無垢の守護者と甘い恋   作:しゃべる

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家に集まってすることと言えば……!?

「ん、これ美味しいです。」

 

「おっ、センスあるねー。数あるお菓子の中から柿ピーを選ぶとは。」

 

映画を観た後、一同は少し休憩を挟むことにした。そして今現在、時刻が丁度3時位を回っていたので一同は進の持ってきたお菓子を食べることにしていたのだった。

 

「このぷにぷにとした物体を目にしたときは最初本当に食べられるのかと疑っていましたが、杞憂だったようです。面白い食感ですね、このグミとやらは。」

 

「ふーん、初めての反応って何だか新鮮だな。」

 

3人は雑談に花を咲かせる。仕事は最近どうなのか、クリーチャーの世界はどんな世界なのか、さっきの映画はこうだったなど人によって出てくる話題は様々である。その中でも群を抜いて盛り上がった?話題があった。

 

「あっ思い出したんですけど……さっき映画を観てて思ったことがあったんです。」

 

カノンの言葉に進たちは意識を傾ける。

 

「あの映画を観てたら……告白ってもしかしたら本来はもっと慎重にするものなんじゃないかって思ったんですよ。」

 

「あー……」

 

「?」

 

ウェディングはイマイチ理解できていないのか頭の上にはてなマークを浮かべる。しかし、進はカノンが何を言いたいのかを察してしまっていた。

 

「映画では告白するときに屋上に呼び出したりもしていましたし、雰囲気を大事にするんだなぁって思いました。先輩、告白って本来はどんな感じでするものなんですか?」

 

カノンはこの時気がついていなかった。進がとんでもないくらいの精神的ダメージを負っていた事実を。いや、純粋に質問しているのだから気づく訳がないのだ。悪意無き質問中に無駄な思考を混ぜることなど普通はないのだから。

 

「っ……」

 

過るのはあの時の光景。2人が正式に付き合うこととなったあの病室での出来事だった。喧嘩にも近い激しい言い合いの後、お互いの全てをさらけ出し、相思相愛だったことが判明したあの瞬間。カノンにとっては最悪で最高の日、進にとっては人生最高の日だったあの日。2人は確かに告白した。付き合ってくいただけませんかと、勿論オッケーだと。ここまではまだ良い。しかし、問題はここからだった。

 

 

病室で告白?喧嘩した直後に?勿論オッケーだ?

 

 

ふざけている。なんなんだこれは!?雰囲気もくそもない!それに受け答えが終わりすぎている!!!映画の告白シーンはあんなにもキラキラしていたというのに、この差は一体何なのだ!?

 

……とはいっても、責任は全て進にある。勝手も分からず告白してくれたカノンと、この世界で何年も生きてきたくせに立派な返答を用意できなかった進。カノンに非など1ミリたりとも存在してない。後少し進が頑張ってしゃべれていたらもっとドラマチックになっていたのに!別にあの時の告白が嫌な思い出になってるとかそう言うことじゃない。寧ろいつまでも最高の思い出として心に残り続けるだろう。それ故に後悔もあるのだ。もっとこうしていれば良くなっていた、という負の念が。

 

告白した際、カノンに少し笑われてショックを受けていたが俺らしくて良かったとフォローされた。しかし、それが本心なのかどうか怪しいレベルで酷いと正直思っている。

 

「まぁ……そうだな。大体の人は予め告白するタイミングを決めてするものだと思う。さっきの映画では屋上に呼び出して2人っきりの空間を作ってからの告白っていう世間じゃ割とあるあるなシチュエーションなんだ。それにカノンの言ってた通り雰囲気も大切にするな。例えば……2人で遊んだ後に思いきって告白してみたりとか、少しキザかもしんないけど満天の星空の下でとか、まぁ色々あると思う。」

 

「へぇ~。なんだか想像してみると……とっても素敵です。恋って奥深いな。」

 

「…………そうだな。」

 

新たに知った文化に心を踊らせるカノン。しかし、進は過去の告白のことで色々と考え事をしてしまい気分が沈んでしまっていたため少し相槌が重くなってしまった。

 

「?……どうしました?なんだか元気が無いような……」

 

「え!?い、いやなんでもないなんでもない!」

 

愛想笑いでごまかそうとする進。しかし、カノンはじとっとした目で此方を見ていた。

 

「……嘘、ついてますよね。」

 

「…………」

 

「分かりますよ。今の先輩は悩んでいる時の先輩です。」

 

「!マ、マジか……そこまで?」

 

「何となくですが分かりますよ!もうっ!先輩は私の事を頼ってくれるんでしたよね?遠慮しないでどんどん言ってください!悩み事は2人で解決、です!」

 

「ははっ、敵わねぇなこりゃ。」

 

