旧ブロリーを(比較的)温厚な性格にしたい!   作:伝説のスーパー

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リアルが忙しい。これだけは伝えたかった。


転生少女よ、苦悶を抱け

 M字ハゲの少年―――ベジータはとある場所に来ていた。

 そこは、数多くの戦士たちを瀕死にさせ、その敗北の記録が無数に現存している場所、岩盤エリア。

 このエリアに存在する全ての岩盤には大きなクレーターが付いている。数十mはあろう岩盤の8割ほどのサイズを持つそのクレーターの大きさから、物体が凄まじい勢いで衝突したことが窺えるだろう。

 また、岩盤によっては1つだけでなく、2つや3つもクレーターが出来ているものもある。互いのクレーターが干渉しあっているためかその岩盤は酷く不安定で今にも崩れそうだが、不思議とその形を保ち続けていた。

 そんな不思議な光景とインパクトから、集合体に気持ち悪さを覚える者もいるが、この簡素な星の観光スポットとして地元民から愛されている。

 

 しかし、ベジータはこのエリアのことを愛してなどいなかった。

 最強であるはずの己の敗北の記録が、数十mというサイズで存在し続けているのだ。当然である。なんなら、すぐにこの敗北の記録を破壊してやりたいと思うだろう。

 実際、彼は岩盤を破壊しにこのエリアを訪れていた。

 

 ベジータは空高く飛び、数多くの岩盤に手のひらを向ける。

 瞬間、彼の手に光弾が現れる。それに込められたエネルギーは言わずもがな、形ある敗北の記録に対する怒りも相まって、過剰なまでの威力が秘められていた。

 岩盤付近には何やら人が屯していた。おそらく、友人同士で敗北の記録を茶化し合っているとかそんなところだろう。今ここで光弾を放ってしまえばその者たちを巻き込んでしまうが、ベジータには関係の無い話だった。

 光弾を放ち、岩盤たちを破壊する。

 そして、ベジータは一発だけでは飽き足らず、心の底からふつふつと湧いて出てくる怒りに身を任せ、次から次へと絶え間なく光弾を放ち続けた。

 

 しばらくすると、ベジータは手を止め、息を切らしながら岩盤エリアがあった場所を睨んでいた。

 煙が晴れ、そこにあったのは瓦礫すら残っていないまっさらな大地。誰も元の形を思い出せないほどに、憎き岩盤エリアは跡形もなく消し飛んだ。

 

 「ハァ…ハァ…ちっ、クソッたれめ…!」

 

 しかし、ベジータの気は晴れない。こんな八つ当たりなどでは高すぎるプライドを持つ彼にとっては憂さ晴らしにもならないのだ。

 この苛立ちは己を幾度も負かし続けたブロリーやビーナスを始末しなければ晴れないだろう。

 しかし、現在のベジータの実力ではその2人には天地がひっくり返っても勝てないというのが現状である。

 もちろん、プライド高いベジータはそのことを信じていない。今は勝てなくとも、いつか力をつければ勝てると思っている。

 実際、彼にはそれを可能にするポテンシャルがあった。今彼に足りないものはインスピレーション。例えば、地球に行って気のコントロールを目の当たりにすれば、効率の良い力の使い方をマスターして戦闘力の増強に役立つだろう。

 しかし、気をコントロールする技術は宇宙でも非常に珍しいものだ。あの宇宙の帝王であるフリーザでさえ、気をコントロールせず相手の力を知るのにスカウターを使用したことからもこの技術の希少さが窺える。

 それ以外にも超サイヤ人や重力修行などを目の当たりにすればベジータに変革が訪れるだろうが、今日に至るまでどちらも機会に恵まれずにいる。

 ようするに、ベジータは行き詰っていた。

 

 「……ん?」

 

 何気なく目線を下げてみると、10数程の人が集まっていた。

 ベジータにとってそれは普段ならどうでも良いと一蹴するものだったが、その集団がついさっき彼が集中砲火を食らわせた元岩盤エリアにいると気付くと、彼は少しばかり興味を惹いた。

 よく見てみると、その集団は先程岩盤エリアに屯していた者たちだと分かった。

 あの攻撃を耐え抜いたのか? そんな疑問がベジータの頭をよぎったが、その答えはすぐに見つかった。

 集団の真ん中に、憎き宿敵であるビーナスが居たのだ。

 これで彼らが無事な理由が分かった。おそらく、ビーナスがバリアを張ってベジータの攻撃から守ったのだろう。

 数多の星を滅ぼしたサイヤ人であるビーナスが彼らを助けにわざわざ駆けつけたとは考えにくい。彼女はもともとあそこにいて、十中八九、偶々近くに居た彼らを気まぐれで助けたのだろう。

