「腹減った〜」
ある日の昼下がり。ゴールドシップはお腹を空かせてトレセンの敷地内を彷徨っていた。彼女は昼前に早弁をしてしまったために食べるものが無いのである。
「なんか食うもんないかな。……お?」
ゴルシはとある畑を見つけて足を止めた。その畑はトレセンの理事長が管理している畑で、最近生徒に貸し出している畑だった。
「おっしゃー!今日のご飯見っけ!そういえばこの畑は自由に使って良いって言ってたもんな!ちょっと野菜もらっていくか!」
ゴルシは大喜びで畑に駆け寄り、敷地内に足を踏み入れようとした。
ヒュ
目の前に一条の光が通った。ゴルシは不思議に思って光の通った先を視線を向けるとそこには矢が刺さっていた。
「は?」
ヒュ、ヒュ
さらに2本。足元と鼻先を通過した。ここでようやく狙われていると察したゴルシは急いでその場から離れた。
「逃げた!」
「どうせまた来ます!今のうちに狩りましょう!」
畑から2人追ってきた。手にはボウガンを持っていた。本格的に命の危険を感じたゴルシは全速力で逃げる。
「おいおいおい!冗談じゃねーぞ!死ぬって」
「畑を荒らそうとする不届者は害獣と一緒です!死ねぇ!」
「うわあぶね!ちっくしょー!とりあえず撒くか」
さすがはゴルシ。イタズラのために敷地内を把握していることもあり、追跡者を撒くのに時間は掛からなかった。
「クッソ、余計に腹減った。もう追ってきてないか?」
茂みに隠れて安全なのを確認して茂みから出る。
「このまま諦めるのはなんか癪だな。次は夜行くか!それまでは木の枝齧るか」
手頃な木の枝を手折って、畑の侵入経路を考えるべく教室に戻った。
夜8時。門限の関係で深夜に活動することは出来ないので、1時間前のこの時間に決行することにした。
別に夕食を食べられたため、特に野菜を盗む気はもう無かったが、ただ単純に警備が厳重な所に入りたいという欲望を満たすためだけの行動だった。
「さて、あの辺の地理も頭に叩き込んだし、そろそろ行くか」
まずは畑の様子を見るために森の中から静かに近づく。姿を隠しながらギリギリまで距離を縮める。
「ここらが限界か?さて、ここから少し様子を見るか。どうせ監視カメラとかあるだろうから、死角を見つけ出すところから始めるか」
持参した単眼鏡を構えて畑全体の様子を見る。しかしそれらしき物は無かった。
「おかしいな?あんだけガチで守ってたらカメラくらいあると思ってたんだが、カメラじゃなくて、センサーとかか?」
その後も十数分くらい畑周りを探るも何故か何も無かった。
「おかしい。何も無い」
時計を確認する。門限まであと30分弱。
「どうするかなー行ってみるか、今日は一旦引くか」
不自然なくらい防犯体制が無い畑に何故か行くのを躊躇ってしまう。本能が警鐘を鳴らしてあるからだ。
「いや、無理をするべきじゃねーな。昼間の様子だとミスったら死ぬ可能性あるし、数日かけて攻略すっか!」
ガサっ
突如背後から落ち葉を踏む音が聞こえた。
ゴルシは嫌な予感がして振り返ると、そこにはナタを持ったウマ娘が立っていた。
「うぎゃああああ!」
「死ねぇぇぇえ!」
なんの躊躇も無く振り下ろされるナタをギリギリで躱して、全速力で逃げる。
「うおおおおおお!」
「バラバラにして肥料にしてやる!」
ヒュッ
「うわぁ!」
比較的走りやすい道を選んで逃走していたが、そこに害獣が通ることを想定していたのか、罠を仕掛けていた。
もはや本能でそれらの罠を躱しつつ、トレーニングサボって身につけたパルクールで建物の壁をよじ登りどうにか逃げ切った。
「はぁ、はぁ、はぁ死ぬかと思った」
極度の疲労と恐怖で足が震えるもまだ追ってきてるかもと気を抜くことなく、寮に向かって移動する。
「くそ、やり過ぎだろ」
どうにか寮の玄関まで辿り着き、玄関に転がり込む。
