無垢の守護者と甘い恋   作:しゃべる

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予定が空いてきたのでやっと投稿できる……待たせてすんません


色んな形

「なんか緊張する……」

 

白守進は今、カノンの住んでいるマンションの一室の玄関口に立っていた。

 

(今までは雨や風邪っていう行かざるを得ないしょうがない理由で家に入っていたが……今回は完全に遊ぶためだけに行ってんだ。やべぇ……!初めて女の子の、それも彼女の家で遊ぶぞ……!)

 

身だしなみはキチンとなっているだろうか?寝癖がついてるとかあったりしないだろうか?様々な不安が押し掛けてくる。その為、進は中々インターホンを押せずにいたのだった。これではただの不審者である。そろそろ勇気を持たなければ。

 

「……くっ!」

 

プルプルと指を震わせながらも進は勇気を出して

 

ピンポーン

 

と、インターホンを鳴らすことに成功した。

 

(よしっ!お、押せた!)

 

押すだけだというのに汗が止まらない。寒い時期というのを忘れそうな位だ。

 

「は~い!」

 

扉の奥から声が響く。声の主は恐らくカノンであろう。パタパタとこっちに向かってくる足音が聞こえてくる。その音が大きくなればなるほど進の心音も主張を激しくするように大きく、激しく動いていた。そうこうしているうちに玄関の扉が開き

 

「こんにちは、先輩!」

 

と元気な挨拶と共にカノンがひょこっと顔を出した。

 

「よっ、来たぞ!」

 

「待ってましたよ。ささっ、早く上がってください!」

 

「あぁ、ありがとな!じゃあ……お邪魔します!」

 

そういって進は家の中へと入っていく。

 

「やっぱ広いな……」

 

玄関で靴を脱ぎながら呟く。普段はワンルームのボロボロなアパートの一室で暮らしているためこのような感想が飛び出ても仕方ないだろう。

 

「やっぱりこのお部屋って広い方なんですか?」

 

「まぁー……一人暮らしにとっちゃ滅茶苦茶広い方だろ。」

 

カノンはこの世界で暮らし始めて約3ヶ月が経とうとしていた。だが、3ヶ月だけの知識では知らないことの方が多い。やはりというべきか、進の発言にカノンは興味深そうに反応していた。最初からここに住んでいるのだから、カノンの中の普通はこの部屋の広さなのだろう。進の部屋の狭さを見たらどう思うのだろうか。とまぁそんな会話もありつつ、靴を脱ぎ終わった進はカノンに着いていくようにして歩を進めた。そして、しばらく歩いた後カノンはリビングへと繋がるドアノブに手を掛けた。扉が開けられ、進はその先へと赴く。そこには

 

「来ましたか。久しぶりですね、白守進。」

 

「おぉ、ウェディング!久しぶりだな。」

 

カノンの相棒であるクリーチャー、ウェディングが居た。こうして白守進は始めてのデート……お家デートを開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(とは言ったものの、これってもはやデートじゃないよな。)

 

取りあえずソファに腰掛け、一息着く進。その際、ふとそんなことを考えた。カノンと共にウェディングとも一緒に遊ぼうと計画したは良かったが、よくよく考えてみれば2人っきりではないのでデートではないことに気がつく。

 

(まぁ別にいっか。楽しければそれでいいもんな。)

 

しかし、そこまで深く考える必要もない。時間はたっぷりとあるのだ。2人っきりの時間なんていくらでも作れる。兎に角今回は進の用意した物で目一杯楽しもうと、そう思った。

 

「お茶です。」

 

「あ、悪いな。」

 

テーブルの上に三人分のお茶が置かれる。ウェディングにお礼の言葉を掛け、コップを手に取った。

 

「それにしても……随分と大きな荷物ですね。」

 

お茶を飲んでいる進の隣に座っていたカノンがそんなことを口にする。そう、進は今回のために大量の道具を持ってきたのだ。しかし、その道具が入っているリュックサックは膨れ上がっていた。更に言うと、リュックサック以外にも大きめの手さげバッグが1つあり、その中もパンパンに物が詰まっているようだった。

 

「ん、まぁな。楽しむんだったらとことんやんなきゃいけないだろ?そこで手を抜くような真似はしたくなくてな。」

 

「ふふっ、楽しみにしてます。」

 

進の言葉に心が踊るカノン。以前までのカノンならこんなこと考えられなかっただろう。どん底に陥っていた頃とは何もかもが違う。大好きな人が隣にいて、一緒になって遊べるのだ。共有できるのだ。こんな幸せがあっていいのだろうか?

