無垢の守護者と甘い恋   作:しゃべる

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成すが為

相談を受けた翌日。カノンは元気な顔をしてバイトに来ていた進を見かけ、その姿に安堵した。

 

(よかった……いつもの明るい先輩だわ……!)

 

そんな進を眺めていると、その視線に気づいたのかこちらに近づいてきた。

 

「どうした?なんかあったりする?」

 

「……あっ!い、いやっなんでもありません!」

 

そういって焦りながら若干頬を赤らめ首を横に振る。

 

「?……そうか?」

 

昨日からどうもおかしい。いや、正確に言えば昨日の進によろしくな、と言われた辺りだろうか。そこら辺から何故か進のことを考えると妙に緊張してしまうようになってしまった。何となく気恥ずかしいような感じもするし心臓の鼓動も少しだけ早くなる。そんな自分の変化にもしかすると病気かとも考えたのだが、そうではないと自分の理性とは別の本能が、それは違うと否定する。昨日は寝るまで原因究明のために思考していたが結局結論がでることもなく寝落ちしてしまった。

 

「んー……なんか顔が赤い?ような……」

 

そんなカノンのことなど露知らず進はカノンの異変を気にかける。じーっと見つめて様子をうかがってくるので、カノンの顔はどんどん赤みをましていった。

 

「もしかして風邪だったりして……!?」

 

赤みが増していくカノンの様子を見てどうやら変な誤解を生んでしまったようだ。カノンの耳には進の心配事は聞こえていないようだ。緊張からかはたまた羞恥心からなのかはわからないが、焦りによって言葉が喉につまっているカノンを傍目に進はいきなり顔をカノンに近づけてきた。

 

「ちょっとごめんな。」

 

「え?な、なにをするんです……ひゃっ!」

 

なにをするつもりなのかと問おうとしたその時、進は自らの額に右手を当てた後に続いてカノンの額にも左手を当てた。唐突な出来事に吃驚してかわいらしい声が出てしまった。

 

「あ、あぅぅ……せ、せんぱぃ?」

 

恥ずかしさの余り小さな声しか出ず、抵抗もできないのでされるがままの状態で五秒ほど沈黙が続く。まだお客さんが来ていなくてよかったと思いつつ、未だ赤くなりっぱなしの顔で進を見つめていると

 

「やっぱり……カノン、熱があるんじゃないか?」

 

と心配そうにカノンに訪ねる進であった。

 

「え?熱……ですか?」

 

斜め上の発言により一気に先程感じていた熱が引いていくのを感じた。今は恥ずかしさよりも困惑が勝っている。

 

「うん。さっきさわってみてわかったけど、結構熱かったんだよね、体温。」

 

「っ!」

 

自分の体温が熱くなっているのを知られた事実に何故かまた羞恥心が増していく。

 

(お、おちついて!先輩は私を心配してくれているだけ……なにも恥ずかしがることじゃないわ!それに、熱がある訳じゃないんだし、変に誤解される前に早く説明をしましょう!)

 

冷静になるべく心の中で自分を戒める。深呼吸をして、落ち着いてきたところで、よしっ!と何故か気合いをいれて熱はないと言った旨の説明をしようと口を開けた。

 

「心配いりません!その熱というのは「今日は休もうか!」え?」

 

熱についての説明をしようとしたその時、進によって強引に遮られてしまった。違和感を感じつつもまだ何か言いたげだったな様子だったので進の言葉を待つことにしたカノン。

 

「いやーごめんな、気づいてあげられなくて。後で店長に言っとくから、今日はもう休みな。」

 

申し訳なさそうに話す進はカノンのことを気遣い店長には休むと伝えると、そう勝手に話を進める。

 

「あ、え?だ、大丈夫ですよ?私は全然元気ですし……」

 

流されそうになるのを阻止するために改めて元気だということを進伝えるカノン。

 

「いーや、休んだ方がいい。カノンは結構無理するからな。それに、最近働きすぎてる気がするしな。」

 

もはや話を聞いてくれそうにない。

 

「えぇ……いや、でも大変になるんじゃ……」

 

