旧ブロリーを(比較的)温厚な性格にしたい!   作:伝説のスーパー

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いつも応援ありがとうございます!!
正直思い付きで書き始めた作品がここまで伸びるとは思っていませんでした!!

続きです。なんなりとお読みください。


宇宙船にて、サイヤ人3人、フリーザ軍、何も起きないはずがなく…

 目を覚ました時、そこは水の中だった。

 

 俺は突然のことでパニックになり、勢いよく上へと飛び出した。水中にいるのなら、上に進めば空気がある。そう思っての行動だった。

 あの星が砕け、そこで出来た溪谷に海が流れ込み、そこに俺は落ちたのだと。

 そんなこと起きるのかと思うだろうが、幾度も星の最後を見てきた身として、同じような光景を何度も目にしたことがある。

 今度は自分の番だと、この時は本気で思ったのだ。

 

 だが、実際はただのメディカルマシーンの中だった。

 俺がもう少し冷静でいれば、口元に酸素マスクが繋がれている点やガラス張りの前面、そしてボロボロだった身体が元に戻っていることに気が付けただろう。

 しかし、そんなことを言っても後の祭りだ。

 

 俺は目を覚まして早々メディカルマシーンと、ついでに宇宙船の天井を突き破った。

 すぐに俺は自分の間違いに気づき、急いで宇宙船へと引き返したが、損害を与えてしまったのは事実である。

 今、俺の頭上では緊急修理が行われている。

 周りから非難するような視線を受け、なんだか申し訳なくなったので俺は正座して修理の様子を眺めることにした。

 もちろん、出来る限り申し訳なさそうな顔をしながら。これは必要以上に怒られないための必須テクニックである。

 

 しかし、宇宙空間で宇宙船に穴が開いたというのに、誰一人として外に放り出されなかったのは何故だろうか。

 よく思い返してみたら、そもそも空気が宇宙船の外へと逃げようとしていなかった気がする。この船には空気をその場にとどめておく技術が使われているのだろうか。

 流石フリーザ軍だ。全宇宙にその名を知らしめているだけはある。

 ちなみにフリーザ軍と分かった理由は、目につく人全員が特徴的な戦闘服を着ているからである。戦闘服と言いつつも非戦闘員らしき人も着ているので、フリーザ軍の制服のようなものなのだろうか。

 センスは、まぁ、正直肩パッド付きのものはダサいと思う。でも何処か様になるので不思議なものだ。

 

 なんてことを思いつつ、周りを見渡してみる。

 我々ヒューマン型のものとは違う、人の形から逸脱した造形の宇宙人だらけだ。まるでエイリアンのバーゲンセールだぜ。

 感じ取れる範囲の気だけだが、今のところは俺よりも遥かに弱い者ばかりだ。全力でデコピンすれば胴体を吹っ飛ばすことが可能だろう。それほどの差を感じる。

 しかし、この部屋以外はどうだろうか。俺の気の探知範囲が狭すぎてそこまで分からない。

 もしかしたらフリーザがいるかもしれないが、彼はサイヤ人の滅亡を望んでいるので、目を覚ました俺を一目見に来てもおかしくないはずだ。しかし、そんな気配は感じない。多分、この船にはいないだろう。

 ただまぁ、一応警戒しておこう。この世界において、どこに強者が潜んでいるのか分からないのだ。

 

 船員以外に注目すべき点は特にないが、強いて言うなら、中々見る機会に恵まれなかった未来感あふれる宇宙船の内装だろうか。

 複雑な機械はメディカルマシーン以外は特に無いように見えるが、おそらく小型化かつシンプルなデザインになっているだけであって、近くにあるパネルさえも凄まじいテクノロジーを秘めているはずだ。

 そう思うと、この部屋だけでも男心をくすぐるもので溢れる黄金郷に見えてくる。

 

 今だってほら、扉が上向きにスライドしていってパラガスが出てきた―――え? パラガスが?

