優しい先輩が切れるナイフになるまで   作:回忌

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─────ここまで見てくれた人に感謝を込めて



あ、長めだよ


そしてネームドの欠損要素死亡要素があるぞ!


"優しい先輩が切れるナイフになるまで"

「…お前みたいなガキが居るもんか?」

「うるさいな 」

 

目の前でマシンガンを乱射する奴に対して弾丸を放ちながら移動する

弾幕にも穴…もとい隙間はある、そこを針に糸を通すように進めばいい話だ

 

ショートヘアのモップのような髪質の女だ

服装を見る限りゲヘナのやつらしい

 

どうも連邦生徒会長はあらゆるところから人員を集めたようだ

見てみれば共通性の無い奴らばっかりだ

ゲヘナ、トリニティ、SRT、…後は…なんだろうな

 

「やれやれ、面倒なこった」

「こっちのセリフ」

 

面倒らしいので、早く終わらせる為に近接戦に移行する

イオンライフルを放ちながら接近し右手でライフルを保持しながらナイフを引き抜く

黒服から貰ったヘイロー破壊ナイフだ、致命傷を追わせる部位に突き刺せば相手は死ぬ

…んまぁ効果があるのはヘイローがある奴くらいだが

 

相手は引き撃ちの姿勢だ、それと入れ替わるように別の奴が来る

 

「邪魔だEAGLEの残党が」

「ッぅ!?」

 

突っ込んできた所を回避、ぐるりと体を捻り横腹にナイフを突き立てる

口から血が出たのを確認した後背負い投げの要領で地面に叩きつける

 

「ガァッ」

 

そしてナイフと叩きつけられた余韻で動けない所をライフルで撃つ

頭と胸に一発ずつ命中して奴はバタリと倒れた

 

ヘイローが弾け、サラサラと消えていく

 

それを見ていたゲヘナ野郎が引いた様子で言った

 

「…連邦生徒会長の言っていた事は本当だったのね」

「ハハッ、何を吹き込まれたが知らんが前に立つなら相手するぜ」

 

どうせ俺が世紀の大犯罪者、殺人鬼、キヴォトスの天敵とでも吹き込まれたのだろう

先にしかけたのはそちらというのに…面白いやつなこった

 

「それでも、貴方は人を殺しているじゃない?」

「んまぁ、それは不幸だったということだな」

 

飛んできた10式戦車の砲弾を弾き、お返しにイオンライフルを応射する

派手に爆発した10式を見ながらナイフの血を拭った

 

「で、お前もそうなるか?」

「そうはならない」

「そうか、残念だ」

 

攻撃を開始する

相変わらず彼女はマシンガンを引き撃ちしている

そこに10の援護射撃やら…そして

 

「戻ってきたのか、FOX1」

「逃げる訳にもいかんからな」

 

片腕を真紅の義手に仕立てあげたFOX小隊の隊長が居た

見上げた根性だ、片腕だけじゃ足りなかったようである

ゲヘナ野郎にスタングレネードを投擲

 

話を少し続けよう

 

「悪いが、俺も昔の仲間を殺したくない

 引け、警告だ…んでないとそこのFOX2諸共殺す」

 

長くはしない、俺が確認したいだけだからだ

もちろん後ろから撃つなんてことはしないしちゃんと見逃す

まだその程度の心は俺には残っている

 

…その、意思表示のつもりだった

 

 

 

「…悪いが大人しく死んでくれ、COBRA1」

 

 

 

が、思ったより彼女の覚悟は決まっていたようである

目を細め手に持ったアサルトライフルを発砲する

それに合わせてFOX2が無言で援護をする

 

「随分様子が変わったな、FOX2」

「……」

 

俺の問いかけにFOX2は答えない

前の壊れたような顔とは全くもって違う顔になったな、ニコ

あんな優しげなお前がそんな鬼気迫るような顔をするなんてな

 

…中々なことしてしまったなぁ、俺

 

ゲヘナ野郎とニコの援護、その他諸々

さすがに一体多数では俺の方が不利である

 

んだが、そこまでじゃない

 

「…警告はしたからな」

 

警告を無視した以上かける慈悲は無い

インファイトに持ち込んでぶっ殺す

スモークグレネードを投擲し後衛の視界を潰す

 

突っ込んでこない限りやってこない

 

