精霊使いの伝説   作:テルメン(白)

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講義のあとのだんご

side ライナ

 

俺には関係のない補講なのに、二人に内容をわかりやすく解説することになった。

 

「はぁー、教えてやるからノート開け」

 

ちなみに、俺の右にカミト、左にエリス。

つまり挟まれて逃げられないということだ。

 

「エリス・・・・・ノートくらいちゃんと書けよ。いろいろ抜けてるぞ」

 

エリスのノートは穴だらけで、

 

「仕方ないだろ。騎士団は忙しいんだ。それにいつもは教本を使っている」

「他のやつに写させてもらえよ・・・・・まあいいや、んじゃ、カミトのノートを使って解説するぞ」

 

俺はカミトのノートを使って、わかりやすく説明する。

 

「ふむ、なるほど」

「ああ、そうなるのか」

 

俺はわかりやすく解説することに成功した。

 

「もういいな」

 

俺の仕事はここで終わりだ。

そうだよな。

そうだと思いたい。

 

「待て、後で聞くのは面倒だからここにいろ」

「だと思ったよ・・・・・」

 

ーーーーー◇ーーーーー◇ーーーーー

 

フレイヤ教師が目の前に立つ。

 

「それで、ライナ・リュート、お前は補講を受けないでもよかったはずだぞ」

「察してくれ」

 

俺はフレイヤ教師の問いに呟いて応える。

 

「これ以上は聞かないでおこう。では、授業を始める」

 

授業がやっと始まった、

基礎科目の内容ではない、呪装刻印についてフレイヤ教師は説明している。

 

「ーーーーーエリス、答えてみろ」

 

エリスが当たったみたいだ。

 

「おい、ライナ、教えろ」

 

エリスが肘で俺をつつき、俺にそう言う。

 

「契約精霊を暴走させて、最悪死ぬこともあった」

「契約精霊を暴走させて、最悪死ぬこともあった」

 

俺の答えをそのまま言うエリス。

 

「そうだ。呪装刻印が肉体に適合する者は、精霊使いの中でもほんの一割に満たないといわれている。だが、その危険性が明らかであるにもかかわらず、いまだに非合法の研究が続けられているということは、それだけ安易に力を求める者が多いということだ」

 

厳しい声で告げ、ピシッと教鞭を振るうフレイヤ教師。

それにしても呪装刻印のことをやけに強調するな。

なにかあったのか?あとでグレイワースに聞いてみるとするか。

 

ーーーーー◇ーーーーー◇ーーーーー

 

講義わ終えて、俺たちは学院の正門前に向かう。

 

「クレア、来たようですよ」

「あ、みんな!」

 

ぶんぶんと手を振るクレア。

それに苦笑するカミト。

 

「悪かったな」

「補講でしょ、仕方ないわよ」

「でも、罰として私と手を繋いでもらいます」

 

フィアナがカミトの手を握る。

 

「あ、ああ」

 

カミトは少し照れた様子を見せる。

 

「カミト、私は早くパフェを食べたいです」

 

そこへカミトの剣精霊が出てきた。

 

「ああ、エストにはいつも頼りっぱなしだからな。今日はなんでも頼んでくれ」

「嬉しいです、カミト」

 

エストもカミトの手を握る。

 

「両手に花だな。カミト」

「からかうなよ、ライナ」

 

俺がからかうとカミトはちょっと困った顔をしてそう言った。

 

「ふむ、お前はカミトがうらやましい。そう言いたいのだな」

「いや、俺は別に・・・・・はっ!?」

 

この展開、読めたぞ!!

俺はいつでも反応できるようにする。

 

「この変態色情狂がぁぁぁぁぁあ!!」

「ちっげぇぇぇぇぇぇぇえ!!」

 

俺は全力でエリスの振るう剣を避ける。

 

「成敗!!」

「エリス?」

 

二回目の攻撃を避けようとしていると、エリスの後ろから声が聞こえた。

 

「ちっ、今日はこれくらいにしてやろう」

 

それはリンスレットだった。

なかなかの迫力だった。それを真後ろに感じたエリスにはドンマイと言うしかない。

 

「それじゃ、気を取りなおして行きましょ!」

 

クレアが先頭に立って歩く。

 

ーーーーー◇ーーーーー◇ーーーーー

 

俺たちは<風>の区域。つまりは一般市民の住むエリアに向かっていた。

街路はあざやかな刺繍の横断幕が掲げられ、土地の精霊を祀るための小さな櫓がそこかしこに作られている。

 

