無垢の守護者と甘い恋   作:しゃべる

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前兆

結局あの後皆さんで考えてみたものの唯さんが親だと口にしてはいけないと言った理由は分かりませんでした。というより、途中でグレンさんが悪いことしてる気分になるから止めようと提案し、そこで考察は打ち止められたのです。そもそも私たちが知ったところでどうにもできないでしょうし、家庭の問題に首を突っ込むのはどうかと思ってはいたので心残りなことはありませんでした。

 

「それにしても災厄ですか…キリコさんのことなので信憑性はとても高いですが実感は余り湧きませんよね。」

 

あれから翌日、私は今日も今日とてプレイヤーさんと楽しく雑談していました。

 

「色々な方に協力を要請してみましたが、見事皆さん快く承諾してくれましたし何とかなりそうな気がしてきちゃいます。」

 

勿論油断はしてません。しかし、今まで共に戦ってきた戦友ともいえる者達が助力してくれるのです。辛いこともありましたが、それでも負ける気が全然しませんでした。

 

「ですが、災厄に関しての情報がやはり少なすぎると思いませんか?なんでしたっけ…確か、『禁断』という力が迫ってきているとか何とかキリコさんは仰られていましたよね。」

 

あの後も暫く話し合いは続いていたのですが、その話の内になぜ今までキリコさんが私たちにそんな重要な事を隠していたのかといった疑問が上がっていました。それ対しての回答は既にカイトさんが持っていたらしく、曰く私たちに力をつけさせるための試練を課していたとのことだったそうです。ですが状況が一変し、隠しておく暇すらなくなってしまいこうして私たちに情報が伝わったらしいのです。

 

「昨日はお会いできませんでしたけど、かなり焦っている様子でしたよね。それ程までに、未来が演算できないっていうのは深刻な問題なのでしょうか。」

 

私はプレイヤーさんにそう問いかけます。プレイヤーさんの考えも聞いてみたいと思いました。

 

「……え?気にしすぎ、ですか?仲間達の協力もあるからどっしり構えてた方がいい…って、それはそうかもしれませんけど…でも心配にもなります!いくらジャマー団やゴールデンエイジ、Q.E.D. さんらの力があるからといっても相手が不明なんですよ?」

 

負ける気はしない。これは本当にそう思っています。ですが、それでもいつ降りかかるかも分からない災厄のプレッシャーと、世界を守るという責任感がじわじわと私の精神をすり減らしていくのです。小さな不安も気になればすぐに大きくなっていきますよね?これは抱いてしまうのに不可抗力な感情なんだと思います。

 

「皆を信じろ…今までもそうやって困難を乗り越えてきた……そう、ですね。私、ちょっとらしくなかったかもしれません。実はその…カノンさんのあの事件、私の中で相当堪えたんです。だから今までは敵が居ても迷いなく戦えていたのに、今はそれに少し抵抗感を覚えているというか…でもそうですよね、何時までもくよくよしてたってなにも変わりません!そうと決まれば私達もなにかできないか考えましょう、プレイヤーさん!」

 

プレイヤーさんはやっぱりすごい方です。一緒にいるだけで何処か安心感すら覚えてしまいますし、言葉による説得力が何故か段違いにあります。そう思わせるだけの性格なのか、はたまた本人の秘めたる何らかの力が作用しているのかは分かりませんが、兎に角私もいつもの調子にまで戻ることができました。なので私は前向きに考え、とある考えをプレイヤーさんに言うことにします。

 

「昨日の会議で上がっていた懸念点の中に、クリーチャーの存在がこのままでは何れバレてしまうといったものがありましたよね。」

 

私の言葉に呼応するようにプレイヤーさんが頷きます。

 

「正直、いつかは公表することになるだろうと思っていたのでそこはいいんですが……カイトさんが仰っていたように、余りにもタイミングが早すぎるんです。受け入れられない住民の方も勿論出てくると思います。そこで私、考えてみたんです!私たちの軌跡を皆さんにお話しするのはどうかなって!クリーチャーという存在が一体どんなもので、どれだけ様々な種類がいるのかを知ってもらえば、ある程度は理解を得られるんじゃないかって考えたんです。どうでしょうか?」

 

覚悟はしていました。私達は元々別世界の民族です。そんな異分子ともいえる存在が何も言わずに勝手にこの世界に住み着いているなんて許される筈がありせん。段々クリーチャーの量も増えていってますし、何れはバレるだろうと思っていました。一応、今までも守護者の皆さんやシティ関係者の皆さんが総出で対策を練っていたようですが、今回のキリコさんの予言を皮切りに全てなくなってしまいました。準備する時間も僅かなものと限られているのに、今になってできかけでもない計画を遂行できるわけがありせん。

 