それでもあのマシンガンゲヘナはぶっぱなしているようである

頭悪いんかお前、やたらめったら撃って当たるもんじゃアイテッ

 

二三発頭にくらいながらも攻撃は止めない

 

「ほら」

「ッ」

 

グレネードを投擲する

それはもちろんヘイロー破壊爆弾だ

 

かなりの至近距離で爆発しているがそこまで心配することじゃない

体に取り込んだ(らしい)色彩のおかげで全くの影響が無いのである

役に立つ力だ、畏怖される力かコレ

 

まぁ俺が耐えられても彼女が耐えられる訳が無い

それ以上に"前の任務"で見た爆発だからフラッシュバックしたのか彼女は動きが止まった

 

「…ッ、く」

「……」

 

が、イオンライフルを撃つ前に邪魔された

近距離に接近しそのままシールドバッシュ

見覚えのある盾だ、確か……FOX3だっけか?

 

しっかし、シケた顔をしているものである

 

その顔から分かる

 

「背負ったか、お前も」

「……ッ」

 

俺の言葉に答えず、攻撃に移る

ニコは盾を持っているとは思えない動きで滑らかに攻撃する

手持ったショットガンを正確に叩き込んでくる……徹甲スラグ弾だ

 

ヤル気満々だな

 

「!」

 

見上げた根性だと真っ向からシールドバッシュを受け止める

そのまま向けてきたショットガンを掴み、引き寄せる

引っ張られる力に抵抗して身を引こうとするがそのせいで彼女の盾が逸れる

 

半身が空いた

 

「ッあ」

「重みで死ね」

 

イオンライフルは距離的に近すぎて向けられない

しかしサイドアームでも殺傷能力は十分だ

例えるならば俺の放つ物ぜーんぶ致命傷!みたいな感じである

もしくはヘイローの神秘を貫通する物とでも言っておこう

 

兎も角である

 

怯んでいたユキノの援護も間に合わない

このまま彼女をやり切れると思っていたのだが……

 

 

 

 

 

「…ッ」

「今だよ」

「!!!」

 

轟音

あまりの音のデカさに俺は怯み引き金を引けなかった

呆けていたニコをダウナーな声が呼びかけ、正気に戻す

俺の怯みはまだ解けない、その前に俺はニコから蹴り飛ばされた上追撃のショットガンを食らった

 

口端が切れて血が垂れる

吐き気が少し込み上げたが根性でそれを押しとどめた

 

「クソが……」

 

拭いながら爆音の原因を見る

晴れたスモークの奥にピストルにサプレッサーをつけなおしている女だ

ダウナーな声とやる気のなさそうな目と顔

……少しキツイ顔をしているが、多分あれは生まれつきだろう

どうせ勘違いされやすい奴だろう、こうでなければ声をかけたかったぜ

 

「ゲヘナ野郎が二人も……」

「嫌い?」

 

うんざりした様子で呟くもかなり遠くにいるのに彼女は拾い上げたようである

中々地獄耳、俺だったら聴き逃しちゃうね

 

それはそれとして、ゲヘナが嫌いかという質問がいらした

まーはっきり言ってしまうが本当に直球に言うが……

 

「くたばればいいと思うぜ」

「酷いね」

「そりゃそうだろ、問題児しかいないからな」

 

懐から薬を取りだし飲み込む

特に高揚感がある訳でもなく特殊な効果がある訳でもない

ただ痛みを抑えるだけの薬だ、頭をガンガン刺すような痛みのな

 

ちなみに黒服に軽く検査してもらったがこの痛みは色彩によるものらしい

色彩の力が俺を飲み込もうとしているから、それの影響で痛みを感じているらしい

 

飲み込まれたら……あー、キヴォトスは滅びるとか言ってたな

 

ま、ええか

 

 

 

兎も角

 

 

「俺の犠牲は決して無駄にならねぇ……!」

 

 

俺はそう言いながらイオンライフルを放った

 

 

 

見つからない

 

ひたすら、探しているというのに見つからない

 

「一体、何処に……!」

 

砂漠をジープで駆け回っているというのに見つからないのだ

そもそも彼がどこに行ったのか分からないからコレは賭けであるとも言える

 

彼のいる場所に辿り着けるとは限らないのだ

 

 

そう思い、ジープを走らせているときだった

 

 

「止まれ!止まらないと撃つぞ!」

「ッ!誰!?」

 