 

「わ、私も!……興味が…あります。」

 

しどろもどろになりながらも会話に参加するウェディング。ここまで弱気なウェディングは新鮮だ。何故弱気なのかは大体見当がつく。恐らく、遠慮しているのだろう。2人のなかに割ってはいるのが申し訳なく思っているのだ。それでもウェディングがこうして主張するのは、カノンの教えが効いているからだ。そう、ウェディングは自信を持って言っていたのだ。だからこそ割って入ることができた。その事実にカノンは少し嬉しくなった。

 

「へへっ、なるべく楽しませられるよう頑張るよ。」

 

期待の眼差しを向けられる進。

 

「んじゃまずは……って言いたいところなんだけど、カノン。冷蔵庫って使ってもいいか?」

 

「?はい、構いませんよ。」

 

「オッケー。そんじゃ有り難く使わせてもらおうかな。」

 

そういって進は手さげバッグを持ちながら冷蔵庫へと向かった。

 

「何をするんですか?」

 

皆目検討もつかない突拍子のない行為に首をかしげるカノン。好奇心から質問をすると、進はクスッと笑いながら

 

「後でのおたのしみだ。」

 

と言い、カノンに見えないようにバッグから何かを取り出して冷蔵庫の中へとそれをしまいこんだ。既にワクワクが止まらないカノン。何なんだろうと妄想を膨らませるだけでも楽しく思えてくる。

 

「よいしょっと。では、改めて今からすることを発表します。」

 

ドラムロールのような真似をしながら発表のタイミングを焦らす進。2人は期待の眼差しを向けながら大人しく待った。

 

「テッテレー!映画鑑賞~」

 

某ネコ型ロボットのような口調で発表する進に対し、カノンは映画鑑賞?と進の言葉を復唱した。当然ではあるのだがカノンにネタは伝わらない。この時、真面目に映画鑑賞の事に疑問を持たれたことに、なんだか新鮮に感じたと後に進は語っている。

 

(って当たり前かぁ……カノンこの世界の住民じゃないもんな。なんか滑ったみたいでちょっと苦しい。)

 

これがカノンだから良かったものの……想像してみてほしい。有名キャラの物真似をしてなんの反応もなかったときの虚無感を。そりゃあ苦しくもなる……自業自得なのだが。

 

「映画ってルピコが言っていた、大きく映し出された映像を見て楽しむってものでしたっけ?」

 

「んまぁー大体合ってる。ほら、やっぱこの世界のことを知りたいんだったら本でもいいけどリアルを見なきゃだろ?あ、因みに念入りに調べて作品を選んだから普通に楽しめる筈だぞ。」

 

「ふむ……それはなんとも、中々に興味深いものを持ってきてくれましたね。」

 

「だろ?やっぱ家ですることで言えば映画鑑賞が一番無難だ。それに、分からなかったり気になったことがあれば俺がいるから作品への理解は十分得られる筈だ。どうだ、これなら皆で楽しめそうだと思うぞ!」

 

胸を張ってそう言いきる進。

 

「はい、とっても面白そうです!早く見てみましょうよ!」

 

「おう!っと見る前に……」

 

「?」

 

「カノン、映画にはな……結構色んなジャンルがあるんだが、どうする?」

 

進の言葉を聞き考え込むカノン。流石のカノンでもそれくらいは分かる。進がこういうと言うことは、用意してきた映画は1つだけではないのだろう。

 

「ジャンルですか……恋愛物とかもあるんですかね?」

 

取りあえず知っているジャンルを口に出してみる。ウェディングに見せてもらった小説が恋愛小説だったこともあり、この世界での色恋沙汰は1つの創作物を作り出す上での有用な舞台装置となることを知った。なので、恋愛は映画と言う娯楽に置いても良く用いられる要素の1つだろうと考えたのだ。

 

「勿論あるが……他にももっとあるぞ。」

 

「他にもですか。うーん……」

 

正直、思い付く限りのジャンルが思い浮かばない。いったいこの世界は何を土台にして作り上げたものに対して価値を見出だすのだろうか。こうなるのであればもっと本を読むべきであったと後悔するカノン。

 

「どんなものがあるんですか?」

 

「そうだなぁ……ミステリーに特撮、サスペンスにアクション、後は……ミュージカルとかもあるな。あっ、SFとホラーもあったっけ。あぁ、アニメ忘れてた。」

 

「…………?」

 

進から出てくる単語の数々がカノンにとってはどれもこれも未知のワードだった。意味が分かるものもあるが、そのどれもがカノンには想像のつかないものであった。

 

(アクションって何をアクションするのかしら?何かしらを行動するってことなのかな。でも何かだけじゃ抽象的すぎるし……サスペンスってことは凄惨な光景が流れるのかしら。それに特撮なんて初めて聞いたのだわ。)

 

やはり、創作物に触れる機会が少なかったカノンにはどうしても想像しにくい様だった。どうしようかと返答に困ってしまうカノン。それを見かねたのか、ウェディングが口を開き

 

「カノンはまだこの世界に慣れていないのです。あなたの言っているそのジャンルとやらもまだ具体的な理解を示すことができません。もう少し分かりやすく教えてくれませんか?」

