精霊使いの伝説   作:テルメン(白)

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カミトの妹 ライナの姉

side カミト

 

俺はテラスから飛び降りた。

本来なら、この程度の高さなら問題なく着地できるのだが、狂った平衡感覚と慣れない視界のため、着地に失敗した。

 

「っ・・・・・!」

 

思わず声をあげそうになった。

 

「おい、どうした?」

 

上からヴェルサリアが飛び降りた。

 

「ヴェルサリアか」

「ああ、お前が飛び降りたから気になって来たんだが、着地を失敗するとは・・・・・」

「少しな」

 

頭が少し痛むが、立ち上がる。

 

「ライナのことを頼む」

「ライナ?あいつなら一人でも大丈夫だろ?」

「危険なやつが側にいる」

 

俺を殺しかけたやつだ。

恐らく、ライナと同等か、それ以上の実力がある。

 

「わかった。見張っておこう」

「頼む。エスト」

「ーーーーー私はカミトの剣、貴方の望むままに」

 

剣となったエストを握り、戦闘の場所へ向かう。

 

 

side クレア

 

「ちょ、アコルナに來獣、それに<ティアマット>を相手にどれだけ粘るの!?」

「当たらないようにしていれば、どうにかなる!」

「会場にはライナがいますから、被害は気にしないでいいですしね」

 

私たちは五大元素精霊の属性をすべてもった軍用精霊と石が集まった巨人と雷の獣の大群相手に圧倒していた。

 

「ちっ!やはり斬れないか」

 

エリスは巨人を斬りつけるが、斬れなかったようだ。

ヒュゴーンという、そんな音とともに赤い光線が巨人から放たれた。

 

「みんな!避けて!」

 

防御体制だったフィアナと後ろへ隠れる全員への指示をする。

赤い光線が地面に着弾し、かなり離れていたはずの私たちを衝撃が襲う。

 

「きゃあああ!!」

 

それは五つの首を持つ竜に乗るミュアという少女にも衝撃は襲いかかる。

 

「ミュア!」

 

少女が、地面に落ちる瞬間、影が少女を救う。

 

side カミト

 

俺は地面に落ちるミュアを抱き上げる。

 

「兄・・・・・様?」

「悪い、こいつとは一対一で決着をつけさせてくれ」

 

俺は四人の仲間に頭を下げる。

 

「私は構わんが、あれを一人でどうにかするのか?」

 

俺はエリスが指差す方向を見る。

そこには鉱石でできた巨人がいた。

その眼は赤く輝いていた。

 

「っ!?」

 

俺はミュアを抱えあげながら、回避する。

俺がいた場所に赤い光線が着弾し、爆発を起こす。

 

「おい、ミュア!止めろ!!」

 

俺は脇に抱えているミュアに命令する。

 

「止め方知らないの!」

「はぁ!?」

 

普通、止め方知らない破壊兵器を使うだろうか?

 

「ったく、やるしかないか。我・契約文を捧げ・大地に眠る悪意の精獣を宿す!」

 

俺は魔法で脳のリミッターを外す。

 

「ミュア、お前との決着はまた次の機会にしてくれ、求めるは光を宿す剣>>>・光剣!」

 

魔王殺しの聖剣に光属性を付与するが、まだ足りない。

なら重ねがけするだけだ。

 

「求めるは光を宿す剣>>>・光剣!!」

 

もう一度魔法を使う。

剣はさらに輝きを増す。

 

「行くぜ!」

「いいところを持っていくつもりか?」

 

飛び出そうとした瞬間、エリスに止められる。

 

「グエッ!」

 

襟を捕まれたため、首が絞まる。

 

「なにすんだよ!」

「カミト、そこは危ないぞ」

「へ?って、うぉぉぉお!?」

 

俺がいた場所には來獣と光線が襲ってきた。

竜の方には意識を向けてなかった。

 

