しかし女性ライバー同士の絡みもいいが、男性ライバー同士のあまり見ない組み合わせを妄想するのも、また愉しい
レインボール高校1年目夏
大分は湯の国である。
別府島原地溝に沿って火山が多く存在し、その熱によって暖められた火山性温泉が滾々と湧き出ている。
当時にまつわる神話、歴史には事欠かず、多くの歴史ある温泉宿が軒を並べる。
小野町旅館もそのうちの一軒だ。湯治も可能な広い敷地とと天風呂。
その湯船の中で
「あ゛あ゛ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ……」
レインボール高校野球部員、神田笑一が溶けていた。
神田だけではない。露天風呂には男子野球部員達がそろって、湯船に浸かったり涼んだりとリラックスをしていた。
レインボール高校野球部は、現在小野町旅館にて合宿中である。
夏の地方大会2回戦で惜しくも敗退したレインボール高校野球部は、秋の大会に向けて再始動した。
新キャプテン望月の下による新体制の確立。
野手全員を左打ちに矯正するという大胆な方針変更。
そして、小野町監督の実家を利用したこの合宿もその一環である。
「んんん!?何かわたくし、怪我しにくくなったような気がしますわー!」
柵を越えて、女風呂からも声が聞こえる。向こうでも楽しくやっているようだ。
この手のシチュエーションにおける覗きイベントなどを、実際に行おうとする不埒物は、野球部にはいない。
普通に犯罪だというのもあるが、それ以上にでろーんさんこと樋口楓が恐ろしい。
一回戦のデッドボールの瞬間、楓本人への心配と投手の生命への心配で、二重の緊張が走ったのは記憶に新しい。
神田は、わいわいと騒ぐ女子風呂の様子を聞きながら、変わらないなあ、と思う反面。
「……大分寂しくなったよなあ」
3年がいなくなり、随分と寂しくなった男子風呂側を見て、そう呟いた。
夏大会前、18名いた野球部員の内、6名が3年生で全員が男子だった。
人数は男子の方がまだ多いが、減った分、一気に閑散としてしまったような印象を受ける。
「もし、勝ててたら……」
神田は、手を見つめて思い出す。
2回戦、相手は杵築商工。スコアは3―1。7回表ノーアウト1-3塁で伊東から引き継いだ、火消し目的での登板。
結果は――7回投げ切って4失点で降板。その後チームは3点返すも届かず8-4で敗退した。
勢いに乗った格上に対して、火消しとしてはよくやれた方だと思う。小野町監督も
「よくやったよ、神田さん」
と褒めてくれたし、他のチームメートも誰一人責めなかった。
だが、想像してしまうのだ。
もし、自分があそこで0点で抑えられていたら?
9回裏で4-4で追いついて、延長で逆転できていたら?
そしてその先も勝ち進めていたら?
もしそうなら、ひょっとしたらこの合宿にも3年の先輩達が……
「神田くん」
声をかけられ、顔をあげる。チームメイトのジョー・力一だ
「俺、そろそろあがるけど、どうする」
「あ、じゃあ、俺も……」
そう言って神田も続く。
少しの無言の後
「わかる、とは言わないよ。野手と投手じゃ、背負う責任の重さは全然違うと思うし。
けど――勝ちたいって気持ちは同じつもりだよ」
そう言って、ジョーは拳を突き出し
「次は勝とう。もっと強くなって」
「ジョーさん……」
言われて、なんて言ったらいいか迷った神田は、しかし、言葉にするのをやめた。
気持ちは一つ。ならば言葉はいらないだろう。
故に、ただ拳を突き出して
「メイク、風呂でもそのままなんスね」
「今それ言う?」
二人は拳を付き合わせたのだった。
視聴が追い付かないいいい