 

とカノンに対して助け船を出すのだった。

 

「あー……ごめんごめん、そりゃそうだよな。さっき俺が教えるって言ったのにこんなんじゃ駄目だな。」

 

「そんなことないですよ。分からないってすぐに言わなかった私も悪かったですから。」

 

カノンは進のことを咎めず、自身にもあった非を挙げてフォローした。

 

「じゃあ、ウェディングにも言われたことだしジャンル別に何があるのかとかしっかり教えていこうか!」

 

意気揚々とそういう進に対し、カノンは少しだけ申し訳なさそうな表情で

 

「その……他の映画も気になるんですが、私としては最初に言っていた恋愛物の映画が一番気になってて……取りあえず見てみませんか?他の映画の説明は後でも良いですので。」

 

と、興味ありげにそういうカノン。どうやら相当に気になっているらしい。どうやら他のジャンルのどれよりもカノンは恋愛物が気になっていた。

 

「わかった。じゃあ今回は恋愛映画を見ることにしようか。」

 

「でも、一体どうやって映画を観るんですか?」

 

「ん、それはな……」

 

そういって進はバッグの中から徐に白いケースのようなものを取り出した。中には円盤の形をした薄い物体があり、文字と表面と思われる所には文字と絵が描かれていた。

 

「何です、これは?」

 

ウェディングが不思議そうな目で訊いてくる。

 

「これはDVDっていって、これをDVDプレーヤーに読み込むことによって中に記憶されている映像を映し出すことが出きるんだ。」

 

「へぇ~そんな物があるんですね~」

 

今時では珍しいDVD。近代化が進今の時代、映画やアニメといったものはネットで観られるようになっている。勿論、テレビをネットに繋げて見ることも出きるのだが、それでは少々手間がかかってしまう。なので、今回は手軽に映画を見ることの出きるDVDにした。因みに、カノンの家にDVDプレイヤーがあることは既に確認済みであるため問題はない。

 

「じゃあそろそろ再生するぞ。」

 

「はーい!楽しみね、ウェディング!」

 

「ふふっ、えぇ、そうですね。」

 

こうして一同はテレビに映し出された映画を鑑賞することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そのっ……先輩っ!す、少し……良いですか?』

 

『どうかした?』

 

『えっと……お話ししたい事があって……お、屋上に来てもらえますか?』

 

『屋上……?わ、わかった。』

 

進達が観ているこの映画。どうやら学生の青春を描いた物語らしく、とある2人の男女が織り成す正に王道といった恋愛映画だった。そして現在、物語も終盤に差し掛かっており遂に告白を実行しようとしている場面だった。

 

「な、何だかドキドキしてきた……」

 

カノンがそんなことを口にする。というのも、この先輩とされる人物、中々にかっこ良く、それでいて誰にでも優しく周囲の女子にモテモテという鈍感系の美少年で、その中で主人公の女の子とも深く関わって行くのだが、此方に気があるのかどうか未だ曖昧なままとなっているのだ。カノンが不安になるのも頷ける。

 

「結構攻めるな~。これどうなるんだ?」

 

「あの男、察しが悪すぎではありませんか?呼び出されておいてあの反応は……」

 

各々が思ったことを口にする。進は主人公の行動力に感心を抱きながらも、本当に成功するのかどうか疑っているようだ。一方、ウェディングは察しの悪すぎる男に少々苛立っている様子だった。

 

場面は変わり学校の屋上

 

相対する2人を息を飲んで見守る3人。緊迫した空気が流れるなか、少女が口を開き

 

『あの時の事、覚えてますか?』

 

と切り出した。

 

『あの時?』

 

『はい。私がグループの苛めにあっていとき、先輩が助けてくれましたよね。』

 

『っ!あ、あぁ覚えているよ。』

 

主人公が少年を好きになった理由、それは偶々苛めから救いだしてくれたことが切っ掛けであった。少年は差ほど気にしていない様子だったのだが、少女はそれに何か思うところがあり何とか縁を作ろうとアタックする……というのがこの映画の主な内容である。

 

『その後も、先輩は度々私の事を気にかけてくれました。』

 

『……うん。』

 

主人公は苛めの後、グループを抜けてしまい一人になってしまっていた。それを気にしていたのか、少年は少女と関わりを持つようにしたのだ。尤も、先に関わりを持とうとしたのは少女の方からなのだが。

 

『一緒に美味しいものを食べたり、お買い物をしてくれたり……お話しして笑いあったりもしましたよね。私にとって、こんなに楽しかった時間は始めてでした。こんな私と先輩は嫌な顔1つせず優しくしてくれました。』

 

『…………』

 

 

「くるぞ……!」

 

「どうなっちゃうのかしら……」

 

「ふむ……」

 

一同は察していた。この後、確実に告白すると。流れが完全に何かが起きる直前のものだった。というか、bgmも明らかにクライマックスに向けて壮大になっていた。

 