悩みと言ってもそこまで重要な物じゃない。相談するようなことでもないと思っていたのだが、カノンはそれを許しはしなかった。第一に進の事を考えているからこそ自分を頼ってくれ何て事をいってくれるのだろう。ならばもう折れるしかない。隠すことを諦めて進は話し始めた。

 

「大したことじゃないんだがな……さっき告白の仕方がどうのこうのって話をしたろ?そん時に思い返してたんだよ、俺たちの告白のシーンを。そしたらさ……別に嫌な思い出って訳じゃないんだがその……あんまり告白としての雰囲気じゃなかったって言うか……なんか俺の受け答え方が悪かったって言うか……ちょっと不満点が浮かんじゃってさ。もっとこうしてれば良くできたのになって後悔してた。」

 

進は正直に話した。変に改変を加えて話してもバレるだろうし、なにより嘘をつく必要がない。話を聞いたカノンは口を開く。

 

「うーん?あの時の告白に不満、ですか?悪い要素なんてないと思うんですけど……」

 

「えっ」

 

キョトンとした顔でカノンはそう言った。思いもしなかった反応に声がでる進。てっきり確かにそうだったかもしれませんね、的なことを言われるもんだと思っていたので驚いた。

 

「雰囲気が悪いというのも良く分かりませんし、先輩の受け答えも特に悪いと思ったことは無いですね。」

 

「で、でも考えても見ろよ。病院だぜ?それも夜の。言っちゃあ悪いがあんまりロマンチックな雰囲気ではないと思うんだが。」

 

「そうですか?うむむ……良く覚えてないです。」

 

「覚えてないって……」

 

「私が覚えているのは先輩とお互いの想いをぶつけ合って、お互いを理解して、そしてキ、キスをして……告白して付き合うことになった事だけです。悪いことなんて一つもありません。」

 

少しだけ頬を赤く染めながらも笑顔でそう言ってくるカノン。どうしてそこまで良く思ってくれているんだ。決して進があの日を嫌な日だと思っている訳じゃない。只、あの時こうしてた方が良かったよねみたいな不満が一つや二つあってもおかしくはない。だというのにカノンは不満を抱いていなかったのだ。

 

「俺の告白オーケーの言葉なんか簡素すぎると思うんだけど……」

 

「私言いましたよね。先輩らしくて好きですって。そっちの方が唯一無二感があって、より特別に感じられて良いと思いますよ。」

 

「ほ、本当に?」

 

「はい。あの日の私は、世界一の幸せ者でしたから。そんな幸せな思い出に悪いなんて気持ちは抱けませんよ。そもそも、場所なんて関係ないんです。お互いの想いが同じであるなら、どんな場所でもそこは素敵な空間になるんですから。」

 

お世辞でもここまでは言えないだろう。つまるところこれは本音ということである。

 

「カノン……!お前ってやつは……!マジ天使!マジ女神!こんなに可愛い子と付き合えてて本当幸せだ……!」

 

カノンの純粋な思いに進は感情が少しだけ暴走してしまった。

 

「えへへ……嬉しいです。私もこんなにかっこよくて優しい人と付き合えて幸せです。」

 

満更でもなさそうな表情のカノン。もはや可愛いと言われて恥ずかしがる彼女は存在しなかった。

 

「カノン……」

 

「先輩……」

 

お互いがお互いを見つめ合う。若干頬を染めながらも、2人の顔は自然と近づいていく。迫るは……互いの唇であった。徐々に徐々に距離を縮めて行き、そして……

 

「コホン!」

 

「「!!」」

 

ウェディングのわざとらしい咳払いで2人はハッとした。慌てて顔を離す2人は、先程よりも赤く顔を染めており気まずそうに視線を地面に落としていた。

 

「す、すみません。その……ふ、2人でよろしくやるのは良いのですが私が邪魔ではないかと思いまして……念のため確認を取ろうかと。」

 

申し訳なさそうにしているウェディング。完全に2人の世界にはいっていた。今回は3人で遊ぶという約束だったのに……!彼女なりの気遣いに進とカノンは感謝しながらも、それはそれとして恥じらいはしていた。

 

「わ、悪い!流石に誰かがいる前でこういうことするのは駄目だよな。次から気をつけとくよ……」

 

「見えなかった……私、さっきまで先輩しか見えてなかったのだわ。ど、どうして……?」

 

「…………聞いたことがあります。恋とは時に、人間を盲目にすると。」

 

「えっ……恋って少し…怖くもあるのね……」

 

とまぁそんな感じで雑談もおおいに盛り上がっていた。今この空間には笑顔が溢れている。これは以前の状況からは考えられないことだった。あり得ない幸せが現実として存在している。それを噛みしめる度にカノンの疲れきっていた心は癒されていくのを感じていた。それは進やウェディングも例外ではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ~て、そろそろ別のことするか~。」

 

進が満を持したかのように声を上げる。

 

「お~!やっぱりまだまだ何かあるんですね?」

 