 

 「ビーナス、目が覚めたようだな」

 「父さん…! 無事だったんだね」

 「それはこっちの台詞だ。まったく、お前らにはいつも苦労させられる」

 「ごめん」

 

 パラガスはふぅっと息を吐いた。心なしかげんなりしているように見える。

 彼がこの船を呼び寄せたのだろうか。それとも、このフリーザ軍が偶々あの星に用があって来ただけなのだろうか。

 そういえば、あの時、気を失う前にフリーザ軍を引き連れたパラガスの姿を見たような気がする。何かの幻覚かとあの時は自分の目を疑ったものだが、まさか本当にフリーザ軍を引き連れていたとは。

 フリーザ軍に助けを求めるなんてリスクが大きいだろうに、俺やブロリーを助けるためにやってくれたのだろうか。もしそうだとしたら、またパラガスには助けられたことになる。

 本当に彼には頭が上がらない。

 

 「そういえばブロリーは?」

 「ブロリーならまだ治療中だ。お前よりも容態が悪かったせいか、まだ時間がかかるらしい」

 「そうか…」

 

 正直、それを聞いて安堵した。

 もしも彼が先に目を覚ましていたら、この宇宙船ごと俺を宇宙の塵にしていただろう。

 本来であれば、それは宇宙空間に己もほっぽり出される自殺行為なのだが、ブロリーや俺のような『伝説』の名を持つサイヤ人は、何故か分からないが宇宙空間で活動できる。それも長期間。

 サイヤ人自体、惑星近辺限定であるが短時間ながらも活動が出来る。しかし、俺たちはその比ではないのだ。何度も宇宙空間で活動したことがあるが、どうして活動できているのか自分でも分からなかった。

 その特性もあってか、原作ではブロリーは南の銀河を滅ぼしていた。銀河一つにとてつもない数の星が存在しているので、かなりのハイペースで破壊活動をしていたと思われる。パラガスはそれについてこられたのだろうか?

 

 パラガスは俺が完全に回復したことを確認すると、近くにいた男に話しかけた。

 

 「さて、ビーナスも起きたことだし、そろそろ何故お前たちフリーザ軍があんな星に来たのか教えてくれないか」

 「…ここ数年、ここいらの星々が連続して崩壊していっている。それも、生命が活動可能な星を中心としてな。そこで、俺たちは原因を探るよう命令を受けたのさ」

 「ああ、そうか」

 

 男の説明を聞いて、パラガスは納得したように、そして心当たりがあるためかやや食い気味に返事した。

 どう考えても俺とブロリーのせいだ。

 だって、喧嘩すると高い確率で星が壊れてしまうから仕方ないじゃん…。喧嘩しないよう努めてるつもりではあるけど、ブロリーが問答無用で殺しに来るし、それにちょっと戦うのが楽しくてさ、やめられないし止まらないんだ。

 

 なんて心中で言い訳をしていると、男がおもむろにスカウターを使いだした。

 ピピピピ……と聞きなじみのある音が奏でられ、やがてスカウターに数字らしきものが表示された。

 

 「戦闘力12000…。そこのパラガスとかいうサイヤ人、お前が犯人なんだろ?」

 

 ビシッ! そんな擬音が似合う勢いで、男はパラガスを指さした。

 パラガスはというと、意表を突かれたような表情をしていた。言葉にするならば、「何言ってんだこいつ」である。

 彼は俺の方へ視線を向けて少し考えた後、やっと己に言われたことが理解できたようだ。今度は滑稽なものを見たかのように薄ら笑いを浮かべている。

 男はその笑みを肯定と捉えたようで、「やっぱりか…」と何やら呟いている。

 何だろう、ギャグのようなすれ違いを見ているような気がする。というか、パラガスの戦闘力が9000から上がってるのは何でなんだ。隠れて特訓でもしていたのだろうか?