『だからっ、その……えっと……わ、私…はっ!気づいたらいつの間にか先輩の事が、す、好きに……なっていたんです……!』

 

『っ!!!』

 

これには流石の少年も驚いた様子だった。

 

 

「す、すげぇ……!良く言えたな……」

 

「わぁ……これ、凄く勇気がいりますよ。」

 

「なるほど。このようにして伝える場合もあるのですね。」

 

俳優の演技に圧倒される一同。物語の山場なので、必然と俳優達の演技にも力が入っているのだ。

 

『なのでっ、私とっ……付き合って頂けませんか!?』

 

『…………』

 

沈黙が続く。驚いた表情のまま固まっている少年に一同は不安が募っていく。カノンは自然と祈りっており、進も気づかぬうちに拳を作っていた。そして

 

『まさか、先に言われちゃうなんてな。』

 

『!!!』

 

『俺も、前々からお前の事が好きだったんだ。一目惚れって言うのかな。なんか放っておけなかったんだよ。それで咄嗟に助けて……けど、結局は自己満足なんだ。俺は何て奴なんだって反省したよ。近づきたいが為に助けたって酷いだろ?』

 

『そんなことっ、ありません!』

 

『ははっ、ありがとう。でも、俺はこの気持ちが抑えられなくて、結局一人になっていたお前に話しかけてしまった。そんな俺を受け入れてくれて……楽しかったなぁ。だから、さ……俺はこの幸せな日々が毎日続けばどんなに良いだろうかって思うんだ。』

 

『ってことは、まさか……!』

 

『あぁ、よろしく頼むよ。今度は恋人同士として、な。』

 

そういって少年は少女へ近づき

 

『んっ』

 

そっと口づけをした。

 

 

「決まったぁぁぁぁ!!!」

 

「わー!しちゃった!ウェディング、遂にキスしちゃったわ!」

 

「そ、そうですね。」

 

これには一同阿鼻叫喚である。キスの暖かみを知っている2人は興奮気味に声を出す。しかし、経験のないウェディングは2人の反応を只戸惑いながら眺めるしかなかった。

 

かくして、2人は無事恋人同士となることができ物語は幕を閉じるのであった。

 

「はぁ……余韻がすごいです……」

 

「そうだな。王道なんだが描写の一つ一つが丁寧で感情移入がしやすかった。心理描写も素晴らしい。分かりやすくて面白いってこの映画の最強か?」

 

「私は余り理解できませんでしたが、デートシーンの遊びの数々が興味を引かれる物ばかりでしたね。人間の日常が具体的に理解できたのも良かったです。それに、この世界の学舎は実に複雑なのですね。」

 

青春を感じられる軽快な音楽とボーカルが流れるなか、3人は感想を言い合っていた。

 

「いやぁ、面白かったな。カノンはどうだった?」

 

「凄く面白かったです!知らない事は先輩が補足してくれましたし、ストーリーも良くて楽しめました!」

 

カノンは未だに覚めやまぬ興奮を抑えながら満面の笑みを浮かべつつそう応えた。

 

「なら良かった。ウェディングもどうだった?」

 

「本と映像ではやはり大きな差がありました。映像と言う点で言うと状況……場面の詳細な変化が観られるので視覚的にも分かりやすさ的にも本より上のように感じます。」

 

「なるほどな。本との違いか、考えたこともなかった。」

 

独特な感想だが、確かに映画は観るだけで様々な考えを張り巡らせることが出きる。そういう意味では確かに文字を読む必要のある本よりも手軽で、尚且つ分かりやすい映画の方が上と思うかもしれない。しかし、本にも本で良いところがあるのだ。

 

「確かに映画だったら観るだけで良いし内容を理解するハードルも低くなるから良いよな。でも、本にも良いところはあるんたぜ?」

 

「分かっています。本は文字を読む都合上、様々な物事に対しある程度の説明が為されます。その為、知識を得るのであれば本の方が好都合なのです。圧倒的に世間に浸透しきってしまった言葉などはそのまま使われたりもしますが、そんなのは誤差の範囲内だと思っています。」

 

「そこまで考えて観てたなんて流石はウェディングって感じだな。」

 

「不思議な話、この世界に来てからこう言った文化の違いや歴史、人間達の生活模様を知り観察する事が最近面白く感じてきているのです。以前の私であれば絶対に興味を抱くことは無かったでしょうが。そんなこともあり、人間に関する事柄であると色々と考えるようになったんです。」

 

以前のウェディングというと、やはりゼロ計画を進めていた頃のウェディングのことだろうか。サスペンスから聞いている限りじゃ何事に対しても冷めおり、計画のこと以外には無頓着。でも、カノンの事となると異常に過保護になっていたらしい。今のウェディングからじゃ全く想像がつかない。

 

