カノンと別れ帰路へと着き、家にて進は今日あったことを思い返していた。
「今日は色々あって疲れたなー…………」
本当に疲れた。まぁ働き始めてから初めて客に反抗なんてしたしなぁ……
「うーむ……しかしカノンがあそこまで思い詰めていたとは……」
進はその気持ちを察して上げられなかった自分への不甲斐なさを感じる。
「しかし……カノンの言っていた償いってなんなんだ?」
進はふとそんなことを思いだし疑問を口にだす。カノンからの独白を聞いていた際にはきっと色々なことを考えていて、苦しんでいたんだろうとしか思っていなかったが、思い返してみるとその独白の内容にしては少々言葉が重かったようにも感じた。しかし、考えても答えは出ず謎が深まるばかりであった。
「償うって……カノンなにかしちゃったのかねぇ?でも、そんなことするような子には見えないし……」
進は思考する、が仮にも関係性としては先輩と後輩というだけでそこまでの詮索をするのも悪い気がしてくる。そもそも人は誰しもが知られたくない秘密を1つや2つ持っている。きっとカノンにだって知られたくないことがあるはずだ。そう考えた進はカノンについて考えることを辞め、別の考えへと思考を移す。
「それにしても、カノンに説明してて思ったが店長の話おかしいとこばっかじゃんか。」
そう、何故店長は同じ場所で店を経営することができなかったのか。何故壊白なる人物は店長を未だに狙うのか。それが不可解であった。
「なーんか妙なんだよなぁ……店長の誇りを折ったからってなんになるんだか……あの人鋼メンタルだし、そりゃあ多少は傷つくだろうけど……閉店ってレベルでもないもんなぁ……」
店長から過去の話を聞いているときは、先程まで客に恐喝されていたのもあってかあまり真剣に店長の話を考えていて無かったし、あまりにも突然の話しすぎてというか現実味が無さすぎて話し半分で聞いてたんだよなぁ
「うーん……わからん……」
考えてもわからない迷宮にとらわれそうになった進は思考するのを辞めた。しかしまだまだ疑問は残っているらしく
「そういや、なんで俺あんなにカノンが守りたくなったんだ?なんか口調もちょっとキモかったしな……」
進はカノンが迷惑客に絡まれている光景を目にした瞬間のことを思い出していた。
「なんか……カノンの困ってる顔を見たらすっごい怒りが出てきたんだよな……まだ会ってから2週間ちょっとだよな……」
進は、怒りとはまた違う別の何かの感情に違和感を覚えながらも考えても仕方がないのでとりあえず夕食の準備をするのだった。
「ルピコ、毎日こんなにしてもらって…本当にありがとう。」
「いえいえ!友達のためならこんなことくらい幾らでもできますから!」
ここはルピコ……デュエマシティのナビゲーターであるルピコの家である。カノンは進と別れたあとルピコの家へと趣いていた。
「でも……ここに来てから毎日寝させてもらっているし、お風呂だって使わせてもらってるし……何だか悪いなと思って。」
「もう~カノンさん!そんなこと気にしなくていいんですよ!それに来週からはカノンさんもちゃんとした家にすめるようになるんですし、私も結構カノンさんとの生活は楽しかったですから!」
「ルピコ……ありがとう。」
カノンはイズモとの戦いのあと、デュエマシティにも多少なりとも迷惑をかけたため何らかの奉仕活動をしたいとルピコに相談した。その結果、市長のマハラジャ・ドラゴンが住居を(タダでとはいかないが)貸すので、暫くの間ここでテュエマシティを楽しんでほしいと言われたのだ。そしてその家の準備ができるまで居候という形でルピコに住まわせて貰っているのである。
「ねぇ……ちょっと聞きたいことがあるのだけど…」
「はい?なんでしょうか?」
突然カノンから声をかけられたが笑顔をみせ、カノンの言葉を待つルピコ。
「その、市長さんがデュエマシティを楽しんでほしいと言っていたけど、本当にそんなことが奉仕活動になるの?」
そんな言葉を聞いたルピコは、大丈夫だといった表情で答えてくれる。
「心配しなくても大丈夫です!なにせ市長さんはデュエマシティを運営する時最も大事なことは、デュエマを楽しんでもらえているかどうかが大事、とおっしゃっていましたから!それにカノンさんがデュエマシティを楽しんで貰えてる時点で利益にはなりますし、カノンさんもデュエマシティを楽しめて一石二鳥なので!それに……」
デュエマシティへの奉仕が出来ることを教えられたカノンだが、ルピコがまだなにか意味ありげな一言を付け加えるので、聞き返すカノン。
「それに……?」
「あの戦いのあとプレイヤーさん達と遊ぶって約束しましたから!」
「……!」
そう、カノンはイズモ……いやカノンからしてみればサスペンスと戦うと決めたあの時、刺し違えるつもりだったカノンはルピコ達から制止された後交わした約束があったのだ。
「そう……だったわ……それなら私もその約束に応えなきゃいけないのだわ!」
「そのいきです!私も楽しみにしてますからね!」
「わ、私も楽しみにしているわ!」
とカノンは少し恥ずかしそうにルピコに応えるのだった
設定表みたいなのいつか出します。
設定として主人公はこのデュエマシティには1ヶ月くらい前に引っ越してきたばっかりで、このまちで起こったことをほぼ知りません。