side ライナ
昼過ぎにようやく眼が見えるようになった。
複写眼は封じられたが・・・・・
「眩しい・・・・・つーか、眠い」
なんか頑張りすぎてダルい。
「あー、カミトの魔眼も気になるし・・・・・ま、とりあえず寝るか」
布団にダイブし、寝る。
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side リンスレット
「素敵!お姉様の髪、すごく綺麗だわ!」
「ふふ、ミレーユ、髪をひっぱったらダメって言ってるわよね」
いったい何度言えばわかるのやら、と少し呆れつつ妹を叱る。
「ご、ごめんなさい・・・・・」
「わかればいいの」
よしよしと頭を撫でる。
「ふぅー」
私はライナの部屋の扉をノックする。
「・・・・・」
返事がない、寝てるのだろうか?
ふと、ドアノブを捻る。
「開いてる・・・・・」
「それ、突撃!」
扉を開けるとミレーユが勝手に飛び出してしまった。
「待ちなさい!」
それを聞かずミレーユはライナの部屋に入ってしまった。
私もミレーユを追い、ライナの部屋に入る。
「お姉様、寝てるよ」
寝てる。つまりライナは睡眠をとっている。ということだ。
「男の人なのにかわいい寝顔・・・・・」
布団にはライナが寝転んでいた。
その寝顔は、なにかそそるものがある。
「はっ!?」
私は無意識にライナの頭を撫でていた。
「んんー、zzz」
ライナは少し顔を歪め、寝返りをうつ。
どうやらまだ起きていないようだ。
「お姉様、この人が好きなの?」
いきなりの質問に私は倒れそうになった。
「なっ!?い、いきなりなにを・・・・・」
「だって、優しい顔で頭を撫でてたもの」
好き・・・・・確かにライナのことは好きだ。
眠そうな顔も、仕草も、優しいとこも好きだ。
「ええ、好きですわ」
「やっぱり!じゃあこの人はお兄様だ!」
それは気が早すぎるのでは・・・・・
「はぁー、なんだ?」
騒いだのが理由か、ライナが目を擦りながら上体を起こす。
「お兄様、おはよう!」
「あー、うん、おはよ。んで、誰よ?」
ライナは私に視線を向けて説明を要求する。
「ほら、ミレーユ、自己紹介」
「はじめまして、私はミレーユ・ローレンフロスト。ローレンフロスト家の三女なの」
貴族の令嬢らしく礼儀正しく頭を下げる。
「ん、よくできたな」
ミレーユはライナに頭を撫でられていた。
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side ライナ
思わず撫でてしまったが、起こってないだろうか?
「えへへー♪」
怒るどころか上機嫌だ。
「俺はライナ・リュート。数少ない男の精霊使いだ」
「うん、よろしくお願いします」
元気いっぱいだな。
俺は疲れているが・・・・・
「そんで、お兄様ってどういう意味だ?」
「それはお姉様・・・・・」
「・・・・・ミレーユ?」
リンスレットが笑顔で妹を睨み付ける。
「ごめんなさい!」
「わかればいいの。ライナ。騒がしくしてすみません」
「あー、別にいいよ」
昼寝の邪魔をされたが、そこまで機嫌が悪い訳じゃないし、怒ったらかわいそうだしな。
「そうだ、<アレ>について説明した方がいいな」
「<アレ>・・・・・?」
完成した<アレ>を取り出す。
「リンスレットに頼まれていたものだ」
「でしたら・・・・・!!」
「まあ、結構使い方がショッキングなんだよなー」
説明せずやったら殺されるだろうので、ここで説明することにする。
「この短剣を胸に突き刺して鍵のように捻る。すると、意識が精神世界見たいなとこに飛ぶんだわ」
「・・・・・確かにショッキングですわね」
「んで、それを俺にも同じように刺す。そこで俺が化け物をなんとかして終わり」
軽く話したが危険だ。
「ユーディアはそれで助かるんですか?」
「失敗したら死ぬ。もちろん俺もだ」
「・・・・・」
相手は『α』正真正銘の化け物。
倒せると思うが、なにがあるか分からない。
「ま、俺はいつでもいいから、覚悟が決まったら言ってくれ」
「・・・・・ええ、わかりました」
なんか暗い雰囲気だな。
「んじゃ、俺は寝るから、おやすみ」
「おやすみなさい」
俺は再び布団で眠る。
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side ティアラ
カミトからライナのことを聞けて私は上機嫌だ。
呼び出されて少し機嫌が悪くなったが
「五人目がようやく到着したそうよ。いま、リリィが迎えに行ってるわ」
「そうか。あのお姫様にも困ったものだ」
そこいたのは教導院第二位の<怪物>ミュア・アレンスタールと、偽者のレン・アッシュベルだ。
「五人目って、なに?」
「ティアラ・ルミブルか、<煉獄の使徒>のメンバーだ。名前はシェーラ・カーン」
「目的は私たちの監視だろうな」
アルファス教国からの推薦の精霊使いなので、少しはやるだろう。
「おまえ、兄様になにをしたの?」
今度はミュアがレン・アッシュベルに質問した。
「彼の力を解放させようとしたが、失敗・・・・・いや、あれは成功とも言えるな」
「兄様を目覚めさせるのは、ミュアの役目だったはずよ」
「私もあれは本意ではなかった。だが、計画を急ぐ必要が出てきたのでな」
「へぇ、その<眼>になにか見えたのかい?」
リューラはどこからか現れて彼女に問う。
「おまえはどこまで知っている、精霊」
「知っていることだけだよ。レン・アッシュベル」
レン・アッシュベルは小さく笑い、リューラからミュアへ視線を移す。
「不満なら今度こそ、おまえ自身の手で目覚めさせてみるがいい」
レン・アッシュベルはミュアに小さな腕輪を投げ渡した。
「・・・・・これは?」
「教国の老人ども供出させた<神話級>の遺物だ。国家間条約で封印廃棄された、三体の軍用精霊が封印されてる」
「わお、太っ腹だね。それだけ本気、というわけかな?」
「ああ、これは同盟者への友好の印だ。遠慮なく受け取るがいい」
「・・・・・いいわ。でも、こんど兄様に勝手に手を出したら、容赦なく殺すわよ」
「構わない。やれるものならな」
ミュアの殺気を飄々と受け流す。
「で、私を呼んだ理由は?」
「ああ、六人目を紹介しようと思ってな」
レン・アッシュベルは黒い石棺に向きなおり、その上に、紐を通した勾玉を捧げ持った。
精霊王の血ーーーーー元素精霊界の<聖域>でのみ発掘される、国宝級の精霊鉱石だ。
そして彼女は、澄んだ声音で呪詛の言葉を紡ぎはじめた。
「冥府を統べる精霊の王よ、いまここに、闇の御子の御霊を呼び戻せーーーーー」
仮面の奥から洩れ聞こえるのは、聞き慣れない精霊語。
横からは感心するリューラの声が聞こえた。
恐らく難しい儀式なのだろう。
ドクンーーーーー真紅の<精霊王の血>が粉々に砕け散り、石棺の蓋が開き、その隙間から何かが這い出てきた。
「な、なんなの・・・・・あれは・・・・・?」
そのおぞましい姿に、ミュアは顔をひきつらせた。
リューラは好奇心旺盛な目でそれを見ていた。
そして、私は少し気持ち悪いと感じる。
「先代の魔王の後継者ーーーーーネペンテス・ロア。ーーーーー<煉獄の使徒>の六人目だよ」
すみません、遅くなりました。
サボった訳じゃないんだ!
創作意欲がわかなかったんだ!!