「勿論。これくらいで終わるんじゃあ物足りないっしょ!」

 

ワクワクを隠しきれていないカノンに進は頬が緩むのを感じた。安心してほしい、今回もその期待に応えられるようなものだと思うから。

 

「して、その次なる遊びとは?」

 

ウェディングの問いに待ってましたといわんばかりの表情で進は道具の入っているであろうリュックサックを漁る。

 

「それはな……じゃん!テレビゲームです!」

 

「あっ、さっき映画でも少し映っていた物ですね!」

 

「まさかこんなにも早く知ったばかりの遊びをすることになるとは。貴方はこの事も見越して?」

 

「いや、偶々だな。第一俺も映画の内容知らずに観たし。」

 

進が手にしていたのは持ち運びが可能である携帯型のゲーム機であった。その名も任○堂S○it○h!

 

「でも、映画で観た時よりも画面が小さいですね。このままゲームをするんですか?」

 

カノンの疑問はもっともである。そもそも携帯機としてのこのゲーム機は遊ぶときは大抵一人でしか遊ばない。それ以上で遊ぶとなると少々窮屈なのだ。しかし、こんなのテレビに繋げてしまえば問題ない。進は「ちょっと待ってろ。」と一言言うと、専用のドッグとコードを引っ張りだし接続し始める。2人はこう言った類いの物を1ミリたりとも理解していないので「何してるんだろう。」などと思いながらその作業を眺めていた。

 

「よし、これで出きる筈。」

 

数分も経たぬ内に作業は終わり、進はドッグにゲーム機を差し込んだ。

 

「わ~!映りました!」

 

「ふむ……この機械類は水文明の者でも扱いきれるのでしょうか。人間とクリーチャーの技術の差が知りたくなってきました。」

 

「……あとで仕組み教えとくな。」

 

2人の反応からして機械はさっぱり分からないんだと思う。だが、この世界に住むんだったらHDMI等の基本は教えておいた方がよさそうだ。それにクリーチャーの技術云々の話だが、多分水文明の奴らは扱いきれる処か進よりも余裕で知識は上だろう。イラストを観れば分かるが普通に人間の世界にある似たような機械を使っているクリーチャーはいる。ただ、それがこの世界の機械と全く同じ用途で使われているのかどうかは不明である。

 

「今回はパーティーゲームをやろうかと思ってる。一応マ○パと桃○持ってきたんだけど、どっちが良い?」

 

そう言って各ゲームの表示されているアイコンを見せる。生憎パッケージ版は相当前に捨ててしまってもうないのだ。こういうのは直感で選んでもらおう。好みの雰囲気で決めるも良いし、キャラの魅力で決めても良い。何なら進にどんなゲームなのかと聞いて決めるも良いだろう。この場合直感ではなくなるが、まぁそれくらい慎重になったところで問題があるわけでもないので別に良いだろう。

 

「私はカノンが決めた方のゲームで構いませんよ。」

 

「なら私が選びましょうか。そうですね~……うーん…………じゃあこっちでお願いします!」

 

カノンが指差したゲーム……それ即ち、マ○オパー○ィーであった!!

 

「はやっ、即決だな。」

 

「キャラクターがなんとなくこっちの方が良いなって思ったんです。まぁ、それだけなんですけど……」

 

「なるほど、カノンはそっちを選びましたか。正直私は此方の方が頭を使いそうで面白そうだと思いましたが……確かにキャラクターはそちらの方が親しみやすいかもしれませんね。流石はカノンです。」

 

「良いのを選んだな。マ○パはゲーム初心者から上級者まで楽しく全員遊べる程よい難易度のゲームだぞ。桃○はまぁ考えてみればちょっと難しいかも知れなかったな。ま、どっちも滅茶苦茶面白いんだけど。」

 

というわけで今回はマ○オパー○ィーで遊ぶこととなった。コントローラーを渡し、ゲームを起動する。軽快な音楽と共にキャラクターが出てきてタイトルが表示される。いよいよ始まる3人でのゲーム。一体どうなるのだろうか……!!

 

「よーし、今回はスゴロクにするか。ターン数は……最初だし15にしとこう。あとはハンデもつけるか。」

 

「えっ、は、ハンデなんて良いですよ!」

 

「いいや、ゲーム内容を理解してないし初心者なお前らにはこれくらいしないと良い勝負にならないからな。その代わり俺も手は抜かないぞ。本気でやらせてもらうからな。その方が燃えるってもんだ。」

 

「そういうことですか……なら、私も負けませんからね!」

 

意気揚々とそう言うカノンに進は頬が緩むのを感じた。

 

何なんだこの時間は。凄く幸せなんだが!?こういう些細な出来事が積み重なって自覚するものこそが幸せというものなのだろう……。うん、今日遊びに来てよかった。いやマジで。

 

「只勝つだけでは少々物足りなくはありませんか?何かこう……勝者には報酬のようなものは無いですかね?」

 