「そう考えると、ウェディングって前と比べると別人みたいよね。」

 

「まぁ否定はしません。私自身、ここまでの大きな変化には結構驚いていますから。」

 

「ふーん、前のウェディングかぁ。やっぱ今と振る舞い方とかも違うの?」

 

好奇心からカノンに質問してみる。サスペンスの説明じゃ局所的過ぎて全貌がよく分からないのだ。

 

「うーん、そうですねぇ……私から言わせてもらうと、ウェディングは前よりもよく喋るようになったなーって思いますね。」

 

「なるほど、確かにそうかもしれません。あの頃は無言の時間の方が長かった気がします。」

 

「気がするって言うか、殆ど話して無かったわよ?」

 

「えっ……そ、そうですか?無言ではありましたが、それでも殆どは言い過ぎなのでは……」

 

「だって、あの時は立場があれだったじゃない。」

 

「あれ?」

 

カノンの言葉に反応する進。

 

「あの時は私、ウェディング様って呼んでいたのよ?私が意見するのにだって一苦労していたのだわ。」

 

「うっ…そう、でした……!」

 

カノンの発言に何故か軽くショックを受けるウェディング。過去に起こってしまった事はしょうがない。だが、しょうがないからとは言ってもきついものはきついのだ。今の関係性に慣れてしまったからこそ、カノンとの絆が深まる度にこの記憶がウェディングの心を深く抉った。

 

「マジで?2人ってそんな堅かったの?」

 

「堅いというよりあの頃は完全に、それこそ先輩と後輩みたいな関係性でしたよ。まぁ、詳しく説明するとなると複雑なんですけど……」

 

「そ、その話題は止めておきませんか?」

 

「あっ……ご、ごめんなさいウェディング!別にあの時は嫌に思っていたとかそういうのじゃないの。ついつい先輩に話しちゃっただけで……」

 

ウェディングの声にカノンが申し訳なさそうに謝った。明らかにウェディングはこの話題を快く思っていなそうだった。

 

「良いのです。カノンの話している内容は全て事実なのですから。……しかし、何故かは分かりませんが今の自分があの時を思い出すとなんと言いますかこう……胸が苦しくなるのです。物理的な痛みでは無いのですが、一体これは何なのでしょうか……?」

 

自身の得たいの知れない異変をカミングアウトするウェディング。まさかそのような悩みを抱えているとは思わず益々申し訳なさそうな顔になるカノン。そこに

 

「それさ、黒歴史ってやつじゃね?」

 

「「黒歴史?」」

 

進がその答え合わせをするかのように会話に合わせて口を開いた。

 

「何ですか、それ?」

 

興味津々に進に質問するウェディング。

 

「言語化するのは難しいんだが、簡単に言うと過去の自分の行動を今の自分が恥ずかしいと思っている、もしくは恥ずかしい思いをした苦い思い出のことを指すんだ。」*1

 

「何ですって?つまり貴方は私とカノンの過ごしてきた過去の出来事が恥ずべき事柄であったと、そう言いたいのですか?」

 

ウェディングが険しい表情で言い寄ってくる。どうやら少し勘違いをしてしまっているらしい。自身の語彙力の無さに呆れてしまう進。

 

「ち、違うって!俺が言いたいのは、そのウェディングが昔の話をするときに苦しむ原因が黒歴史なんじゃないかって事!」

 

「その黒歴史とやらと私の苦しみに一体何の因果関係があると言うのですか……適当に言っているのであれば容赦しませんよ。」

 

「ウェディング、少し落ち着きましょう?先輩は変な嘘はつかないわ。きっと納得できる話があるのよ。ですよね、先輩。」

 

「あ、あぁ。その通り、勿論あるぞ!」

 

カノンのフォローに進はホッと胸を撫で下ろした。進はカノンに近づきウェディングに聞かれないように耳元で囁いた。

 

「なぁ。」

 

「ひゃっ……」

 

「助かったぜ、ありがとな。」

 

「い、いえ、お気になさらず……」(近い……!)

 

「?」

 

突然耳元で囁かれるものなのでカノンは少々冷静さを欠いてしまった。故に、変に取り繕おうと堅くなってしまう。油断している時にこう言うことをされるのは本当に心臓に悪い。キスなどの行為よりも、こうした小さな出来事の方がカノンとしてはなんとも気恥ずかしいものであった。

 

「何を話しているのですか?」

 

「あ、いやなんでもない。気にしないでくれ。」

 

「そうですか。それよりも、早く私のこの苦しみの原因を紐解いてはくれませんかね。」

 

「そ、そうだったな!えーっと確か……黒歴史と苦しみの因果関係だったよな。」

 

進は考える。どんな説明であれば理解してくれるのかを。いつまでたっても理解できないほどウェディングが賢くない筈はないが、それでもいち早く理解させてあげたい。

 

「そうだな……ウェディングはさ、恥ずかしいって感情を良く分かってる?」

 