「…そうですか!?やっぱりプレイヤーさんも同意してくれると思ってました!ですよね~、散々隠し通して来たんですしやはりそれ相応の何かはしなくちゃいけませんよね。」

 

難しいことですが、それでも私にはプレイヤーさんという良き理解者であり最高のパートナーがいます。2人でなら何でもできる……そんな自信が湧いてきます。

 

「プレイヤーさん、私だけの力ではやっぱり限界があります。なので、その……今回の件の問題、これからも一緒にどうすればいいのか考えても貰えませんか?…………っ!ありがとうございます、プレイヤーさん。頼りにしますね!」

 

私がそう伝えると、プレイヤーさんも私に『ルピコも頼りにしている』と言われちゃいました。深刻な話題だというのに、気分は晴れやか明るい気持ちです。

 

さぁ、ここからまた気持ちを新たに頑張ろう!と息巻く私達。また大変になるなぁと思っていた──────その矢先に事件は起きました。

 

ドガァァン!!

 

と空気を震わすほどの鈍い音が街中に響き渡ったのです。

 

……嫌な、予感がしました。

 

「っ!?な、なんですか今の音!?あそこら辺から聞こえてきました!行ってみましょう!」

 

確実に危険性を孕む音に、私達は焦りを隠せません。急いで向かう私は、ただひたすらに誰かのイタズラであってほしいと願うばかりでした。

 


 

「皆さん、早く避難してください!」

 

多くの悲鳴が響き渡る中、エレナさんの必死の誘導が人々を動かしています。

 

結局私の予感は的中してしまいました。あの音の正体はこの街を襲撃したクリーチャーが破壊行動を行った際に生じた音だったのです。現場に着いた時には既に守護者の皆さんが対処をしており、それに加え近くにいた協力的なクリーチャーの方々も加勢していました。

 

「プレイヤーさん、私達は住民の皆さんを守って避難の手助けをしましょう!きっとエレナさん達なら大丈夫です!」

 

プレイヤーさんは二つ返事で頷き、速やかに対応を始めました。元々、会議をしていた段階で予め決まっていた動きなのでそこまではある程度冷静にいられました。

 

私達は兎に角守りに徹し、その他は敵の対処。カイトさんの考えた陣形なので不満はありません。それに、守りを行うのは私達だけではないのです。勿論別の班もありました。この調子ならば、多分後で合流できる筈です。

 

「流石です。避難経路も確保されていますし、クリーチャーも全くいません。たった一日しか準備できなかったというのに、ここまで上手くいくなんて…っと、感傷に浸っている場合ではありませんよね。ささっ、早く皆さんを避難所まで誘導しなくては!」

 

怯えている住民の皆さんの中には、私の変身した姿に驚いている方や、あの謎の襲撃者が一体なんなのか考察する方、守護者が何故あんな力を持っているのかと疑問に思っている方などがいました。ですが、今は緊急事態。説明している暇はありません。申し訳ないですが、今は指示が通りやすくなるためにも少し静かにして貰うために声をかけたりすることにしました。

 

すると、やはりやり場の無い恐怖を発散するかの如く私達に文句をつける人が出てきてしまいました。しかしこの程度で音を上げるわけにはいきません。私達が精神を乱されれば最後、この団体全体の統率は全て乱れてしまいます。ですので、私は非常に心苦しかったのですがその文句を適当にあしらうように、一言大丈夫ですとだけ言い対応することにしました。

 

そんな事がありながらも時間は過ぎ、そしてやっとの思いでシティの方々を避難所へと送り届けることに成功しました。

 

「おぉ!来たぞドラゴン!大丈夫か!怪我はしておらんかのー?」

 

「あっ、プリンプリンさん!はい、皆さんの協力のお陰かクリーチャーの一体にも出会わずに来れました!」

 

「待っていたぜ、ウェイティング!久しぶりだなルピコ、プレイヤー!」

 

避難所となったのは、様々な催しが開催されているアリーナです。その入り口にはプリンプリンさんとドラゴン龍さんの姿がありました。

 

「さぁ、話してる暇もないし俺は早速誘導を始めるぞ!皆、着いてきてくれカムヒアー!!」

 

そういって、ドラゴン龍さんはシティの方々をアリーナの中へと誘導を開始し始めました。疑心暗鬼になりながらも、この状況下では縋るものがないため渋々着いていくといった方もいましたが、今は我慢して貰う他有りません。

 

「お主らはカイト達を助けてやるのじゃ。話しには聞いておるかもしれぬが、このアリーナは妾達ゴールデンエイジか死守する!」

 

「分かりました。プリンプリンさん、シティの皆さんの事……頼みましたよ!」

 

「うむ、任せるのじゃ!」

 

この会話を最後に、私達はシティを……いえ、この世界を守るための戦場へと赴くのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、何もこんな直ぐ来る必要無いじゃない!」