そこで、カノンは1つの懸念点をあげる。自分がいないことでいつもより大変になってしまうのではないかと、不安そうに申し訳なさそうに訊いてくる。そこまで言ったそのときある人物の声が聞こえてきた。

 

「俺も休んだ方がいいと思うぜ~!!」

 

「て、店長さん!?」

 

進に加えて店長さんまでもが休めと、そう言ってきたのだ。そもそも熱じゃないのに休むのは流石に気が引けるので、なんとしてでもその誘いを断ろうとする。

 

「でも、私熱はなくて……」

 

「いや、最近流行ってるんだよな~風邪。念のためにも病院に行ったほうがいいと思うけどな~!」

 

「うん、俺もそう思う。」

 

どんなに否定してもしつこく休んだ方がいいと言ってくるので、流石のカノンも断り辛くなってしまう。それに2人は善意からそう申し出てくれているのだと考えると尚更断りにくかった。

 

「う~ん…………」

 

少し悩んだカノンだったが意を決したように確認をとることにした。

 

「本当に大丈夫ですか?私がいなくても。」

 

「大丈夫大丈夫!2人でだって店はなんとか回せるさ!」

 

「俺も大丈夫だぜ、カノン。安心してくれ。」

 

大変になることを承知の上で、大丈夫だと任せてくれと言ってくれる2人を前にカノンは諦めたような顔をして

 

「……わかりました。なら、今日は帰らせてもらうことにします!」

 

と2人に告げた。

 

「おう!まかせとけ~!お大事にな~!」

 

「カノン、ゆっくり休めよ!」

 

進達は帰ろうとするカノンに対して労いの言葉を掛ける。それに対してカノンは2人の顔を交互に見つめながら

 

「ありがとうございます!では、また明日!」

 

と笑顔でお礼を言い店を後にした。

 

「………………ふぅ、ありがとうございます店長。」

 

「なぁに、このくらいどうってことないわ!」

 

カノンが見えなくなったタイミングで進は店長にお礼を言う。

 

「でも、手間が省けてよかったです。」

 

「まぁな。」

 

そんな会話をした後、店長は進に対してに思っていたことを口にした。

 

「しっかし驚いたな~!いきなりカノンちゃんを休ませてほしいって頼んでくるなんてよ~。」

 

「っ!そ、それは……そのっ……なんていうか……」

 

「知ってるぜ?仕事中もカノンちゃんのことチラチラ見てたことくらい。」

 

「え!?な、なんでそれを!?」

 

「いや、バレバレだったんだけど?」

 

「嘘だろぉ……うぅ……」

 

図星なのか顔を赤くする進。今が開店時間前でよかったと心のそこから思った。

 

「まぁでも、俺も確かに頑張りすぎだなとは思うな。」

 

「やっぱりそう見えますよね……」

 

「あぁ……見てるこっちが疲れそうになるくらいに、な。」

 

2人から見て最近のカノンはどうも張り切りすぎているように見えていた。本人にそのような自覚はなくとも体は確実に蝕まれるようになっている。進自身、カノンが風邪でないことくらいわかっていた。しかし、明らかに働きすぎている。2人から見てもわかるようにカノンはとても疲れているように見えたのだ。

 

「にしてもなんだぁ?あんな些細な変化がわかるくらいにカノンちゃんのことみてたのかぁ?」

 

「て、店長!その話は……」

 

「ははっ!若いってのは良いねぇ!」

 

「うぅ……」

 

カノンのことを見ていたことをからかわれ、恥ずかしさの余り俯いてしまう。

 

「なぁ、いつからだ?」

 

「?……いつから?」

 

質問の意図がわからず訊き返す。

 

「そう!いつから好きになったんだ?」

 

「っ!?す、好きって、いやっそれはっ!」

 

思いもしなかった質問に吃驚して裏返った声を上げる。

 

「まぁ言いたくなかったら言わなくて良いけどな。」

 

いつまでたっても反応がないので、助け船を出して仕事場へ戻ろうとする店長。

 

「…………とき……」

 

「ん?」

 

