精霊使いの伝説   作:テルメン(白)

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魔王と勇者の剣と氷の鎌

side ライナ

 

俺たちが目的地の入り口に着いたときには、女子四人は優雅に昼食を取っていた。

グリフォンは少し申し訳なさそうにしてから、元素精霊界へ帰っていった。

 

「遅い!!」

「誰のせい・・・・・はい、のろまな俺のせいです。はい」

 

反論しようとしたが、剣を喉につき当てられたので認めるしかなかった。

 

「ライナ・・・・・頑張れよ」

 

カミトに肩をポンポンと叩かれた。

 

「ライナ、その、これ食べませんか?余り物ですが」

 

リンスレットがサンドイッチ

 

「ありがとう、リンスレット」

 

俺はリンスレットからサンドイッチを受けとる。

カミトはクレアから受け取ってエストに食べさせている。

 

「む、これも食え!!」

 

サンドイッチを頬張っているところに、さらにサンドイッチが追加された。

 

「ーーーーー!?」

 

まあ、当然喉に詰まらせる訳で・・・・・

 

「ライナ、お水です!!」

 

リンスレットから水の入ったコップをひったくり、飲む。

 

「ゼェゼェ・・・・・味方に殺されかけるとは思いもしなかった・・・・・」

「すまない」

 

エリスは少し申し訳なさそうに謝る。

まあ、本気で謝っているようなので許そう。

 

「次から止めろよ」

「ああ」

 

表情が元に戻った。

 

俺たちはゆっくり昼食を取った。

 

「うおっ!?」

 

地面が突然大きく揺れた。

結果、ティーカップが落ちて割れた。

 

「あ、悪い」

「いえ、別に構いませんわ」

 

ティーカップの持ち主、リンスレットに謝る。

リンスレットはすぐに許してくれた。

 

「ふむ、急ぐか」

 

エリスが呟く。

 

「もう少しゆっくりしたかったんだけどな、仕方ねーか」

 

その場にいた全員が頷く。

 

「とりあえず、隊列を決めるぞ」

「確かに、大切ですね」

 

一番前にカミトとエリス、その後ろにクレア、真ん中にリンスレットとフィアナ最後尾に俺、という隊列になった。

 

「異論は?」

「なぜお前が一番後ろなんだ?こういうのは護衛対象が一番後ろではないのか?」

「あー、一番後ろは奇襲の危険性があるし、後方からの支援ができる俺がそこに適任だからだ」

 

それに、前世でも経験がある。

 

「なるほど」

「もうないな。行くぞ」

 

カミトとエリスを前頭に鉱山へ進む。

 

その入り口の前に、巨大な大祭殿があった。

かなり立派な祭殿だな。

 

「あー、これはカモフラージュ用だな」

「カモフラージュ?」

「だって雑だし、こんなところに祭殿があったら、封印を解いてくれと言ってるような物だろ?」

「あ、なるほど」

 

詳しくないカミトとエリスが納得したようだ。

 

「でも、誰かが儀式を執りおこなった跡があるわ。しかも、ここ数ヵ月のあいだに何度も」

「確かにな。たぶん解放の儀式だな。アレンジされてるな、しかし雑過ぎるだろ・・・・・」

 

ふと周りを見回すと、骸骨が動いていた。

 

「ひっ!」

 

それに気づいたクレアがカミトにしがみつく。

 

「怖いわ、カミトくん」

 

それに負けじとフィアナもカミトと腕を組む。

 

「こいつらが儀式してたのか」

「こいつら自身が・・・・・ってことはあり得ないがな」

 

カミトの推測に一つ付け足す。

 

「こいつらを操ってい儀式をしているってのが、正しいな」

「ってことは、操っている術者が犯人ってことか」

「そうなるな」

 

俺は不死鳥を呼び、骸骨どもを浄化の炎で浄化すると、黒い霧が骸骨から吹き出し、骸骨ごと消滅した。

 

「あれは、闇属性の精霊ーーーーー」

 

カミトがそう呟いた。

恐らく、前のパートナーのことでも思い出していたのだろう。

 

「見つけたぞ!!女ァァア!!」

「フン!!」

「ゴフッ!?」

 

侵入者が奇襲をしかけたが、あっさりと剣の腹で殴られて鉱山の方へ吹き飛ばされた。

それをエリスは一瞬でやってのけたのだ、しかも普通の剣でだ。

 

「さあ、犯人はすぐ近くだ。油断するな」

「いやいや、さっきまで目の前にいたのにお前が飛ばし・・・・・」

「やつは飛行能力を持っているぞ」

「それはお前が・・・・・もういいや」

 

話を聞かないのでつっこむのがめんどくさくなってきたので、つっこむのを止める。

 

俺たちは坑道を進む。

 

「絶対殺す!!」

 

数百メートル進むと広い空間があり、そこに侵入者が殺気を放ちながら立っていた。

 

「きゃー、こわーい、というわけで、ライナ、頼むぞ」

「はいはい、やらなきゃ首がチョパっとなるからな」

 

エリスのどこから出したのか気になる声につっこまず、俺は前に出る。

いや、ちょっと待てよ、俺一人で相手しなくても良くないか?