 

 「ふっ、それで、もしそうだと言ったら俺たちをどうするつもりだ?」

 「可能であれば軍に引き入れるよう言われている。特にサイヤ人はな。言っとくが理由は知らんぞ。惑星ベジータは彗星で吹っ飛んだらしいし、人材補充でもしたいんだろう」

 

 どうやら寛大なフリーザ様はサイヤ人を受け入れてくださるらしい。

 …いや、そんなことは無い。

 確かに、べジータやナッパ、ラディッツといったサイヤ人を生かしていたところを見るに、フリーザはサイヤ人の殲滅にそこまで積極的ではないのだろう。

 しかしそれは、フリーザが、自身が最も恐れる超サイヤ人はもう現れないだろうと踏んだからだ。

 彼は超サイヤ人の出現を恐れてサイヤ人の大多数を殺した。彼からすればベジータ達は大した脅威になりえないし、生き残ったサイヤ人は男だけで女がいない。

 ゆえに、超サイヤ人は現れない、そう思っているはずだ。

 

 で、俺とブロリーは『伝説の超サイヤ人』で、俺に関しては現在女である。

 それを知ったフリーザに何をされるのか分かったものではない。正面からなら勝てるかもしれないが、彼は格闘家ではないので不意打ち上等だろう。流石に素の状態でデスビームに貫かれたら死ぬ。

 話に乗るのはやめておいた方がよさそうだ。

 

 俺はそう思いパラガスに視線を向けると、彼はそれに気づいたようで、頷き、続いて不敵な笑みを浮かべた。

 何の笑み? その疑問が晴れる前に、さっきの男が声を上げた。

 

 「で? お前らはフリーザ様の軍門に下るのか?」

 「まさか、そんなことをするはずがないだろう。俺たちはフリーザを憎んでいるからな」

 「ほう?」

 

 パラガスの宣戦布告に周りがどよめく。

 しかし、そのどよめきは恐怖から来るものでは無く、無謀な者を笑い者にする軽蔑視から来るものだった。パラガスの12000という戦闘力は破格のはずだが、何故このような扱いを受けているのか。

 さっきから1対1で話している男が、それを律儀に教えてくれた。

 

 「言っておくが、俺の戦闘力は13000だぞ。そして、周りに居る奴らも1、2000を超える戦闘力を持っているし、他の部屋にもそれくらいのやつらがゴロゴロいる。お前、後ろのガキを守りながら俺たちに勝てると思っているのか?」

 「……その前にお前、何か(かぁん)違いしてないか?」

 「何?」

 「試しに、俺の娘ビーナスの戦闘力を測ってみるがいい」

 

 男は素直にスカウターを起動する。

 スカウターが俺を捉え、ピピピピ…とお馴染みの音を鳴らしながら戦闘力を測り始めた。

 数値が上がる。まだ上がる。まだまだ上がる。その度に、だんだんと男の表情が驚愕に満ちていく。信じられないものでも見たかのようだ。

 それでもなおスカウターは数値を上げ続け、やがて許容量を超えたのかボンッと音を立てて爆発した。

 周りの人達も素直にスカウターを使っていたらしく、最期を迎えたスカウターたちの大雑把な合唱が響いた。

 

 「ふっ、数々の星を破壊した犯人が俺などと、その気になっていたお前らの姿はお笑いだったぜ」

 

 スカウターの爆発に加えて、パラガスの発した言葉によって彼らは目に見えて動揺した。

 恐れおののく者もいれば、きっとスカウターの故障だ、と言い放つ者もいる。しかし、間違いなくここにいる全員が先程までの余裕を失っていた。

 彼らの反応を見て、パラガスは心底愉快そうに笑みを浮かべた。今にも「ふぅあーはっはっはっ」と独特な笑い声を出しそうだ。

 パラガスには悪いが、虎の威を借りる狐という言葉が過ぎった。

 