 

 現在、彼女は何やら思案している様子で、顎を抑えてうんうんと唸っていた。

 その様子を見たベジータの脳内でブチっと何かが千切れる音がした。

 岩盤を狙ったとはいえ怒りの籠ったベジータの攻撃を難なく防ぎ、しかもベジータを警戒することなく何事もなかったかのように思案し続けている。「ベジータを舐め腐っています」と言っているのと同然である。

 

 「くたばりやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 ベジータはそう叫びながらギャリック砲を放たんとするその瞬間、ビーナスと目が合った。

 突如としてベジータの後頭部に鈍く重い衝撃が走る。それは、瞬く間に背後へと回ったビーナスが繰り出したチョップであった。

 ベジータは凄まじい勢いで地面に激突した。地が割れ、轟音が鳴り響く。それだけで彼は重いダメージを負い、立っていられるのもやっとになった。

 そんなベジータの前にビーナスが降り立ち、呆れたような表情で言った。

 

 「よく諦めないね。これで何十回目さ」

 「クッ、クソッたれめぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 ベジータがビーナスの顔面目掛けて拳を振るう。女性の顔を傷付けてはいけないなどと言う紳士的な心を持たない彼の拳には一切の躊躇が無かった。男女平等!

 その拳はビーナスに軽々と受け止められ、お返しとばかりに逆にベジータが顔面を殴りぬかれた。それによって彼は弾かれるように吹っ飛び、このまま流れ星になるかというところを岩盤が受け止めた。

 ベジータは岩盤から剝がれ落ち、力なく地面に横たわった。もう腕に力を込めても上体を起こすので精いっぱいである。

 

 「くっ……!」

 

 彼の脳内に渦巻くのは怒りと絶望、そして一寸ばかりの諦めであった。

 ビーナスの言う通り、ベジータは何度も彼女に挑んで来た。最強の戦闘民族の王子として生を受け、それ相応の才能と戦闘力を持って生まれた彼にとって”敗北”の二文字は到底受け入れられるものでは無かったからだ。

 だから何度も挑んでは叩きのめされ、力をつけては叩きのめされてきた。勝利の光が見えたことはただ一度だってない。あるのは一切の希望を否定する暗闇だけである。

 それでもなお、彼は己のプライドのために彼らに挑み続けていた。

 が、今のような敗北をするたびに思うのだ。本当にあの2人に勝てるのだろうか?――と。

 そんな思いは、初めは塵にも満たない程微小なものだったが、敗北を重ねるたびにその思いは積もっていき、今では小山のようになっていた。

 

 ベジータの前に再びビーナスが降り立った。

 彼女は余裕の表情でベジータを見下ろしている。彼女の目に敵意は無い。否、”敵”としてベジータを見る気が無いのだ。その価値が無い。

 ベジータの戦闘力は60000を超えている。彼の知る範囲では、サイヤ人でこれほどの戦闘力を持った者はいなかった。己こそが伝説の『超サイヤ人』なのではないかと錯覚してしまう程には力をつけているはずなのだ。

 なのに、とベジータは唇を噛み、鷹のような鋭い目つきでビーナスを睨みつけながら言った。

 

 「何故だ……何故貴様は、貴様らはそれほどまでに強い…!?」

 「……」

 

 ベジータの問いにビーナスは沈黙で返した。

 これは単純に回答に迷っているからであるが、そんなことを知らないベジータは彼女に答える気はないと考え、大きく舌打ちをした。そして彼は次の質問を投げかけた。

 

 「……何故フリーザを殺そうとしやがらない…! 貴様ほどのサイヤ人が、何故フリーザなんぞに従っている…!」

 「……あっ」

 

 彼の言葉にビーナスは僅かながら目を見開いた。

 何故フリーザを倒さないのか。それは―――正直なことを言うと、ビーナスは考えたことも無かった。

 何せ彼女にとってフリーザとは孫悟空が超サイヤ人に覚醒するためのキーパーソン、もといパワーアップアイテムのような存在である。そのような存在を自分の手で殺めるということは、孫悟空の超サイヤ人化を望む彼女にとって愚行に等しい。