なんと言ったか聞こえなかったが、進がなにかを言っている声が聞こえたため歩を止めて耳を澄ませる。

 

「相談を、受けてくれたとき、です……」

 

「……相談?」

 

「はい……俺が昨日悩み事を相談したら……その……すっごく優しくしてくれて……なんか、抱き締めてくれて……」

 

「ほぅ……」

 

興味深そうに相槌を打つ。

 

「それで帰って、家でカノンのことを考えてたらいつの間にかって感じ……です……」

 

恥ずかしそうにしながらいつもの進のように明るい声でしゃべることもなく、弱々しい声音でそう説明した。

 

「なるほどなぁ……なかなかどうして、良い話じゃないか。恥ずかしがることもないだろうに。」

 

「いや、だってなんだか情けなくて……」

 

「情けなくなんかないと思うがねぇ……むしろカノンちゃんは嬉しいんじゃない?」

 

「え?」

 

「あっ」

 

一体なぜなのかと、そう問おうとしたのだがどうも店長の様子がおかしい。なにか焦っているような、あたふたしているように見える。なにか不味いことでもあるのだろうかと考えるが、思い当たる節がなく疑問符を浮かべる。

 

「どうしたんですか?」

 

「えっ!?あーそうだなー……」

 

店長は焦っていた。とてつもなく不味いと。

 

(いや、どう見ても相思相愛だろ!カノンちゃんなんて顔真っ赤だったじゃんか!好きな人からの相談事とか喜んで受けるに決まってんだろ!でも、これを俺が伝えるのって野暮だよな-……どうしようか……)

 

「あ、あのー?」

 

不振に思った進が問い詰めるように店長に迫る。何とかして誤魔化せないかと頭をフル回転させる。そして至った結論は……

 

「そんなことより仕事やるぞ!」

 

「へ……?い、いきなりなに言って「いいから!今日はカノンちゃんいないんだし気合い入れなきゃいけないなぁ!あっははは!!」えぇ…………」

 

強引に話をそらす作戦だった。結果は大成功。2人の純粋なる恋愛を自分のような部外者がでしゃばらないで助かったと、心から思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「熱を測ってもやっぱり熱ではなかったのだわ……これからどうしましょう。」

 

家に帰ったカノンは念のためにと熱を測ったがやはり平熱であり、体調もすこぶるよかったので病院には行かないでいいだろうと判断した。しかし、そうとなるとすることがなくて暇になる。なにかすることがないかと考えるカノン。

 

「う~ん……なにかないかな~……」

 

なにかないかと頭の中の記憶を掘り起こし予定を考えているとある1つの考えが思い浮かんだ。

 

「そうだわ!先輩の話していたクリーチャーのことをルピコ達に相談をしましょう!」

 

「あっ……でも皆お仕事中よね……」

 

今日は平日。きっとルピコも守護者達も大変だろうと思い却下した。

 

「でも、他にやることと言っても……」

 

あとは、デュエマくらいしか思い浮かばない。しかし、相手がいないためこれも却下。

 

「どうしよう……」

 

八方塞がり、今日はもう寝てしまおうか。そうとも考えたが、その前にダメ元でルピコに連絡してみるのもありだと心の中のカノンが囁いた。

 

「やってみましょうか……」

 

ルピコに選んでもらったスマホを手に取りなれない手付きで通話アプリを開き、ルピコの電話番号に電話をかけた。

 

「ルピコ、出てくれるかな……」

 

妙に緊張しなからスマホから鳴るベル音を聞く。30秒くらい時間が過ぎたところで、ルピコが電話に出る気配がないので通話を切る。

 

「はぁ……やっぱり、出るわけないわよね。」

 

ルピコならばもしかすると、と思っていたりもしたがそんな淡い希望は簡単に打ち砕かれた。スマホをテーブルに置きどうしようかとまた考えにふけようとしたそのとき

 

プルルッ

 

と電話の音がスマホから鳴り響いた。

 

「!?ル、ルピコからだわ!」

 

