時々ボソッと本音で愚痴る隣のアーリャさん   作:妄言a〜

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休日エンジョイ

 

 

カチャカチャと暗い室内に響く音、ここにはそれしか響かない、締め切ったカーテンからは朝日が少し顔を出していて小鳥たちが早速鳴きながら辺りを慌ただしく動き回り、太陽が顔を出したことで世界が動き出す、ただ、そんな中でも一切構わず折りたたみ机の上に置かれている小さいモニターを齧り付くように見つめ、画面の先のキャラクターを一心不乱に動かし続ける。

あと少し、あと少しでようやく、深夜から始まった戦いも終わりを告げようとしている、正確な動きで的確に攻撃をかわし、ダメージを与える時も消して欲張らず安全圏を的確に意識してのヒットアンドアウェイ、このゲームを作った製作者に殺意とも言えるような賞賛を思いながら焦る気持ちを押さえつける、

 

そして…

 

「朝よ!アーリャちゃん!!」

 

「ッ!?っっ!?!?」

 

バンッっとドア勢いよく開けられビクンっっと肩を震わせる、何事かと開け放たれたドアを見つめると

栗色の髪の毛を美しく靡かせながら起きて直ぐにここに来たらしく、ピンク色の可愛らしいパジャマ姿で満面の笑みを浮かべながら暗い室内に足を踏み入れる。

 

「もぉ〜またこんな暗いところで画面みてぇ〜ダメでしょ?目が悪くなっちゃうわよ?」

 

ズカズカと部屋に入ると外との関わりを遮断するように閉めているカーテンを容赦なく開け放ち、暖かな光が暗い室内を照らし始める。

そこは半分は実用的で、もう半分は部屋の主の趣味を反映させているのだろう、片方はベットや勉強机、学校に必要なものや立てかけられた本棚には真面目な本がズラリと並び。

もう半分は折り畳みの机の上に小さいモニター、その下にゲームのハードが所狭しと並んでいて、配線がごちゃごちゃと絡まりコンセントを全て独占している。

その部屋の主はハーフパンツにTシャツ、TシャツはいわゆるネタTで、「働いたら、負け」

とでかでかとプリントアウトされている、普段だったら美しい輝きの銀髪も、ボサボサで太陽光の光でキラキラと光り輝いているのが余計に違和感を強調させ、黒縁眼鏡をかけていて、顔の半分を占領している、

開け放たれたカーテンを眩しそうに見つめてジトッと文句を言いたげに部屋の侵入者を見つめる

 

「ちょっとマーシャ、人の部屋に入る時はノックしてよね、今私は忙しいのよ」

 

「アーリャちゃん、お姉ちゃんと約束したでしょ、ゲームは3時間までって」

 

「キリのいいところで終わらなかったんだからしょうがないで、あぁッ!?」

 

まるで親子のような会話をしながら何か致命的なことに気づいたのだろう、慌てて画面に目をやると、今までの努力を嘲笑うようにでかでかと

gameoverと書かれている

 

「ぁ、あぁ、やっと、後ちょっとで…あとほんの少しで…勝てたのにぃ…うっぅ……」

 

「ご、ごめんねアーリャちゃん、お姉ちゃん邪魔しちゃった?」

 

「良いのよ…またやり直せば…グスッ…いいだけだし、でももう今日は無理、アニメ見たいけど気力持たないから寝る…あ、アニメ録画しといて」

 

「うん、いつも通りで良いのよね?おやすみ〜……ダメよアーリャちゃん今日私とお出かけするって約束でしょ?」

 

流れるような動作で肩をおとしながらベットに入り毛布の中で丸くなり始めると、いつも通りなのだろうか、特に疑問も持たずに部屋を出ていこうとするが、慌てて部屋に戻る

 

「えぇ、今から?私眠いのよね…」

 

「でも約束したでしょ、アーリャちゃんはなかなか私とお出かけしてくれないし先週から楽しみにしてたのよ?」

 

布団から顔だけ出したカタツムリアリサはマリアがしょんぼりとしながら自分とのお出かけがどれだけ楽しみだったのかを全身で表現している

 

「ぇ、えっと、いやでも…私眠いし…日曜もあるわけだし…ね?」

 

「日曜は次の日学校があるから嫌だって自分で言ったじゃない」

 

「ゥ…」

 

しょんぼりしている姉を見ると罪悪感で心を痛ませながら何とか交渉を進めるが自分の発言がさらに自分の首を絞めてきて、もうまともな手がなくなって言ってしまう

 

