公式おバカ二号、ロリと合流する。
改めてAL-1Sの顔を見つめる。
差し込む光が静かに移ろう中、この少女だけが時間から切り離されたかのように、微動だにしない。
その静謐さは、見ている者に現実感を失わせるほどだった。
身長よりも長い黒髪の全裸の少女は、リオ曰く『AL-1S』なのだという。
光の中で眠りにつく少女は、触れたら儚く散ってしまいそうな神秘性を秘めていた。
では、『AL-1S』とは何だろうか。イシュには分からない。正解はリオだけが知るのだろう。
正解、という言葉は適切ではない。もっとも多くの情報を握っているのがリオということ。
大方、"いたずらに生徒を不安にさせるべきではない"といったような理由からリオ自身で情報を封鎖している可能性が高い。
不器用で言葉が少ないから誤解されがちな人だけど、生徒を守ろうとする気持ちがとても強い人だからだ。
だから少しでも信用してほしいな。なーんて。
イシュは少女をいろいろな角度から眺めて、地面に届く髪を一房摘み、光にかざし、感触や匂いを確かめる。
指先に絡む髪は驚くほど柔らかく、枝毛一つない艶が光を受けて滑らかに輝く。
その一方で、埃の匂いがかすかに鼻をくすぐった。イシュは首をかしげ、口元に小さな不満の色を浮かべる。
これは"ユズと一緒にシャワーに放り込まないといけない"とむんむん顔。
虫の羽音すらも聞こえない静寂を壊す少女の呟きが響いた。
「うーん、顔が良い……。45%ユウカくらいかな?"サークル"」
どこの部位の話だろうか。
そんな他愛のない独り言の後、イシュの両手に青白い光が灯り、全裸の少女、『AL-1S』の頬に両手が添えられた。
少女の体が震え、それからイシュの耳に聞こえてきたのは高所から何かが落ちてきた、ドサリという音。
手元の機器からリオにデータを送信し終えた後、"ターゲッティング"の銃口を音の発生源に向け、気配を消し足音を立てずに歩く。
反響音から、落下音の発生源と自分の現在位置の距離感を測る。
"ターゲッティング"を構えて後は撃つだけ、引き金に指が掛かったところで声が聞こえた。
声の主というのは、イシュがよく知る少女達の声と男性の声であった。
「お姉ちゃん、大丈夫?!」
「死ぬかと思った……」
「あれれ?モモイにミドリ?それから先生?」
死ぬかと思った、と呟くモモイに、姉であるモモイを心配するミドリ。
才羽姉妹。双子の姉妹で綺麗な金髪に小さな身体、猫耳型のヘッドホンと猫の尻尾を模したものを着用している。
イシュの同級生にあたる少女たちだ。
ミレニアムのアウターを着崩して活発なモモイ、キチンと着込んでいる少し内気なミドリ。そんな服装からも見て取れる個性がある姉妹だ。
着用している才羽姉妹は知らないが、EEG(脳波計測)技術が搭載された猫耳は着用者の脳波を読み取り、尻尾は感情とリンクした動きを見せる。
先生が下敷きになったことで才羽姉妹が怪我を負うことはなかったが、イシュは起き上がれない先生に手を貸して立ち上がるのを促す。
「ところで二人と先生はどうしてここに?」
「え、えーと……」
「『G,Bible』を探しに来たの!ねっ先生!」
「"そうだね"」
「イシュちゃんはどうしてここにいるの?」
「私はねぇ……趣味!廃墟探検しにきたの!」
「じゃあ道中で見たロボットは……」
「うん、私がやったよ」
ここに辿り着くまでに才羽一行が見たロボットの亡骸達。
廃墟から工場に辿り着くまでにモモイとミドリが見た光景は手足がもがれ、地面に倒れ伏す機械兵。
首が折られてオイルを垂れ流す機械兵。ずっと突っ立ったままの機械兵。人間でいう目に相当する部分から光が失われた双眸。
それらの遺骸が道標となって工場まで辿り着いたのは事実だ。才羽姉妹は驚いてはいたが、工場に辿り着いたときに頭から抜けていたようだ。
先生は才羽姉妹と同様の光景を見て、わずかに顔を顰めた。
このような行動は『幼児が虫や小動物に対する行動』のように思えた。
自覚の有無に関わらず、このような行為に及ぶのはイシュの過去に関わることだ。
好奇心から、感情や共感の未発達、力の誇示と支配欲、ストレスや不安の発散、ゲーム感覚。理由など色々あるのだろう。
だけど、先生にとっては見逃せない事柄であった。
見逃せない問題であろうとも、イシュ個人のプライベートに深く繋がる問題であるため、才羽姉妹がいる間は問えない。