ウェディングがふとそんなことを呟く。確かに、勝っただけで終わるには少し物足りなさを感じなくともない。進は少し考える。そして

 

「じゃあ、勝ったやつはそれ以外の奴になんでも一つ言うことをきかせられるってのはどうよ?」

 

「面白そうです!良いですよ、私はそれで!」

 

「っ!い、良いですね……!カノンに勝利を譲る気でいましたが、やる気が出てきましたよ。申し訳ありませんが勝たせてもらうことしにます!!」

 

「き、気に入ってもらえたようで何より……」

 

思っても見なかった食いつきっぷりに驚く進。カノンはまぁ普通な反応なのだが、一方のウェディングは何やら小さな声で呪文を唱えるかのようにぶつぶつと何かを呟いていた。耳を澄まして見る進。

 

カノンに褒めてもらうカノンに褒めてもらうカノンに褒めてもらうカノンに褒めて……

 

(わぁ……すごぉい……)

 

さっきのやり取りで褒められることが癖になってしまっているウェディングであった。何はともあれ、進は2人に少しのハンデを与えた状態でスゴロクを開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、不味いぞ……!このままじゃビリケツだ……!」

 

進は非常に焦っていた。見て分かる通り、現在の進はかなりのピンチである。ミニゲームが運の絡む物ばかりだったのが勝敗にかなり左右されてるようだった。それに2人ともスゴロク運が滅茶苦茶いい。やはり伊達にデュエリストを名乗ってなどいないのだなと進は痛感した。

 

「な、何だが上手く行きすぎている気もするけどこのまま今の状態をキープできれば勝てるのだわ!」

 

「くっ、中々手強いですね……!私の相棒なだけはあります。それに比べて……何ですか、貴方の途中結果は。もはやハンデを逆に上げたいくらいですよ。」

 

「い、言ったな~!!見てろ!このサイコロで全てが変わるからな!」

 

そう言うと進はサイコロをセットした。狙うは5以上。できれば9以上が出るのがベストである。アイテムはない。なんでかって?そりゃ今回の進は運が悪かったからに決まってる。後先考えずにアイテムを使ったのも駄目だったかもしれない。

 

「絶対だす!頼む!5で良い!物欲は捨てろ……センサーが反応しちまうからな。安定択を取るんだ。まだターンはある……大丈夫だ……。あわよくば9以上が好ましいがな……。

 

「セ、センサー……?」

 

「……物欲捨てられてないではないですか。」

 

ウェディングが思わず突っ込む。それくらい今の進は焦っていた。5以上ならばスターを取ることが出きるのだが、9以上ならなんとさらにプラスして誰かからスター*1を一つ奪えるのだ。コイン*2はある。と言うか全然使えなくて有り余っていた。

 

「っ!ここだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

渾身のAボタンプッシュをかます進。その結果は……

 

「え゛っ!? 」

 

「「あっ」」

 

なんと、まさかの4であった。しかも

 

「や、ヤバいっ!!あのマスは……!!!」

 

進の止まるマスは、なんとあのク○パマスだった!!

 

「なっ、情けを!情けをくれぇぇ!!お前はそんな非道なキャラじゃない筈だ!!」

 

起こりうる上での最も最悪な事態。これには台パン不可避(比喩)である。それを見ていたカノンらはと言うと

 

「ぷっ、くっくくくく……」

 

「ふっ、ふふふっ………ハッ……ん゛ん゛ぅ!!」

 

一人は純粋に笑いを堪える者。一人は自身が自然と笑っていることに気づき咳払いをして情緒を整える者とがいた。

 

「いやまて、俺は今現在ビリなんだ。確かこのイベントではスターを取られるかコインを取られるかが主だった筈……スターは持っていない。ならば、狙うは一つだ……!」

 

進は2人の反応に気がついていない。今はルーレットに集中する為である。

 

「今だッッッッ!!!」

 

進の掛け声と同時にボタンが押された。徐々に遅くなっていくルーレットを見て固唾を飲む進。結果や如何に。

 

「……ッよ、よっしゃぁぁ!!!!あっぶね~……!」

 

見事狙いであるスターを奪う、の項目に決まった。瞬間肩の荷が降りたかのような感覚に陥る進。まだゲームは終わっていないというのに。最下位だというのに。

 

「ブフッ!あ、あはははは!!!」

 

進の様子を見ていたカノンが突然吹き出したかと思うと爆笑し始める。

 

「な、何笑ってんだよ!」

 

訝しげにカノンのことを見つめながら進がそんなことを言うと、カノンは目尻から微量ながら流れ出ていた涙を拭いながら口を開いた。

 

「だ、だって……先輩、すっごく必死になってリアクションを取ってるから…!これ、別にデスゲームとかじゃないんですよ……ぷっ、くくく……!」

 

