side ライナ
エリスから逃げ切った俺はグレイワースの部屋に居た。
「夕飯でも作っといてやるか」
帰ってきていない母親のために夕飯を作ることにした。
「ただいま、ライナ」
「おかえり、義母さん」
俺は皿に料理を盛りつけて机の上に出す。
「今日は作ってくれたのか」
よしよしとグレイワースは俺の頭を撫でた。
「さっさと冷めないうちに食べようぜ」
「ああ、そうだな。せっかくライナが作ってくれたんだしな」
俺とグレイワースは食べ始める。
「腕を上げたな、ライナ」
「そうか?まあ、旅していた頃はほとんど自炊していたからな」
グレイワースはそうかと頷いたあと、こんなことを聞いてきた。
「ところで、旅の話を聞いていなかったな。話してくれ」
「うーん、大したことないぞ」
「それでも構わんさ」
旅であったことを話した。
山賊を返り討ちにしたり、死にかけていた精霊を助けた話をした。
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「ずいぶんと大変な旅だったんだな」
「そうか?」
前世にくらべれ楽だったけどな。
魔法騎士団に襲われたり、化け物と戦ったり
「楽しかったよ、また今度話してくれ」
「わかった」
俺は食器を片付ける。
「いいぞ、私がする」
「悪いな」
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俺は先に風呂に入る。
「はぁー、気持ちいー。このまま眠りたいー」
残念なことにそれは無理になった。
理由は侵入者を感知したからだ。
「めんどくせぇ」
めんどくさいが、結界を張り切れていない俺の責任でもあるので現場に着替えて向かうことにした。
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「ちっ、神威を使いすぎたか」
「危なかった・・・・・」
現場には舌打ちするエリスと、ほっとしている侵入者と思われる刺青が体全身にある男がいた。
「む?ちょうどいい。ライナ、私はそろそろ倒れそうだ」
エリスがこちらを向いてそんなことを言ってきた。
侵入者が振るっている剣を簡単に避けて。
「つまり、倒れたらお前が運べ」
「んなことだろうと思ったよ・・・・・」
侵入者はイライラしているようだ。
「さっさと死にやがれ!!」
「お前が死ね」
エリスはカウンターで右ストレートを放つ。
その右ストレートは侵入者を簡単にブッ飛ばした。
「頼むぞ・・・・・」
「っと」
倒れるエリスを俺は支える。
「ったく、黙ってればかわいいのに」
「うるさい。余計なお世話だ」
「はいはい」
俺はエリスをおんぶする。
「ライナ!!」
カミトが遅れてやって来た。
「カミト、あっちの方に侵入者が吹っ飛んで行った」
「吹っ飛んでって・・・・・エリスは大丈夫なのか?」
「ああ、精霊魔装を振り回して俺を追いかけてたから・・・・・」
「・・・・・はぁー」
俺とカミトは呆れた顔をしているだろう。
「んじゃ、頼むわ」
「おう、任せろ。行くぞクレア!」
「うん!!」
カミトの後ろについていくクレア。その後ろを長い髪をした少女が追って行く。
俺はエリスを背負い保健室に連れていった。
エリスの神威切れ。
前回ライナを追い回しすぎたせいです。
数時間追い回していました。そのあとも逃げに徹した侵入者を追いかけ回した。
ライナを追いかけなければ普通にチョパっと捕まっていました。
侵入者
魔王になれない人です。
次回はカミト視点で行きます。