 が、しかし、と彼女は考え、思いつく。

 別にフリーザじゃなくても良くね、と。

 必ずしも原作の流れを踏襲する必要はないのだと気付いた。そもそもベジータを魔改造している時点で原作通りにいかないことは明白なのだ。なんなら、そのフリーザ枠を強くなったベジータにしても良い。変にフリーザにこだわる必要はないのである。

 

 「そうか…そうかも…」

 「? 何ぶつぶついってやがる」

 「何でもないよ。さて、お約束の時間だ」

 「!? やめろ!(ニャメロン!) は、離せ…っ!!」

 

 ビーナスはおもむろにベジータの頭を掴み、そのまま飛び上がる。

 そして少し離れたところにある岩盤に向かって超高速の突進を繰り出した。

 

 ―

 

 ベジータをメディカルマシーンに入れた後、俺は考え事をしながら廊下を歩いていた。

 

 考えているのはこれからのこと。

 『次戦った時にお前が雑魚だったら殺す』と、俺はブロリーに殺害予告を出されている。いつも通りといえばそうであるが、つい最近ようやっとブロリーに芽生えてきた俺への情が捨てられようとしているのだ。

 あれは俺に対する失望であり、そして「次は楽しませてみろ」という挑戦状だ。

 それに応えるために力をつけたいのだが、その目途が立っていない。

 一番手っ取り早い『伝説化』はやり方がさっぱり分からないのだ。恐らく覚醒条件を満たしていないのだろう。

 だから別のアプローチで力をつけようと考えている。例えば、超サイヤ人2への覚醒や一発逆転が可能な強力な技の習得などだ。特に前者は1番可能性がある。覚醒条件は分からないが、おそらく『超サイヤ人』という変身について理解を深めるのが条件だろう。しかし、その道もまた厳しいものだ。

 そもそも、現在の環境では修行が出来ない。いや、正確に言えばやっても効果が見込めないのだ。

 何せ、この星には大したトレーニング設備も無ければ、摸擬戦の相手もいない。独特な技や強力な技を習得している者もいない。正直言って話にならないものばかりだ。

 俺の規格外の肉体は規格内の修行を受け付けなくなっていたのだ。強いって罪ね。その罪のせいでブロリーに殺されそうになってるけど。

 まぁ、たとえトレーニング設備などを使ったりしなくとも、伝説のサイヤ人の身であれば超サイヤ人のまま気張っていれば超サイヤ人2に覚醒しそうではある。具体的には90分、アニメで言うと3話分くらい「はぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」と叫びながら気張っていれば覚醒できるのではなかろうか。

 それは流石に冗談だが、超サイヤ人にならずに次の段階へ覚醒できるとは思えないのは確かだ。

 

 しかし、俺やブロリーはこの星では変身するなとパラガスに釘を刺されている。

 曰く、目立った行動は避けるべきだとかなんとか。正直今更感がすごい。ここに来てから何人岩盤送りにしたと思っているんだ。

 まぁ、パラガスはいずれフリーザ軍を滅ぼし最強の宇宙帝国を築き上げることを目標としている身だ。フリーザ軍の壊滅を可能な限り現実的にするためにも、フリーザに少しでもこちらの情報を渡したくないのだろう。

 戦闘力60000のベジータ、そしてそれをボコる俺とブロリー、これらの情報も渡っているはずなのでこれもまた今更な気がする。

 ついさっきまでフリーザを倒すことが頭になかった奴が言う台詞じゃないかもしれないが、要はパラガスは慎重すぎるのだ。俺たちの本当の実力を知る者として些か臆病すぎると思う。

 

 「というわけで父さん! 超サイヤ人になっていい?」

 

 突如パラガスの部屋に押し入り、そんなことを聞いて来た俺に対して、パラガスは溜息を吐いて答えた。

 

 「ダメだ」

 「なんで!?」

 「なってどうするつもりだ? この星を破壊しつくすつもりか?」

 「そんなことしないって。兄さんじゃあるまいし」

 「そのブロリーがやらないという保証はどこにあるんだ?」

 「うっ、いや、まぁ、最近大人しいし…」

 

 ほら、最近のブロリーは誰かに岩盤した頻度が俺の半分以下ぐらいになってるし。

 誤解の無いよう言っておくが、これは俺が凶暴だからというわけではない。何故か分からないが、どうも俺はチンピラに舐められやすいのだ。

 見た目が少女だから仕方ないところではあるが、こうも舐められ続けていると周りから一定の距離を取られ続けているブロリーが羨ましく思える。

 

 そんな俺の事情を知らないパラガスは言い聞かせるような声で言った。

 

 「ブロリーが超サイヤ人のまま大人しくすると思うか?」

 「いや、ありえないね。そんな兄さんは解釈違いだ」

 「ほらな」

 「うっ」

 

 嘘!? 私のレスバ……弱すぎ!?