必死に笑いを堪えようとしているが、完全に我慢はできなさそうなカノン。

 

「え、えっと……これはあれだ!そのー……ゲームを盛り上げてんだよ!この俺の一流のリアクションでこのゲームをさらに楽しく……ってな!べ、別にマジのマジになってやってるとかじゃねぇから!」

 

カノンの指摘にさっきまでの自分がどれだけ恥ずかしい反応をしていたのか自覚する。少し赤くなりながら苦し紛れの言い訳をして何とか誤魔化そうとするも

 

「白守進……誤魔化そうとしても無駄ですよ。貴方の言葉の節々にただならぬ欲望を感じとりましたから。一体何を企てているのですかねぇ……?言うことを聞かせられるというのがそんなに魅力的なのですか?ん?」

 

と体に何本もの槍を突き刺さんばかりの鋭利な言葉攻めをするウェディングに進は全てを見透かされていることを悟った。

 

「な、何でもいいだろ!第一、俺が勝ったとしても今日中に命令するとかそんなことしないし!後日する予定だったんですーだ!」

 

「ほう?私達が居るこの場では命令する気はなかったと……つまりその命令は貴方にとって聞かれると不味い命令だということですか。ま、大方誰に命令するのかは予想がつきますがね。十中八九カノンでしょう?」

 

圧がっ……!圧がすごいッッ!!

 

「………………」

 

「沈黙は肯定と捉えますよ。はぁ…………いま決めました。」

 

「えっ……何を?」

 

何か……何か恐ろしい予感がする。

 

「白守進、貴方を徹底的に潰しましょう。カノンに命令をする等100年早いです。簡単に好きにできると思わないで下さい。そしてあわよくば私が一位になってカノンにあんなことやこんなことを……

 

「…………終わった。」

 

ウェディングの宣言に意気消沈する進。まさかバレていたとは思わなかった。こっそりと行う予定であった命令計画は儚く散ってしまったのだった。

 

(なっ、何でも2人ともそんなに私のことで必死に……?さっきまでは笑えてたのに、ここまで来ると何だか恐怖が先行してきたのだわ……)

 

2人の気迫にカノンはいつの間にか引きつった笑みを浮かべていた。爆笑とはほど遠い複雑な感情に苛まれながらも、カノンは自分も負けじと2人に戦う意思を見せつけることにした。

 

「2人とも勝つって言ってるけど、私だって簡単に負けるつもりはないのだわ。勝利は譲らないんだから!」

 

ヒートアップしていくカノン。この時、誰も気づいていなかったが敬語が外れていた。

 

「くっそ~……優勢だからって勢い付いてるな。まだまだここからぁ!ゲームってのは最後までどうなるか分からないから面白いんだ。奇跡の逆転を見せてやる!」

 

「カノン、申し訳ありませんが今回ばかりは勝たせてもらいますよ。私にも目的、と言うものがありますから。」

 

ゲームも後半に差し掛かっている。3人の暑き戦いにもそろそろ終止符が打たれるであろう。その結果が分かるのは神のみぞ知る……

 

 

~~約30分後~~

 

 

「うん……チャンスマス消えろ。」

 

進の静かなる怒りが爆発した!しかし、此は進自身の魂の叫びでもある!

 

「なんでッ!どうして最終ターンでっ……逆転され返されなきゃならないんだよッッ!!!!」

 

悲惨かな。ウェディングを徹底的に狙いスターを奪って奇跡の逆転を果たした進だったが、あと少しでトップのカノンを追い越せると言うところで悲劇は起きたのだ。

 

「流石の私も焦りましたよ……」

 

「先輩の言う通りゲームって本当に最後まで何があるか分からないんですね。」

 

「分からないって言ってもなぁ……まさか最後の最後にスター全交換が来るとは思わないじゃねぇか!!」

 

チャンスマス。文字通りチャンスが訪れるマス。土壇場でそのマスを踏み抜いたウェディングによって進はどん底へと叩き落とされてしまったのだ。嘆くのも無理はない。

 

「私は結果的に二位でカノンは一位。順位は変わらずということで終わりましたね。」

 

「……いや、まだ終わってねぇ。」

 

「?……何を言っているのです。もうゲームは終わった筈「終わってなんて無いぜ!!テレビを良く見な!」ん……?」

 

突然訳の分からないことを言い出す進に首をかしげるウェディング。遂にイカれてしまったか……そんな思いを抱いていた矢先であったのだが、テレビを見た瞬間ウェディングはその考え方を改めることとなる。

 

「こっ、これはッ!!ボーナススター……!?」

 

「ボーナススター?」

 

突然聞いたことの無い発表が始まり混乱する2人。その様子を進は不適な笑みを浮かべながら見ていた。

 

「これはな……ゲームの成績によってスターが一つもらえると言うイベントなんだ!!」

 

「なっ……スターが!?」

 

「まだ先輩にもチャンスがあるんですか……!?」

 

驚く2人を尻目に進は解説を続ける。

 

「そうだ。例えばミニゲームスターってのがあるんだが、これはミニゲームで一番多く勝利を収めた者がこの項目のスターになれて、ボーナスとして一つスターを獲得することができる。こんな感じのイベントなんだよ。」

 

「ち、因みに最大何個貰えるんですか?」

 

「15ターンだから……確か2個だな。」

 

「「!!」」

 

進の発言にウェディングは希望を、カノンは一筋の絶望を見出だした。

 

(も、もし私が一つでもスターを得てカノンが一つも得られなかった場合は……!まだまだ分からないと言うわけですか!!)