誰かが私達を静止した

ブレーキペダルを踏み、急停止する

ホシノが反動を殺しながら立ち上がりショットガンを構えた

 

「誰だ!」

「ゲヘナ学園だ!これ以上の進行を禁止する!」

「……何だって?」

 

ホシノは怪訝な顔で彼女達を見た

ゲヘナの生徒達は一糸乱れぬ体制で銃を構えている

アビドスの砂漠でゲヘナがこちらに銃を向けている

それが彼女にとっては意味のわからないことだったのだ

 

……ユメにとっては関係性のないこととは思えなかった

そして何より彼女が彼に心を傾けていたこともありその考えは悪い方向へと向く

 

 

「最終警告だ!これ以上は無いぞ!」

 

 

 

即ち、うるさく叫んでいるコイツらがメシドに何かしたのでは無いかと

 

……彼の殺害に関わっているという意味なら現在進行形でやっている

こういう時の勘は鋭いユメである

 

「……突っ切る、自由に撃って」

「!…分かりました」

 

ギアを変更、アクセルを踏み込む

タイヤが急速回転し砂漠の砂を描き散らして行く

その衝撃をものともせずにホシノはゲヘナの奴らを撃ち抜いた

 

「ぎゃ」

「打たれた!撃ち返せ!」

「いやその前に逃げたほ───────」

 

その声は届かない

発言する前に車に吹き飛ばされたからである

可哀想に、おおナムアミダブツ

 

「クソが……追いかけろ!パンクさせるんだ!」

「了解!」「了解です!」

 

「逃げ切るよ、ホシノ」

「……?分かりましたユメ先輩」

 

そのまま、ジープは加速する

それを追いかけようとするゲヘナ達を迎撃するホシノは微かな違和感を感じた

 

……しかし、その違和感も目の前の弾幕により消え失せるのだった

 

 

 

『アビドスのジープが接近中!人を跳ね飛ばして加速しています!』

「こちらに来ないように逸らしてください、それだけで十分です」

 

無線で告げられるイレギュラーを対処し、目の前の問題に写る

 

『次はお前らだゲヘナ野郎』

『ッ怯まず攻撃を……!』

 

 

SD化された戦場

しかしそこにあるのは地獄絵図、既に死屍累々である

FOX小隊は全員死んだ、ニコは胸を自分の愛銃で貫かれユキノはニコの盾で頭をかち割られている

 

『……ッ今!』

『ンなチンケな轟音で俺が止められるかボケェ!!!』

 

カヨコがサプレッサーを外したハンドガンを上空に撃ちあげるが彼は怯まない

それどころか近くにある10式戦車を持ち上げてぶん投げた

音速で吹っ飛んできたそれはカヨコを下敷きにしながら吹き飛ばされた

 

………不味い、とてもマズイ

 

シッテムの箱で指示を出しているもののそれ以前に力でねじ伏せられている

そもそも土台に立てていない(圧倒的レベル不足)かのようである

 

『くっ……!』

『この……しぶといんだよこの角付き野郎が!』

 

メシドが叫びながら攻撃するとSD化されたヒナを吹き飛ばした

イオンライフルを発砲しながら接近、当たればワンチャン手足がもげる為彼女にガードを強いた

 

そこから彼はガードの薄い部分にサイドアームで攻撃を仕掛ける

ライトマシンガンで防げなかった部分に命中し彼女の体が揺らぐ

 

『ガァッ』

『そこだな』

 

的確に体幹を削る部位をサイドアームで狙撃

片腕でサイドアームをリロード、ホルスターに戻す

 

『的確な指示だが……』

『ッ』

 

そのままイオンライフルを捨てヒナ胸元を掴み

 

 

『意味がまるで無いぞ!』

『ッあぎぃいいっ!?』

 

片手でナイフを引き抜き右目を刺し貫いた

ドロリとした血が流れ、それがメシドを汚した

 

しかし、彼にもう汚れる部位は無い

既に彼は身体中血塗れだ、返り血と自身の血によって

 

『っううっ……!』

『お前が最後だ』

 

そのまま膝立ちにさせるメシド

それに対してなすがままになっているヒナ

 

ここで彼女を失うわけにはいかない

 

すぐさま生きている10式の砲塔を向けさせ攻撃させる

流石に最新技術の注ぎ込まれた戦車の砲弾を受けるのは悪手と見たのかすぐさまそれを避けるメシド

 