 

「ほんとだよ~折角今日は休みだったの…ってわぁぁ!?あっぶなかったぁ~……」

 

「チッ!愚痴る暇すらねぇぞこの量っ…!」

 

グレンが悪態をつく。その目の前には、街を覆い尽くさんばかりのクリーチャーが大量に蔓延っていた。

 

「お、恐らくっ…見た感じでいうならこのクリーチャーは何者かに指示を出されている可能性が高いっ!何か得たいの知れない……明確な目的をもって行動しているように思えるんだ!」

 

「っ、つまりその黒幕を叩かないことにはこの騒動は終わらないと言うことですか?」

 

「あ、あぁ!そういうっ…ことだっ!!!キリコッ!そこに攻撃を叩き込め!」

 

「了解、マスター。」

 

正体不明のクリーチャー軍団。何故シティを破壊するのか、何故人間を襲うのか。考察すべき部分はまだ大量に残っている。たが、まずは目の前の問題と向き合わねばならなかった。考えるのは後だ。まずはある程度の安全を確保しなければならない。この量を相手にしながらクリーチャーの発生源を探し出すのは至難の業なのだ。

 

「フフフ、ひっさしぶりに暴れちゃうわよ~!ね、カットちゃん!」

 

「簡単に私達を倒せると思うなよっ!この街に手を出したことを後悔するんだな!」

 

JJにダピコも気合いバッチリな様子であり、意気揚々と敵陣に突っ込んでいる。幸い、量が多いだけで一体一体の力は余りないので手こずることはなかった。ただ、此のままだと日を跨ぐことになりそうなのが不安要素の一つではあるのだが。

 

そこから暫くしてルピコ達も合流し共に戦った。市民を守ることが最重要案件なため、アリーナにはゴールデンエイジの他にドラグナーの皆も向かって貰っている。というのも、襲撃しているクリーチャーが思いの外弱く、人員をこの場に割くのが少々躊躇われたのだ。決して慢心しているわけではない。いざとなれば直ぐに来れる距離でも一応はあるため、慎重になっているだけだった。

 

「?な、なんだ?いきなり数が減少した?」

 

約一、二時間戦闘を続けていた一同だったが、その戦いについに変化が訪れた。最初に違和感を覚えたのはカイトだ。思考する暇もなく濁流のように現れていたクリーチャーが少しだけ少なくなった気がしたのだ。事実、こうして数が減ったと考察できているのが根拠になっている。

 

「やはり確実に敵の手が弱まっている!」

 

そして、ある瞬間からそれは疑惑から確信に変わった。

 

「あれ?プレイヤーさん、なんだか先程よりも楽に戦えているような気がしませんか…?」

 

「コイツら、一体何を考えているの?敵前逃亡なんてそんなひ弱な奴らには見えないのに。」

 

「なんだ?急に勢いが弱まったぞ。こりゃもしかしてチャンスなんじゃねぇのか!」

 

「…皆も徐々に気付き始めてきたようだね。」

 

敵勢力の急激な変化に一同も気付いてきたようで、そこを皮切りにどんどんクリーチャーの数も減っていった。そして遂に、一体としてその凶暴な姿を見せる者は居なくなりこの場には静寂のみが訪れた。

 

「…明らかにおかしいですね、今の状況。」

 

エレナが先ず声を上げた。

 

「そうだな。もし仮にこの襲撃がキリコの言う災厄と関係ないんだとしたら傍迷惑どころではないが…何しろ余りにも唐突すぎる。キリコが未来を観測できなくなったタイミングでの襲撃なのを見るに関連性は確実にあると思うよ。まぁ、それなら尚更何故ここで奴らが引き上げたのかが分からないがね。」

 

「つっても原因はまだこの街にいる筈なんだろ?」

 

「確か黒幕がいるとかなんとか皆いってたよねー」

 

「えぇ、アイツらと戦っていて感じただけだけど確かにカイトの言う通り何らかの意思を持って奴らは私達と戦っていたと思うわ。殺気こそあれど、本来の目的はそうじゃないような……そんな気がした。」

 

「ふむ……色々と謎が残るが、一先ず一度アリーナに戻ってみないか?私はシティの人々の安否が気になるぞ。」

 

「………そうだね。街の倒壊は二の次だ。今は住民の安全を最優先に考えて行動すべきだ。皆、報告のためにも一旦アリーナに向かおう。」

 

了解、と一同が声に出す。それと同時に一同は一秒でも無駄をなくそうと最小限の動きで速やかにアリーナへと歩を進めた。

 

接敵することなく無事アリーナについた一同は、アリーナの全体的な管理を任されていたカスミに取り敢えず報告をすることにした。

 

「なるほど…分かりました。では、一旦は手の空いている方にパトロールをさせその間に私達は会議を行いましょう。」

 