「しょうがない…あんまり使いたいてじゃなかったけど」

 

「?」

 

そう言って1度部屋から出ていく、最初は諦めたのかと思っていたが数分後にまた戻ってきた、手には薄い何かを持っている、それはそこそこの大きさでA4ぐらいはあるかな?と思わせるもの。

持ってきたマリヤはふふんっとドヤ顔しながら水戸黄門のようにアリサに見せつける

 

「そ、それは!?」

 

マリヤが取り出したのはあの冬のクリアファイル、抽選で100名にしかあたらない限定商品。

アリサはこれを手に入れるためにどれだけ長く祈り、指にペンだこができるほどペンを握り続けた。

なのにだ、アリサが必死になって応募券を量産している間に「面白そぉ〜」とマリヤが興味を持ち、1枚だけ書いて応募、「まぁ、私のは当たるだろうけどアリサのは当たらないでしょ」とはありさ談。

アリサがどれだけ願っても溢れ落ちる物をマリヤはサラッととってしまう、それがこの姉妹にとっての当たり前。

そしてアリサにとって喉から腕どころか内臓を飛び出してまで欲しい1品。

こんなものを出されてしまえば人参を目の前に吊るされた馬と同じだろ

 

「何してるの、行くわよ」

 

「やった〜」

 

カタツムリから人間に戻ったアリサはさっさと限定品を手に入れるために準備を開始する。

 

「はぁ〜美味しかったぁ〜」

 

「生クリームが甘さ控えめなだから案外お腹に入っちゃうわよね」

 

2人は満足そうに店を出る。

ここはショッピングモール、そこそこの広さで店舗数も多く、土日には多くの人がここを訪れる。

そんな中でも一際目立っているのがこの姉妹

マリヤは白を基調としていて、ピンク色のスカートが可愛らしさを強調しているが、ボタンの部分に余裕が無いため、胸元も強調してしまっている。

マリヤも人の目を奪っているが、アリサには勝てないだろう

アリサは上下ジャージ、中にパーカーを着て、丸いサングラスを掛けている。パーカーは白いがフードの部分しか出ておらず、全身真っ黒のため銀髪が一際目立ち、女性からの熱っぽい視線が後を絶たない。

 

「あぁ、私ちょっと御手洗行ってくるからここに居てね」

 

「はーいいってらっしゃーい」

 

数分後御手洗戻ったアリサはマリヤが居るであろう場所に向かう。

 

「あれ?マーシャ?」

 

キョロキョロと辺りを見渡しても全く見当たらない、ここは休憩できるようにベンチが設置していて、そこを取り囲むようにぐるっと店が並んでいるため見晴らしもいい、それなのに全く見つからない。

マリヤが目立つため直ぐに見つかると思い探しても

 

「はぁ〜どこ行ったのよ、だから離れないでって言ったのに」

 

ため息をひとつ、電話で呼び出すために携帯を取りだしてピクっと止まる。

 

「そういえば新作のラノベ発売されてたっけ」

 

マリヤと2人で見てもいいのだが、じっくり時間をかけて選び抜いた作品を買いたいというのがオタクである。

 

「よし」

 

姉だって立派な高校生だ、普段ぽやぽやしているが生徒会に所属もしている、だから多少放置しても問題ないだろう。

むしろ問題は放置したことによるその後が若干めんどくさいぐらいだが、まぁなんとかなるだろう。

 

そんなことを考えながらエスカレーターで2階に上がり本屋えと足を運ぶ、文庫本やラノベ、漫画など多種多様な本が列べられている店内を見てアリサは目を輝かせながらキョロキョロと何を買おうかと考えて店内を巡る。

そんな至福の時間を味わっている時にポケットに入れていた携帯が震える。

それはチャットで内容は

 

「あ、アーリャちゃ〜ん私今面白い人達とあったからおいで〜」

 

?を浮かべてしまう、面白い人?誰だろう?たまにショッピングモールで仮装して居る従業員などを見かけるからそれかな?と考えながらも指定された場所に向かっていく。

 

 

 

 

久世視点

 

 

朝、それはほとんどの人間にとってあまり好きではない時間だろう、起きて学校や職場に向かい、また大変な一日を過ごさなければならない。

けれど今日は休日、机に拘束され子守唄のような教師の話を聞かなくてもいい、それだけで気力がみなぎり何をしよう、どこに行こうとウキウキになりながらいつの間にか眠ってしまう。