「遅いよ!どこに行ってたの!」
玄関には寮長のフジキセキが待っていた。どうやら門限過ぎてたらしい。
「すんません。理事長の畑に行ってました」
「おや?君も畑の管理してる組だったのかい?それなら仕方ないね」
「え?」
「おや?言ってなかったかい?まだ防犯設備が整ってないから夜も交代で監視するってことで許可出してあるんだ。もしかしてそれ知らなくて慌てて帰って来たのかい?」
「まぁ、そんなところっす」
「あはは、ごめんね。明日からはゆっくり帰って来なよ。おや擦りむいてるところあるね。部屋に来て、手当してあげる」
「どうも」
「仲間を集めよう」
昨日の失敗を反省して次は数で攻めることにした。
「1人ではダメでも複数人集めて数の暴力で強引に突入すればいいんだ」
さっそく協力者を募ろう。とは言っても大っぴらに集めると奴らに勘付かれる。水面下で勢力を拡大させねば。
「やっぱり安定はスペだよな。あいつよく食べるし、意外と悪い奴だから協力してくれそうだ」
さっそく勧誘しにいこう。
「って言うことなんだ。ちょっと協力してくれないか?」
「確かに野菜を分けてもらえるのは魅力的ですね」
さすがは食意地が張ってるウマ娘だ。話が速くて助かる。
「だろ?まあそんなに野菜欲しいかって言われたらそうでもないけど、なんか気になるじゃん?」
「確かに部外者からしたら何してるのか分からないかもしれませんね」
「そうなんだよな」
なんか今日のスペは話しやすいな。しっかり聞いてくれてるからか?
「昨日失敗したから次は仲間を集めてるわけですね。さすがゴルシさんです」
「……なんで昨日失敗したの知ってる?」
嫌な予感がする。昨日からフル動員してる本能がまたもや警鐘を鳴らす。今目の前の奴は本当に味方になってくれるのかと。
「おまえもしかして向こう側か?」
「向こう側……確かに私は昨日ゴルシさんを撃退した1人ですよ」
「くっ……」
嵌められた!
ゴルシは椅子を鳴らして立ち上がり、スペから距離を取る。
その反応を見て面白かったのか、スペは吹き出し笑いだした。
「大丈夫ですよ。今は手を出しません。でも宣戦布告と受け取りましたので、次来た時は全力でお相手します。いつでもどうぞ」
「なんだよ。物騒だな。大人しく野菜くれてもいいんだぜ?」
ゴルシは冷や汗を流しながら怯える内心を隠して敢えて挑発する。
「いえいえ、害獣に渡す野菜はありませんよ。害獣は駆除するものですから」
「怖えーよ!オマエそんなキャラだっけ⁉︎」
あまりの雰囲気につい本音を叫んでしまった。
「実家ににいた時も畑仕事手伝ってたので、その時に培ったものです」
「そ、そうか」
敵に回すの間違えたかなとゴルシは思った。
「くそ、どうすっかな。次の作戦がバレちまった以上、下手に手を出すと本当に殺られる」
いっそのこと諦めるかというネガティブな考えが浮かぶが、頭を振ってそれを振り払う。
「ここまでやったんだ。もう後には引けねーよな!」
もはや当初の目的はとうに忘れており、あの防御をどうやって抜くかを考える。
「スペから教えてもらった敵の数は5人。つまりこっちも最低5人は欲しいな」
何の意味のなさない無駄な戦いの為の必要な人員や畑周辺の地図など具体的に考え用意していく。
普段のゴルシを知るものからするとここまで真面目に何かをやる姿は新鮮だろう。
「さて、誰に声かけるか」
ここがネックだ。誰が協力してくれるだろうか。
「うーん、どうするかな」
正直言ってアホな計画に乗ってくれそうなやつは何人か思い浮かぶけれど、全員首を縦に振るかは怪しいところだ。
「まあ、ダメ元でやってみるか!」
「タキオンーいるかー?」
「なんだい?私は忙しいから用件は手短にねぇ」
「……こんにちは」
まずは旧理科室を不法占拠しているタキオンを勧誘する。