「そうね。こうして話せる内に状況を整理しておかないと後々大変だもの。懸命な判断だと思うわ。」

 

「それに僕たちには多くの戦力がある。意見交換をして今後の作戦を練る必要もあるだろうし丁度良いかもしれないな。」

 

「じゃあQ.E.D. さんやプリンプリンさん達なども会議に混ぜると言うことてすか?」

 

「はい、そういうことになりますね。連絡は私の方からしておきますので、皆さんは一足先に会議室にて待機しておいてください。」

 

そう言うとカスミは忙しそうにしながらその場から去っていった。住民への対応などもあるのだろう。その苦労はとてもじゃないが想像できなかった。

 

会議室へと向かい、暫しの休養を得た一同。その間、誰も口を開かなかったのは起きてしまった災厄?の対処に対して疲労を感じていたため、少しでも体力を温存しようと思ったが故だった。それに、会話なんて会議をするときに思う存分したらいい。そんな時だった。ガチャ、と扉が音を立て開いたのだ。

 

「お待たせしました!此方ドラグナー組からグレンモルトさん、アイラさん、Q.E.D. さんとゴールデンエイジ組から鬼丸さん、修羅丸さん、プリンプリンさんをお呼びしましたよ!」

 

カスミが勢いよく入室すると、その背後からゾロゾロと見知った顔が現れる。

 

「よう、大変だったみたいだな。」

 

鬼丸が労いの言葉をかける。その声を聞いたルピコ達は、どこか少しだけ安心感を覚えた。仲間がいるという事実が幾分か心に癒しを与えたのである。

 

その後も各々が軽い挨拶をし、全員が椅子に腰掛けいよいよ話し合いが始まろうとしていた。

 

「じゃあ早速だが、今回の異変に関する会議を行おうと思う。進行はこの僕が担当させて貰う。」

 

緊張が張り詰める。そんな空気感に少し慣れていない者もいたが、今の状況に比べれば些細な事だった。

 

「今回現れたクリーチャーだが、先ず奴らはほぼ確実に何者かに遣われていると見て間違いないと考えている。」

 

「一応その理由をお聞かせ願いますか?」

 

Q.E.D. が質問する。

 

「あぁ、勿論だ。根拠として挙げられる理由で先ず言えるのは、意思の有無だ。クリーチャーがあんな大量に集団を作り攻撃を仕掛けるのは、ゴールデンエイジのように組織的な何かを作らない限り不可能に近い。それこそ、司令塔的な何かがなければあんなに統率が取れるわけがないんだ。そしてこれは僕の直感だが、戦っている最中僕は何者かの明確な悪意を裏に感じ取ったんだ。まるでクリーチャー全体を一個人が囲っているかのような錯覚に陥ったよ。まぁ、これは少し弱い理屈かもしれないが参考程度に頭に入れておいてくれ。次の理由は、シティへの攻撃が小さいことだ。仮にこの街を襲撃すると考えても、何故建物をもっと多く壊さず僕たちやその他の戦える者と長い時間接敵していたのか謎だ。住民を攻撃したいのならもっと滅茶苦茶に暴れても良い筈だ。あの量なら尚更ね。だけど奴らはそれをしなかった。なんなら敢えて僕たちを倒そうとしてきたようにも思える攻撃だった……そう、ただやたらめったら暴れるために攻撃を仕掛けた訳じゃない…奴らはちゃんとした計画性を持って襲撃していたんだ。」

 

「ふむ…映像で見ていましたが確かにあの量は異常でしたね。あそこまでの規模となると、やはり何者かの指示があると考えるのが妥当な気はします。貴方ほどの人間が言うのです。その勘とやらも強ちバカにはできません。ですが、もし本当に何者かの介入があるのだとするとかなり厄介この上ない…どうしたものか…」

 

「なぁ、流石にそれくらいは当たり前なんじゃないのか?大量のクリーチャーが同時に同じことをするなんて、こっちの世界でもそう言う場合は親方的な存在がいるぞ。それよりもこの異変への対応を考えた方が良いんじゃ……」

 

グレンモルトが至極全うな疑問をぶつける。その疑問を耳にしたカイトは、申し訳なさそうな表情で慌てて説明をした。

 

「す、すまなかった。皆にはまだ言ってなかったね。その災厄……禁断。以降禁断として話を進めるが、この禁断は────破壊以外の目的がない、言い換えれば獰猛な獣のような存在なんだ。」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

衝撃の事実にQ.E.D. 以外の者が驚愕する。

 

「だ、だからお二人は悩んでいたのですね……あり得るかもしれない、第三者の可能性に。」

 

察したのか、エレナが鋭い指摘をする。

 

