

そこに追い打ちをかけてくるアクア。

 

姫川さんの父親は上原清十郎という役者、だが妻であった姫川愛梨と心中していて既に故人であった。

 

そしてその事件は、アクアの母親であるアイが引っ越す前に起きており、アイの家をリークすることは不可能だった…。

 

「…よって、上原清十郎は俺たちの父親である可能性は限りなくゼロに近い」

 

「それって……」

 

それってつまり…。

 

「ハヤテ…お前の父親について詳しく話せ…!」

 

アクアの目つきが鋭くなり、黒く光る。

 

「つまり、僕の父親があの時の犯人だと…?」

 

「ああ…。でも正直、お前の父親は何度も見たことはあるし、考えずらいとも思ってる…でも、、!」

 

あぶなかった…。

 

「金田一さんに話を聞いていなかったら、、僕はアクアと対立していたかもな……」

 

「話…?」

 

「アクア、悪いが力になれそうにない…」

 

「なんでだ!?まさか父親を庇って…!」

 

「いや違う」

 

「ならどうして…!」

 

「血が繋がっていないんだ…僕は…。今の父親と、、それに、母親とも。直接的な血縁はね…」

 

「は…?苦し紛れの冗談ならそこまでに…」

 

「冗談なんかじゃない…!」

 

そこで僕はアクアにさっき金田一さんからきいいた話の内容と、母の妹の話をした…。

 

「まだ本当かどうかはわからない…。けど、、今度母さんに聞くつもりだよ……」

 

「そうだったのか…」

 

「アクアが気になるなら、父親とのDNA鑑定も視野に…」

 

「いや、、これ以上ハヤテと家族との関係が崩れるようなことはしたくない…。すまなかった、、疑って…。お前の両親がいい人たちなのは知ってるし、犯人なんて考えられなかったけど…心のどこかで、早く終わらせたいと焦っていたのかもしれない… 」

 

「僕はもう頭がいっぱいいっぱいだよ、、今日で血縁関係の情報が一掃されたからね…」

 

「また振り出しに戻された、、一体どうすれば…!」

 

「…復讐をやめるつもりは?」

 

「ない…復讐こそが俺の生まれた理由だから」

 

「お前は誰がどうなっていくか、、ルビーがこの先どうなるか見守りたくないのか…?」

 

「……!」

 

「僕は明確に託されたことがあるから…アクアだって聞いてただろ?」

 

「僕は、ルビーとアクアを助けていかなきゃいけないんだ…!」

 

「俺はどうなろうとかまわない…俺の周りが元気に歩んでいければ、、それで………」

 

「アクア…僕もう帰る」

 

「どうした突然…?」

 

「もう考えがうまくまとめれない、、だから最後に僕の小さい頃からの夢だけ言うよ…」

 

「ルビーはアイドル、アクアは役者、僕は配信者として…それぞれがトップに登り詰めて、僕たち3人並んでテレビに呼ばれるのが…僕の夢なんだ…!」

 

「少なくとも、、アクアがいなくなったら、僕はもう楽しく配信なんて続けられないよ……」

 

僕はそう言って、お金を置いてお店を後にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

「……っ」

 

「……全く、複雑だな。俺はもう父親のことなんて気にもしてないからお前を止めようとも思わない。ただ……」

 

聞いていたのか…とアクアがつぶやくと、少しだけなと返す姫川。

 

「お前は過去に囚われたまま死ぬか、、今の大切なものと一緒に生きていくか…だな」

 

「俺に未来なんてない…」

 

「いや、お前は少なからず未来を夢見てる。俺の父親が死んでいたことを知った時、お前は家族やアイツ(ハヤテ)のことが頭に浮かんだんじゃないのか?」

 

「…!」

 

「はぁ、、まあ好きにしろよ。俺には関係ない話だ……じーさん運ぶの手伝え、ここは俺が出す」

 

 

 




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