side ライナ
チーム対抗戦、試合当日。
チーム・スカーレットのメンバーは<石の円環>の前に集まった。
「作戦は、昨日話した通りでいいな?」
「うん、それでいいと思う」
リーダーの了承も得たので、俺は石の円環を作動させ、元素精霊界への門を開いた。
ーーーーー◇ーーーーー◇ーーーーー
チーム・スカーレットが転送されたのは、森の中のひらけた場所だった。
周囲は森で視界が悪い。
これでは相手チームの姿を探すのも難しい・・・・・
「フィアナ!!」
俺はフィアナに向けて叫ぶ。
どうやら理解してくれたようで、騎士精霊を召喚してくれた。
数秒後、雨のような砲撃が降り注いだ。
「開幕いきなり広域攻撃とか反則だろ!?」
「戦いに反則も卑怯もない」
俺の呟きに真上にいたヴェルサリアが答える。
ヴェルサリアは巨大な精霊魔装ーーーーー<静寂の要塞>を纏っていた。
「そりゃそうか」
戦いは勝つか負けるか、ただそれだけだ。
「その防御を破るのは少々時間がかかりそうだ・・・・・」
ヴェルサリアは、装甲をパージする。
「だが、隙間をくぐるのは容易い」
騎士精霊の防御の内側に一瞬で侵入された。
「っ!?」
槍は俺の胸へ迫る。
ちょっと早すぎるが、作戦通りだ。
「はっ!!」
エリスがヴェルサリアに向かって剣を振るう。
「ちっ」
ヴェルサリアは俺の制服の胸の部分を少し傷つけただけで後退した。
「私の速さに着いてこれるとは、流石だな、エリス」
「当然だ」
エリスにはトリックがバレないように演技してもらっている。
「サンキュー、エリス」
「なら、ヴィヴィアンの団子を全種類、10セットずつ買ってこい」
「そんなには無理だ!!」
ヴィヴィアンの働いている店のだんごは確か、25種類あった。
ということは250セット買わなければならない。しかも値段もそこそこするので・・・・・
俺の1ヶ月の食費以上の金額になる。
「考え事など、余裕だな!!」
ヴェルサリアがまた槍で突いて来る。
「ふん!」
「ちっ!」
エリスがヴェルサリアの槍を弾く。
「ヴェルサリア様!!」
「ちょうどいいところに来たな」
どうやら援軍が来たらしい。
「目標、騎士精霊。撃て!!」
「え?」
「えーと、とりあえず、えい!」
なんか困惑していたが、大量の攻撃が騎士精霊を襲う。
「もう限界よ!」
「んじゃ、エリス、土煙を巻き起こして視界を遮れ」
フィアナが限界らしいので、とりあえず逃げることにした。
「いいだろう」
「同時に騎士精霊を解除、カミト、クレア、エリス、はヴェルサリア以外の五人を、リンスレットは後方から支援、フィアナは下がって回復に専念。俺はヴェルサリアの相手をする」
エリスが地面の砂を風で巻き上げ、視界を悪くする。
「全員防御!!」
ヴェルサリアがそう指示する。
なかなかいい判断だ。
「求めるは雷鳴>>>・稲光!」
「はっ!!」
この二人相手に生半可な防御なんて無意味だ。
「っく!」
ヴェルサリアはエリスの攻撃をなんとか受け止める。
だが稲光は一人の生徒に当たり、気絶させる。
「今のは、レン・アッシュベルの・・・・・」
「よそ見している暇があるのか?」
エリスが風の斬撃をヴェルサリアに放つ。
「くっ!」
ヴェルサリアは目にも止まらぬ速さで回避する。
「私の速さに反応できようと、それだけ離れていれば防御はできないだろ!!」
エリスから離れ、一瞬でこちらに突撃してきた。
「っぐ!?」
俺に突きが当たる。
「捕まえた!」
「なんだその姿は!?」
