推しの子の幼馴染は有名Vtuber   作:疾風“はやて”

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20話 宮崎とカラスの少女

「お兄ちゃんも一緒だったらな〜」

 

ルビーは墓の手入れをするための桶と杓子を持ちながら言う。

 

「仕方ないよ。僕と一緒に挨拶できたんだからいーじゃん」

 

僕とルビーは墓がたくさんある道を歩いている。

 

今日はアイさんの月命日であり、最近来れてなかったらしく僕たち2人で来たのだ。

 

「どうせくるなら結婚の挨拶が良かった〜!早く結婚したいー!!」

 

「16歳のアイドルなりたての人が誰と結婚すんのよ…」

 

そういい帰路を辿る。

 

 

 

 

 

 

 

ふと視線を前にやると、サングラスと帽子をして、隙間からは金髪の綺麗な髪が見える男性がやってきた。

 

 

 

ルビーは何も気にならなかったのか、何も言わずに2人で男性の横を通り抜けた。

 

「……ごめんルビー!アイさんに言い忘れたことあった!ちょっと言ってくるわ…!」

 

「ママに…?うん分かった、先行ってるねー?」

 

「うん、頑張って早く戻る…!」

 

僕は回れ右をして、アイさんの墓のところに戻る。

 

そこには、先程すれ違った人がアイさんの墓に向かって手を合わせていた。

 

やはりアイさんの関係者…!

年齢もそこまでいってないであろう若い男性。

 

僕はゆっくり歩いていき、彼の横で立ち止まる。

 

「…やあ、また会ったね。今日はアイドルの子とお忍びデートかな?」

 

気配を感じたのか、目を瞑ったままそんなことを言い始める。

 

前回会ったのは、新生B小町のライブ終わり…ルビーのことを知っていてもおかしくない。

 

「墓デートは趣味が悪すぎますよ、、一緒の墓に入る約束でもしたらまだしも…」

 

「ははっ…!確かにその通りだ…」

 

ハハッとさわやかに笑う若い男性。

 

「ここへは何をしに…?」

 

「ここにくる理由なんてお墓参りくらいだろう?あと、少し探し物もね…まぁ思わぬ収穫もあったけど」

 

探し物……。

 

「…この方とはどういったご関係だったんですか…?」

 

なるべくさりげなく聞いてみたが、アイさんの知り合いだし、既に怪しまれてる気がする。

 

「僕の数いる大切な存在の内の1人さ…」

 

「…!?そう…だったんですね、、」

 

今の瞳は……?

 

「僕は帰ります。彼女をこれ以上1人にするわけにはいかないので」

 

そして僕は踵を返していく。

 

「そう、キミのその目はどこか懐かしさを感じさせてくれる…。それじゃあ、、」

 

その言葉は僕の耳には届いていたが、考え事をしていたせいで頭が雑音として処理してしまっていた。

 

まだ確信は持てない……

 

でも、これ以上深掘りすれば本人だった場合…何をしでかすか分かったものじゃない…。

 

近くにルビーもいるし、僕がそばにいなきゃ…。

 

あの人が、、

 

 

 

でも…あの寂しげな瞳は、、いったい………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、、まさか彼らが友人同士とは知らなかった…」

 

「君たちが仲が良かったように、その子どもの彼らも深い関係を築いているみたいだね…」

 

墓に向かって呟く男性。

 

「2人、、いや…3人だね。みんな大きくなるにつれて君たちに似てきたね。素晴らしい才能の輝きがどんどん強くなっているよ…」

 

男性の瞳には、キラリと光るなにかが浮かんでいたのだった…。

 

「もう出会って話すことがないことを、願っているよ……」

 

寒空の下、雲を見上げる男性の表情は……少しばかり辛そうに見えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある学校での昼休み……

 

「あかねと別れることになった」

 

「そっか、、飲みに行って忘れようぜ」

 

「俺たちは未成年だが?」

 

昼休みにアクアに呼び出されて行くと、そんなことを言われた。

 

「……あんまり驚かないんだな」

 

思いの外反応が薄かったためかそう言われる。

 

「まあ、、アクアがあかねに恋愛感情を抱いてないのは分かってたし…」

 

それに、この間のこと考えてたから…。

 