「すごいにぎやか。厳粛な帝都の大精霊祭とは、また雰囲気がちがうわね」

 

帝都育ちのフィアナがそんな感想を言う。

 

「ヴァレンティア聖祭は一般市民のお祭りで、姫巫女が精霊に奉納する祭祀とは、ちょっと意味合いが違うの」

「どっちかというと、精霊剣舞祭の初日に近いな」

 

活気に満ちた街並みを眺めながら、カミトは呟いた。

 

「・・・・・ああ、そうかもしれないわね」

 

歩きながらうなずくクレア。

俺は精霊剣舞祭のことをふと思い出す。

女装したカミトをダンスに誘おうと、貴族の連中がつぎつぎとプロポーズしてきたため、俺が彼氏役となり、虫除けに使われた。

カミトもそのときのことを思い出して俺の顔を見てきた。

 

「ああ、カミトもライナもレン様に深い関わりがあるものね」

 

ここで関わりがあるってことを教えたことに救われるとはな。

 

「ん?・・・・・どうしたんだ、クレア?」

「な、なんでもないの!うん!」

 

なにやらあっちは楽しそうだな。

 

「って、お前はなにを食べてるんだ」

「見てわからんのか?団子だ」

 

当然だ、と胸を張って答えるエリス。

 

「いや、それはわかる。俺が言いたいのはなんで昼食前に団子を食べてるんだって聞いてるの」

 

それでお腹いっぱいにならないのか?という意味合いも込めてそう聞く。

 

「団子は別腹。という言葉がある。つまり団子はいくらでも食べられるということだ!!」

「それを言うなら、デザートは別腹だろ?」

「ふむ、そうとも言うな」

「そうとしか言わねーよ」

 

俺はエリスに呆れつつ、再び歩き始める。

 

ーーーーー◇ーーーーー◇ーーーーー

 

俺たちの入った店は銀鱈亭という、赤レンガのなかなか洒落た店だ。

奥の六人がけのテーブルに座る。

エストはカミトの膝の上だ。

 

「エスト、椅子、用意しようか?」

「カミトは嫌ですか?」

 

カミトの膝の上に乗るエストはカミトを上目使いで見つめる。

 

「いや、別に嫌ってわけじゃないんだが・・・・・」

「ならここがいいです」

 

そんなことをしているので、ウェイターがカミトを指差しヒソヒソ囁いている。

 

「あれが噂の男の精霊使い?」

「二人いるわね。一人はなんか眠そうね」

「もう一人はあんな小さい娘を膝に乗せて喜んでいるわ」

「淫獣・・・・・いえ、淫王と呼ぶべきかしら」

「淫王・・・・・」

「じゃあ、あっちは?」

「眠そうだし、昼寝王じゃない?」

 

昼寝王はここまで広まっていたのか。いいことだな。

とりあえず注文することにした。

 

「ふむ、なかなかだな」

「いや、ここでも団子かよ。まあ、確かに旨いけどさ」

 

しかし驚いた。

もう専門店じゃね?ってくらい団子の種類がメニューに載っていた。

 

「あ、エリスちゃん、いらっしゃい」

「ヴィヴィアン、ここで働いていたのか?」

「まあね。あ、そうだ。新作の団子があるの。味見しない?」

「ああ!是非とも!!」

 

いや、ここにある団子だけで十分だろ!!

この場にいる全員が思ったはずだ。

 

「カミト、みたらし団子が一番美味しいです。お代わり」

 

訂正、エリスとエスト以外全員思っているはずだ。

 

「そ、そうか、じゃあお土産に買って帰るか?」

「はい、カミト」

 

エストは嬉しそうにする。

 

「はい、お待たせ。新作の餡蜜だんご」

「餡蜜だと!?考えたな!!」

「でしょ!」

 

このあと数々の餡蜜だんごを食わされ、どれが一番だんごとマッチしているか食べ比べた。

エリスとエスト以外はもう、だんごはこりごりだろうな。




餡蜜だんごは皆さんご存知の通り、パップルだんご菓子店のだんごです。
食べてみたいね。
ウィニットだんご店のだんごの次に食べてみたいだんごだな。
そしてヴィヴィアンはだんご信者でアルバイトからだんご専門の職人になっていた。
独立する日は近いのか?
そして間違えて投稿してしまった。
投稿し直し。
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