 いや待て。そもそも俺とパラガスでは事の前提が違う。俺はフリーザ軍なんてどうでも良いが、彼はその逆。どうしてか分からないが、彼はフリーザ軍に長く居たいようだ。だから俺たちの超サイヤ人化を恐れている。

 俺としては早いうちに下剋上して頭を叩いてしまったほうがいいと思っている。もしかしたら、フリーザ軍の兵力を吸収してパラガス軍を作ることが出来るかもしれない。

 最強の宇宙帝国を築き上げるにはそれ相応の兵が必要だろう。その点、フリーザ軍ほどの適任はいない。

 そんなわけで、自分たちがフリーザ軍にいる意味はもう無くさっさと行動すべきだということを言ってみると、パラガスは悩む素振りを見せた。

 

 「……確かにそうだが、ビーナス。何故俺たちがフリーザの軍門に下ったのか忘れてないか? フリーザ軍を確実に滅ぼすために、内側から情報を探りたいからだ。俺はフリーザを憎んでいるのと同時に、奴が作り出したフリーザ軍も憎んでいる。そんなものを俺たちの帝国の戦力にしたくはない」

 「でもこのままだと最強の宇宙帝国の戦力が片手で数えられる程度のサイヤ人になっちゃうよ? まぁ、最強かもしれないけど、宇宙帝国にしては少なすぎるよね」

 

 俺の反論にパラガスは唸った。

 中々筋の通った反論ではなかろうか。余程の理由が無い限り言い返すことは出来ないだろう。

 その証拠にパラガスは悩んでいる。己の野望と憎しみを天秤にかけているのだろう。さて、どちらが勝つか。

 第三の選択肢として「大人を舐めるなクソガキ」といって平手打ちするという手もあるが、パラガスはそのようなことをする質ではない。

 ちなみに、フリーザを倒したとてその配下が大人しく従ってくれるのかといわれれば、従うだろうと俺は考えている。何せ、フリーザ軍は良くも悪くもチンピラの集まりだからだ。フリーザが強いから従っているのであって、負ければいくらでも寝返る。

 もちろん、中には忠誠を誓っている者もいるだろうが、それなら殺せばいい。見せしめにもなる。

 

 「…まぁ、憎き奴らを力で服従させるのも一興か」

 「いいね、父さん。サイヤ人してるよ! というわけで超サイヤ人になって良い?」

 「…さっきから思っていたのだが、それとこれとは何の関係があるんだ?」

 「そういえば説明してなかったね」

 

 俺はブロリーにお前を殺す宣言をされていること、それを回避するためには強くならなければならないこと、強くなるためには超サイヤ人を極める必要があることをパラガスに説明した。

 するとパラガスは、またブロリーか、と困ったような表情を浮かべ、しばし悩み、意を決した表情で俺を見つめた。

 

 「ビーナス、これはもしもの話なんだが、もしこの宇宙に()()()()()()()()()()()()()()()()があったらどうする?」

 「!! それって…!?」

 

 まさか、いや、しかし時期的に早すぎる。でも、フリーザ軍に入り、情報を効率よく集めたのなら、あの科学者を早く見つけていてもおかしくは無い。

 真実を知るべく、俺はパラガスに詰め寄った。

 

 「いつ作った!?」

 「ん? なんだ知ってたのか。一体どこから情報が…いや、そんなことはどうでも良いな。そうだ、俺は科学者に人をコントロールする装置を作らせた」

 「それでブロリーを操るつもり!?」

 「…………そうだ。今までブロリーの凶暴さには手を焼いてきた。最近はおとなしくしているが、いつまた暴走するのか分かったものじゃない。そうなる前に手を打たなければならない」

 「っ」

 「分かってくれ。これも俺たちの帝国のためなのだ」

 

 パラガスはそう言って俺の肩を叩く。しかし、それで俺の気は静まりはしなかった。一体誰が血の繋がった家族が操り人形になることを知って冷静でいられるだろうか。

 ブロリーは確かに迷惑だ。彼がおとなしくなれば色々とスムーズになる。俺にとっても助かる部分が多い。

 だが、操り人形にするのは受け付けられない。俺はブロリーをMAD化するために彼を教育することを誓った。洗脳は教育じゃないのだ。同人誌じゃあるまいし。

 確かにMADでも度々パラガスに操られていたが、俺としては自分の意思で元気に行動して欲しい。彼は彼のままでいるべきなのだ。

 だが、そう言ってもパラガスは納得しないだろう。だから、今から俺が言うのはお願いだ。

 