「舐めないで下さい。それくらいは分かります。」

 

「じゃあさ、ウェディングはどんな時に恥ずかしいなって思う?」

 

「っ…そう言われると困りますね。感情としての意味は理解していますが、私自身抱いた感情を自覚したことなど数える程度にしかありませんし、そのどれもが曖昧なものです。ですので、そういった具体的な説明は少々難しいですね。」

 

「だよな。まぁ普通はそうだと思う。ゼニスであるウェディングには少し理解するのが難しい分野だろうしな。だからこそ言いたいんだが……恥ずかしいってのは何も過ちや欠点だけってのを指す言葉じゃないんだ。多分ウェディング少し知識に偏りがあんだよ。」

 

「ほう……偏った知識、ですか。」

 

興味深そうに相槌を打つウェディング。

 

「例えば……そうだな……カノン、ウェディングが恥ずかしがりそうなことって何かある?」

 

「えっ、恥ずかしがりそうなことですか?うーん……急に言われましても……」

 

唐突に振られた話題にカノンは少々面食らう。それでも、先輩のためにとカノンは頑張って思考を張り巡らせた。

 

「もしかしたら……あるかもしれません。」

 

「おっじゃあさ、ちょっとそれをウェディングにやってみてくれないか?」

 

「なっ……白守進!?一体何を言い出すのですか!?」

 

「ご、ごめんって。でもウェディングのことならカノンの方が知ってるだろうし……それに、こうでもしないと分からないだろうから我慢してくれ!」

 

「っ……くっ……わ、分かりました。今回だけ、特別ですよ……?」

 

解せないと言った表情で渋々承諾するウェディング。するとカノンが口を開き

 

「ウェディング、私やっぱり貴女はとっても優しいと思うの。」

 

「!?」

 

とどこか身に覚えのある言葉を口にした。

 

「すっごくすっっご~く優しい……いえ、もしかしたら世界で一番優しい人かもしれないのだわ!」

 

「カ、カノン……!?いきなり何を……え、えと、そのっ……かっ買い被りすぎではありませんか?」

 

「ううん、そんなこと無いのだわ。ウェディングはいっつも私のためにって言って色んな事を手伝ったりしてくれるじゃない。それに、私知ってるのよ?風邪を引いたときに、眠っていた筈のウェディングが無理やり実体化して玄関の鍵を開けてくれたのを。」

 

「なっ……!?」

 

カノンの突然の暴露に焦りを見せるウェディング。

 

「この家にいるのは私とウェディングだけなのよ?先輩が来たタイミングで扉が開いてるなんて貴方以外考えられないわ。」

 

「あれそう言うことだったのか。謎が解けたわ。」

 

何て不用心なんだと思っていたが、進が近づいた時に開けてくれていたようだ。普段は無表情で顔色一つ変えないで言動も少しばかり厳しいクールな人だと思っていたが……ふむ……やはりウェディングはツンデレに近いな。いや、近いと言うよりほぼツンデレなのでは?

 

「か、勘違いしないで下さい。私は只、貴方ならばカノンを任せても良いとだろうと判断しただけです。カノンに危機が迫っているのは相棒として見過ごせないことですから。」

 

「ふふっ、素直じゃ無いんだから。私に危険が~なんて言うのは建前で、ウェディングがそうしたかったから動いてくれていたんでしょう?」

 

「違います!私は本当にカノンの事を心配しての行動で……!」

 

わぁ……カノンは何でもお見通しって感じだな。ウェディングが優しいってのも本当なんだろうな。推測するに、考える前に勝手に体が動いてたとかそんな感じなんだと思う。

 

何を言おうがカノンはウェディングの事を褒めて褒めて褒めまくっていた。必死に否定するも、それをいとも容易くいなしてしまうカノンには脱帽する。どんだけウェディングの事を理解しているんだと進は心のなかでそう思った。

 

(っと、眺めてる場合じゃないな。このままだとウェディングが(精神的に)死んじまう。そろそろタネを明かしてやらないと。)

 

「白守進!これに一体何の意味があると言うのです!?早く言いなさい!でなければこれ以上は私も耐えられません!」

 

「も~どうしてそんなに嫌がるの?ウェディングの良いところは他にも一杯あるのだわ。まだまだ話し足りないくらい。それとも……もしかして、嫌がっているんじゃなくて恥ずかしかったりするのかしら?」

 

いたずらな笑みを浮かべながらカノンはウェディングに言い寄る。ウェディングが限界を迎えそうなので進は2人の間に口を挟む事にした。

 

「カノン、その辺にしとこう。もう十分ウェディングは恥ずかしがった筈だぜ。」

 

「え~もうですか?あと少しだけ褒めてたかったな。」

 

「えっ」

 

名残惜しそうにしつつもウェディングの前から一歩引くカノン。この時、進とウェディングは密かに思ったことがあった。

 

