sideカミト
俺たちはライナを囮に先に進んだ。というか、エリスが勝手に囮にした。
「今更なんですが、ライナさんは大丈夫なのですか?」
「ライナなら問題ない。あの程度の敵どうにかする」
フィアナの問いにエリスが答えた。
俺は少し笑う。
「めんどくさがって、わざと気絶しそうだな」
「ふむ、もしそんなことをしたらスパっとやろう」
毎回こんなノリに付き合っているライナに心の中で合掌する。
「カミト、こっちです」
俺たちはエストに案内されて<真祭殿>に向かう。
「暗くなってきたな。求めるは光輝>>>・闇砕」
俺は手のひらに光の球を生み出す。
「俺が後ろに行く。クレアは前に行って灯りを頼む」
「わかった」
クレアも手のひらに火の玉を生み出し、周りを照らす。
「カミト・・・・・」
先頭に立っていたエストが俺の袖を引っ張る。
「どうした?」
「離ればなれはいやです」
「たいした距離じゃないだろ」
十メートルも離れていないのに。
「・・・・・わかりました。ついたら頭を撫でてください」
「わかった」
こんなことでやる気を出してくれた。
ちょろいな。
しばらく歩くと石の壁が見えた。
「ここです、カミト」
「・・・・・え?行き止まりよ?」
クレアが怪訝そうに眉をひそめる。
クレアの言った通り行き止まりに見える。が、エストのことだ。なにか仕掛けがあるのだろう。
昔、ライナと遺跡を探険したときにもこんな仕掛けがあった。
「よっと」
俺は闇砕を操り、壁を照らす。
「これは<五大精霊王>の彫刻・・・・・みたいね」
ライナと行った遺跡とは違うので開ける方法は分からないな。
「火、水、風、土、聖ーーーーーん?」
彫刻の図柄に違和感を感じる。
聖属性の精霊王を頂点に配した、五芒星を描く構図。
その一番下にーーーーー壁を削り取ったかのような大きな傷痕がついていた。
ーーーーーどうでもいい。
突然頭に声が響く。
「これは神話時代の彫刻ーーーーー後の時代に存在を消された、闇の精霊王」
エストの説明で意識を持ち直す。
「今のはなんだ・・・・・?」
俺は違和感を感じた眼で周りを見る。
問題はないな。
「カミト、どうかしましたか?」
「いや、なんでもない。エスト、これを開いてくれ」
「わかりました」
エストがなにかをして、壁がゆっくりと開く。
「やっぱりこういう仕掛けなのか」
「来たことがあるのですか?」
エストが首をかしげて訊いてきた。
「子供のころ、ライナと一緒にな。あのときは壁の模様は龍だったな」
「そうですか」
エストが頭をこちらに向けてくる。
「よしよし、よくやったな」
俺は求められた通り、エストの頭を撫でてやる。
「カミト、もっと撫でてください」
「よしよしよし」
エストをさらに撫でる。
凄く嬉しそうな顔をする。
「カミト、気持ちいいです・・・・・」
「エストに甘い・・・・・」
「カミト君、早くしないと戦略級軍用精霊が目覚めてしまうわ」
「あ、ああ・・・・・」
急かすフィアナに腕を引かれ、扉の中は足を踏み入れた。
ーーーーーそこは、信じられないほど巨大な空洞だった。
その空間の中央にーーーーー貴金属と水晶で造られた祭殿があった。
「ーーーーーまちがいないわ。ここがこの鉱山な<真祭殿>」
「ここで、フィアナが再封印の儀式神楽を奉納すればいいんだな?で、エリスとリンスレットはそこで何をしているんだ?」
ここについてから、二人は入り口の前で構えている。
「見張りだ」
「私もです」
エリスは通ってきた道を見つめ、それをエリスが監視する。
「そ、そうか、がんばれよ」
恐らくライナを襲うつもりであろうエリスと、それを阻止するためにリンスレットが見張っているのだろう。
戻ろうとすると、既に扉が閉じていた。
「見つけたぞ、女!!」
ジオ・インザーギと名乗る暗殺者が叫ぶ。
「おい、ライナはどうした?」
「ああ?ライナァ!?あいつは土に埋まってるよ」
「あのマヌケめ、サボったな」
俺とエリスはため息をつく。
「はっ、そいつはどうかな?」
ジオは短剣と鎌を取り出し構える。
ライナは結局お仕置きされる運命なのだ!
そしてカミト半覚醒。
カミトはどんな魔眼に覚醒するのでしょうか?
そして次回、ジオの最終形体が・・・・・・
次回、魔王+龍=竜王!?
タイトルは変わるかもしれません。