あわててスマホを手に取り通話ボタンをタップする。そして耳にスマホを当てると、そこからはいつもの訊き馴染みのある声が聞こえてきた。

 

「もしもし~カノンさん?」

 

「ルピコ!」

 

電話をかけてくれたからなのかカノンの声音は若干嬉しそうに聞こえる。

 

「先程は電話に出れなくてすみませんでした。」

 

「いえ、全然大丈夫なのだわ!」

 

「そうですか?ならよかったです!それよりも、カノンさんからの電話なんてあの時遊びに誘ってきた時以来ですが、どうかされたんですか?」

 

「あっそうだったわ!」

 

久しぶりに聞こえた友達の声に興奮してしまい思わず目的を見誤ってしまうところだったが、ルピコのお陰で本題を思い出し話を戻した。

 

「ルピコ、大事な話があるのだけど……」

 

「大事な話、ですか?」

 

「えぇ、でもその前に守護者の皆を呼べないかしら?」

 

「えぇ!?守護者の皆さんを、ですか!?」

 

いきなりの話に少々混乱するルピコだが、数多の修羅場を乗り越えてきたルピコは冷静さを取り戻しつつ、カノンの用件を頭のなかに入れ理解する。

 

「うーん……」

 

「やっぱり、ダメかしら……?」

 

ルピコは暫く悩んでいたが、その後申し訳なさそうな声音でカノンに話を続けた。

 

「そうしてあげたいのは山々なんですが……やはり皆さんは平日は多忙なようで……かく言う私もナビゲーターのお仕事がまだまだ続くんですよね……申し訳ないです……」

 

「そう、よね……」

 

やはりと言うべきか、皆は忙しいようで揃えるのは難しいと言われてしまった。諦めて今日は家で寝ようと思いルピコにお礼を言って電話を切ろうと思い立つ。そんなカノンをルピコが静止させるかのように、なにかを思い出したかのような口調でカノンにとある提案をしてきた。

 

「あぁ!でも、とても重要な内容に限り緊急で会議を行うことはできます。」

 

「そ、そうなの?」

 

「はい。とはいっても、これは本当に稀なことで……あまり参考にはならないとは思いますけどね…………そういえばまだ聞いてませんでしたね。いったいその重要なことってなんなんですか?」

 

そういえばまだ内容を話していなかった。ルピコはいったいどんなことなのだろうと疑問符を浮かべながらカノンの回答を待っていた。

 

「あ、そうだったわね。ええっと、電話で長々と話すようなものではないから、簡潔に話しても良いかしら?」

 

「えぇ、構いませんよ!」

 

「わかったわ。重要なことっていうのはね……」

 

一瞬の間が空く。妙な緊張感が走るがカノンの口は止まらない。遂に存在が、アイツらのことがシティの要たちに認知されようとしていた。

 

「このシティーに潜む凶悪なクリーチャーのことについて、よ。」

 

「っ!!?」

 

カノンの明かに怒りのこもった声音に多少吃驚しながらも、その驚きをカノンの放った一言が一瞬で越えてしまった。

 

「ど、どういうことですか!?それ……」

 

未だ困惑が続いているのかもう一度件の概要を聞こうと必死に質問するルピコ。無理もないわよね、と思いつつもう一度説明しようとするカノン。

 

「言葉の通り、このシティにもしかしたら危険なクリーチャーがいるかもしれないのだわ。」

 

「っ!一体どういう……」

 

唐突に告げられたカノンからの話の内容を理解するのに、時間がかかってしまうルピコ。訳がわからず何故そのようのことが言えるのかと問おうとした時カノンが口を開いてこう言葉をこぼした。

 

「それを説明するなら、守護者の皆がいた方が何かと都合が良いの。やっぱり……ダメかしら……?」

 

「な、なるほど……そういうことだったんですね……」

 

守護者を集めてほしいと言われた理由に納得のいった声を上げるルピコ。スマホ越しにむむむ……といった唸り声が聞こえてくる。どうやら悩んでいるようだ。カノンは少しドキドキしながらルピコの返答を待っていた。暫くして声が聞こえてきたため再び耳を澄ませる。

 