「"どうしてあんなことをしたの?"」
「???」
真面目な顔をした先生に問われたイシュは『どうしてこんなことを聞かれるのか分からない』といった顔であった。
ふと見せた真面目な顔の先生に、ミドリは黙り込み、経緯を見守る。アウターのポケットを探し始めるモモイ。
「ミドリ、もしかしてこれからイシュ怒られちゃうのかな」
「うーん、どうなんだろ?」
「ねえミドリ。ゲームしよっか」
「……うーん、まあいっか」
モモイなりの気の遣い方なのだろう。不器用であるが、それを読み取ったミドリもゲームに付き合い始めると、すぐにキャイキャイと声を上げ始める。
先生はしゃがみ込み、イシュの目をしっかりと見つめて。イシュもまた、しっかりと先生の目を見ていた。
「廃墟から工場に行こうとしたら邪魔されたの。倒しても倒してもずっと囲まれ続けたから邪魔だなって思って倒したの」
「"いいかい?私はイシュが心配なんだ"」
「どうして??ロボットは脆かったし、私は簡単にダメージを負わないよ」
「"そうかもしれないね。けれどもイシュが怪我をしていたらと思うと私は悲しいよ"」
「"C&Cのイシュにとっては脆かったかもしれないね。だけど、本当にカッコいい人は無傷で行動不能にすると思うんだ"」
「カッコいい?」
カッコいいという言葉に対する食いつきは、イシュの目の変化を見て簡単に読み取れた。
怒られるのかと顔を伏せようとしていたイシュを一瞬で文字通り色を変えた目に、小さな手を握りしめて先を促す。
今、イシュの頭の中に占めるのは、カッコいい=強い、だ。
そういえばネルも戦わずに"勝って"いるのだ。ひと睨みで不良生徒を引かせたこともあった。
「"そうだね、技術がある人と言い換えようか。私は戦いに明るくないけれど、一言で倒すといっても色々あるでしょ。派手に壊すよりも無傷で行動不能にする方がスマートでカッコいいと思わない?"」
「う……うん!カッコいい!その方がカッコいい!ねえねえ先生!圧倒的な強さで勝つのと、スマートに勝つのはどっちがカッコいい?」
「"どちらもカッコいいと思うけれど、私はスマートに勝つ方が好きだよ"」
「だったら私、もっと強くなるね!スマートでカッコよくなる!」
イシュの頭の中では、他のコールサイン持ちなら、どのような方法で行動不能にするか考えていた。
ネルなら問答無用だろう。アスナなら気づけばロボットが自滅している。カリンなら動けないようにするし、アカネなら部品すらも残さないし、爆弾で大穴を開けているかもしれない。
「あ、ふたりとも終わった?もうちょっとでクリアだから待ってね」
「お姉ちゃん、そっちにいっちゃだめだって」
「あー負けちゃった」
「お姉ちゃんのせいだからね」
「緊張感ないね」
「"これが二人の良いところだよ"」
ミドリとモモイは二人の話が終わるまで持ち込んだゲームで遊んでいた。むしろ先生とイシュの話よりもゲームの方に夢中になっていた。
ミドリの目から見ても、モモイの目から見ても、先生とイシュの間には気まずい空気は存在していない。
「ねえねえ皆見て」
「先生は見ちゃだめ!」
「"ふぎゃ"」
先生はイシュに腰を掴まれて回れ右。先生の腰に抱きつくように、イシュは先生に話しかける。
それもそうだ。モモイの視線の先には裸の少女、AL-1Sがいまだ眠ったままであり、先生自身も眼鏡越しに見えた光景は、AL-1Sの指先とつま先だけ。
それでも嫌な予感を感じ取ったのか、自分からは積極的に近寄らないようにしていた。
もっとも脚だけではなく。
「ねえ、先生。この先には裸の女の子が寝てるの。だからこのままでいてね」
「"わかったよ"」
「リオ会長には私から報告しておくから」
「"よろしくね"」
イシュの補足から、この先の光景が、"男性"で"大人"である自分が見るべきではない光景であることに確証を持った。
モモイとミドリがAL-1Sを見つけて、それぞれ感想を言い合う。
モモイがAL-1Sをアリスと読み、名前だと誤認して。ミドリが訂正して。
そのあり方が、距離感が気の合う友達ではなく、足りないものをお互いで補う関係にイシュは先生の腰に抱きついたまま笑みを浮かべていた。
「いいね、姉妹って」
「"そうだね。イシュは一人っ子?"」
「うーん。そうとも言えるし、そうでないとも言えるかな」