ただ、何の連絡もなしに泊まってきた妹にバットな朝を提供されなければの話

 

「はぁ〜眠い」

 

「おいおい、昨日寝付けなかったのか?」

 

「ちげーよ誰かさんのせいで最悪な目覚めだからな、レムってる最中に叩き起されたら誰だってこうなるだろ」

 

「何言ってんだよ?幼なじみ兼妹による寝起きドッキリだぜ?もはやご褒美を通り越して目的地だろ」

 

「そのナビ狂ってるから買い直した方がいいな、目的地周辺で案内終わらせんな、最後まで連れてけ」

 

久世が話している人物は妹の周防有希、学校では特殊な事情のためお互い幼なじみで通しているが、人目のつかない場所では普通?とは言えないかもしれないが良好な関係を気づいている。

 

「というかお兄ちゃんアーリャさんとなんかあったかい?そろそろニーソックスの1個でも貰えたかい?」

 

「久しぶりに実家に帰ってきた息子を出迎える感じで言うなよ、最低すぎるだろ」

 

上京した息子が久しぶりに実家に顔を出した時のテンションでもの申す妹に白けた目を向ける。

 

「というかお前が今日出かけたいって言ったから早起きしたんだろうが、うだうだしてないで準備しろって」

 

ソファに寝そべりパジャマ姿、背中が軽く見えてしまっていて、純白で、シミひとつない肌を晒しながら足をパタパタ漫画を読んでいる有希に文句を言う。

 

「だって最近お兄ちゃんアーリャさん、アーリャ〜!!って私に構ってくれなかったじゃない!」

 

「何言ってんだよ?俺にとってはお前が1番…ふっ…だぜ?」

 

「お兄ちゃん!!」

 

突然立ち上がった有希は目尻に涙を貯めながら悲しそうな顔で久世に感情をぶつける。

それを受けとめニヒルに笑う兄に感極まったのか思い切り抱きつくと蝉のようにくっついて。

 

「というかまじで何があったの?」

 

「突然素に戻んな、なんもないって」

 

「うっそだぁ〜」

 

「ないって言ってんだろ、早く準備しろって置いてくぞ〜」

 

「はいはーい」

 

全く納得しては居ないが、まぁ後でいくらでも聞け出せるチャンスはあると悪い顔をしながらそそくさと準備し出発する。

 

「いやぁ〜良かったなぁ」

 

「尊い…まじキャパ超え尊し最上川」

 

「松尾芭蕉もまさか最上川が雑な使われ方するとは思ってなかったろうなぁ」

 

「もっかい!!もっかい見る!!」

 

「ダメだって!この後色々見るもんあるんだろ!?」

 

「うるせッ!!いかせろぉ!!」

 

「情緒!」

 

あまりの尊さに感情が大爆発したのか再度見たいとチケットを買いに行こうとする有希を必死に食い止め、ズルズル引きずりながらエスカレーターで2回に降りる。

 

「そろそろ服新しいの欲しいけどオタグッズで散財するしなぁ〜」

 

「うっわ、高いな」

 

女性物の服が多く並ぶ店内でああでもないこうでもないとウインドショッピングを楽しんでいる2人はたまに視線に映る淡い栗色が端の方に映るのを感じた。

 

「なぁあれってもしかして」

 

「もしかしなくてもだなぁ兄様よ」

 

「だよなぁお前いつの間にかポニーテール解いてるし、お嬢様モード入ってるし」

 

その人物は辺りを見渡して誰かを探しているのだろうか?ただ、少し歩いては他の店内に入り、また少し歩いてはと繰り返しているため本題は全くもって進んでいないらしい。

 

「おい、どうするよ?俺は別に知り合いとかでもないけどやっぱり」

 

「あら?マリヤさんではありませんか」

 

(妹ぉぉ!?)

 

有希の服装であったり、いくら幼なじみとは言えど2人っきりでお出かけしているこの状況でどうしようと相談する前にさっさと歩いてマリヤの元に向かってしまう有希。

 

「有希さん?こんなところで偶然ねぇ〜普段と違う服装だから一瞬誰だか分からなかったわ〜」

 

「マリヤさんはとても可愛らしいですね」

 

「でしょ〜とっても気に入ってるのよね〜今日はデートだから気合い入れちゃったの!