 「私がブロリーを何とかして教育する! だから、それまで待って欲しい」

 「…ほう。どれくらいで出来る?」

 「い、1年くらい…。ほら、今までのブロリーもこれくらいなら待てが出来たしさ、いいでしょ?」

 

 パラガスは少し思案し、答えた。

 

 「…………いいだろう。ただし半年だけだ。それ以上は待てん」

 「…分かった。ありがとう」

 

 そう言って俺はパラガスの部屋を後にした。

 そして足早に俺の部屋へと向かい、着くと同時にベッドに飛び込んだ。そこそこ心地いい弾力が返ってくる。

 そして俺は枕に顔を埋めたまま、心の中に絶えず湧いて出てくる焦燥と苦悶をあらん限り乗せて叫んだ。

 

 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛」

 

 どうしよう、マジでどうしよう。

 半年でブロリーの教育なんて出来るわけが無い。そもそも俺が何を言っても聞いちゃくれないだろう。いつも通り喧嘩することになってブロリーに負けて殺されるのがオチだ。

 そうだ、俺は強くならなきゃいけないんだった。洗脳装置に気を取られて何のためにパラガスの部屋を訪れたのか忘れていた。

 整理しよう。

 これから俺がやることはブロリーを教育しながらブロリーに負けないぐらい強くならなくてはならない。そして、その教育や強くなる過程でブロリーと戦うことになってはならない。それを半年以内にこなせなければゲームオーバー。

 何なんだぁこれはぁ? クソゲーが過ぎる。ちょっとは手加減しろ。手加減ってなんだって? お前のせいだぞブロリー。

 確信をもって言える。正攻法ではどうあがいても無理だ。

 ならばどうするべきか。正攻法でやらなければいいのだ。パンが無ければケーキを食えば良いのである。

 具体的にはどうするかって? それは今から考える。

 

 「先手を打って洗脳装置を壊して科学者を消せばいけるか? でもどっちも何処にあるのか知らないしなぁ…」

 

 ああ、これから最悪な意味で忙しくなりそうだ。何処かに児童相談所はないのだろうか…。

 

 ―

 

 パラガスの自室にて。

 ビーナスが去った後、パラガスはあることについて考えていた。

 

 そのあることとは、つい先ほどまで同じ部屋に居たビーナスのこと。

 前の彼女は大人しく、パラガスの言うことをよく聞いていたが、最近はだんだんと反論するようになってきた。特にブロリーが関わる事柄になるとそれは顕著になる。

 ただ言った事だけをするのではなく自分で考えて行動するというのは、それは紛れもない成長であり1人の親であるパラガスにとって喜ばしいことではあるが、同時に不安でもあるのだ。

 何せ、彼女は伝説のサイヤ人である。ただでさえブロリーだけで手一杯なのに、彼女まで自分の言うことを聞かなくなってしまったら何もかもがお終いになってしまう。

 これはビーナスのサイヤ人としての本能が年々高まっていっているからだろう。まだ彼女の理性が勝っているが、何時の日か本能に飲み込まれる日がきっと来る。パラガスはそう思わずにはいられなかった。

 

 「もしそうなったら…。ビーナス、お前も一緒に…」

 

 パラガスは()()()()洗脳装置へ思い馳せながら、そう呟いた。

 

 

 

 




パラガス「せ、洗脳する準備だぁ」
ビーナス「もうだめだ…おしまいだぁ……」

Q.大丈夫? ベジータ心折れてない?
A.まだ大丈夫。伝説の超サイヤ人を見なければいずれ辿り着く高みだと認識してくれる。

Q.メインキャラのブロリーの出番少なくない?
A.下手に登場させたらその他の全員が血祭りにあげられちゃうからねしょうがないね。次回はたんまり登場させる予定だから許して。

俺は必死に考えて次話の内容を考えついた。だがこれを書き上げるにはやたら時間がかかる。それまでに評価や感想をして、俺のやる気を足止めしてくれ(強欲なムシケラ)

展開のスピードについて…

  • 速い
  • 普通
  • ウスノロ…
  • さっさと映画まで行け
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