土属性の精霊魔装<暴君の鎧>を瞬時に纏ったため、ダメージはほとんどない。
そして、槍を掴む。
「はっ!」
「うぐっ!?」
俺はヴェルサリアの顔は、さすがにかわいそうなので腹へ拳を叩き込む。
ヴェルサリアはあっさりと吹き飛ぶ。
だが、感触が弱かった。
「ああ、なるほどな」
なんと、槍の部分を切り離し、自分から吹き飛ぶことで威力を逃がしたようだ。
「っ、なんという威力だ」
「まあな、お前の槍じゃ、俺の鎧は貫けないぜ」
だがこの精霊魔装は圧倒的な力と防御を得る代わりに膨大な神威を消費する。
なので挑発して重装甲形態に戻せと遠回しに誘導している。
「確かにな。だが、神威の消費は激しそうだ。つまりお前の神威が尽きるまで、他のやつらを狙えばいい」
「あらら、バレちゃった?んじゃ、俺も他のやつ倒してお前を囲めばいいだけなんだけどね。だいたいエリスを倒せんの?」
「それもそうだ。だが、他のやつらなら容易い。レン・アッシュベルの魔術を使う男もな」
「おいおい、あんまカミト舐めんなよ。あいつかなり強いからな」
つーか、なんで一番強いやつを相手にしてんだろう?
「ライナ!!なにサボっている!」
「いやいや、サボってねーよ」
ちょっとエリスの方を向いた隙に関節部分に槍が飛んできた。
「そんなこともできんのかよ!」
「私も槍をパージしたときに思い付いた」
「おいおい、それをぶっつけ本番でやるか?普通・・・・・」
俺はヴェルサリアに飛び蹴りを放つ。
「見え見えだ!」
後ろにかわされた後、槍で突いてきた。
「うぐっ!?」
喉の装甲の薄い部分に、しかも俺の力を利用した一撃が少し鎧を貫いてしまったようだ。。
「誘いだったのに、まんまと利用されたな」
大きな隙ができる。相手は攻撃してくるはずなので、攻撃してきたところにカウンターを決めようと思ったのだが、どうやら利用されたらしい。
「これで先程の拳の借りは返したぞ!」
「とっておけよ」
「借りはすぐに返せ、ファーレンガルト家の家訓だ」
「そうかよ!!」
当たらないなら、当たる攻撃をすればいい。
俺は地面を殴り、揺らす。
「っく!?」
「オラッ!!」
俺は怯んだヴェルサリアを殴る。
「もういっちょ!!」
間髪入れずにアッパーを放つ。
「っぐ!?」
ヴェルサリアは回避するが、拳は顎を捉えた。
「くっ!?」
ヴェルサリアは苦悶の表情を浮かべ、首を振る。
狙い通り脳震盪になったようだ。
「はぁぁぁぁーーーーー」
俺は両脚に神威を集中させる。
「どりゃあぁぁぁ!!」
「っ!!」
ヴェルサリアは体を少しずらすことで飛び蹴りを避けた。
「勝負を焦ったな!!」
ヴェルサリアは元に戻った槍で突いてくる。
「お前がな!!」
飛び蹴りした方の脚と逆の脚で回し蹴りを放つ。
「っぐ!?」
「っ!?」
そのどちらと相手に届くことは無かった。
「おいおい、なんだよその腕、呪詛じゃねーかよ・・・・・」
呪詛を右腕全体に描かれている、少女に邪魔をされたからだ。
はい、アギトVSカブト、楽しんでいただけましたか?
冗談です。
性能的にカブトの攻撃力と防御力を下げて、クロックアップもファイズのアクセルフォームに近い感じです。
アギトの方は、ライダーキックからのもう一撃ができるようになって隙がなくなりました。
でも似てますよね?
俺も書いているとき思った。
最後のキックもノリでアギトのライダーキックにしてしまいました。
そして、呪詛の少女はどうしたのかは次回・・・・・はたぶんカミト回です。
ついでに風邪気味なので投稿、遅れるかもしれません。すみません。