あら?そちらは?」

「かっこいい〜」と普通に有希の服装を受けいれ、後から来た久世に対して視線を向ける

 

「あぁ〜どーも初めまして、いつもアーリャにお世話になってます久世政近です」

 

「あらあら貴方がアーリャちゃんが言ってた久世くん?こちらこそいつも妹のアーリャちゃんがお世話になってますぅ〜」

 

ふわふわホンワカしているからだろうか?特に2人が一緒に居るのを不審がってはいない様子。

 

「所で先程から辺りを見渡しているようでしたけれど、どなたか探しておいでですか?」

 

「えぇ〜そうなのよ〜ちょっと御手洗に出かけてくるから待っててって言われたけど、ついウロウロしちゃったらはぐれちゃって」

 

「でしたらスマホで場所を伝えれば良いのでは?」

 

「はっ!それもそうね」

 

(天然かよ)

 

(流石天然聖女様、今日もおっぱいが麗しいな)

 

(やかましいわ)

 

今気づいたと言ったようにスマホでチャットを送り始めた横で最低な会話を繰り広げる2人

 

「今こっちに向かってるって〜」

 

「それは良かったです、所でデートと言っていましたがもしかしてお相手は」

 

「うふふ〜会ってからのお楽しみ」

 

(どうせアーリャの事じゃないのか?)

 

(まぁ、どうせアーリャさんだろうな、ロシアン美人姉妹プラス可愛い幼なじみはべらすとかハーレム主人公かっての)

 

(だから発言が最低すぎるって、発想もおっさんじゃねぇか)

 

こんな会話をマリヤに気づかれないようにアイコンタクトや軽い身振りのみで伝えるという完全に高度な技術の無駄遣いをする2人を横目にニコニコ笑うマリヤ。

 

「アーリャちゃんから久世くんのお話はいっつも聞いてるのよ」

 

「それは、多分結構辛辣に言われてそうですねぇ」

 

「そうでも無いかなぁ?不真面目でふしだらですぐエッチな目で見てきて」

 

「ち、違いますからね!?見てませんよ!?お宅の大事な娘さんにそんなことしてませんからね!?」

 

「でも困った時はなんだかんだ言いながら助けてくれるから頼りになって〜、だからつい構っちゃうんですって〜」

 

「へ、へぇぇ…さいですか…」

 

あらぬ誤解を招くようなことばかり言われていると思った久世は焦り焦ったが、今度は違う意味で背中に嫌な汗をかいてしまう。

 

(おいおいな〜にがなんもないだぁ?しっかり攻略してんじゃね〜かよぉ〜お兄ちゃんのむっつりさん)

 

(してねぇよ!!)

 

「あ、きたきた〜おーいアーリャちゃんこっち〜」

 

目的の人物が来たのか、マリヤは手を振ってアピールし始める。

有希と久世もアリサが来たのかと、というかもう答え出ちゃってるじゃんとネタバレを喰らいながらそちらを見る、

ただ

 

(居なくないか?)

 

(居ないな)

 

マリヤが手を振っている方向には確かに人はいるが、全身黒で丸いサングラスを掛けた銀髪を靡かせるスタイリッシュな男性しか映っていない。

ただその人物はマリヤに近づいていきそして

 

「マーシャ〜待っててって言ったでしょ、方向音痴なんだから勝手にどっか行くと分かんなくなっちゃうから」

 

「ごめんね、つい可愛いお洋服に見とれてフラフラしちゃった」

 

天才的な頭脳を持ち大抵のことでは驚かない兄弟はこの時初めて感じた。

あぁ、目が点になるのはこういうことなのかと、

そんなふたりの驚きに気づく様子も、そもそもアリサは久世にも有希にも気付かずに会話している。

 

「それで?面白い人たちって誰のことよ、というか人と会うなら私1回着替えて…」

 

「えへへ〜びっくりしたでしょ?アーリャちゃんがいつも言ってた久世君と〜有希ちゃん」

 

「よ、ようアーリャ」

 

「こんにちはアリサさん」

 

「ぎゃぁぁぁぁ!?!???」

 

その後しばらく取り乱したアリサが公衆の面前で服を脱ぐのをなんとか食い止める久世と何が何だか分かってないマリヤ、ニコニコ笑顔で内心

 

(普段お堅い女子のラフな格好ヤベェなこりゃ、永久保存版だぜ)

 

なんて最低なことを考えているよく分からない光景が繰り広げられていた。

 

しばらくしてマリヤと有希は洋服を見て2人でキャッキャと楽しんでいて、アリサと久世はと言うと

 

「私、今日死ぬのね」

 

「安心しろって死なないから」

 

店で服を買うと即座に着替えたアリサがうなだれながらアイスを食べている。

 

【じゃあ私を殺して】

 

(いや、殺さないから)

 

「ぁ〜別に気にすることないんじゃないか?有希だって結構ボーイッシュな感じだし、普段と違うからびっくりしただけで全然似合ってたぞ?」

 

「慰めならいらないわ、良いわよ私はもう消えてしまいたいだけだから」

 

「消えなくていいって」

 

(あれか?やっぱり学校での評判を気にしてるからこれが漏れたら困るって感じか?)