「"そうなの?"」
「そうだよ。今の私と同一の性能を持つ体は地下の回廊にあるはずだから、姉妹といえば姉妹だよ。ただし、同一の性能で量産されているから何人姉妹になるのかわからない」
先生の腰にしがみついているイシュの顔は、先生からは当然見えないし、お互いに背を向け合っている才羽姉妹からは見えない位置取りで、イシュの目は瞬きを止めていた。
いつか狐坂ワカモに語った、あの時と同じ、黄色の瞳から感情の色は抜け落ち、目は開きっぱなしで。
所詮は量産できる工業製品、機械や装置に故障や異常が発生しても、
「"こうやってモモイやミドリ、私と一緒に行動しているイシュはたった一人でしょ?"」
「この瞬間の記憶も他の身体と同期しているはず。仮に今、この体が損傷し、破棄しても他の身体が記憶を引き継ぎ、新しい『音無イシュ』として活動するだろう」
「"そういう言い方は好きじゃないな"」
「そうであるはずだ。この体は量産されているはずだ。同一の生産ラインから生産された無数にある体の一つであり、同一の肉体、同一の記憶を持つ『次の音無イシュ』は皆が知る音無イシュと同一と定義できるだろう」
「"今、私の体温を知るのは、君だけだよ"」
「この情報もすぐに同期される」
「"君は代替品なんかじゃない。私の生徒は誰一人替えがきかないよ。君も私の大事な生徒の一人だよ。イシュ"」
「……そうか」
先程から、イシュの人格が変わったような口ぶりだった。
ユウカやノアから聞き及ぶイシュは、甘えん坊で、幼くて、ちょっと勉強が苦手。ほっぺたがモチモチスベスベで癖になる感触だとか。
だけど一年生ながらミレニアムサイエンススクールの中でもトップクラスの強さを誇る。そんな生徒だ。
だが先程のイシュはどうだ。声に抑揚がなく、自分自身を替えのきく部品の中の一つ、物であるかのような言い方であった。
物であるかのような言い方ではあったが、その事実そのものに自信がなさそうな、代替品である事実に確信を持っていない言い方であった。
まるで『人が変わった』かのような口ぶり。まるで自身が作り物であるかのような物言いであろうとも、先生は『個性』として受け入れる。
「("もしイシュの言う通りなら、どのような方法で魂を他の肉体に移すのだろう?")」
そもそも魂とは何か。神秘は何か。魂と神秘はどのような関係にあるのだろうか。
先生はこの考えが頭に浮かんだ時点で思考を止めた。これでは黒服と同じになる。
このキヴォトスの生徒達の中には特殊な力を持つ生徒がいる。イシュも『その中のひとり』というだけだ。
思考に蓋をして、これではいけない、と先生は自身の大事な生徒たちに視線を移した。
☆
ミドリが猫さんパンツをはじめとした衣類をAL-1Sに着せた時に、それは起こった。
聞こえてくる機械音にイシュは先生の盾となるべく、銃を構え先生の前に立つ。
イシュから少し遅れて才羽姉妹もそれぞれの愛銃を握る手に力が入る。
「状況の変化及び接触許可対象を感知、休眠状態を解除します」
「お、お姉ちゃん、イシュちゃん、先生、この子目を覚ました……!」
「私は先生の護衛をするから会話をお願いしても良い?」
「"……"」
イシュは、"サークル"を使用した際に一度AL-1Sの体に触れているが、起動はしなかった。
だがミドリが触れたら、起動をした。
「……私と先生では権限に差があった?だったらどうして私はここに入れたの?」
イシュの胸に渦巻く疑問は、答えが出ない。
近くにいる先生にすら届かない小さな小さな独り言。
もし先生と私の権限に差があるとするならば、入った時。
私の場合は機械音声くんが壊れちゃった結果入れたけど、先生の場合は恐らく正規の方法で、機械音声くんが壊れずに入ってくることができたんだと思う。同行者のモモイとミドリも同等の権限を付与されたのだろう。
「先生、どういうことだと思う?」
「"イシュはあの子に触れたの?"」
「うん、枝毛が全然なかったよ。それにほっぺたも触ってみたの。私のほうがモチモチでスベスベだったよ!」
イシュが先生の手を摘んで頬に当てる。
自分のほっぺが幼児のそれのような手触りであることを証明したかったのだろう。
「"わっ……本当にスベスベでモチモチだ"」
「ユウカもノアもリオ会長も
先生の視線はイシュと才羽姉妹を行ったり来たり。