すぐさま攻撃を続けるように指示、並行してヒナの近くにフルトン回収装置を転送させる

彼女から見ればいきなりそれが現れたように見えるだろう

 

「そのカラビナを装着してください!」

『わかっ……た!』

 

猶予は5秒もない

彼女がカラビナを掴んだ瞬間航空機は彼女の頭上を通り過ぎる

それからコンマ数秒もしないうちに彼女は空中へ引き上げられた

 

『……フルトン回収か』

 

生き残っている戦車を壊滅させたメシドは航空機の方向を見ながら呟いて

元SRTだから、その時に訓練したのだろう

 

そんなこと、どうでもいい

 

 

 

そう思っていた、時だった

 

 

『次は   お前だ」

 

「ッ!?」

 

 

シッテムの箱から腕が伸びる

突然のことに驚愕しシッテムの箱をガタンと手落としてしまう

その手は止まること無く伸び続け、近くの地面を掴む

 

「よっと」

 

そのまま体を引き上げるように伸びてシッテムの箱から

抜け出す

大きさがあまりに違うが、出ている部分はバグのようになっていてどうなっているか分からない

 

足先まで全て抜け切り、埃を払うようにアーマープレートを手で拭う

 

「さて」

「ッ…」

 

逃げ出そうとする前にイオンライフルを向けられる

それ以前に靴がハイヒールなせいで走れない、砂漠に沈む

というかそのせいでコケた、腰が痛い

 

無様にコケた様を見られて彼は笑った

 

「超人と言われる連邦生徒会長もこの程度だな」

「……ッ」

「どうせお前の拳銃に俺を殺せる弾丸でも仕込んでんだろ

 お前みたいなやつは最後だけ手柄を取りたがるからな」

 

コケた、何も出来ない、銃に伸ばしたら死ぬ、

どうしようもない、何も出来ない

 

 

「この物語もさっさと終わりにしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言われ、引き金を引かれる時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────タンタンッタン

 

 

 

 

 

乾いた音が、響く

 

 

「あ?」

 

腑抜けた、間抜けな声が響く

何が起こっているか分かっていないような声

 

そして、ガシャンと地面にイオンライフルが落ちる

 

「これ、は」

 

彼は自身の胸元に手を当てる

すると、そこにはベッタリとした物が張り付いている

 

 

……自身の、血だ

 

 

「う、が」

 

 

血を吐き、地面に手をついてしまう

 

後ろから撃たれた、それだけは分かっている

しかし、一体全体誰から撃たれたというのだ?

 

 

「連邦生徒会長!」

 

 

そう思っている俺の横を、誰かが通り過ぎた

うっすらしか見えなかったしもう意識も絶え絶えだ

もう、何がなんだか分からない、何が……おきて……

 

 

「リン……ここにまさか来るなんて……」

「心配したんですよ!?早く帰りま……!?」

 

 

地面が、揺れている

薄れゆく意識の中俺はそう思った

何が凄まじく大きいものが振動している

 

一体、なに?

 

「あれは……痛感者……!」

「逃げますよ連邦生徒会長!フルトン回収機装着!」

「……ッ」

 

体が、持ち上げられている

なにか巨大なものに咥えられている感覚

視界に移るのは僅かに白いもの、巨大なヘイロー

 

 

お前は、何だ……

 

 

 

疑問を持ちながら、意識は潰えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……う」

 

 

起きれば、そこは砂漠だった

いや砂漠しかないアビドスだから景色が砂漠であるのは当たり前であるのだが

そう思いながら立ち上がろうとした時だった

 

「ッう、あググ……」

 

足と胸元が死ぬ程痛む

激痛なんてもんじゃない、気を抜いたらショック死しそうだ

苦痛に悶えながら近くにあった岩に移動し背中を預ける

 

「そうか、銃弾が……」

 

そこで、先程の出来事を僅かながら思い出した

後ろから連邦生徒会のリンに撃たれたのだ

恐らく連邦生徒会長は彼女の弾丸に事前に人殺しの弾丸を仕込んだのだろう

 

彼女なら、助けに来ると思ったから

 

……そんなことはどうでもいい

 

「クソが……」

 

医療キットを取り出し応急処置を始める

弾丸は貫通してアーマーに入り込んでいるようである

逆に言えば人体を貫通して更にアーマーの真ん中まで貫通したようである

 

……どんだけ俺を殺そうと思ったんだ

 

