料理を食べて料理の味に悔しさを覚えたり
思わずうたた寝しちゃったケイにエレンの息が荒くなったりしちゃう展開は!?
ないよ!(CV:逢坂良太)
現在、逃走中。
何かで見たことある。そうだ、対ホロウ6課の虚狩りで有名な星見雅さんだ。
その人に、全力で追われています。
そうだ、あれは依頼を終えてそろそろホロウから出るかーとなった時ばったりとであったのだ。
星見さんは僕を見た瞬間に刀を振るってきた。ギリギリ回避できたので何とか身を翻して逃走している。
おかしいな、このスーツ100m2秒ぐらいで走れるのに普通に振り切れないんだけど。
そのまま少し広い場所に出る。僕が足を止め、向き直ると星見さんも足を止めた。
「この前の狐面と同型ですか…。向こうは銃でしたがこちらは剣…似たようなものなんでしょうか」
狐面って前戦ったやつかな、よく考えればあれ狐面だった気がする。
しかし星見さん、武人と言う雰囲気が強い。…おかしいな。僕、戦闘狂じゃないのに。
彼女と、闘ってみたい。
刀を抜き、構えた。
彼女も構える。
「…」
「…」
互いに言葉はない。ちゃきっと音が鳴った瞬間。
二人は互いに刀をぶつけ合った。
一瞬遅れて辺りに響く金属音。互いに後ろへとのけ反った。
恐ろしいほどの衝撃、力は僕の方が上だけど速度はあっちの方が上だ。
刀をちらりと見ると互いの刀身に僅かに霜が付き周りの気温が下がっているようで再度接近し、剣戟を行う。
どうやら特性は同じ、だが相手は威力を高める動きだ。腕力の差はこれで埋まるだろう、僕は相手を弱体化させて展開を有利に進める戦法を得意としている。
だが一度ぶつかっただけでも分かる。このままだと僕は負ける。
まだ僕がブジンソードの性能を発揮しきれていないからだ。それに比べて彼女は至高の領域にいる。あくまで僕目線でだけど。僕が目指している武人の道の前にいる感じだ。
ならどうやって勝つか、実は一つだけ方法がある。滅茶苦茶疲れるし体痛めるしちょっと卑怯な感じがするからあまり使いたくないって言うのもある。
でも負けて討伐されるわけには行かないから仕方ないか。
僕は星見さんの刀を弾き、大きく後方に跳ぶ。ある程度距離を取ると同時、腰についている謎のバックルが片方消失しすぐそばにバイクのグリップのような部品が付いた赤いバックルが現れた。
ガチャンッ
僕はそれをバックルに差し込みグリップを回す。バイクのエンジン音のような音が響きそのバックルから火が噴き出した。
「…なに?」
星見さんは思わず動きを止めて僕の様子を観察する。ありがたい、変化には少し時間をかかるんだ。
『DUAL ON』
『BOOST』
どこからかそのような音声が聞こえる。どうやら自分にしか聞こえてないようだが。
鎧の緑色の部分が燃えるように赤く染まっていく。見ている星見さんは驚くだろう、先ほどと全く違う力になっているのだから。
僕は刀を振るった。
「-ッ!」
星見さんはその炎を見ると同時に体を逸らしてその炎を避ける。
『ブジンソード ブースト』と呼んでいるこの姿。見る人が見れば神性すら感じるとか。
恐らくこの腰のバックルが力となっているのだろう。だがブースト(増加)と言う言葉から分かる通り特性が変わるだけでなく身体能力も大きく上がっている。
だが僕がまだこの力をうまく使いこなせていないので使うと数日身体の激痛に悩まされるのだ。だからあまり使いたくなったのだけど…。
星見さんの戦意はまだ落ちてない。
「特性や見た目が変わっている…しかしこの感覚…御守りもこはきなめり…か」
ごめんなんて??? 古文?
意識が少しそれたがこれなら彼女を上回ることが出来る。
さぁもう一度と刀を構えた時。
「-ッ!」
どこからか矢が飛んできた。僕はそれを切り伏せて跳んできた方向を確認する。
そこには弓を構えた一人の青年。太刀を持った女性と刃旗を持った少女もいた。
「うわっ!? ブジンソード!?」
「ですが情報と色が…」
…潮時か。
僕は地面に大きく刀を振るうと大きな炎が僕の周りを包む、星見さんはそのまま僕に突っ込んで来ようとしたので刀の刃先を星見さんに向けた。
また闘ろう。
そう取れるような声のないメッセージを残して僕はその場から逃走した。
何だろうな…戦うことが好きって訳でもないのに…楽しかったな…。
まぁそのあと三日ほど体の激痛に悩まされたけど。ごめんねエレン心配かけて。
「姉ちゃんの仇だ…!!」
「この力で叶えてやるよ…俺の理想の世界を…」
「俺自身の世界が平和じゃなきゃ、意味が無いんだよ…!」
「…ッ!」
僕は目を覚まし体を起こした。
額を拭う、服も顔も寝汗が酷く、息を大きく吐いて呼吸を整えながらシャワーでも浴びようとベッドから出る。
あれは時折見る夢だ、僕に似た人がブジンソードになって誰かに復讐しようとしている夢。
何人かブジンソードのような装甲を身に纏いエーテリアスのような怪物と戦う夢。
そして…。
シャワーを頭から被りながら思わず口元を押さえた。正直、いい夢ではない。
あれは何なのか、ブジンソードの本来の持ち主は彼なのか。それならなぜ僕にその力が宿ったのか。
あぁ…だめだ、考えても分からないというのに思わず考えてしまう。
一人暮らしだからかあの夢を見た夜はこんな想いが溢れていく…。
シャワーを終え、ベッドに戻ろうとするとスマホがメッセージの受信を伝えた。
【ねぇ、いま起きてる?】
「…エレン?」
メッセージはエレンからだった。時計を見ると日を跨ぐか跨がないかぐらいの時間帯。いつもなら寝ているって言ってるから珍しい。
【ちょうど起きてたよ、珍しいね。どうかした?】
【いや…なんか、気になって】
僕の不調を察してくれたんだろうかと自意識過剰なことを思ってしまった。
エレンはいつもこういう配慮が上手い、落ち込んでいると傍にいてくれたり疲れていたら助けていたり。あぁ…本当に…。
「好きだなぁ…」
思わずパシッと自分の口元を押さえた。いま、何を言った…?
いけないいけない、エレンとは仲がいい自覚はあるけどそれ以上は進めないんだから…それ以上の望んじゃいけない。あぁ…でも。嘘は付けないなぁ。
【ありがとう、ちょっと夢見が悪くてね。よかったら少し付き合ってくれない?】
【いいよ】
【ありがとう】
そうして僕はエレンに電話を掛けた、明日も学校だからそんなに遅くは出来ないけど。
電話に出たエレンはいつもみたいに眠そうな声で僕の雑談に付き合ってくれた。
…そういえば珍しく返信遅かったな。
会話をしながらふと思った。
おうち編も書こうと思ったけど。
「あ、絶対エレンがケイを襲う。R-18になる」となったのでカットとなりました。
ケイの状態でも色んなキャラと絡めてみたいけどどうにも思いつかないからブジンソード状態で絡ませてしまう。一辺倒になっちゃうから次は主人公ズとの話を書きたい。