三人の様子から敵対的な関係ではないように見受けられたため、先生は三人に近づき、話を確認する。
「先生、この子、えーと『接触許可対象』がどうとかって言っていました」
「セーブデータが消えちゃったんだって」
「『接触許可対象』は攻撃対象じゃないんだって。だから先生とモモイとミドリは攻撃対象じゃない、と思う」
「じゃあイシュは?」
「わかんない。ねえ、あなたにとって私は『接触許可対象』なの?」
「回答不可。本機の深層意識における第一反応が発生したのだと推定されます」
モモイが良からぬことを思いつき、口に出し、ミドリの胸には良からぬことを思いついたのだと推定できており、言い合いが始まる前にイシュの口が開いた。
でも、イシュには回答が分かっていた。AL-1Sも、私も…… 。
「先生もいるし、とりあえず移動しない?」
「そうしよ!」
「そうだね」
「"そうだね"」
「じゃあ私が殿を務めるからモモイとミドリで先生とその子を挟んで移動するよ。ヘイ、ドローン君!C&Cに連絡して」
先生たちと合流する前にはフラフラと飛んでいたドローンだが、いつの間にかフラフラと飛ぶことなく、誰かに制御されているかのように飛んでいた。
☆
先生たちはミレニアムサイエンススクールに辿り着いた。
イシュをお迎えに来てくれた生徒は、イシュだけかと思っていたようで一台しか車を用意していなかった。
連絡時にイシュが二台で来て、と伝えていなかったのだが、運良くミニバンで来てくれたため、二往復することなく学校に戻ってきた。
「じゃあ私はこれで。また部室に行けばいい?」
「うん、いいよ」
「あれ?何か用事?」
「うん、その子、ずっとあそこにいたんだからシャワーにいれないと駄目だと思う。ついでにユズも」
「"嫌がっているならやめてあげてね"」
「うーん、衛生面で問題が無いならいいんだけど……」
「"そうだよね……"」
「無理やり連れ出したりしないでね」
「わかった」
リオにモモトークを送って、イシュは先生達と別れて動き出す。
ミレニアムサイエンススクールは広い。主要施設を囲むモノレールだけで三つの駅があり、それぞれ南北、西に設置されたモノレールステーションで生徒たちは移動するが、イシュの目的地はミレニアムサイエンススクールの中央にあるミレニアムタワーだ。
西側以外の南北のモノレールステーションからは大きな距離差は無い。
一切揺れないエレベーターから見える絶景はミレニアムサイエンススクールを見下ろすことができる。
バリアフリーも行き届きながらも最先端のセキュリティーシステムが搭載された施設だが、セミナーの会長の部屋となれば更に高度なセキュリティーが搭載されている。
ミレニアム生といえども簡単に出入りができない施設の中の一つだ。
リオの執務室がある階には多くのAMASの視線と、セキュリティードローンが張り付いていた。
隙を見せたら撃つ、と言いたげな物言わぬ視線は、見つけられただけで46個の瞳。
今日はリオ会長に色々と報告することができた。AL-1Sのこと、"サークル"のこと。
それから提案がいくつか。それらで書類を作成……するのは難しいからリオ会長に直接話しに行く。
多分、リオ会長も『その気になればいつでも閲覧可能なデータ』に残したくないだろう。誰のこととは言わないが、主に
「リオ会長、いるー?」
「いるわよ。入って頂戴」
「わっぴー」
「こんにちは、イシュ。ご苦労さま」
「えへへ、いいよー」
「早速報告を始めてくれるかしら」
「ん!」
護衛代わりのAMASを視界に入れて、イシュは当然のようにリオの前に立ち、バンザイ。
膝に乗せることを所望しているようだが、リオは言葉を発しないイシュを不思議そうな顔で見つめている。
もう一度、ん!といってもイシュに手を伸ばされることはなかったため、イシュは自らリオの膝の上に座った。
リオが使役するドローン群であるAMASは何も反応をしない。
「えっとね、まずはAL-1Sから。今はゲーム開発部の部室にいると思うよ。実際に触れてみたけど、スベスベで顔が良かったよ!」
「……そう」
「それからね!髪に枝毛が全然なかったの!すごいねー」
「……そう」
「リオ会長も枝毛が無いよね」
「……そう」
「むぅ……AL-1Sって何なの?」
「ごめんなさい。今は話せないの。結論が出たら貴方にも話すわ」