「そういうことになりますね。シティには時々異変を起こす不届き者が出現すると聞きますし、もしかすると今回の事件は禁断とは関係ないのかもしれません。ですが、警戒するに越したことはないということです。エンペラー・キリコの演算能力には目を見張るものがあり言ってしまえば、彼女の未来予測はほぼ100%的中します。そんな未来予測が突如できなくなった翌日に事件は起きたのですから、疑り深くなるのも致し方なしかと。」

 

「ま、まてよ!なんでQ.E.D. はそんなに禁断ってやつに詳しいんだ?色々話してるが、イマイチよくわかんねぇ。どんな存在なんだ?想像しにくいから会議に参加しづらいぜ。」

 

鬼丸の疑問に何人かが深く頷く。何となくだが話の内容を理解できている者、唐突すぎて情報が頭の中に入ってこない者、そもそも今どんな情報を交換しているのかよく理解できていない者と、現在の状況は割と混沌を極めていた。

 

「そうだな……悪かったね、順を追って説明するよ。昨日協力を頼んだ時、もう既に忙しくなってしまっていたから詳しい詳細が説明できなかったんだ。そんな時、Q.E.D. だけはキリコのいう災厄に似た存在を知っていると教えてくれた。キリコのデータと重ね合わせてみても類似している点が多くて僕も驚いたよ。後で皆にも話そうとは思っていたんだがね……襲撃タイミングが早すぎてこのような形で伝えることになってしまった。」

 

「…なるほどな。んで、なんでQ.E.D. は禁断に詳しいんだ?」

 

「それは私から説明致しましょう。もしかするとご存知かもしれませんが、我々は嘗て同じ戦を経験した戦友です。その戦いにおいて重要となった人物がデッドマンという者でした。彼は、彼と私が共同研究時に手を付けていたオール・オーバー・ザ・ワールドという強大な力を持つクリーチャーを使い自己満足のために利用したのです。」

 

最早昔のことかのように懐かしむ様子の面々。当事者でない鬼丸達もまた、そのような話は小耳に挟んでいたため追い付けない話ではなかった。

 

「では、デッドマンは何故そんなものを作ってしまったのか。それに関係したのが………災厄…そう、禁断の存在だったのです。禁断の力を目にし余りの強大さに恐れたデッドマンはその対策としてオール・オーバー・ザ・ワールド作ったわけですね。」

 

「なるほどの、じゃからお主は禁断について少々詳しかった訳じゃな。」

 

「その通り!!」

 

思わぬ関連性に、その情報を知らなかった者は驚きを隠せなかった。まさかあの凶悪な男がそんな理由で事件を起こしていたとは思わなかったのだ。いや、事件を起こした理由は正確には違うのだろうが。

 

「私の話はここまでにしましょう。それでは、続きを話してくれますか?カイト。」

 

「わかった。こういうわけで僕は禁断の情報を得たわけだが……話を聞くに禁断は、知的生命体が制御できる代物でないらしい。使おうものなら、その大きすぎる力に逆に呑み込まれてしまう。そんな危険なものだ。その上でだ、今回のこの襲撃事件、首謀者がもし仮に禁断と関係するものだとしたら…?」

 

「…なるほど、そういうことか。」

 

「俺もわかったぜ。こりゃ本当に厄介な事件の可能性があるな。」

 

「……?すまない、禁断が関係してたとしてそれが一体どうしたって言うんだ?」

 

修羅丸と鬼丸が理解を示す中グレンモルトだけが首をかしげており、その様子にアイラは少し呆れながら説明をした。

 

「もう、こういう時のモルトは本当に……さっきの会話を思い出してみて?今回襲撃してきた奴らは、もしかすると第三者の可能性が有るんだよ?でも禁断は何者の手にも負えない強大な存在なの。」

 

「あ、あぁ!なるほどそういうことか!つまり皆は、この街を攻撃してきた奴らがどんな目的で襲っているのか分からないって話してたってことだったのか!」

 

頭がスッキリしたのか、ハキハキと喋るグレンモルト。

 

「ふっ、まあ大体はそういうことになるかな。というわけで皆、先程グレンモルトが言ってたように今回の襲撃者は未知数な存在となっている。何かしらの経路で禁断の情報を知っている何かなのか、それとも単純に攻撃しただけのクリーチャー軍団なのか、はたまたさらに別の存在…例えば禁断自らが遣わす意思のない傀儡の集団等だったりするのか。まだ不明瞭な点が多い。」

 

「うーむ…敵の詳細が今のところいつか来る禁断の存在だけな故、これから立てる対策にも支障をきたすことになりそうじゃの。」

 

「単純な数責めでも、存外ダメージが効くものね。このペースで来られるとジリ貧にもなりそうだわ。やはり大元を叩く他方法はなさそうね。」

 

「で、ですが…敵の目的が不明な時点で情報が尽きてしまいます。プリンプリンさんの言う通り、大元がどんな姿形をしていて、先ず対話が可能なのかすら分からない時点では叩きようがなく対策を立てるどころではないですね…」

