「い、いらっしゃいませ!」
デュエマシティにあるとある喫茶店、何処にでもありそうな木造でできたおしゃれなお店にかわいらしい少女の声が響いた。
彼女は無垢の守護者カノン
銀と見間違うほどの美しい、白く光った髪、少しでも触れるとすぐに壊れてしまいそうな儚い容姿にはつい目を奪われてしまいそうになる。
「ありがとうございましたっ!………ふぅ」
労働からの疲れか、息を着いてしまった。そこに1人の少年が声をかける。
「お疲れ~」
「あっはいっ!お疲れ様です!先輩!」
「いやっ先輩ってわけでもな…うん……」
そう言って微妙な顔を浮かべる少年がいた
彼の名前は白守進(しらもりすすむ)
彼はカノンよりも2.3週間ほど前にこの喫茶店でバイトを始めた15歳の少年で、デュエマシティに1人アパートに住んでおりデュエマを楽しみながら生活をしている。
「ん~?また先輩じゃないって言うつもりでしたか?」
「いやだってほら……先輩って言ってもまだ2.3週間ちょいしかバイトしてないし、なんだかむず痒くて」
「でも、この世界では自分よりも経験のある人を先輩って呼ぶんですよね!なら、先輩って呼ばないと失礼なのだ……あっ…ですっ!」
「いや、まぁうん…そうだけど……まぁいいか」
彼女が入ってきたのはほんの一週間ほど前なのだが、打ち合わせやバイト内容の説明等を行ったあとすぐに進の前へと赴き「先輩!今日から新人としてやってきたカノンというのだわ!よろしくお願いします!なのだわ!」と言われ吃驚したものだ。その後の彼女はというと顔を赤く染めながら小声で「や、やっちゃったのだわ…ダピコが教えてくれたのに…ど、どうしよう」何て言いながらあわてふためいていた。何故慌てているのかはわからないが、おぉ新しい子がきたんだなぁと思い取り敢えず挨拶を返す。
「おう!よろしく!俺の名前は白守進!気軽に進ってよんでくれな!」
「えっあっあのっそのっ、カ、カノンと申します…なの、だ…はっ!え、ええとそので、です!よ、よろしくおねがいします!」
……え?言い換える必要あった?もしかして結構緊張してるのかな?なんて思い、ここは一発緊張をほぐしてやるか!と息巻き声をかける。
「あーえっと、そのー敬語?みたいなの全然つけなくていいからね!こっちだって入って2.3週間くらいだし、まだまだわかんないことだらけだから一緒に頑張っていこう!」
決まった…! と思ったのもつかの間で
「え?あーは、はい!わかり、ました?」
少女の敬語はまだとれていなかった。
ん?治ってないな。もしかしてほぐせてなかったのか?もう一回フランクに話しかけでもするか?何て考えながらもう一度話しかけようとしたとき
チリーン
と音が鳴った。どうやらお客の注文が決まったみたいだ。これから昼時だし大変になるから話はあとにしようか。
「カノンちゃん!ちょっと話したいところなんだけど、いまから昼時だからさ!忙しくなるし後で話そう!今は仕事に集中しなきゃだし!カノンちゃんは今日来たばっかで右も左もわかんないだろうから俺の仕事姿みて参考にでもしといて!じゃ!」
「え、はっはいっ!わかりました!」
その日の昼、進は女の子に凝視されながら仕事をこなすというはじめての体験をするのだった。
「ふぅ…疲れた~」
「お疲れ様でした、なのだわ!…あっそのっこれはっえっとぉ…」
少女からの労いの言葉。それに加えてとんでもなくかわいい子に言われたらのなら疲れなんて吹っ飛ぶだろう。進はその言葉を聞いただけで報われた気がしたのだが、少女の様子がさっきからおかしい。まぁ、大方予想は着くのだがちょっとした違和感があるとするなら語尾にたまに付く「なのだわ」という言葉だろうか。もしかすると、敬語を使わなければいけないのに癖付いてしまった語尾が口から出てしまって、それで焦っているのではないだろうか、とここまで考え少女に向かって言葉を紡ぐ。
「あー、そのー別に良いよ?語尾くらい気にしないって。それに言ったでしょ?俺、2週間ちょっとくらいしか働いてないからさ、一緒にがんばっていこう?先輩なんて肩書きだけみたいなもんだし。ゆるーくなかよーくしてこうよ?名前も進って呼んでくれていいしさ。ね?」
口下手にしてはよく言った方なのではないだろうか。これで緊張がほぐれてくれたらいいのだが…
「えっでもっそんなっ…うーんいいのかなぁ…でも……うーん...」
なにをそんなに悩む必要があるのか。先輩がこういってくれたとしてもなんだか申し訳なくなり、一週間ほど敬語を使ってしまう、なんて気持ちがあったりするのだろうか。しかしそれははっきりとした上下関係の有無での感情なのではないだろうか。しかし今の状況はたった2.3週間程度しか働いたことのないバイトと新人の子というものである。自分だってまだまだ覚えることはあるし失敗することだってこれからたくさんあるであろう。それなのに先輩といわれるのに少々むず痒さを覚えていた。だからフランクに話しかけてみたのだが余計悩ませてしまった。どうしようかなーなどと考えていると少女の方から突然話しかけられる。
「……いえ…やっぱり私は先輩と呼ばせてもらいます!語尾についても全然無理はしてませんし気にしないでください!改めてよろしくおねがいします!」
ペコリ、とお辞儀される。どうやら少女のガードは固かったようだ。進はもういっか、と思考放棄を行うことにして話を繋げる。
「いやっだからその……まぁ…いっか…よし!」
気持ちを改め自己紹介を行う
「改めて…よろしく!俺の名前は白守進!こう見えて結構たべるんだぜ!仲良くしてこうな!」
といった風にご飯をかき込むようなおおげさなジェスチャーをして自己紹介を終える。すると
「ふふっ…あっえっとす、すみま…」
笑い声が聞こえ少女の顔をみる。どうやらうけたようでぎこちなかった少女の顔に笑顔が表れる。
よかった!笑ってくれた!ちょっと心配だったんだよなー
と安堵した。しかしそれが口に出ていたようで心の声が聞かれてしまった。
「えっ!そ、そんな!とっても面白かったのだ、わ……あっいやっえっと…」
彼女も緊張がほぐれたのかついつい語尾が付いてしまったらしい。それがおかしくつい笑みがこぼれてしまう。
「うぅ……」
俺の顔をみたのか彼女が顔を赤く染めうつむいている。それをみた俺は彼女に話しかける。
「じゃあ……よろしくなカノン!これからがんばろう!」
と進は彼女の前に手を差し伸ばした。それに呼応するように彼女は笑顔で明るい元気な声でこう答えた。
「は、はいっよろしくおねがいします!」
お互いに握手をする
これがぎこちない出会いをした彼女との最初の思い出となる
本当に初めて書くのでちょくちょく文の内容が変わるかもしれません