東方水仙想   作:ゆっくり無色饅頭

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我慢できぬぅ!と言うことで、本来時空異終わったら書こうと思ってた奴です。
強さを追求する仙人、草伽華水仙の活躍をご覧ください。


その女 仙人にして

少女は走っていた。全力で走っていた。3人の妖怪がそこまで迫っている。少女はこの森に薬草を取りに来ただけだったので、何も持っていない。ただひたすら逃げ続けていた。

 

「はぁはぁはぁ……ッ⁉︎」

 

少女の目の前には断崖絶壁がただ少女を逃すまいと、聳え立っていた。妖怪達はジリジリと寄ってくる。

もうだめだ、殺される。そう思って強く目を閉じその時を覚悟した。

 

「ギャァァァァ!」

 

この叫び声は少女のものではない。妖怪達の内の1人の叫び声である。少女が何かした訳でもない。急に1人の妖怪が全身から血を吹き出し、絶命したのだ。

何が起こったのか訳も分からない。得体の知れない何かに妖怪は一瞬で殺された。

そこに、1人の女が現れた。美しい鶯色の長い髪に、胸元に輝く翡翠のネックレス。そしてさらに驚くのは、白い大蛇をまるでタオルのように首に掛けている事だ。

 

「貴方達、今すぐ立ち去りなさい。この少女は私が保護します。」

「あぁ?なんだと人間が調子に乗ってんじゃ……」

「人間ではありません。仙人です。」

「どっちでもいいんだよ!んなこたぁ!死ねぇ!」

妖怪は二人掛かりで、女仙人に襲いかかる。しかし全て躱され挙句には反撃を食らうしまつ。しかも、一撃一撃がとても女仙人の細い腕から放たれるものとは思えないパワーなのだ。

 

「ち、ちくしょう!次会ったら覚えてやがれ!」

「貴方々に次はありません。逆流しなさい。」

「く……か……あっ!グベラッ⁉︎」

 

妖怪達は爆散して、木っ端微塵に吹き飛んだ。

ただ、女仙人が右手を彼らにかざしただけで妖怪達の命はいともたやすく消されたのだ。

 

「さぁ、貴女も早くお帰りなさい。安心して、私は人間の味方だから。」

「おいおい、じゃあ俺はどうなるんだ。」

「⁉︎」

 

急に首に掛けられていた大蛇が喋ったのだ。驚くのは無理もない。何を隠そうこの蛇は唯一女仙人が気に入っている妖怪なのだから。さっきの女仙人が言った言葉に文句を言ったのは、そのためだ。

 

「立てる?」

「腰が抜けちゃって……」

「白蛇、降りて。この子を人里まで送るから。」

「わーったよ。」

 

この蛇妖怪は白蛇というらしい。まんまである。

そして少女は仙人におぶられて、人里まで帰ってきた。

その背中は暖かく、まるで優しさに包まれたような気分になったらしい。

 

「あ、ありがとうございました!貴女の名前は何ですか?」

「私ですか?私は草伽華水仙(くさかげすいせん)。強さを追求するのが私の生き甲斐です。」

「いや、最後のは聞かれてないだろ。」

 

白蛇にツッコまれ、若干しょんぼりしながらも草伽華水仙は修行場へ帰っていった。

 

……ーーあの人若干抜けてるのかな。

 

少女はそう思ったが口にはしなかった。そして無事薬草を家に持ち帰ったらしい。

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