 

「ってことで、囲んで・・・・・もういねぇ」

 

さっきまで後ろにいたはずのメンバーがどこかに消えていた。

替わりに手紙が残されていた。

 

「えー、なになに?先に行っている。byエリス」

 

あいつ、俺にめんどくさいこと押しつけやがった!!

 

「そこを退け!!お前に用はない!!」

「お前がそうでも、俺はお前の足止めしなきゃダメなんだよ。じゃないと俺の頭と胴体が離婚するからな」

 

真剣にそうだ。

 

「つまりお前を倒せばいいんだな!!」

 

侵入者は物凄い形相で、なかなかのスピードで迫って来る。

 

「よっと、求めるは雷鳴>>>・稲光」

 

それを横にかわしたのち、稲光を放つ。

 

「レン・アッシュベルの!?ちっ!」

 

侵入者は驚いたあと、回避する。

 

「おい、なんでレン・アッシュベルの魔術を使える?」

「なんでそんなこと・・・・・あー、俺が教えたからだ」

 

答えるのをやめようと思ったが、会話で時間稼ぎができると思い、答える。

 

「教えたってことは、お前が師匠ってことになるな!つまりお前を倒せば、俺が魔王の後継者だと証明できる!」

「魔王って・・・・・まあいいや」

 

侵入者が腰に刺していた短剣を抜く。

俺はそれを見て驚いた。

 

「ドルエリの剣鱗!?」

 

それは前世の世界にあった物だ。

なぜこの世界にある。

 

「へぇー、物知りだな」

 

俺は侵入者の言葉ではっとなる。今は戦闘中、考えるのは後だ。

 

「魔王の後継者が勇者の剣を使うのかよ」

「へぇ、それは知らなかった」

 

会話で隙を作ろうと思ったが、侵入者はドルエリの剣鱗を右腕に突き刺した。

 

「ぐぉぉぉお!!」

 

侵入者の腕が龍の頭に変化する。

 

「めんどくせぇ、勇者の遺物相手とかめんどくせぇ」

 

最近の俺、働きすぎだよな。

主にエリスのせいで。

 

「不死鳥、精霊魔装だ」

 

不死鳥を召喚し、精霊魔装、<業火の剣>を顕現させる。

 

 

「炎の最高位精霊か、それでこそ倒しがいがある!」

「そうかよ!」

 

侵入者は龍となった腕をこちらに向け、ブレスを放ってきた。

 

「はぁっ!!」

 

炎のブレスを俺は剣で切り裂くが、ルシルやエリスのようにはうまくいかず、軽いダメージを受けた。

 

「はっ!!」

「ーーーーー顕現せよ、剣精霊!」

 

俺の剣と侵入者の剣精霊が衝突し、侵入者の剣が溶ける。

俺の精霊魔装の<業火の剣>は炎を吸収し、火力を上げる能力を持っている。

なので俺はこの精霊魔装を選んだのだ。

 

「ちっ」

 

侵入者は素早く後退する。

だがそれは間違いだ。

 

「求めるは雷鳴>>>・稲光!」

 

俺の間合いは本来遠距離だ。

 

「うわっ・・・・・なんてな、ーーーーー反射せよ、魔鏡精霊」

 

魔鏡精霊により稲光が反射された。

 

「ほいっと」

 

反魔法を発動させて無力化する。

 

「もらった」

 

侵入者は接近し、氷の鎌を振るった。

俺はそれを避けるが、それを見て驚く。

 

「アイルクローノの鎌!?」

 

侵入者は龍化した腕と反対の手にアイルクローノの鎌を持っていた。

 

「氷の虎よ、氷の銃となり、我が敵を撃ち抜け!」

 

二つ同時に精霊魔装を発現させる。

 

「二つ目・・・・・」

 

侵入者はそう呟くと一気に距離を詰めてきた。

 

「早っ!?」

 

侵入者はエリス並のスピードで迫ってきた。

 

「はっ」

「らぁっ!」

 

侵入者が振るった鎌を俺は銃口で受け止め、弾丸を放つ。

 

「ぐっ」

 

狙い通り、侵入者はのけ反る。

 

「はっ!」

「させるか」

 

俺は剣を振るうが、龍化した腕に刃を噛まれて防がれる。

 

「凍れ」

 

侵入者は鎌を地面に刺していた。

俺はそれを見て即座に判断して、後退する。

 

「勘のいいやつだ」

 

今まで俺がいたところには氷の柱ができていた。

 

「<アルゴス>」

 

侵入者はそう呟き、ドルエリの剣鱗を俺の足元に投げる。

 

「そういう・・・・・」

 

ことか!!と言おうとしたときには、俺は龍の頭に喰われていた。

 

「まず一人目」

 

侵入者は龍の頭からドルエリの剣鱗を引き抜き、エリスたちの向かった道を走る。




ジオさんライナを何とかしました。
まあ、主人公なので死んでませんけどね。
ライナがめんどくさがって本気を出してないのも理由ですが、アイルクローノ鎌で感情を凍らせて落ち着いたため、ライナをなんとか一時的に行動不能にできました。

ジオはもう一段階上の形態があります。
お楽しみに。
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