 

(私が一つでも取れれば安心なのだけど、もし一つも取れなかったら負けちゃうのだわ……ちょ、ちょっとドキドキしてきちゃった。)

 

これがボーナススターの醍醐味である。もしかしたら、もしかしたらあるのかもしれない。そんなドキドキ感を味わえるのだ。まさにこの2人の反応が狙いのシステムである。

 

(俺の場合は2つともそう取りしなきゃ終わりなんだがな……)

 

尚、進はドキドキではなくバクバクの模様。

 

「じゃ、発表を見るぞ。」

 

一同の視線がテレビ画面を凝視する。緊張感のある雰囲気に場が包み込まれる。そんななか一つ目のボーナススターが発表された。

 

「まずは……っ!レッドボーナスか!」

 

「マイナスなマスに多く止まった者のが貰える!?そ、そんなぁ~私自信無いです……」

 

「まさか……このゲームはマイナスですら止まることに利点が生まれるのですか!?」

 

そんなことを言いながら一同は結果を見守る。そして……

 

「おお!?キ、キター!!」

 

「うわぁ~……!い、嫌な予感が当たっちゃいました……」

 

「くっ!ますます分からなくなって来ましたか……!」

 

進がスターを受け取ったことにより現場は大盛り上がりを見せた。次のボーナスで全てが終わる。

 

「次は……来たッ!ミニゲームスター!!」

 

「嘘……!わ、私勝ってる自信がないのだわ。」

 

「……同感です。白守進はミニゲームだけは強かったですからね。正直私も自信はありません。」

 

「貰ったッ……!貰ったぜ、この勝負!!!」

 

自信ありげにそう宣言する進。何をかくそうこのゲームを持ってきたのは白守進なのだ。ゲーム中に手を抜いた覚えはない。本気でやったからこそ湧きでてくる自信だった。

 

そして進がボタンを押した。それと同時に結果が発表される。果たしてどうなる……!?

 

「えっ」

 

「「!?」」

 

すっとんきょうな声が木霊した。声の主は白守進である。他2人は結果を見てか驚きのあまり言葉を失っていた。一体何が起きているのか。それは次に耳に入ったカノンの言葉によって判明することとなる。

 

「スターが私とウェディングに来ましたよ!?」

 

そう、何とこのミニゲームスター勝利数が2人とも同じ且つ一番多い場合はそのどちら共にスターが配られるのだ!!

 

「これは……あ、ありなのですか?」

 

困惑するウェディングに進は動揺しながらも

 

「ありなんだけど……これは流石にあんまりだぁぁ!!」

 

と自身の敗北を嘆くのだった。

 

「思い返してみれば、今回は1vs3ミニゲームが多かった気がするな……しかも俺が大抵1人側でそれでいて負け続きだった。多分これのせいで負けたんだ……!多人数戦ならほぼ負け無しだったんだがなぁ。」

 

「なるほどぉ~。つまり、私とウェディングの連携が私の勝利に繋がったってことですね!」

 

そう言ってカノンは満面の笑みを浮かべながらウェディングの方へと顔を向けた。するとウェディングは少しだけぶるっと方を震わせたかと思うと

 

「見ましたか。此が私とカノンの絆です!私とカノンは如何なる障壁さえも乗り越える力がある!」

 

と満更でもなさそうにしながら進にそんなことを言うのだった。

 

「くっそ~!これが……2人の絆かッ!!なんて力なんだ!!」

 

「ウェ、ウェディング!ちょっと恥ずかしいからやめて。それにウェディングは別に勝てていないのだわ。あと先輩も悪ノリするのやめてください!」

 

確かに連携が良かったのは認めるが別に絆の話しはしていない。確かに深い絆で繋がっているだろうが、そう自信満々に言われると普通に恥ずかしいのだ。

 

とそんな感じで3人はわちゃわちゃしながら、この後の最終リザルトを見たりしてゲームを振り返っていた一同であった。

 

「いや~割とギリギリの戦いだったんだな~。」

 

「ほんとです。まさか先輩とのミニゲーム勝利数が2しか違わなかったなんてびっくりしましたよ。私が自信がなかったのもこういうことだったんですね。」

 

