優しい先輩が切れるナイフになるまで   作:回忌

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世界線・B1

メシドでは無くユメが死んだ世界
子を殺されたユメがブチ切れてテラー化しネル共々C&Cを潰した、これが普通の反応です

その後連邦生徒会長に消された



……その後は本編どおり……?であるが色彩さんの登場である
宿りし肉体がダメそうなので転移してきた、帰れ


A1VSB1


色彩を宿した者として「B1」

「……」

 

 

空を見上げる

 

 

空には青という色は無く、全て灰色に染まっていた

 

 

「……あぁ」

 

 

ため息をつきをついてボロボロのシャーレの部室に腰を下ろした

窓が丁度割れているおかげで座りやすい所である

 

眼下では爆発音と煙が絶えず上がっている

キヴォトスでも異常と言えるレベルの爆発だ、もう俺は慣れたのだが

 

「…全く、どこで狂ったかね」

 

ため息をつきながら横に置いてある展開式の盾を撫でた

無論生き物でもないので答えが返ってくることは無い

しかしまぁ、幻聴でも良いから何か聞こえて欲しかった

 

クソがと言いながらユメの服用していた薬を飲む

軽い頭痛薬程度なのだが、一瞬世界が開くような感覚に陥る

今更…というか今まで切羽詰まっていたからよく分からなかったのだが覚醒剤の成分があるようだ

 

…もう何錠飲んだかね

 

「...メシド?」

「お、シロコちゃーん怪我ないかい?」

 

ふと後ろから声がした

聞き覚えのある声だ

 

振り向いてみれば黒いドレスを着た背の高い女性が居た

 

毎回思うがコイツを見るとなんと言えない気持ちになる

今までの人生を全て消し飛ばして成長したような顔が…

 

「…抵抗してたヤツは、全員殺したよ」

「こっちも終わったぜい、いやーおじさん疲れちったよぉ」

 

静かに彼女は言う、俺は笑いながら言う

笑っているけれどもその奥にある心は多分シロコには知られているだろう

彼女に知られていようと知られていまいと俺は知ったことでは無いのだから

 

「後おじさんは大尉だ、…名前は、止めてくれ」

「……………分かった」

 

名前で呼ばれたくない

……俺はもう誰にも名前で呼ばれたくない

色彩の嚮導者と化した先生であっても俺の名前は呼ばれたくない

その名を呼ぶのは死んで行ったアイツらだけで良い

 

 

『……シロコちゃん達を、お願いしますよ……先輩』

 

「……」

 

 

ホシノは俺が殺した、……仕方なかった、狂っていたから

他の奴らも死んだ、大抵誰かに殺されたり自殺してしまったりしたから

アヤネは自分から生命維持装置を外したし、セリカは行方不明になった

ノノミは自室で首を吊っていた、もうアビドスで生きているのは俺とシロコだけだ

 

「……やれやれ」

 

ため息をつきながら立ち上がる

コートについた埃を落とし、ユメの盾のスリングを持ち上げながらシロコに声をかける

 

「で、おじさん何用かな?」

「……行くって、先生」

「…成程ね」

 

彼女は詳細を言わずに言った、アイツが何をするか知っているからだ

全く先生はいつまでも先生だな……それだからこそ俺の先生なのだが

にしてももうその時期になったのか、早いな

 

「準備は?」

「出来てる」

 

そう言っていると物音が聞こえた

そちらを見てみればデスマスクを被った大きな物体がある

……見る影もなくなった先生である、もう慣れた

 

「先生も大丈夫そうだねぇ……プラナちゃんもかな?」

『何も問題ありません、オールグリーンです』

 

先生の持っているタブレットから声が聞こえる

シッテムの箱のOS、前までは聞こえなかったのだが色彩の影響で聞こえるようになった

あれが先生を援護していると考えれば今までの奇行も納得行く

特に「通話状態でもないタブレットと喋っているヤバい奴」という噂が納得できた

 

「……なら、行こうぜ先生」

 

イオンライフルのチャージングハンドルを引き切る

やることは決まっている、俺はやることをやるだけだ

 

 

 

「アビドスの案内は任せろ…箱舟の場所は大体察せられる」

 

 

 

俺はそう言って、先生を箱舟に案内したのだった

 

 

 

箱舟の中心、ナラム・シンの玉座

玉座と言うにはあまりにも未来的過ぎるそこで、銃弾が飛び交っていた

しかしそれは一方が撃っているだけであり蹂躙としか言えぬ光景だった

 

「くぅ……!」

 

後ろに飛び退き、マガジンを交換する

目の前に居る"自分"は冷たい目で私を見ている

 

「無駄だよ、貴女以上に私は色んな事を学んでいる」

「それでも…!」

 