 

「安心しろってアーリャ、俺はもちろん有希も今日のことは秘密にするからさ?」

 

「別にそんなの気にしてないわよ」

 

何とか機嫌を直してもらおうといつものように軽い口調で話しかける。

けれど何か癇に障ったのだろうか、怒った顔で久世を見つめる。

 

【別に貴方がそんなことしないことぐらいわかるわよ】

 

(おっふぅ、信頼度MAXかな?)

 

唐突のデレに反応しそうになるのを何とかこらえながら

 

「というか、貴方と周防さんって知り合いだったのね」

 

「あぁ、まぁな…幼なじみってだけだよ」

 

「幼馴染!?」

 

「お、おう」

 

ガタッと立ち上がり問い詰めるように久世に近寄るアリサ。

その熱量に身を少し引きながら答える久世

 

【幼馴染って実在したんだ!】

 

(あ、憧れてたんですねアーリャさん)

 

キラキラとした視線を向けていたが、なにかに気づいたのかまた座り込んでアイスを無言で食べ始める

 

「それで、その幼馴染の周防さんと2人仲良くお出かけ?」

 

「有希のやつがどうしてもって言ってな」

 

「へぇ〜〜」

 

(な、なんだ、なんでこんなに空気が重いんだ?)

 

【まるで恋人みたいね】

 

(あ、そういう…そういうこと!?)

 

怒ったり、落ち込んだりと忙しそうにコロコロ表情を変えながら、途端に鋭い矛先を久世の首元に向ける。

 

「じゃあ私とマーシャはお邪魔しちゃった感じでしょ?悪かったわね」

 

「い、いやいやそんなことないってほんとただ2人で買い物してただけだから」

 

「へぇ〜周防さんの服あれって久世くんのよね?」

 

(鋭くない!?)

 

「あ、あぁあいつが無理やり俺のを奪ったんだよ」

 

「へぇ〜」

 

(重い…重いよォ、空気が澱んでるよぉ)

 

「あ、アーリャも洋服見てきたらどうだ?」

 

「別にいいわよ、服なんて興味無いし」

 

「あぁ〜確か」

 

「ッ!?ち、違うわよ!?今日はちょっとマーシャとお出かけって感じだったし!緩い感じだったから!だから!ちょっと手を抜いてもいいかな〜楽な格好でもいいかな〜って思っちゃっただけだから!普段はちゃんとしてるから!!」

 

「お、おう」

 

先程のアリサの服装を見て納得しようとしたが、途端に物凄い勢いでまくし立てられあまりの勢いに頷くことしか出来ない。

 

「でも丸いサングラスはずっと付けてるんだな」

 

「こ、これは…その…」

 

【かっこいいじゃない…】

 

(分かる、わかるぞアーリャ!憧れるよなそれ!というかアーリャに関してはまじで似合ってるしなぁ)

 

「なんて?」

 

「変装のためって言ったのよ」

 

いや、余計目立つだろ。

と喉奥まででかかったが何とかこらえる

 

「そ、そういえば貴方周防さんと幼馴染って言ってたけど、生徒会選挙は一緒に出るの?」

 

「生徒会かぁ…いや、俺は出ないよ」

 

「そうなの…?」

 

そう言われたアリサは少し嬉しそうな顔をして久世を見つめる、それが何を意図していて居るのか理解はできる、できはする。

 

【貴方とだったら私…】

 

(ごめん、アーリャ)

 

「まぁアーリャには頼りになる姉がいるから大丈夫だろ、陰ながら応援してるぜ?隣の席のよしみでさ」

 

「えぇ、ありがとう久世君」

 

その後激辛ラーメンを食べることになったり、アリサが着せ替え人形にされたりと愉快な休日を過ごして。

お互いに僅かなしこりを残して楽しい休日は幕を閉じた。

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