「しかし、貴方は不運なマスにばかり止まっていたのにも関わらず良くここまで巻き返しましたね。」

 

「マジでな~。でも結局勝てなかったからただ単に運が悪いプレイヤーだったぞってレッテルをゲームに貼られただけになるんだけどな。ははっ……」

 

「ふっ、言えてますね。」

 

進の自虐にクスリと笑うウェディング。そんな感じで雑談をしていたら

 

「先輩~?さっき言ったこと、忘れてませんよね?」

 

とカノンが声をかけてきた。遂にこのときが来てしまったかと思いながらも進はカノンの方へと顔を向けた。

 

「あぁ、勿論。勝った人は何でも1つだけ言うことを聞かせられる、だろ?」

 

「はい!」

 

「一体どの様な命令を下すのですか?」

 

ウェディングが興味深そうにカノンのことを見つめる。

 

「おいおい、流石にまだ決まってないんじゃないか?なんでもって結構でかいからな。カノンはじっくり考えていいと思う。」

 

「それが……も、もう決めてあるんです。」

 

「おーマジか。様子を見るに結構なものと見た。既に決めてあるってことはそれくらいカノンがしてほしいことって訳だろうしな。」

 

「カノンがしてほしいと思っていることですか。考えてみると、カノンが進んで自ら何かを求める姿を見たことがあまりありません。どの様なことを望んでいるのか想像しにくいですね。」

 

「確かに。案外カノンって無欲なんだよな。」

 

「貴方から見てもそう思いますか。私もカノンとは長い付き合いですが、私から見てもカノンは無欲と言いますか……これと言って欲しいものがあるように見えたことはありません。」

 

カノンの目の前でそんなことを話す2人。一方カノンはと言うと、2人の会話が進めば進む程に命令を言い出しにくくなっていた。

 

(わ、私ってそんな風に見えていたの!?ちょ、ちょっとこのお願い事言い出しにくくなっちゃったのだわ。)

 

「え、えっと……」

 

「ん、どうした?」

 

言い淀るカノンに進が声をかける。

 

冷静に考えてみれば、ウェディングもいる場でこのお願いするのは恥ずかしいなんてものではない。しかしいつまでももじもじしている訳にもいかない。そのせいで余計な時間を取らせるのも申し訳ないからだ。ここは1つ、意を決して言うことにしよう。

 

そうして覚悟を決めたカノンは

 

「わ、私のことを……な、撫でて欲しい…です……」

 

と進から目線を外しながらなんとも可愛らしい命令をするのだった。

 

「えっそんなことで良いのか?」

 

「……へ?」

 

思ってもみなかった返事に戸惑いを隠せないカノン。こんなに勇気を出して言ったのに、そんなことで良いのかなんて言われるのは少しだけ頂けないようにも思える。

 

「あ、そんなことっていうのは別にしょぼいとかそう言う意味で言ったんじゃなくて、それくらいだったら命令されなくとも言われたら何時でもするんだけどなーって思っただけで……」

 

「………………」

 

「ご、ごめん!気ぃ悪くさせちゃった!?」

 

言葉を発っさなくなったカノンに焦りを見せる進。少しの間が空いたあと、カノンは顔を赤くしながら

 

「悪くなんて……し、してません。は、早くしてください。これでもかなり勇気を振り絞って言ったんですから……!」

 

と進の発言に不満げな意見を放ちながらも、早く撫でて欲しいと急かすのであった。

 

「あー……えっとじゃ、じゃあ早速だが失礼させて貰うぞ……」

 

カノンの頭へと自身の掌を伸ばす。撫でるだけだというのに心臓の鼓動が激しく鳴り止まなかった。

 

「……んっ」

 

進よりも一回り小さいカノンはまるで人形のようだった。優しく右へ左へと手を動かす。掌の表面と髪の毛の擦れる音が辺りに響く。

 

「ど、どう……ですかね?」

 

「……むぅ、先輩遠慮しすぎです。もう少し強く撫でてくれないと先輩を感じられません。」

 

「これで……!?も、もう少し強くてもいいのか……?」

 

進としては普通に撫でていた筈なのだが、心のどこかで恥じらいを感じていたのか無意識に力を弱めてしまっていたらしい。

 

思えば、女の子とのスキンシップなんてほとんど取ってきたことがない。付き合ってからしたことといえば手を繋いだりキスをしたりだとか……いや、キスはスキンシップの域を少し越えているかもしれないがそこら辺はまぁその場の勢いということで……兎に角、経験の少ない進はこの状況にドギマギしてしまい思うように行動できなかったのだ。後は単純にどのくらいの力で撫でるという行為をしなければならないのかが分からなかった。

 

「どうしてそんなに控えめ何ですか。風邪の時は撫でてくれたのに……もしかして、本当は嫌だったり…しますか?」

 

不服そうに言うカノン。その上進の機嫌を確認してきた。これに進は酷く動揺してしまう。

 