引き金を引きながら飛びかかるがそれを軽々と躱しそのまま流れるようにCQCを叩き込まれる

私はそれを"完璧に"マスター出来ていない、腕前で劣った私はなぎ倒される

地面に叩きつけられ頭に銃弾を受ける前に体を転がして避け切る

 

「"シロコ!"」

「!先生……!」

 

後ろから聞き馴染んだ声が聞こえる

振り向いてみれば連邦生徒会の制服を脱ぎ捨てカッターシャツの姿になっている先生が居た

どうやらここまで無事に来れたようである

 

「……来たね」

 

彼女……黒い服を着ているし、クロコと言おう彼女は寂しげな顔で先生を見た

それがどういう感情なのか分からないが、恐らく経験する事の無い感情だと思った

そのまま先生の方を見て彼女は言う

 

「ここまでご苦労さま、大変だったろうね」

 

他のアビドスの仲間達も遅れてやってくる

目の前にいる大人びたシロコと私に驚いているようだ

 

冷静にマガジンを交換しながらクロコは言う

 

 

 

「でも無駄な事だよ……プレナパテス?そうだよね?」

 

 

彼女がそう言うと、背後から大柄な人影が現れる

それは……なんというか得体の知れないものだった

どこか似たような……誰かと同じような雰囲気を纏っているような……

 

 

「"…あなたがなんであろうと突破させてもらうよ"」

 

 

 

先生が、カードを取り出す

あれは先生の切り札、ジョーカー……あれがあれば

 

 

 

そう思っていた時だった

 

 

 

「やれやれー」

 

爆発

 

玉座の壁が爆発し、そこからオートマタが吹き飛ばされてくる

無惨に頭を吹き飛ばされオイルのような物を撒き散らしている

 

「邪魔なんだよねぇーハッキングされちゃってこの軟弱AIが」

 

そこから現れた"男"は爆発した壁から迫ってくるオートマタやドローンを吹き飛ばす

そのまま"見覚えのある"CQCでオートマタを地面に叩きつけ首を吹っ飛ばした

 

「ああもうせん……、プレナパテス、あっちのOSがハッキングしてきやが……」

 

彼はプレナパテスに近づいてようやくこちらの存在に気づいたようである

先程までナイフのような目が急にふにゃりと歪んだ

 

「うへぇ……こりゃ団体様だなぁ……おじさんは歓迎してないよこんなの」

 

呆れるような声を漏らす彼

彼の口調には聞き覚えがあった……いや、あったなんてものじゃない

毎日聞くではないか、あの騒がしい部室で

 

「…メシド先輩?」

「メシド君?」

 

後ろから、声がした

 

方や信じられないようなものを見たような声

方や疑うような信じらきれていない声

 

その2人が誰かすぐにわかった

 

 

 

 

 

 

 

それは、私の先輩方だった

 

 

 

 

 

 

 

「…おやおやぁ、見覚えの顔ばっかだねぇ……」

 

 

俺は打ち切ったイオンライフルをリロード、背中にスリングしていた盾を持つ

彼女……いや、あの二人にはとても見覚えがある

他にもどうやら"こちらの世界"の後輩は全員集合しているようだ

……少しでも姿が違えば良かったのに、クソ

 

 

「おじさん達も手を抜ける訳じゃないからねえ───さて」

 

 

しかし奴らの顔はまったくもって俺の期待はずれだ

……よしんば立場が逆だとしても俺はあんな顔をしない

 

なんでまぁ、俺を倒すことにそんな辛い感情を持っているんだか

 

 

 

 

「ゲームを始めよう、ルールは簡単だ

ㅤお前らが俺たちを倒せば世界を救える

 

ㅤ……じゃなきゃ色彩に飲まれて終わりだ」

 

 

 

銃を低く構える

シロコもそれに合わせて己の愛銃を構え、プレナパテスはシッテムの箱を取り出した

 

 

 

「"あれは……まさかプレナパテスって…!?"」

『先生!あれが本当に平行世界のメシドならば警戒の必要が……!』

 

 

 

 

 

 

Come on!Doit!!!(来い!やってみろ!!!)