「これ以上あかねをこっちの都合で縛っておくわけにはいかないからな」

 

「そっか…あっちはなんて言ってた?」

 

「あかねは俺に任せるって」

 

「そっか、まあいい経験だよね」

 

「彼氏彼女らしいことは一回もしてないけどな」

 

「元々仕事の延長線上にあった関係なワケだし、おかげで東京ブレイドにも出れたわけじゃん?プラスでしょ」

 

「まあな、あかねを通じてララライとの繋がりも確保できたし…」

 

複雑そうな顔で話すアクア。

 

側から見たらただの女たらし……でも、アクアは根がいいやつすぎるから、今までの話が本当なら相当自分の気持ちを押し殺してるはずだ。

 

復讐のために手段を選ばずに、他人を利用しているという罪悪感、巻き込んでしまうかもしれないという可能性…それらを見て見ぬふりをしながら仇の父親を探している。

 

自分の気持ちに復讐心という蓋をしているのだ…。

 

「ハヤテは、彼女欲しいとか思う事あるのか?」

 

僕が言っても、その復讐心という蓋は動かなかった。

 

「欲しくはあるよね。今までに女性経験がないことはキャラ的にはアリかもだけど、恋愛系の質問とかされたら困っちゃうからね」

 

今の僕にはアクアの気持ちを変えることはできない…だから今は僕も目の前に集中して生きる。

 

「困っちゃうってゆーかお前キレ散らかしてたじゃねーか」

 

僕という存在を大きくして…。

 

「僕の配信ちゃっかり見てんじゃん!それに違う!それは僕が付き合ったことないことを馬鹿にされたからだよ!」

 

「……まあお互いに、、いやハヤテは特に忙しくなるだろうな」

 

「ありがたいことに東京ブレイドは評判良かったからね」

 

そういえば、おかげで登録者も数十万人増えてたな。

 

「東ブレの慰安とコレからの大仕事の前に英気を養うって意味でお前も行くか?宮崎…」

 

「宮崎?」

 

「俺とルビーの生まれ故郷。ルビーたちのMV撮影をしてくれる人がいるから行くことになったんだ」

 

「確かに最近忙しかったし、これからも忙しくなるだろうから休んどきたいな」

 

「東ブレの慰安旅行も兼ねてだからハヤテが来ても問題ない。あかねも呼んでるし」

 

「そっか、なら行くことにする。リスナーのみんなに報告しなきゃな」

 

そして僕はリスナーに知らせる用の文章を打ち込み始めたのだった。

 

「でもすぐに帰ることにする。呼ばれてるゲーム企画あるから」

 

「分かった」

 

 

 

 

 

 

そして時は過ぎ、空港にて……

 

「えー!?ハヤくんだけ二泊三日なのー!?」

 

「うん、呼ばれてる大きい企画があるからね」

 

「そうなんだ、ちょっと残念だな…」

 

ルビーが驚きのあまり声を上げ、説明するとあかねも寂しそうにしていた。

 

「私の撮影してるとこ見て欲しいのにー!」

 

「アンタめんどくさい彼女みたいなこと言うんじゃないわよ…それに、なんでこいつもいるのよ?」

 

「東ブレの慰安も兼ねてるから誘った。ハヤテもそうだし」

 

かなちゃんもあかねがいることが気にくわないらしく、アクアが事情を説明している。

 

「あなた達、そろそろ搭乗時間だから行くわよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う〜寒い…」

 

「宮崎……」

 

僕が手を擦る横で、感慨深そうにするルビー。

 

「思ったより寒いわねぇー」

 

「ホントだよぉ〜…あかねは大丈夫??」

 

「うん、寒いと思ってあったかい上着を持ってきてるから」

 

「あっ!ハヤくん見てー!雪だよ雪!久しぶりに見たぁ〜」

 

「本当だ、ここまで積もってるのは初めて見るなぁ…」

 

カァー、カァー!

 

ふと遠くの山の方を見ると、カラスが数羽飛んでいく。

 

「…?」

 

カラスに気を取られ上を向いていた視線を山の方へ戻すと、視界の端に少女が映る。

 

白い髪の少女…こちらを見て微笑むと、瞬きと同時に消えてしまった。

 

気の…せいか??

