フレン・E・ルスタリオはコーヴァス帝国の女騎士である。彼女に一つの命令が下された。
日本は沖縄、帝国立コーヴァス高校の姉妹校、帝国立ふれんず♡学園高校へ野球部監督として赴くべし。
なぜ自分が野球を?という疑問は尽きなかったが、命令は命令である。
騎士は命令を選ばない。そして騎士フレンは目的のためなら手段を選ばない。
身のまわりの物をまとめると、フレンは沖縄へと旅立ったのだ。
そして、それから数か月後。
「あー、かわいい。とこ先輩かわいい。ちまさんかわいい。リオン様かわいい。霊夢さんかわいい。みんなかわいい」
5月の沖縄、ビーチにて、パラソルの下でフランはだらしない笑顔でスマホを構えていた。
スマホの先には水着姿の少女たち。足腰の鍛錬、という名目で連れ出してきた野球部員達だ。
本州ではまだ桜が散るか散らないかという時期だが、ここ沖縄は既に海開きを終えている。
飛び散る水しぶき。眩しい太陽。そして水着姿の美少女達。
「あの、男子もいるんスけど」
「えー、けどビキニじゃないじゃん」
「ビキニ」
「ケイ・ナガオのビキニ姿お待ちしております」
「おーん……」
どうしたものかと言葉を探す1年ただ一人の男子、長尾。
彼への助けは背後から来た。
「フレン監督なにしてんの!アカンて盗撮は!」
ずかずかとやって来たメロコが、フレンのスマホを没収。問題のある画像データを削除する。
「あーっ」
「なにやっとんだか……」
断末魔、というには間の抜けたフレンの声と姿に、とこは小さくため息をつく。
ダメダメな監督、としか見えないフレンの姿だが
「けど、まあ実は真面目に監督してるからなあ」
あんなふうに見えてフレンは真面目だ。
素人監督だという自覚があり、だからこそ学園に赴任してくるまで可能な限り情報を集め、知識を深めてきた。
選手一人一人の性格や経歴などをしっかりデータとしてまとめている。
今日の海水浴とて下半身の訓練に加え、下がり気味だったテンションの回復が目的でもある。
「ま、ちょっとお手並み拝見って感じ?」
隣で腕を組みながらリオンが言うが、まさにそれだ。
フレンとふれんず学園高校野球部の物語はまだ始まったばかりなのだ。断じるのは早いだろう。
「フレン監督!あの夕陽に向かって走るゾ!!みんなも!!」
フレンと長尾を引きずるようにしてメロコがこっちにやってくる。
夕陽と言うにはまだ日は高いが、まあ、気分の問題だろう。
なぜか監督を最後尾に、ふれんずナインは走り出した。
フレンを知るために動画を漁った結果フレンのゲーム発展国++に嵌った