「ま、殺せなかったようだが」

 

ハッと笑いながら応急処置を済ませる

痛みが響くが何とか生きている、それだけマシだ

 

 

「よっこら……う」

 

 

痛みを耐えながら立ち上がり、辺りを見渡す

もう既に日が上がっているのを見るにどうやら一日が経過しているようである

暑い日差しが空から降り注いでいる

 

 

眩しい太陽から目を背け、近くにあった自身のイオンライフルを拾い上げる

 

 

「……行くか」

 

 

 

俺は、そのまま砂漠を進んで行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一日目

 

 

装備を捨てた、重苦しいアーマープレートが代表だ

護身用としてサイドアームとイオンライフルはまだ持っている

水筒もまだ二三口しか口に含んでいない

 

まだまだ、行ける

 

 

 

 

五日目

 

 

コンパスが無い

意味がわからなくてよく見てみるとバックパックに穴が空いていた

激しく動いていたせいで縦に裂けている、丁度コンパス位の大きさである

自身のスタイルに任せて動いていたら自身の首を絞めていた

 

なんたって皮肉なもんだよ、クソが

 

 

 

七日目

 

 

……しまった、クソが

俺は砂漠での方角を知る方法を忘れてしまった

恐らく撃たれた時に衝撃で忘れてしまったようである

 

しかし、頭痛は無くなった

 

 

透明だ、気分が良い……

 

 

 

 

 

 

十二日目

 

 

……足が、動かない

原因は分からない、何故か急に動かなくなってしまった

……すまない、少し誤魔化した…まるで錆び付いていくかのように動かなくなってしまった

 

それと、力が抜けるような感覚を感じる

 

 

何かが、俺を見捨てるような感覚

 

 

 

……色彩……か?

 

 

 

 

 

 

二十日目

 

 

水は枯れた、水筒の水はもう無い

マズいと有名な栄養バーも無くなった

体に砂がついて俺を汚していく

 

足の感覚はある、しかし、動かない

 

 

 

……もしかして、このまま、死ぬ?

 

 

 

 

 

 

 

二十五日目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

 

 

 

 

こんな、誰もいない砂漠で、死にたくない

 

 

 

 

 

 

 

 

三十五日目

 

 

 

 

 

 

皆が、俺を、忘れて──────────

 

 

 

 

 

 

 

「……もう、ここしかありませんよ」

「……」

 

砂漠をジープが駆ける

そこには二人の女の子が乗車し、運転している

 

運転しているのは無表情の女の子、荷台にいるのは背の低い女の子

 

そこには、和やかな空気は一切なかった

 

それがピンク髪の背が低い子には耐えれたものでは無かったのだろう

少し迷った後運転をしている浅葱色の髪をした彼女に声をかけた

 

「先輩」

「…」

 

しかし彼女は口を聞かない

聞こえていない訳では無い、運転に集中しているわけでもない

 

 

 

 

 

ただ、話をしたくないだけだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、彼女は見つける事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ」

「ッうわ!?」

 

ユメが何かを呟いたかと思えば、ジープは急停止する

それにホシノは反応し何とか骨組みを掴んだ

 

 

「どうしたんですかユメせんぱ……」

 

 

何事かと問いかける前に、彼女は見てしまう

 

いや、見てしまった

 

 

 

 

 

 

「う、うそだ」

 

 

 

遠目に見える、それを

 

それはまるで人のようであった

何日も放置され砂を被ったような、人のようなもの

 

まさか、それが探している人物そのものな訳が無い

 

 

 

 

偶然、誰かが来て、迷っただけ……

 

 

 

 

いや、それはありえないとホシノの脳が拒否する

ここはアビドスの都市からかなり離れた所

よそ者であったとして砂漠に来ることは無いし住んでいるものなら尚更だ

 

 

あって自殺に来たヤツか

 

 

 

 

行方不明になったものしか

 

 

 

 

 

「……ッ!」

 

 

そう考えているホシノを置き去りにしてユメは駆け出す

反応が遅れるが直ぐに車から降りて追いかける

いつもなら追いつけると言うのに全く彼女に追いつけない

 

いつもはふざけていただけなのか?そう思わせる程のスピード

 

 

何とか、追いついた

 

 

先輩は、立ちすくしていた

 

 

「はぁ、はぁ……早すぎますよユメせんぱ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

息が止まった

 

 

 

