優しい先輩が切れるナイフになるまで   作:回忌

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気になっている方が居るか居ないかしりゃしませんが

メシド→受け

ユメ→攻め

です、これは私の趣味が混じってます


世界を敵に回しても

「…う」

 

長い夢を見ていた気がする

子と夫、3人で笑顔で芝生を走る……そんな夢を

顔のぼやけた…というより分からなかった子だけれども2人揃って笑っていたと思う

 

……楽しい、夢だった、なぁ…

 

「こ、こは…」

「起きたか、ユメ」

 

真っ白な天井、知らない天井だ

しかし見覚えのあるよう気がするような……そう思っていると聞き覚えのある声がする

 

「メシド…」

「ここは病院だ、当たり前だろ?」

 

フッ笑いながら彼は言った

あぁ、そうか…そりゃそうだよね

 

私は、命を1つ失ってしまったんだから

 

そりゃ病院に居るわけだ

 

「医師の検査によりゃ問題ない、今日帰れるぞ」

「それは良かったのかな……」

 

それ程重症ではなかったようでもう帰れるようだ

こんなまっ白い部屋で寝られるかと言われればたまったもんじゃない

布団の寝心地は良さそうだけれども、それ以前に部屋の眩しさが酷いのである

 

「良かったことだ、後遺症も何も無いんだ」

「…また、産める?」

 

私の言葉に彼は居心地の悪そうな顔をしていた

それは多分、あの場で救えなかった命のことを思ってあんな顔をしているのだろう

 

彼とて人の心が無いわけじゃない

 

「……産める、が…その、今は……」

「……分かってるよ」

 

彼の呼吸がおかしくなる

目もあっちを見たりこっちを見たり…

 

どうやら彼にとってあの出来事はトラウマになってしまったようである

 

もう一度孕み、そしてまた失う

そんなのはもう見たくないのだろう

 

と、言うわけで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"今日"は、ゴム付けようね?」

 

 

 

 

「──────────へ?」

 

 

 

"俺"は、いつの間にかベッドに引き摺り込まれていた

元SRTである俺の目が追いつかない程のスピードである

あっという間という言葉がそのまま当てはまるのだろうか

 

「え、いや……ちょ」

「イヤイヤはダメだからねぇ?」

「待て!ユメ!待つんだ!ストォップ!!!」

 

自然な動作で俺のズボンに手をかけるユメ……待てや!

なんでそんな流水みたいな美しい動作でチャックを開けようとする!

俺の必死の抵抗によりチャックは閉じられる

 

「どうしてその思考になった!」

「辛そうな顔をしてから…気持ちよくしてあげようと思って」

「要らん!そんなの要らん!だから安静に…拗ねるな!」

 

グイグイと胸を押し付けてくるユメを引き剥がそうとする

ヤるのはいくらなんでも不味い、特に場所が不味い

こんな公共の場でおっぱじめたら社会的地位が死ぬわ!

 

という気持ちで押しのけようとしたら口を尖らせてブーブー文句を言いやがる

もうなんか……なんか……うん

 

「うーうー…メシドが意地悪するよぉ〜…」

「あぁ悪かったな!?俺が悪かったよ!」

「それじゃあ……」

「だからって今度はズボンそのものを下ろそうとするなバカァ!」

 

いやでもここでヤるは違うだろ!?

俺は抗議の声を張り上げる

なんでそうなんだよこのバカ!アホ!生徒会長!

 

そう、張り上げていた時だった

 

彼女の手に何かが握られていた

それはとても見覚えのあるものである

箱型の……100という刻印がある

 

意地悪な顔をして、彼女は笑う

 

「君は、ヤる気じゃん?」

「う……」

 

何を隠そうコンドームである

医師さんから「ゴムつけろ学生風情が(直訳)」と言われたので仕方なく近場のコンビニで買ったものである

割と優しげな彼があんな言葉を言うとは思ってもなかった

 

……じゃなくて

 

「そ、そそそれはさ、サバイバルで使うんだよ!

 ほら水が運びやすくてそれで……」

「コンビニで買ったんでしょ」

 

俺の言い訳は切り裂かれた

ユメに言い当てられて顔が青くなった気がした

 

「どうして…」

「あそこのコンビニのテープが貼ったまんまだよ」

 

よく見てみればコンビ二のテープが貼ってある

購入済であることの証明である、後そこはユメも行っている

 

……バレてーら!

 

 

「……その」

「うんうん」

 

 

「……あの」

「うんうん」

 

 

「……なんていうか」

「メシドも、ヤりたいんだよね!」

「軽々と言うな俺をなんだと思ってる!」

 

ドヤッとした顔でとんでもないことを言うユメ

言ってること中々ひっどいことだと分かってる君?