 「さぁ、やってしまえぇい!! ビーナス!!」

 「いや、父さんも戦えるでしょ…」

 

 _

 

 「ま、待ってく―――」

 

 男は命乞いをしたが、それを聞き入れてくれるはずもなく、幼女の華奢な腕によって胸を貫かれた。

 男の身体はこわばり、そして、幼女―――ビーナスによって投げ飛ばされた。

 男は壁に叩きつけられてビクンと跳ねると、それ以降動かなくなった。

 

 ビーナスは制圧が完了したと分かると、ふぅっと息を吐いた。

 そして、床に転がっている無数の死体を見て、背後に居るパラガスに質問を投げかけた。見れば、彼の手も血で汚れており、先程1つの命を奪ったばかりのようだ。

 

 「父さん。自分でやっといてなんだけど、全員を手にかける必要あった?」

 「ん? 何故そんなことを聞く? まさか、ビーナスともあろうものが敵に対して情けをかけているのか」

 「いや、まぁ、一応彼らには助けてもらったし。恩を仇で返す必要はあったのかなって」

 「もちろん。あの場で勧誘を断った時点で、俺たちは敵陣のど真ん中に立ったも同然だ。敵に慈悲をかける必要はない」

 「……父さんって、結構サイヤ人だよね」

 「よくわからんが誉め言葉として受け取っておくよ」

 

 ビーナスのやや含みのある発言をパラガスは慣れた様子で受け流す。

 彼女は時折妙なことを言う。「ブロリーの前で1人用のポッドに乗らないで」という忠告のようなものから「父さんって大人のおねぇさんが好きなの?」という意味不明なものまで、その幅は広い。

 特に後者はとてつもなく返答に困り、パラガスは「まぁ、そうなんじゃないか」とぶっきらぼうに答えることしか出来なかった。そして、その夜は何故ビーナスが突然そんなことを聞いて来たのか気になって眠れなかったという。

 何にせよ、ビーナスは分かりやすい暴れん坊のブロリーとは別ベクトルでパラガスを悩ませていた。

 

 「それで父さん、これからどうするの? これからの移動が楽になるし、私はこの宇宙船を乗っ取るのがいいと思うけど」

 「ああ、そうだな。そのために残った奴らを始末して、いや、操縦士や整備士は生かしておく必要があるか―――」

 

 突然、爆発音が響き、宇宙船が揺れた。

 しかも1度だけでなく、何度も繰り返されている。その度に悲鳴が上がり、そして消えていくのをパラガスとビーナスは耳にした。

 宇宙船内が赤く点滅し、警報が鳴り響く。その間も爆発音が轟いている。

 この頻度は明らかに人為的なもの。そして、この宇宙船内で気弾を用いた破壊活動をする人物は1人しかいなかった。

 

 「…ブロリーが目覚めたみたいだ」 

 

 ビーナスが呟く。それを聞いたパラガスは目に見えて焦りだした。

 

 「おおっ!? おおぅ!? まずいぞぉ!! このままブロリーが暴れてしまえば、俺たちの宇宙船を乗っ取る計画が、何もかもおしまいだぁ。クソ、ビーナス! 今すぐブロリーを止めにいけぇ!!」

 「いや、無理。父さんが止めに行ってよ」

 「ゑ゛ゑ゛ぇ!?」

 

 パラガスはビーナスのまさかのお断りの言葉に驚愕した。その声があまりにも”彼”らしかったもので、ビーナスは笑いをこらえていた。

 そんな彼女の様子を見てパラガスは「何が可笑しいんだ」と問い詰めるが、首を振るだけでその理由を教えることはなかった。

 パラガスはかなり気になっている様子だったが、再度ブロリーによる爆発音が響いたことによりそんな時間はないと考え直し、断った理由をビーナスに聞いた。

 