 

ルカの言うことは尤もなことであり、ルピコの懸念も尤もな意見だった。張り詰めた空気が辺りを漂う。活路が完全に塞がってしまった今、どう行動に移し何をすべきなのかを見失ってしまっていた。八方塞がりとはこのことである。

 

途中、"悩んでいても仕方がない。取り敢えず動いてみないと状況は変わらない"という意見をした者もいたが

 

『何時もならそうなんだが…今回の状況はまるで違っている。今までの僕たちは、自分自身の身を守り困った者を助け協力する立場だったから動きやすかったんだ。だが、今は全く関係のない一般人までもを巻き込んでしまっている。この人数を一気に襲われたらどうする?今なら対処できるかも知れないが、僕たちが調査している間なんかに不意打ちされれば一溜りもない。戦力ですらまだよく分かっていない現状、変に我々も動くべきでないのは火を見るよりも明らかだろう。』

 

とカイトに言われ、押し黙るしかなかった。もっと慎重になるべきだと忠告を受け、今の状況が改めて如何に危険な事柄なのかを実感する一同。

 

生物は突然起きた出来事を飲み込むのに少々時間を要するらしい。ルピコなんかは最たる例である。負ける気がしなかったからこそ、思ったよりもシビアな現状に深層心理が上手く現実を受け止められずどこかふわふわした感覚だった。だが、会議中の皆の表情を見て思い知った。

 

 

今回の事件は一筋縄では行かない、と

 

 

禁断の力を目にしていないからこそ逆に恐怖心が煽られ不安になってくる。だが、それでも今まで折れたことなんて一度もなかった。苦しい思いをして、乗り越えてを繰り返してきたのだ。それは他の者も同様である。

 

全員が諦めてなかった。作戦が定まらない状況下においても、誰一人として弱音を吐くことなく真剣に思考を張り巡らせる。そんな時だった

 

「そう言えばカノンはどうしたの?」

 

それはアイラの何気ない一言だった。

 

そういや見ないなと鬼丸が不思議そうに声を上げる。その疑問は、別世界のクリーチャー組が全員共感したようだった。

 

「ゼニスの力もあれば多少はアリーナの守りも硬くできそうなものだが、確かにどこにもいないな。この前挨拶に行った時はここにまだ住んでいた筈だが…協力をお願いし忘れたとでもいうのか?」

 

修羅丸の尤もな意見に、カイトは少し言いにくそうにしながらこう答えた。

 

「いや、其がね……知ってるとは思うが、カノンには進くんという彼氏がいるだろう?連絡をしてみたんだが、どうも今彼女らは旅行に行ってるらしくてね。」

 

「りょ、旅行…ですか?」

 

シリアスな雰囲気から出たとは思えない単語に反応するQ.E.D. 。その声音には少しの困惑も混ざっていた。

 

「その、こんな状況で言うのもなんだが…邪魔しちゃ悪いかと思ってしまってね……禁断の事は一切話さずに電話を切ったよ。」

 

「お~マジか。あいつら相変わらず仲良いなー。」

 

「ふむ、旅行中だったか。ならばこの場に居ない理由も頷けるな。だがしかし…あのカノンがそこまで積極的に行動するとは。感慨深いものがある。」

 

「確かにの。元々そういう性格だったのかも知れぬが、明らかに進との絡みを経てカノンは変わっておるようじゃな。」

 

カノンの成長とその変わりように驚きと嬉しさが半々なプリンプリン達。対照的に、ドラグナーと一体のドラグハート・クリーチャーはと言うと

 

「カノン、今旅行なんてしてたんだ。いいなぁ…あっ、そう言えばあの作戦立てた後の事聞いてなかった。禁断をどうにかしたら聞いてみようかな。」

 

「最近音沙汰が無かったと思えば…進は今遠くに居るんだな。ならっ、尚更負けるわけにはいかない!進が帰ってくる前に敵を打ち倒さなければ!」

 

「呑気なものですね~。私達が苦労してるとも知らずに旅行ですか。ふっ、安心してください。この完璧な私さえいればゼニスの力を借りずとも禁断なんて2日も経たずに始末できますとも!」

 

鬼丸達ほど関係が強いわけではないので、どこか少し他人事のような、それでも友達、知人として会話を交わしデュエマなどもした仲なので帰ってくる前までには何とかしようと意気込む位の感じで各々が反応を示していた。

 

平和な話を聞けたことで幾分か場の雰囲気が柔らかくなった。それに、一同のやる気も十分にあることを再確認できた。こうなれば最早割りきって選択するしかない。そう思ったカイトはこう話を切り出した。

 

「…ここは一つ、賭けに出てみるしかないかもな。」

 