((もしかしてカノンって、意外とSなんじゃ……))

 

本人に言っても理解してくれなさそうな感想を抱く2人だった。

 

「はぁ……無駄に疲れました……。白守進、ちゃんと説明できるのでしょうね?私の尊厳を踏みにじったこと、高くつきますよ。」

 

「大丈夫だって。だからさ、そのー……一旦その怖い顔するの止めてもらってもいいです「早くしなさい!」ひぃぃ……!」

 

ウェディングの気迫に圧される進。相当ご立腹の様だ。

 

「そ、それじゃ言うけど……さっきウェディングはカノンに褒められてさ、どう感じた?」

 

「ど、どう感じたかですか……そう、ですね……曖昧な言葉でしか表せられないのですが、なんと言いますか……歯痒くて……み、身悶えたくなりそうでした。自分の意思とは別に、私の中にある何かがそうさせようとしてきたのです。心なしか心拍数も増えていたような気がします。これくらいですかね。」

 

ウェディングはカノンと進に交互に視線を合わせながらそう話す。すると、ウェディングの話が終わった途端、2人はニコニコしながらうんうんと頷き始めた。どうも只の相槌とは思えず違和感を覚える。すると

 

「それだよ。それが羞恥心だ。やっぱりゼニスと言えど感情はあるもんなんだな。」

 

「分かるわ、ウェディング。恥ずかしくなったら私も同じことしちゃいそうになるもん。でも、ああいうのって傍から見ると可愛く見えるのね。映画の時もそうだったけどウェディングも例外じゃなかったのだわ。」

 

と2人ともが別々の感想を話すので、どちらに意識を傾けるべきか戸惑ってしまった。しかし、今はウェディングの苦しみを解き明かしている最中である。できればカノンに話しかけて今すぐにでもその感想にどうこういってやりたいが、話が逸れてしまうので今は我慢しよう。

 

「これが羞恥心だとして、貴方は結局何を伝えたいのですか?」

 

「あーつまりな、恥ずかしいって事柄にも色んな種類があるんだ。例えば、何々は恥ずべき事だ~とかこんな自分は何々だから恥である~みたいな見方だけじゃなく、こんなことをされたから恥ずかしいとか、あの時に自分がしていた行為が今思い返せばちょっと恥ずかしかったなとか、そう言った見方もあるわけだ。んで、さっきウェディングが認識していた意味としては前者の方なんだけど、これだと黒歴史を説明するしない以前の問題が起こっちゃうんだよな。」

 

「……何が言いたいか大体分かりました。」

 

バツが悪そうな顔をしながらウェディングが話を続ける。

 

「私に先程のような経験をさせることで、口頭だけでは伝えにくい感情を理解させようとしていたのですね。その上で貴方は再び黒歴史の説明を行おうと試みた。違いますか?」

 

「当たり。どうだった?さっきのむず痒い感覚が恥ずかしいって感情なんだけど、何となくは理解できた?」

 

「悔しいですが……先の出来事は私にとってかなり刺激的でしたので、貴方の思惑通り羞恥心というのがどう言った感情なのかを少し理解してしまいました……。ですが、それでも少しです。人間とは程遠い理解度ですが、話に着いていけるでしょうか……」

 

少々不安げに質問するウェディング。しかし、進は屈託のない笑みをウェディングに向けながら

 

「大丈夫!そこまで分かれば余裕だぜ!というか、人間でも恥ずかしいって気持ちは良く理解してないんだよな。それこそ、十人十色って感じで本当に人それぞれだからあんましそこら辺は深く考えなくて良いと思うぞ!」

 

と言うのだった。

 

「とはいっても、黒歴史の意味はもう話したからな。これから考えるとしたらウェディングの過去のどこら辺が恥ずかしいことだったのかとかになるな。流石に俺もそこまでは分からないんだが、2人とも心当たりあるか?」

 

自分で言っててなんだが、他人の恥ずかしいと思った出来事を真剣に考察しているのって実にアホらしくないだろうか。そんな突っ込みを心のなかでしながらも、本人が知りたがっているので手を貸さざるを得ないので手を引くなんて野暮な真似はしないでおこう。

 

「多分何ですけど……」

 

3人で試行錯誤していると、カノンが話を繰り出してきた。2人は考えるのを一旦止め、カノンの言葉に意識を向ける。すると、カノンは一拍空けた後

 

「私と積極的に話さなかった事を後悔しているんじゃないですかね。」

 

と一言そう言うのだった。

 

「っ!」

 

「うーん、良く分かんね。確かに昔は無口だとか言ってたけど、何でそれを恥ずかしいと思ったんだ?」

 

首をかしげる進。しかし、それとは相対的にウェディングは何かに気がついたのかハッとした表情のまま固まっていた。2人はそれに気づかず話をすすめる。

 