 「だって、私が行ったら兄さんはもっと暴れるじゃん」

 「た、確かにそうだが、俺が行ったところでブロリーに八つ裂きにされるだけだ」

 「大丈夫、兄さんは結構父さんのこと好きだから。裏切ったりしない限り殺されることは無いよ。それでも、もしやばいってなったらすぐに私を呼んで。…じゃ、頑張って」

 

 そう言ってビーナスはパラガスを置いて何処かへ走り去っていった。まさかの押し付けである。

 パラガスはそんな彼女を引き留めようと手を伸ばすが、彼女は結構本気なようで、パラガスが目で追い付けない程のスピードを出しており、逃す結果となった。

 何も掴めなかった手がゆっくりと下される。

 

 パラガスは深い溜息を吐き、すぅっと深呼吸をして、観念したように歩き出した。

 彼の足取りは重い。

 何せ、これから会う相手はあのブロリーである。傍若無人で邪智暴虐、己の家族にすら機嫌一つで簡単に手を下す存在だ。これまでにブロリーがパラガスを手に掛けたことは無かったが、これからも無いという保証はない。

 パラガスはブロリーに向かって歩を進めるたびに、死神の足音が近付いてくる気がした。

 

 パラガスは考える。どうやってブロリーの破壊活動を止めるかを。

 武力行使で黙らすことは出来ない。

 パラガスとブロリーの間には、蟻と象、いや、プランクトンとシロナガスクジラぐらいの差がある。無意識のうちに飲み込んでしまっても気付かれないような、生物としての次元の違いがある。

 それくらいブロリーにとってパラガスの命など容易く散らせるほど軽いものだ。

 そして、ブロリーは弱者を慈しむ感性など持ち合わせていない。弱いのなら殺しやすい。そうとしか思わないのだ。

 よって、一度戦うことになれば、圧倒的格下であるパラガスであろうと容赦はしないだろう。

 

 となると、パラガスに残された道は1つ、説得である。

 しかし、ブロリーは自他ともに認める殺戮の化身。下手なことを言ってしまえば、彼の反感を買いかねない。そして反感を買ったが最後、避けられない死の結末が待っているだろう。

 パラガスは考える。ブロリーの地雷は何なのかと。

 

 突然、正面から死体がこちらに飛んできた。

 パラガスはそれを素早く避け、飛んできた先に目を向ける。

 

 そこには超サイヤ人となったブロリーがいた。

 彼は戦闘員の1人を壁に叩きつけており、その壁は不思議なほど綺麗な円形に凹んでいた。その周りには無数の死体があり、その損傷具合からブロリーの攻撃の威力が伺える。まさに死屍累々。

 攻撃の余波からか、彼のいる場所の照明は全て砕け散っており、緊急性を知らせる断続的な赤い光が彼の後光となっていた。ブロリーが血だらけなのも相まって、その姿はまさに悪魔そのもの。相対しただけで死の予感を走らせる異形の存在感を放っていた。

 

 「ブ、ブロリー」

 「とうさん、なんだぁ?」

 

 ブロリーがゆっくりと振り返り、パラガスを見つめる。

 その眼は決して穏やかなものではないが、敵意を孕んでいるものではなかった。

 パラガスはそれに少しの希望を抱く。出会って早々殴られて死亡という想定していた最悪のパターンではなかったというのもあるが、敵意を抱いていないというのは大きい。

 しかし、ここで調子に乗ってはならない。いきなり注意するのではなく、何故こんなことをしたのかと、まずは聞く姿勢を持つのだ。

 

 「一体何故暴れたのだ? 何かされたのか?」

 「なにもされてない。俺はただイライラしてただけだ」

 「ああ、そうか。すまないが、ブロリー、少しだけその怒りを抑えてくれないか?」

 「は? なんで俺がおまえの言うことを聞く必要がある? しにたいのか?」

 