「っ……マスター…」

 

キリコがカイトの方へと顔を向ける。その瞳はまるで相手の覚悟を推し量るような鋭い眼差しをしていた。それに対してカイトは、力強く頷き自身に纏わりついた悩みを払拭するかのような微笑みを浮かべ、そして静かにキリコから目線をそらし話を続けた。

 

「さっきも言った通り、敵を打倒しようと戦力を片寄らせ過ぎるとここの守りが脆くなる。がしかし、だからと言ってまたアイツらの出現を待ち続けるのもそれはそれでリスクの高い行為だ。」

 

ここまで聞き、頭の回る者は既にカイトの言わんとすることを理解した。その他の者も静かに相槌を打ちつつ話を聞いている。

 

「バランスよく戦力を振り分ければ良いのかもしれないが、如何せんあの数だ。流石に元凶が弱い可能性はないと考えたほうが良い。もし仮に発見し敵対してしまったとして、バランスよく振り分けた場合じゃ手も足も出ないかもしれない。あと少し戦力があれば何とか勝てるような相手だったならば?そんな状況に陥る可能性は十二分ににある。そう、慎重にならなきゃいけないんだよ………普通はね。」

 

カイトは非常に次に来る言葉を言いたくなさそうにしていた。だが、次の瞬間覚悟を決めたような引き締まった表情に変化し、重い口をゆっくりと開きこう話した。

 

「本来ならば慎重にならざるを得ない状況だが、禁断の事を考えると悠長にもしてられない。禁断が来たら今の状態だと反抗すらできず全てが終わるだろう。だから僕は……外での調査、及び打倒黒幕班に全ての戦力をつぎ込もうと思った。」

 

『…ッ!!』

 

一同が驚きの表情を見せる。慎重になりすぎではないかと、禁断の情報だけを耳にして判断が鈍ってしまったのではないかと、様々な考えが一同の心の中で飛び交う。Q.E.D. とキリコを除いて。

 

「アリーナの守りは最低限に、ゴールデンエイジから多少の人員を引き抜き、プリンプリン、鬼丸、修羅丸自らも出向いてもらいたい。それに、グレンモルト達も同様だ。アイラとグレンモルトは勿論、Q.E.D. もなるべく戦線にいてほしい。それにその他ドラグナー達にも助けてもらいたいな。」

 

「ちょ、ちょちょーっと待ってください?!」

 

これまで静観していたカスミが困惑気味に声を上げる。

 

「飽くまで私達は無関係の市民を守るために戦っているんですよ!?そうする理屈は分かりますし仕方ないとは思います。けどですね!それは流石にやりすぎではありませんか!?戦力は鬼丸さんやグレンモルトさん達の力で十分だと私は思っています。味方が多すぎても連携や連絡が難しくなるかもしれないですし……」

 

「…っ、すまない……」

 

カスミの正論にカイトは只謝ることしかできない。しかし、それでも退くことはなかった。

 

「…そこまで、禁断という存在は恐ろしいものなんですか?」

 

微かに抱いていた疑問をカスミが問いかける。すると、その言葉に呼応してかしないでか、Q.E.D. とキリコが同時に立ち上がり

 

「「それは私が保証する(します)」」

 

とカイトを擁護するようにして割って入ってきた。

 

「Q.E.D. さんは分かります。ですが、何故キリコさんまで恐ろしいと言い切れるんですか。キリコさんは飽くまで大体の未来を予測するだけですよね?細かくは見れない筈です。」

 

「………これは、言いづらかったんだけど…私は過去に、何度も何度もシティが滅んだ未来を観測している。」

 

「な……」

 

エレナが思わず絶句する。禁断の来る未来を観測したまでは聞いた。だが、明確にシティが滅んでいたとなると話しは別だ。禁断の襲来のその先を観ているのだ。幾ら未来を変えられると言っても、変えるには相当な苦労を強いられる筈。そりゃ元々決まっていた流れを断ち切るのだから当然の対価ではあった。……その未来が確定的であればあるほど変える難易度が比例して上がっていくのを無視できたら、の話ではあるが。兎に角、この一言でキリコの言う禁断の存在がどれ程危険なのかの説得力が生まれた。

 

「なるほど、キリコさんの仰られることは何となくですが分かりました。……はぁ、わかりましたよカイトさん。アリーナの戦力、思う存分持っていってください。」

 

「本当か…!カスミ、本当に感謝する!」

 

「いえ、私も少し頑固すぎました。皆さんを守らなければと思うといても立ってもいられず…」

 

「無理もないな。カイトの言うことは謂わば無茶振りに近いんだ。逆によく妥協できたと私は思う。」

 