 

「おいハヤテ、行くぞ…!」

 

「…うん」

 

アクアに呼ばれ僕は、気のせいだと自分に言い聞かせみんなを追いかけた。

 

みんなについて行くのは良いが、さっきの少女がどうも頭から離れない。

 

なぜか、呼ばれているような感覚がして…。

 

迷子?いや、一瞬で姿を消すなんてあり得るか…?

 

…お化け??

 

でも、全く恐怖を感じなかった。

 

本物のお化けなら僕は気絶している。

 

こんな現実味のない現象に初めて遭遇したな…。

 

「…アクア、ここら辺に有名な神社とかない??」

 

「どうした?急に……」

 

「あ、それなら良いところがあるわよ?」

 

今回MV作成にあたり協力を依頼したメムの友人、アネモネさんが口を開く。

 

「ここから少し行ったところに、“荒立神社”と言う神社があるわ。芸能を司る神を祀る神社よ」

 

「へぇ〜?せっかくだから最終日に皆んなでお参りしていきましょう?」

 

「なら僕はそこへ行ってきます。帰る日にちも違いますし…」

 

なぜかは分からないけど…1人でそこへ行ってみたい。

 

あの少女のことも、何かわかるかもしれないし。

 

 

 

 

 

 

 

「ここが、荒立神社…」

 

結んである絵馬を見ると、芸能関係のお願い事でいっぱいだった。

 

ここに来てから、なんか体がポカポカしてる気がする。

 

ゲームでキャラクターにバフがかかってる時みたいな感じ…??

 

“私を探しにきたの?”

 

「!?」バッ

 

後ろから急に声をかけられ驚きながら振り向く。

 

そこにいたのは、ここについてから見た少女だった。

 

「君は、いったい……?」

 

「私はキミとただお話がしたかったの。存在しないはずのキミがきたことで他の世界と元のこの世界が交わってしまった、、って言われてもわかるわけないか」

 

そう言い、ふふっと笑う少女。

 

「なにを言って…」

 

「キミはこの世界の少年と少女を救うための存在…いわば神の子と言っても良いかもね」

 

さっきからこの子が言っていることが全く理解できない…ただスケールの大きな話なのはわかる。

 

「キミがすべき事は1つ…大切な人を守ること。それがキミに託された使命だよ。それはキミも心当たりがあるんじゃない?」

 

アイ…さん?

 

ならアクアとルビー…?

 

「キミと会うのはこれが最初で最後だと思うから、良いものも見せようかな…?手、貸して?」パッ

 

「え…」スッ

 

言われるがまま手を差し出すと少女の手と触れ合う。

 

パチッ…!!

 

すると頭にいろいろな映像が流れ込んでくる。

 

な、なんだ??

 

アクアとルビー?

 

喧嘩してるのか…?

 

あ、いや仲直りしてる。

 

なんやねん。

 

てかベタベタやん。

 

ちょっと気持ち悪いな…。

 

あ、この人は確か……壱護社長?

 

ルビーと会ってる…?

 

ルビーが、誰かわからない…スタッフの人に優しくしてる。

 

そして、ここからが衝撃的な出来事…。

 

この、新聞記事……!

 

アイさんのこととアクアとルビーのことが…!?

 

これは、アクアと金髪の男性…!

 

ナイフ持って…なにして、、?

 

あ、アクア……!アクアぁぁー!!!

 

“でも、もうこの未来は存在しない…。キミと言う存在とキミの関係者がもう変化を与えているからね…目が覚めたら、この記憶は曖昧になっているだろうけど……がんばってね?神の子、神風颯くん?”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アクア…!?」バッ

 

夢、見てたのか…?

 

「痛っ……」

 

頭がズキズキする…。

 

なんでアクアの名前呼んで起きたんだ…?

 

夢が思い出せない…。

 

あたりを見渡すと、神社の敷地内であった。

 

僕は大きな木にもたれかかって座っていた。

 

「確か神社に芸能の神がいるから、お参りに来たんだっけ…?」

 

…お参りしてくか。

 

そして僕はお参りをして、みんなの元へと戻った。




この作品を見てくれている皆様、活動報告欄でアンケートとリクエスト募集してるので、ぜひ全員コメントお願いします!!⤵
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