時が止まった

 

 

 

何も、出来なかった

 

あまりにも、脳が理解することを拒否したから

 

声を出すことも出来なかった

 

 

 

 

ホシノの代わりに、光の無い瞳でユメは呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここにいたんだね、メシド君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、この時大切な先輩を無くした

 

 

 

 

あの時の優しい先輩は、この時居なくなってしまった

 

 

 

 

 

この後、彼の遺体を埋めた

校舎のすみ、私達にしか分からないような場所に埋め簡素な墓石を立てた

そこらの枯れた木から折った十字の墓

 

名前の刻まれていない、墓

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、私は遅く学校に来てしまった

昨日の出来事もあり満足に眠ることが出来なかったからである

なんとも言えぬ感情を抱き、私は扉を開いた

 

 

 

 

「え」

 

 

 

そこには、先輩が居た

いやしかしそれは直ぐにメシド先輩では無いと気付く

黒い軍用コート、ツバと前面しか無い帽子、ヘッドセット

 

何より、頭には浅葱色の髪の毛が生えていた

 

 

「あ、ホシノか」

 

彼女はこちらに気付いたようで体を向けた

 

 

その目には、光が宿っていなかった

 

 

 

「遅かったな、遅刻だぞ」

「え、あ……せん、ぱい…その、……髪、が」

 

 

ユメ先輩の長い髪の毛はバッサリ切られていた

それこそメシド先輩のような髪型になっていたのだ

 

私の指摘にユメ先輩はあぁ、と言いながら愛おしそうに髪を撫でた

 

 

「邪魔だったから切った、悪いか?」

「いえ、……悪く、ない、です」

 

 

私はそれ以上、追求と指摘を止めた

 

 

 

 

これ以上話しかけたら、殺されそうだ

 

 

 

 

 

それ程までにユメ先輩は、冷徹で恐ろしい顔を、無機質な顔をしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は昨日と今日で、大切な先輩を無くした

 

 

 

昨日は気さくな先輩を、今日は優しい先輩を

 

 

 

 

 

 

 

 

そして私は……希望を亡くした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暑い、干からびそうだ

 

 

ゼェゼェと息を切らしながら誰もいない家々の間を歩く

砂漠の砂が被っていてもう長いこと誰もいないのだろう

 

これじゃ、助けは望めそうに無いかな……

 

 

そう思い、そろそろ倒れてしまいそうになった時だった

 

 

 

「おい、そこの」

「……」

 

声をかけられた

しかしもう声を出す気力も無い、死にそうだ

 

 

「今なら助けてやる」

「……水……」

 

 

助けてくれるようだ

私はそう聞きまず先に水を要求した

喉がカラカラで干からびそうである

 

そう思っていると目の前に水入りのボトルが転がる

 

 

それを音速で掴みゴクゴクと飲み干した

 

 

 

「生き返るゥー!!!」

「そら良かったよ」

 

 

気さくに返してくる彼女

声はかなり投げやりだが心はあるようである

 

私はそう思ってお礼を言おうとして顔を見た

 

 

 

瞬間、背筋が凍るような感覚を覚えた

 

 

 

 

「あぁ、自己紹介をしてなかったな」

 

 

 

 

命を狙われているかのような、カエルが蛇に睨まれているような

 

 

そんな、おぞましい感覚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は、"影印"ユメ

 お前が探しているであろうアビドス高等学校の卒業者だ」

 

 

 

 




……00出ると思った?ごめんなさいタイミングがなかった
あったらちょっと文字がヤバい

最後イラスト追加したかったけど俺には無理やった




ユメの服装としてはメシドのもん全部もりです
実言えば死人の服をそのまま着てます、本人はそれでメシドを感じてる
武器は盾をホシノに譲ってイオンライフルを使用
どこぞの天敵のように人を殺せる威力は出せません



〇晴らせルートではメシドが生き返ります
〇色彩の煽動者ルートではユメが死んだ世界線のメシドがプレとクロコと共に晴らせルートを攻めます
〇アビドス編では本編ルートのアビドスを大体見れます
〇色彩が宿らなかったルートはそのまんまです
〇作者の気分で増えます
〇ちくわ大明神

居る要素に入れよ

  • 晴らせコラ!
  • 色彩の先導者
  • アビドス編
  • 色彩「コイツやだ!小生やだ!」
  • 全部書いて♡かけ(豹変)
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