精霊使いの伝説   作:テルメン(白)

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ダンスパーティ

side ライナ

 

夕刻。代表生の宿舎となっている城館で精霊剣舞祭の開会式が始まった。

城館の大ホールには、すでに大勢の賓客が集まって談笑していた。

流れる優雅な音楽。精霊鉱石をふんだんにあしらったシャンデリア。

中央に並んだテーブルには、贅をそらした魚料理や肉料理、果物がならべられている。

開会式に招かれているのは、各国を代表する精霊使いと、身分の高い王候貴族だ。

 

「今回は我が国の代表が勝たせてもらいますぞ」

「なんの、我が白の騎士団には最高峰の精霊使いがいますからな」

 

いや、お前らが剣舞を奉納するんじゃねーだろ。と思ってはいるが声には出さない。

 

「なかなかいけるな」

 

俺は少女たちが来るまでテーブルの料理を食べることにした。

 

「ライナ、もう来てたのか」

「ん?カミトか、遅れたら怖いからな」

「ああ、なるほど」

 

俺たちはため息を吐く。

 

「意外と様になってるな」

「ああ、そりゃどうも」

 

前世でマナーやらを叩き込まれたからな。

 

「そういうカミトも似合ってるぞ」

「ありがとな」

 

カミトも料理を食べはじめた。

 

「おお、うまいな」

 

トントンと肩を叩かれた。

 

「ん?リンスレット・・・・・」

 

振り向くとそこには目が覚めるようなマリンブルーのドレスを着たリンスレットがいた。

その姿を見て、俺は黙ってしまう。

 

「あの、ライナ、なにか言ってもらわないと・・・・・」

「あ、ああ、そうだな、見とれれててな」

「っ!?」

 

リンスレットは顔を真っ赤にして俯く。

 

「では、私はどうだ?」

 

今度はエリスに話し掛けられた。

 

「お、おお・・・・・」

 

エリスは純白のドレスを着て、髪をほどき、ストレートにしていた。

 

「凄く、綺麗だ」

「当然だ」

 

エリスは自慢気に胸を張る。

若干頬を赤く染めているがな。

 

「ほう、エリスを私の目の前でたぶらかすか」

「ヴェルサリア、お前のドレス姿も綺麗だな」

「その言葉は素直に受け取っておこう」

 

ヴェルサリアは灰色のドレスを着ていた。

 

「そんな男に姉妹揃って籠絡するなんて・・・・・」

「ほう、それは私のことを言っているのか?」

 

エリスはヴェルサリアの首を後ろから掴んでいる。

 

「っ!!すみません。貴方は違うようです」

「わかればいい」

 

エリスは素直に手を離した。

 

「ヴェルサリアの言った通り、貴方の方が強いようですね」

「当然だ」

 

エリスは褒められて上機嫌のようだ。

 

「では、私と踊ってくれますか?」

 

リンスレットは笑顔でこちらに手を出しているのだが、なんというか、怖い。

 

「お、おう」

 

ーーーーー◇ーーーーー◇ーーーーー

 

リンスレットのダンスは教科書通りで、こちらもリードしやすかった。

 

「なかなか上手でしたね」

「ああ、まあな」

 

三年前の剣舞祭でいやと言うほどカミトと踊ったからな。

 

「次は私の番だ」

「はいはい」

 

ーーーーー◇ーーーーー◇ーーーーー

 

エリスのダンスはなんというか、荒々しく、なんとか合わせるのに精一杯だった。

まあ、それでも優雅に踊るんだから素直に凄いと思う。

 

「はぁー、ちょっと休憩」

「まったく、だらしないな、だからお前はライナなんだ」

「俺の名前をなんだと思ってんだよ・・・・・」

 

俺は一人で端の壁にもたれかかる。

 

「随分お疲れの様子ね、フェルナ」

「っ!?」

 

いきなり俺は前の名前で呼ばれ、声のした方向に視線を送る。

 

「誰だ?」

 

そこには綺麗な銀の髪に、宝石のような赤い瞳を持った少女がいた。

 

「ああ、そうね、無理もないか」

「だからお前は誰だよ!」

「フェルナ、貴方の姉よ」

「!?」

 

なんだと!?

 

「私は養子だけど、貴方の両親に引き取られたの。強かったから」

「・・・・・それで、両親はどうしてるんだ?」

「死んだわ。貴方を棄てた罰ね」

 

ニコニコとこちらを見て微笑んでいる。

 

「聞かされていたけど、まさか本当に精霊を使役できるなんて、ビックリしたわ」

 

自分の姉と名乗る少女は俺に近づいてくる。

 

「ああ、名前、言って無かったね。ティアラ。ティアお姉ちゃんって呼んでね」

「それで、訊かされていたって言ってたけど、誰にだ?」

 

俺は疑問に思っていたことを訊く。

 

「ティアお姉ちゃん」

「そういうの・・・・・」

「お姉ちゃん」

「だから・・・・・」

「お姉ちゃん」

「ね、姉ちゃん」

 

俺は観念し、姉と呼ぶ。

 

「及第点かな。いいわよ、可愛い弟の頼みだから教えてあげる」

「誰なんだ?」

「私の契約精霊よ」

 

契約精霊?俺を監視させてたのか?

 

「見せてあげる」

 

ティアラが右手を前につきだす。

 

「来なさい」

 

そう呟くと札のような物がどこからか現れ、それが集まっていく。

 

「やあ、久しぶりだね、ライナ」

 

この声、前世で聞いたことのある声だ。

 

「私の契約精霊。リューラよ」

 

札が人の型になる。

金髪の美男性だ。

 

「どういうことだよ」

「どういうことだろうね?」

 

精霊になったということは百歩譲って納得しよう。似たような存在になってたからな。

だがなぜこの世界にいる?

 

「パパと呼んでいいよ」

 

あ、本物だ。

 

俺はこの二人と話し合うことになった。




はい、オリキャラ出しました。
ついでにリューラも出しました。
どうなるかは、俺にもわからない!!

どうしよう?
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