ダピコがカスミをフォローする。シティ全ての人間を一斉に管理するなんて、カスミ以外にできる人間はいないだろう。彼女もそれは何となく思ってはいた。それは自画自賛だとかそういったものではなく、単純に現在の状況からそう思わざるを得なかっただけなのだが。だからこそ、己の限界を誰よりも知っているからこそカスミはこうして焦ったのかもしれない。

 

「幸い、敵一体一体の戦闘力は大したものじゃない。少々骨の折れる奴もいるが、皆が力を貸してくれるなら余り問題でもないね。だから、攻めるなら敵のいない…今しかないんだと思う。」

 

大体の方針はほぼ決まった。カイトの言葉を後に一拍の静寂が訪れる。その数秒の過ぎた時間は、各々がやるべき事を認識し、覚悟を決めているものだ。

 

「…やるしか、ないみたいだね。」

 

「そうだな。アイラ、俺たちの力を見せてやろう!」

 

「うんっ、皆も一緒に頑張ろう!」

 

何となく暗くなっていた雰囲気を壊したのは、アイラとグレンモルトだった。持ち前の明るさで周囲を鼓舞する。

 

「ま、私は元々やる気でしたけどね。禁断かどうかなんてこの際どうでも良いのです。私はあなた達に恩がありますから、これくらいの事は任せてください。それに、あの時と違い後ろめたい事情もないので今回は私の頭脳をフル活用できそうです。完璧な存在を前には平伏すしかないというのを教えて差し上げましょう!」

 

次に声をあげたQ.E.D. は、やはりと言うべきか通常運転で意気揚々と語っていた。自意識過剰な部分が玉に瑕なのは多少否めないが、それでも彼女の実力は本物だ。その力強い言葉にルピコは素直に頼もしいと思った。

 

「うむ、わらわらも言うことなしなのじゃ!お主らとの関係をもってからかなり長くなるし、喜んで力を貸すぞ!」

 

「私も、姉上が仰られるから助けるのではなく私個人の意向に沿って協力させてもらいたい。一度助けられた命だ。幾らでも使ってくれて構わない。」

 

「っしゃー!やってやるぜえぇ!!!最近体が鈍っちまってたんだ、暴れるには丁度良いな!」

 

「助かるよ、皆……本当に。急な頼み事なのに引き受けてくれてありがとう。」

 

カイトが礼を言う。すると鬼丸が『気にすんなって!困ったときはお互い様だろうが!』と元気よく言い放っていた。

 

「無論、皆もいつも通り頼りにしているよ。これからも頼んだ。」

 

「ふんっ、当然ね。この中でいっちばん強いのはルカ姉何だから!頼ってもらわないと困るわ!」

 

「や、やめなさいJJ…でも今回の事件、確かに今までのとは何か違う気がするし、いつも以上に気合いは入れて行くつもりよ。任せなさい、闇よりも深い深淵を見せてやるわ。」

 

「反撃開始だな!そうと決まればグズグズしてられねぇ。一秒でも早く行動に移そうぜ、カイト!そしてアイツらを見返してやるんだ!」

 

「ふふっ、皆さんやる気満々といった感じですね。私も負けていられません。光の底力、見せて差し上げましょう!」

 

「おお~熱気がすごいねー。これは僕も力を抜くわけにはいかないなー。まぁ、そもそも抜いたことないんだけどね。自然の力は何者にも敵わないし!今回もすっごく暴れちゃうよ~!」

 

「ルピコ、これは私達も遅れをとる訳にはいかないな。この事件、全力で挑もうじゃないか!私は返り討ちにして見せるぞ!」

 

「はいっ!プレイヤーさん、何としてでもこの勝負勝って見せましょうね!大丈夫です、今までだって何とかなってきたんですから、今回だってきっと!」

 

一同の士気は最高潮に達した。ここから、シティの反撃が始まるのだ。興奮覚め止まぬ中、カスミは大急ぎで

 

「私、今から戦いにいけそうなクリーチャーの方々を探してきます!」

 

と言い部屋を後にしていた。現在のこの場は非常に良い雰囲気だった。流れが来ていると言っても良いだろう。何となくだが、窮地を脱し逆転するいつもの流れと雰囲気が似ていたのだ。だが、ただ一人だけその場の雰囲気に呑まれなかった者がいた。

 

「……私の見た未来とは随分違っているけれど…これで、勝機は見えてきた…の?…っ、らしく、ない。マスター…いや、シティは幾度の危機を乗り越えてきた。今更怖じ気づく必要なんてない。だと言うのに…あのことが気になって仕方がない。」

 

キリコは一人、誰にも気付かれることなくポツリと呟く。まるで自身に言い聞かせるかのように、不安を掻き消すかのように言葉を紡いでいた。

 

「関係あると思っていたのに……どうして────今のこの場に白守進(イレギュラー)が居ない?」

 

それは、世界の理に触れる禁忌。誰にも明かせないキリコだけの秘密だった。

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