「カノンさん、先程各守護者達のスケジュール表を確認してきたのですが、もしかしたら今日中に集まれるかもしれません!」

 

「ほんとう!?それはよかったのだわ……」

 

求めていた回答がルピコの口から聞けたことでほっと胸を撫で下ろす。しかし、ここでルピコが言い忘れてましたと呟き補足としてカノンに話しかける。

 

「あっ、でも絶対って訳ではありませんよ。あくまで集まれる可能性があるってだけなんです。」

 

「いえ、それでも十分なのだわ。まだお仕事中なのにわざわざ調べてくれたんだもの。我が儘なんていえないわ。」

 

カノンは調べてくれただけでも、その可能性があると教えてくれただけでもルピコに感謝していた。それに我が儘入っていられない。なにしろまだ確証がない話だ。空回る可能性だってあるのに、そんな話に付き合ってくれるだけ十分優しい。だからといって進の話を信じていない訳ではないが。

 

「カノンさん…………任せてください!多少無理をしてでも皆さんを集めてきます!」

 

頼りがいのある明るい声が聞こえる。自信満々にそう宣言するルピコ。

 

「本当にありがとう……!私、いっつも助けられてばっかりなのだわ……」

 

「気にすることなんてありません!私たちは友達じゃないですか!」

 

そんなルピコの何気ない発言にとても嬉しい気持ちが溢れてくる。なんと優しい友達を持てたことかと、心の中でそう思う。

 

「じゃあ、今から守護者の皆さんに連絡を取ってみるので結果が分かり次第また電話をかけ直しますね!」

 

「えぇ、わかったわ。本当にありがとう、ルピコ」

 

「いえいえ!どういたしまして、です!」

 

そう、最後の会話を交わしてカノンはスマホ画面に写る通話終了ボタンをタップした。

 

「……先輩…………」

 

通話を終了した後ソファに座ったカノンは小さく呟く。

 

「きっと、きっと大丈夫です……私がどうにかして見せます……」

 

その声音は決意のこもった力強いものであった。しかし、その決意の中に少々の怒りも籠っているように聞こえる。カノンは密かにその謎のクリーチャーに対して心を燃やすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カノンさん!確認した結果、今からでも守護者の皆さんを集めようと、カイトさんからの了承を得ることができました!」

 

「本当に!?」

 

「はい!」

 

暫く時間がたち、再びスマホから連絡音が鳴り響いた。そこには、ルピコと表示されており電話に出た瞬間、そのような報告が耳に入りカノンは安堵した。

 

「場所は、カイトさんの研究室だそうです!」

 

「カイトの研究室ね。わかったわ!何から何まで本当にありがとう、ルピコ!じゃあ、早速行ってみることにするのだわ!また今度遊びましょうね!」

 

そういって出掛ける支度をするためにルピコとの通話を切ろうとする。しかし、ルピコが今すぐにでもそとに出そうな勢いのカノンを引き留めた。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

「ど、どうしたの……?」

 

突然引き留められたことに困惑しなからも、他にもまだ大事なことがあるのだろうかと思いながらルピコに、どうしたのかと説明を求める。

 

「あのっ……わ、私も一緒に同行させてもらってもいいですか?」

 

「え?どうしてかしら?」

 

思ってもいなかった提案に少々困惑するカノン。ルピコは続けざまに説明する。

 

「カイトさんが念のために私たちもきてほしいと話されまして……理由としては、プレイヤーさんのデュエリストの力を使うかもしれないからとのことなんです……」

 

「なるほど……」

 

カノンは納得する。確かに彼女らの力は協力だ。あまり事に巻き込みたくないと思っていたが、クリーチャー関連の事となると数少ないデュエリストであるプレイヤー達を誘うのも自然だ。それに、一緒に考えてくれる人は多いに越したことはない。そこまで考えて、カノンは口を開いた。

 

「なら、この前遊んだ広場で合流しましょう!」

 

「あぁ、あそこですね。わかりました!」

 

そういった口約束を交わし2人はこの間遊んだ広場に向かうべく準備を始めるのだった。

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