 

 

 

 

「うぐっ……!?」

 

紫の淡いオーラを漂わせていたこちらのシロコが吹き飛ばされる

追撃するかのようにミニガンの弾幕が彼女を襲った

直ぐに立ち上がるだろうがその時には全てが終わっている

 

「ええいっ邪魔すんなこのクソ……!」

「それが私の役目だドアホが!!!」

 

盾で相手に突っ込みそのままホシノから譲り受けたショットガンで撃ち抜こうとするが相手も盾を展開する

どうやらあちらのホシノはユメに盾を渡したようである

奇しくも同じ構えだ、口調も何故か同じだな

 

「こんなんだったらシロコと代わりゃ良かったね……!」

「君の相手は私だと最初から決まってる、諦めるんだな」

 

見えない死角からスタングレネードを投げ込む

上手く彼女の持っていた盾の裏に入り込んだようである

目の前で凄まじい光が撒き散らされる

 

「今なら……ッう!?」

「させません!」

 

横腹に凄まじい痛みを感じた

そちらに反撃のショットガンを向けた瞬間頭に銃口が突きつけられた

 

イオンライフル、ユメの奴だ

 

先程の痛みはホシノのショットガンだろう

引き金を引けばユメの弾丸が俺に直撃する

 

「…一手遅れた」

「二手だヴァカめ」

 

ハッと笑いながら彼女は言った

やはり俺の知るユメとは全く違うようである

 

ため息をつく

 

「お前は全く手加減しないんだな」

 

手からホシノのショットガンを消し、煙草を取り出した

体に悪いとユメから言われていたな……もう関係ないのだが

あいつは居ないし止めるのは数人しかいない

その数人は気絶しているか追い詰められているかだ

 

なので吸っても問題ない

 

ZIPPOで火をつけながら煙草を咥える

 

 

 

「その事で言いたいことがあってな」

「奇遇だな、俺もだよ」

 

 

 

彼女は笑いながら、俺もまた笑って煙草を吐いて落とし、踏み潰す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君は私のメシド君じゃない」

 

 

「お前は俺のユメじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イオンライフルが火を吹いた

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

ナラム・シンの玉座が崩れゆく

目が覚めて最初に見えたのは大きな大穴の空いたナラム・シンの玉座

そうして辺りに燃え広がる炎

 

最後に、膝をつくプレナパテスとそれに向き合う先生

 

「負けたのかよ、ハハハ」

 

それを見て最初に出たのは乾いた笑い声だった

全ての希望が打ち砕かれた時の感覚はこういうものか

 

これを味わうのは夢の時だけかと思ってたのに

 

 

 

「"……メシド君"」

「俺を名前で呼ぶなクソ野郎」

 

ガクリと片膝をついていた俺におまえは声をかけた

余計なことをするものだ、さすがは先生と言ったところか

吐き捨てるように俺が言うとおまえは真面目な顔で続ける

 

「"プレナパテスが、君に言いたいことがあるって"」

「続けろ」

 

 

 

 

 

 

『"ここまで付き合わせてごめんね、メシド君"』

 

『"君がどれだけの苦難を進んだか分かってるよ"』

 

『"そして私のことをどれだけ信用していたのかも……"』

 

『"態々私の無駄なことについて来るくらいに君は信用していたよね"』

 

『"初対面が嘘みたいだ、顔を見た瞬間撃ってきたよね"』

 

『"全てが、懐かしいよ……"』

 

『"……後は、君のやりたいことをやってね"』

 

『"責任は、大人が取るからね"』

 

 

 

 

 

「…この馬鹿がよ」

 

代弁されたその言葉を俺ハッと笑いながら聞いた

アンタはやっぱり俺の"先生"だった訳だ

 

……だからこそ俺はお前の宿した色彩の半分を身に宿している

全く起きない寝坊助な……まるでアンタみたいな色彩を宿してる

 

 

「仕方ないから、アンタの言う通り……好きに生きてやるよ」

 

俺がそう言うと、体が粒子になって行く

脱出シークエンスだ……アンタは本当に用意周到だな

何時でも生徒のことを考えている、逆に自分のことは疎かだ

 

 

危なげなアンタが……俺は好きだったよ

 

 

俺はそう思いながらふとあることを思った

 

好きに生きると言ったが…やりたいこと、それはなんだったか……

先生の前から自分が消える、泣き叫ぶシロコ・テラーを眺めながら俺はアトラ・ハシースの箱舟から弾き出されたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、目覚めた

 

 

荒廃した、遠くに馴染み深いビルの見える砂漠で




"大尉"

平行世界からやってきた男性の生徒
こちらの世界のホシノのような口ぶりを披露するが偶に本音が出ることがある
その目に希望は無くただ今を生き続けているだけである

……尚アビドス生からユメとの共依存を疑われたが否定している
本人曰く「アイツは俺のユメじゃない」とのこと、ユメもまた私のメシドじゃないと言っている

頑なに自分の名前を言われたくなく、名前を呼ばれると怒りを顕にするとか
……それは"先生"も例外でなく、「テメーはガラスの向こうからタップするだけじゃねーか」とキレられる

居る要素に入れよ

  • 晴らせコラ!
  • 色彩の先導者
  • アビドス編
  • 色彩「コイツやだ!小生やだ!」
  • 全部書いて♡かけ(豹変)
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