最強の幼馴染が弱体化したので今度は俺が守ろうと思う 作:怠惰
昔々、なんて言いたくはない。
五年ぐらい前か。最後にアイツが、メインデッキで勝負をしていたのは。
アレから五年が経って。今、そのデッキは俺の元にある。最初に言っておくけど、別にアイツは死んだ訳じゃない。
唯、熱意を失っただけだ。昔のアイツは貪欲だった、何に対しても。好きな玩具、好きなカード。好きな食べ物。異常な拘りを見せてた。そんなアイツはもういない。
昔の
この世界を簡単に言うなら、カードゲームが全ての世界だ。勝てば勝者、負ければ敗者。シンプルだろ?だから誰もが真剣に戦う。己のベストデッキを作って戦うんだ。
「なのに、何でお前は
『だって可愛いじゃん、デザートアニマル』
そう言って笑いながら、コチラにカードを見せる彼女の姿には。嬉々として対戦相手の尻子玉を抜き、コレクションにしようとしていた当時の面影は一切無い。
デッキは個人のバトルスタイル。言わばソイツの人生と言っても過言じゃない。と言っても、デッキを変えない人もいない訳じゃないが珍しい方だ。
「可愛いのは分かるけど、そんなんで戦えるのかよ」
カードに描かれたストロベリーキャットは名前と共にイラストも何処か頼り無さそうだ。
『別に大丈夫だよ、それに知ってるでしょ?私の無敗記録』
それを言われて、俺は何も言えなくなってしまった。言いたい事ならある。けど、彼女がそれを言ったら話はおしまいの合図だ。もし、これ以上話をしたければ……。
「付き合えよ」
『乗った!』
カードバトルで語るしか無い。
『まずは私から、ふむふむ』
先攻はアヤナから、さぁデザートデッキの実力見せて貰おうか。
『プリリンパレードを召喚、そしてカードを一枚スリープ。終わり』
成程、
「戦場の小豆洗い、障子のメアリーを呼び出し。アヤナに攻撃!」
『プリリンパレードで、あっ……』
途中で破壊され、アヤナは攻撃を受けた。
そこから持ち返す事も出来ず、そのままアヤナは負けてしまった。やっぱりデザートアニマルデッキは、キャラが可愛すぎるが故に強いキャラがいない。
「改めて、何でデザートアニマルデッキなんだ?」
『君がもう少し強くなったら教えてあげるよ、君はまだそのデッキを使いこなせてないからね』
結局、今日も教えてくれなかった。一体何でなのか。また、教えて貰う為に強くなる為に誰かと戦うか。
弱くなった幼馴染を守る為、俺は今日も戦う。