「もしかしたら『あの時もっと私と話しておけば良かった、何でもっと話しかけておかなかったんだろう、あの時の私は何をしていたのですか!』って思ってたんじゃないかなぁって。」

 

「ず、随分と解像度高いな。」

 

余りの解像度の高さに驚く進。恐らく2人だからこそ分かるってやつなんだろう。……だが一つ思う、その考察が全部外れていた暁にはカノンも相当な恥をかくのではないか?と。

 

「どうなんだ?カノンが言っていることに心当たりはある?」

 

進の質問にウェディングは心底やりにくそうな表情を浮かべる。この瞬間、2人は察してしまった。

 

これは図星だと。

 

「……貴方の言う黒歴史という言葉の意味……今なら、良く分かります……!人間はっ、よ、良くもまぁこ、ここまで的確な表現を思い付きますね……!」

 

明らかに顔を赤くするウェディング。ゼニスがここまで感情を露にするのはレアではなかろうか。さっきから焦っていたり褒められて照れたりはしていたが、こうも分かりやすい反応はしていなかった。カノンに具体的な例を出されたので嫌にでも自覚てしてしまったのだろう。

 

「カノンの言う通りですっ……!私は、過去の自分に憤りを感じていました。今こうしてカノンと仲良くなっていくことによって、その関係が私の中での当たり前となってしまっていたんです。だからこそ過去の自分が憎らしかった。何故もっとカノンと距離を近づけなかったのかと、そう思わずにはいられなくなっていたんです。今の私にとって、あの時の私は如何なる事柄よりも恥ずべき存在なのですっ……!後はっ、分かります、よね!?」

 

悶えると言う言葉は正にこういった状況の時に使うんだろう。過去の己の説明をするウェディングの様子は、正しくあの『黒歴史』を突然思いだしその場で苦しくなる、誰もが一度は経験したことがあるやつだった。後は分かるかと確認されたのは、ゼニスよりも感情豊かである人間だからこそ言われた言葉なのだ。

 

「あー……後悔があるタイプのやつね。俺もあるから分かるよ、その気持ち……」

 

「分かってくれますか……!」

 

偶然恥ずかしい思いをしてしまった場合はまだ気の持ちようではなんとかなるが、自らが起こした行動が後々黒歴史なるやつは後悔があるのは勿論、その後悔の大きさに比例して恥ずかしさも大きくなる。何とも質の悪いタイプなのだ。

 

「そこまで深く考える必要はないと思うんだけど……そんなに後悔しているの?」

 

「あっ当たり前です!カノンを守護する者として、コミュニケーションを取らない何て論外です!もしこれがカノン以外であるのならば話しは違ったかもしれませんが……白守進、貴方なら分かる筈です!カノンですよ!?あのカノンと全く会話を交わさなかったのですよ!?後悔せずしてどうするのですか!!」

 

「ははぁ……なるほどね。分かるっ!分かるぞ、その気持ち!」

 

「2人して何が分かっているの……?」

 

この時、2人の考え方は図らずも一致していた。カノンと仲良くなった今だらかこそ言える。もっと攻めて行くべきだったと。進は勝手に片想いだと思っていた過去、ウェディングは冷徹な心を持っていた頃のゼニスとしての自分であった過去……そのどちらもが後悔の念を呼び起こすには最適なものだった。

 

「まぁこれでウェディングの悩みも解決できたし、一件落着ってとことでいいか?」

 

「えぇ、それで構いません。清々しいものですね、こうして分からなかった事が分かると言うのは。助かりましたよ、白守進。」

 

「おう、解決できて良かったぜ。それにウェディングの気持ち、滅茶苦茶伝わったぞ。」

 

「フッ……貴方こそ、私に負けずとも劣らずの想いを感じ取れました。私レベルにまで到達するとは中々やりますね。」

 

「へっ、まだまだこれからだぞ。お前なんて一瞬で抜いてやらぁ。」

 

「ほぅ……その言葉、宣戦布告として捉えても宜しいので?」

 

「好きに受け取ってくれ。」

 

「そうですか。ならば……」

 

 

「「絶対に負けませんからね(ねぇぞ)」」

 

 

2人の間にはいつの間にやら謎の友情が芽生えていた!一体何が彼らをそうさせたのかはこの世にある言葉だけでは表現することは出来ないであろう!不適な笑みを浮かべながら両者が自然と握手を交わす。今ここに、絶対に負けられない戦いの火蓋が切って落とされた!!!

 

(何、これ?)

 

只一人、置いてけぼりになっていたカノンは呆然と2人を眺めることしか出来なかった。

*1
黒歴史の語源は∀ガンダムの設定からきており、それのネットスラングである




前回ウェディングが恥ずかしがっていたって?あれは本人が恥ずかしいと思っていたんじゃない……無自覚レベルにそう感じていただけだ!

実際、誰かにこうして指摘されるまで自覚を持つことは出来ないと思います。
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