 ブロリーの目が険しくなる。

 パラガスの背筋が凍るが、よく見ればブロリーの目にはまだ敵意が宿っていない。彼にとって敵意=殺意だ。イラつきはしても、親であるパラガスを殺すまでにはいかなかったのだろう。

 パラガスはそのことを確認すると、安堵したように息を吐き、ビーナスの言葉に嘘は無かったと反芻する。

 裏切ったりしない限り殺されることはない、それはつまり、それ以外のことをしても許される可能性を秘めているということだ。

 もちろん、度が過ぎたことを言ってしまえば殺される。例えば、「いつビーナスに勝てるんだ?」と言ってしまえば、彼は即座に怒りで我を忘れたバーサーカーと化すだろう。

 

 「ブロリー、俺の言うことが聞けないのか?」

 「だから何でおまえなんかにしたがわなくちゃいけないんだ?」

 「本当にいいのか?」

 「なにがだ?」

 「俺の言うとおりにしないのなら、今晩は飯抜きだぞぉ!!」

 「な、なにぃ!?」

 

 パラガスの一か八かの発言は、ブロリーに衝撃を与えた。

 幼いブロリーにとって、食とは1日のうちの最大級のお楽しみだ。適当に暴れまわって破壊と殺戮を楽しむことも多いが、それでも1つの生物として三大欲求というのは確かにある。

 その中でも、幼児である彼にとって食と睡眠は欠かせないもの。それのどちらかでも欠けることになるなど、ブロリーは想像だにしていなかった。

 さらに、ブロリーには飯はパラガスが作るものというイメージが出来ていた。生まれてから今日にいたるまで、彼が口にした殆どの料理はパラガスが作ったものだ。彼にとって、パラガスとは料理人の化身であった。

 そんな人物から放たれた飯抜き宣言。男児にとってそれは死刑宣告にも等しかった。

 

 「な、なんてやつだ…!」

 「分かってくれたかな?」

 「……くっ、ちゃんとおれの分も作れよ!」

 

 そういってブロリーは何処かへ走り出した。

 何故兄妹揃って何処かへ走り出すのか、パラガスには理解できなかった。

 

 しかしと、パラガスは思い返す。

 ブロリーの最後の発言。あれは、下手に暴れないことを了承したということで良いのだろうか。

 もしそうだとしたら、初めてブロリーを従わせたことになる。今まで何を言っても聞いてくれなかったというのに、まさかこんなあっさりとコントロールに成功するとは…。

 

 あのブロリーと言えど所詮は子供、そうパラガスは再認識した。

 

 その後、宇宙船内にて兄妹はばったりと再会するのだが、ブロリーはビーナスを殺したそうな目で見るだけで飛び掛かることはなかった。

 そして、プルプルと震えながらも何もして来ないブロリーを見て、ビーナスは首を傾げた。

 

 

 

 




パラガス「そういえばブロリーはまだ子供だったな…」
ビーナス「ずっとプルプルしてる…。怖っ、近寄らんとこ」
ブロリー「ふぅー…っ! ふぅー…っ!」

今回は描写しませんでしたが、しっかりとブロリーとビーナスは瀕死からのパワーアップをしております。

ブロリー:500万 → 800万  SS:4億
ビーナス:490万 → 790万  SS:3億9500万

1回でこれだけ上がるんだからもっとあっても良くね? と思うかもしれませんが、ビーナスもブロリーもあんまり瀕死にはなりません。
ビーナスがブロリーを鎮圧する時も、過剰なダメージによるショックで気絶させているだけであって、瀕死状態にしているわけではないです。
今回はやむを得ず互いに瀕死になりましたが。

オリ要素
戦闘力13000の男:フリーザ軍の中でも上澄みの戦闘力を持っているが、相手が悪かった。

評価を七つ集めると神龍が現れて小説を1話書いてくれるらしい。というわけでオラに評価をくれ!!(貪欲)

展開のスピードについて…

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  • 普通
  • ウスノロ…
  • さっさと映画まで行け
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