「な、なわけないない!全然嫌とかじゃないから!ただその、いざ面と向かってするとなると緊張しちゃってさ。不甲斐ない……」

 

「……ふふっ、分かってますよ。少しからかいすぎちゃいましたね。ごめんなさい。でも、もうちょっと強めに撫でて欲しいのはほんとですから。」

 

申し訳なさそうにする進にカノンはどこか愛おしさを感じていた。自分のためにここまで思ってくれているのが凄く嬉しいのだ。

 

「そ、そうか。良かった、別に嫌な思いとかしてなくて。それよりも……そうだな、カノンが強くして欲しいって言ってるんだ。俺もそれに応えられるよう頑張ってみる。」

 

すると進はカノンを突然己の胸元まで抱き寄せた。

 

「わっ……」

 

思わず声が漏れるカノン。進の胸の中に収まっている感覚が全身に駆け巡る。頬が進の胸に触れている。男らしくて、それでいて安心する様な心地よい匂いが鼻の奥を刺激する。顔が熱くなっていくのがわかった。

 

「こ、こうした方が言い感じに力を込めて撫でやすいんだ。」

 

そう言って左手をカノンの背中へと回して自身の体に抱き止めて、もう片方の手で優しくてそれでいて力強くカノンの頭を撫でる。

 

「あっ……わっ、わわ……!」

 

まずい。この温もりは癖になってしまう。煩いくらいに心臓が跳ね、ドクドクと聞こえてくる筈なのにそれを進の心音が上書きしてくる。進も進でドキドキしてくれているのだ。今のカノンにはそれすらも心地良かった。

 

「よし……よし……」

 

「ひゃっ……ふぁっ」

 

耳元でそんなことを囁かれながら撫でられる。それがくすぐったくて、少しゾクッとしてしまう。ちらりと横目に見て進を確認してみるが、どうやら彼にはよしよしと呟いている自覚はなさそうだった。

 

思い返してみれば、白守唯さんもカノンのことを抱き締めてくれたときよしよしと言ってくれていた気がする。やはり、親子は似るものなのだろう。

 

その後も暫くは撫でられ続けていた。時々囁かれるのが心臓に悪く、何度ももうこの辺で良いだろうと言おうと思っていたのに何故か言い出せない自分がいた。気づけばまた囁かれて撫でられてを繰り返し、これが約5分ほど続いた頃に漸く声を上げることができた。

 

「も、もう良いですよ。」

 

「そう?遠慮しなくて良いぞ?減るもんじゃないしな。」

 

「大丈夫です。これ以上はもう、持ちそうにありませんから……」

 

「カノンがそう言うならわかった。」

 

「…………凄いものを目撃した気がします。」

 

傍で2人を眺めていたウェディングがある種の感嘆の声を上げた。ゼニスと言えど、先程の行為が男女間でする上でどれ程の意味を成すものなのか何となくだが分かるらしい。

 

「あ゛ー……なんかどっと疲れがでたわ。カノンはどうだった?」

 

「えっと、その……は、初めての感覚でした。抱き締められたり撫でられたことはあったんですけど、今回のは何だか普通のとは違かったといいますか……ただただ幸せな気分でした。」

 

「そうか、そう言ってくれるんなら嬉しいな。カノンが良ければ俺も本望ってやつだ。」

 

こうして、3人によるゲーム大会は幕を閉じた。白熱した試合からの甘酸っぱい雰囲気への落差が激しかったものの、その激動の変化が3人にとっての大切な思いでとして強く記憶に残ることになるだろう。

 

「でも、なんでいきなり撫でて欲しいなんて?」

 

進が疑問を口にする。確かに突拍子もなく撫でて欲しいと言われたのならそう思うのも無理はないだろう。

 

「風邪の時に先輩が私のことを撫でてくれたじゃないですか。あの時、すぐに寝ちゃったからあまり撫でられたときの感覚が残っていなくて……。でも凄く満たされた気分だったんです。暖かくて、いつまでもそうしていて欲しいってそう思いました。だからその時の感覚をもう一度感じたいって思ったんです。だからですかね。」

 

「なるほどね。」

 

「ふむ……そのようなことが。」

 

2人は納得といった表情で頷く。その上で言いたい。

 

なんて健気で可愛いんだ……!!!尊いっ!尊いぃぃぃぃ!!!

 

心の中でそんな感想を抱く進。今すぐにでも限界化したい。もう一度抱き締めてあげたい。だが、ここはぐっと我慢するのだ。ここぞと言うタイミングがまたきっと訪れる筈。その瞬間に抱き締めることで更に素晴らしいことが起きるに違いない。そんな謎理論を展開しながら進は抱きしめたい欲を抑えるのだった。

*1
多く持っている者がゲームに勝つことのできるアイテム

*2
スターを交換したりアイテムを買ったりすることのできる通貨




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