「サンキュー、助かった」

「ふ、お礼はヴィヴィアンの作った最高級だんご詰め合わせセット、十セットでいいぞ」

「高いっ!!ミュア!なにすんだ!」

「まだ私は了承してないもん!」

 

ミュアは頬を膨らませる。

 

「来ます!」

 

リンスレットが警告する。

 

「はぁぁぁ!!」

 

俺は石の巨人が放った光線を斬る。

 

「えぇ!?」

「ふむ、斬れたのか」

 

ミュアは驚き、エリスは感心していた。

 

「うおぉぉ!!」

 

そのまま剣を振る。

すると、纏っていた光が、斬撃となり、巨人を切断した。

その断面から、赤い宝石が見えた。

 

「クレア!」

「え?わかった!!」

 

クレアが鞭で、赤い宝石を回収する。

 

「これで終わりだな、ミュア」

「・・・・・」

「大人しくしろよ」

「兄様避けて!」

 

ミュアの声に咄嗟に反応して、俺は回避する。

 

「失敗か、一瞬で殺せない程度には実力を戻したようね」

「ティアラ=ルミブル!」

 

<教導院>で<精霊喰い>の固有名を与えられた、俺の知っているなかで最強の人物。

 

「久しぶりね。<教導院>第一位<影縫い>、カゼハヤ・カミト」

 

ばらされた!いや、そんなことより、

 

「なんで、ライナを抱えている」

 

彼女はライナをお姫様抱っこしている。

 

「それはライナが私の弟だからだ」

「「「「「はぁ!?」」」」」

 

全然似てないし、ライナにそんな話聞いたことすらない。

 

「どういうことだよ、そんなこと聞いたことないぞ」

「ライナが捨てられたのは、一歳になる頃だから、記憶がないのも無理もない」

 

なら、ライナが話さないのも仕方ないな。

 

「ふむ、つまりライナの姉はお前と一緒に<教導院>で育った、というわけか」

「あ、ああ」

 

エリスは<教導院>のことはどうでもいいみたいだ。

 

「どうでもいい。お前、ライナを置いていけ」

「久しぶりの再会を邪魔するなら、殺すわよ」

「その前に私が殺す」

「やめろ、エリス」

 

俺はエリスを止める。

 

「ここにいる全員で戦っても、勝てる相手じゃない」

「よくわかってるわね」

「それに、ライナを弟っていうなら、酷いことはしないはずだ」

 

ティアラの後ろに札が集まる。

俺の眼には複雑な模様が見えた。

 

「ティアラ、ライナを置いていきなさい」

 

それは人の型になる。

ライナにどこか似た金髪の男性の姿だ。

恐らく、精霊、だが、それだけではない<なにか>が俺の眼には見えていた。

 

「なんで!」

「今、ライナがいる場所は彼らの場所だからだよ」

 

男が指をくるりと回すと、ライナに札が絡み付き、ライナを運ぶ。

 

「邪魔するなら貴方でも喰べるわよ!」

「それができないから、僕と契約出来たの忘れた?」

 

ライナはゆっくりと降ろされる。

 

「それに、ライナのお嫁さん候補がいるみたいだしね」

「「!?」」

 

エリスとリンスレットの二人が反応した。

 

「お嫁さんなら私がなるわ!血は繋がってないから大丈夫よ!」

「ふふふ、でもまだ彼らと一緒にいるべきだ」

「でも・・・・・!?」

 

ティアラは男に手刀を決められ、気絶する。

 

「じゃあね、カミトくんとその仲間たち。ミュアも行くよ」

 

男がパンパンと手を叩くと瞬く間に三人は消えた。




姉の名前をルミブルにしたのは、思い付かなかったからです。

そしてライナの姉、ティアラはライナが大好きです。
もうライナの為なら仲間を裏切ることもできます。

やっべぇ、なんでこんなキャラ出したんだろ?

そして遅いですが、
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
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