……分かって無さそうだな…ハァ

 

「……そうだよ」

「!」

 

パアッと花のような笑顔を咲かせた

これ俯瞰的に見たらユメがひたすら……"アレ"を望んでるヤベー奴に見えるんだよな

その原因は……なんなんだろうか

 

ハァと、またしてもため息をつく

 

「ため息ばっかりじゃあ、幸せが逃げてくよぉ」

「そりゃ悪かっ……ひっ」

「あ、イイ声出たぁ…もう一度」

「馬鹿声出たら行かんだろうがっ、あひ、あぁぁあ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後無茶苦茶……した

ゲッソリとした俺の顔を見て医師が怪訝な顔をしていたが問題ないと言っておいた

部屋も換気して全ての証拠を抹消しておいた、なんの問題もなかった

 

いいね?

 

 

 

 

「いつの間にあなた方は付き合った挙句ズッコンバッコンヤったんですかァッッッッ!!!!」

「「ひぃん」」

 

アビドス校舎、生徒会室

ユメとメシドは床に正座させられていた

何故かメシドの方には重そうな書類が積まれている

私怨だろこのガキィとメシドは思った

 

「私驚きましたよ?突然病院から電話がかかってきた時…

 し、か、も!開口一番"血縁者の方でしょうか?"ですよ!?

 意味が分かりませんよ!聞いてみれば…セ、セ……性行為もしたとか!」

 

顔を徐々に赤らめながらホシノは言う

あぁ見えてウブなんだなぁとメシドは全く関係ないことを考えていた

なんならユメは昨日気持ちよかったなぁと少し恍惚とした顔をしている

 

「そこ!問題無いとでも思ってるんですか!?えぇ!?」

 

ホシノはビシリとメシドを指さした

彼は(‥ )ン?と首を傾げてユメを見た

彼女もまた( ᐙ )みたいな顔をしてメシドを見る

 

「問題でもあったか?」

「あるのかなぁ?」

 

「エッチなのはダメ!死刑!」

 

猫目になりながらビシリと指を指すホシノ

更に頬が赤くなっている気がする

もしかして想像してしまって赤くなっているのか?

 

だとしたら相当頭ピンクやぞコイツ

 

「兎も角!いつからあなた方は付き合っていたんですか!吐いてください!吐け(豹変)」

 

ンンッと咳をして話を戻すホシノ

脱線したのは殆どお前のせいな気がするが、言わない方が身のためだろうか

 

「あー…いつからっけな」

「私も覚えてないよぉ」

「…それ程昔ってこと、ですか……」

 

俺達が悩むような仕草をするとホシノの顔が涙で歪んだ

なんか泣いちゃったよ、どうしてだよ畜生

ちなみに俺達は本当にいつから付き合ったか覚えていないのである

 

だって

 

「ずっと傍に居るだろうし」

「離れないだろうし」

「……コーヒー……何処だっけ……」

 

離れないのにいつから付き合ったなんて覚える必要あるか?

そういう意趣があったのだが更にホシノの心を傷つけたようでコーヒーメーカーを作動し始めた

過去のアビドスが購入した謎に高い備品である、無論コーヒー豆は高いので今まで使ったことが無い

 

……そんなに追い詰められてるの?

 

「先……越された…、うぅ……」

 

「痛そうだなアレ、なんで頭打ち付けてんだ?」

「知らない方が良いこともあるって誰かが言ってたよ」

「それもそうか」

 

ロッカーに頭を打ち付けるホシノを少し心配しながらユメと会話した

何故かユメは勝ち誇ったような顔をしているが何か競うことでもあったのだろうか

百合なら知ったこっちゃないし、ホシノが俺を狙っていたと言うなら眉唾物だろう

 

「ァァァァァァァアアア……」

「……ユメ、膝の荷物下ろしてくれんか」

「はーい」

 

悶えるような声を上げるホシノを横目に膝に乗った荷物を片付けるのだった

 

 

「……なんだったんだ本当に」

 

帰り道、月が空に現れる頃合

俺は溜息をつきながら家に帰っていた

今日はとても色が濃い日だった、特にホシノとか

あいつが何に先を越されたのか……もう知らんわ

 

後、連邦生徒会だ

 

奴らは恐らく俺を殺しにくる

テレビとかでまだ放送はされていない、というかしないだろう

彼女は俺を消す為にあらゆる手を使ってくることだろう

 

 

need to Knowの原則というやり口が得意な奴だ、間違いない

 

彼女は自分の真実を信じ込ませるのが得意なタイプだからな

そうして良い方へと人を導いている……つもりなんだろう

 

「……はぁ」

 

俺は溜息をつきながら髪をかいた

戦闘のせいで体の倦怠感が酷い……戦闘だけか?

兎も角さっさと帰って寝よう

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、思っているのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんばんは、"太陽の守護者"…少し……お話をしませんか?」

「…お前みたいな大人がここで何してる」

 

 

どいつもこいつも、俺を休ませてくれないらしい

黒い炎のような異形を見ながら俺はため息をついたのだった




温度差?心地良いでしょう?
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