「わかった!じゃあ私から提案があるんだけど、あの廃墟、ミレニアムで接収しない?きっと役に立つはずだよ」
イシュは、廃墟について自分の目で見てきた光景を話し始める。
数え切れないくらいの機械兵が存在して、廃墟を徘徊していること。また倒しても倒しても湧いてくるから何か特別な方法で製造している可能性が存在すること。
その上で制圧し、生産ラインを設置すると、ミレニアムの利益に繋がること。
強力なアヴァンギャルドくんを製造してミレニアム自治区の治安維持に貢献できること。
ミレニアムの戦力増強や学外に出す様々な製品を製造させることにより、利益が見込めること。
生産ラインを設置することにより、不良生徒を雇用して治安の改善を見込めることを説明する。
リオからすると具体的な数値も、それを証明するデータも無い、穴だらけの提案を無下にするのは簡単だ。一言、たった一言『駄目よ』と言えば良いのだ。
AMASで監視できる程度の、友達との探検ごっこならまだいい。本当に危なくなる前にAMASで助けれるだけで済む。
だがミレニアムの予算を使用できるものかと問われれば、使用できないレベルのもの。
それでも自身の胸元で、辿々しく一生懸命に説明する一年生に対し、リオは分かりにくい微笑みを零すのだった。
「……考えてみるわ。AMASをつけるから改めて廃墟の調査をお願い」
「はーい!ゲーム開発部と会ったらどうしよう?G.Bibleってやつを探しにまた行くと思うの」
「そうね。同行するふりをして、可能な限り調査をしてきて頂戴。その上で接収するべき施設か判断するわ」
「だったらC&Cに任務として出してね!ついでにその間遅れてる勉強教えて」
「勉強は他の人にお願いして頂戴。もう一つ。貴方が送ってきたデータは何?」
「えーとね、"サークル"っていって、多分、記憶を壊すの。できるかな?って思ってやってみたらできたの。廃墟の機械兵の十体に発信機をつけて放置したときの位置データね」
リオ会長だったら何かわかるかも?って思って送ってみたの、と笑いかける少女の顔を見て、リオはデータに目を移す。
話を聞けば、機械兵は侵入者を拒む行動を取っていた。
しかし"サークル"を受けた機械兵のデータには、自らの存在意義を忘れたかのように不規則な動きを繰り返した形跡を残し、もう既に動いていない様子が見受けられる。
「どういうことかしら」
「何かあったの??」
「すべての対象の位置情報は一時間以上変化していないわ」
「多分、OSが機能停止になったんだと思う。"サークル"は"そういう"効果だから。廃墟の調査に行くときに一緒に見てくるね!」
「まずはデータが欲しいわね」
「わかった!」
リオの双丘に顔を入れてグリグリ。
困惑しているリオの顔は見られないが、それでも少しでもリオと触れ合いたいと思っての行動だった。
適度に柔らかくて、リオの鼓動を感じられる。
現実の"サークル"は夢の中ほど"強力ではない"。
"夢の中"では当たった瞬間に脳が壊れていき、戦闘ができる状態ではなくなる。
スタンドアローンの機械兵なら簡単にOSごと破壊できそうな現実の"サークル"だが、恐らくAL-1Sには効果がない。
AL-1Sと機械兵は性能面をはじめとして全てにおいて雲泥の差がある。
イシュは少しずつ夢の中の"サークル"と現実の"サークル"の差異を、独り言を呟きながらリオの胸の中で埋めていく。
最近AIくんにイシュのイメージを出力してもらっています。
ヘイローの形を始め、エプロンのモモフレ等細かいところまで出力できませんが、ただのロリになりました。(本当はロリ巨乳なんですけど)
イシュ(バニーガール)を出力するんじゃなかったよ……ふわふわもこもこのアウターを着てもらうようにします。
また次回更新時にお会いしましょう。
アンケートの結果、別衣装が同数だったため決選投票です
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制服
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水着
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バニー
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