「タキオン、オメェ畑作業に興味無いか?」
「全く無いねぇ。用件はそれだけかい?それならもう帰ってくれないかい?」
「まあまあそう答えを急ぐなよ」
ゴルシは近くにあった椅子に腰掛けた。
「ちょっと質問いいか?」
「なんだい?」
タキオンはパソコンから目を離さずに返事をする。
「そこの動き回ってる植物何?」
「この子はキーくんだ。可愛いだろう」
「そいつって植物か?それとも動物?」
「一応分類は植物だよ」
「それってどうやって作ったんだ?」
「偶然さ。実験の途中でたまたま産み出せたんだよ」
「ほーん。そいつ量産しねーの?」
「私は管理するのが苦手でねぇ。植物はすぐに枯らしてしまうんだよ」
「……もし、実験で好きに使えてかつ、管理も他の人がやってくれる畑が手に入るかもしれないって言ったら?」
ふとタキオンの手が止まる。
「オメェは種を植えるだけ、あとは管理してくれる奴らに指示をしておけば自動的に育ててくれる畑があるんだが、興味ねぇか?」
「……カフェ。彼女のコーヒーを用意してあげたまえ」
ゴルシは釣れたと確信する。
「……はぁ、自分でやったらいいでしょう。……ゴールドシップさんコーヒーで良いですか?」
「おう!」
タキオンは砂糖を大量に入れた紅茶を持ってソファに座った。ゴルシはその対面のソファに座り、カフェの淹れてくれるコーヒーを待つ。
お互い無言。しかしコーヒーがゴルシの目の前に置かれるとタキオンが口を開いた。
「では、聞かせてもらおうか」
ゴルシは自身の考えた計画を話した。途中何度か質問されたが、タキオンの納得できる答えを提示するのに苦労はしなかった。
「ふむ、面白いねぇ。確かにこの計画なら私の試したい事を人にやらせつつ私の実験を進めることが出来そうだねぇ」
「悪くねぇだろ?」
「……貴方たち鬼ですか?」
カフェがドン引きしてるけど、まあいいや。
「オメェも乗るか?」
「……遠慮しておきます」
「私はその計画に加担しようじゃないか」
タキオンは静かに宣言した。
「協力してくれんのか?」
「キー君の兄弟を作ってあげようと思っていたところでねぇ。利害が一致したんだよ」
「さんきゅ!」
「それで?いつ決行するんだい?」
「メンバーを集めないといけねーからな。来週宣戦布告して、再来週に開戦だ」
「分かった。それまでに準備しておくよ」
「おう!」
ゴルシとタキオンはお互いに不敵な笑みを浮かべつつ固い握手をするのであった。
「……ここでこの2人を暗殺したら……英雄になれますかね?」
カフェはため息をついてコーヒーを啜っていた。
アグネスタキオン参戦。
「次はあれだな」
手元の名簿にはヒシミラクルのプロフィールがあった。
彼女の食意地はトレセンでも上位に位置する。
「おーい、ミラ子!」
「え?私?え、私何かやりました?」
突然声をかけられて戸惑う自称普通のウマ娘。その手にはコンビニで買ったであろうお菓子が握られていた。
「オメェ、美味しい野菜料理に興味ねぇか?」
「え?そりゃあ、ありますけど、どこにそんなのがあるんですか?」
「最近理事長が言ってる豊食祭って知ってるか?あの料理をちょっと分けてもらうんだよ」
「へぇ〜、良いですね!楽しみです」
ミラ子はゴルシの話を聞いてホワホワとした笑顔で嬉しそうにはしゃいでいる。
「でもよ、あいつら協力者以外は料理分けてくれないんだよな」
「え?それは酷いですね!」
「だろ〜?だからいっちょ戦争仕掛けようと思ってな」
「へ?」
ミラ子は言ってる意味を理解できなかったようだ。気の抜けた声を出し固まってしまう。
「戦争だよ。戦争」
「へ、へぇ〜。頑張ってください!それでは!」
再度提案された内容を理解したミラ子は顔を引き攣らせて今すぐにでもこの場から立ち去ろうとした。
「まあ待てよ!」
しかしそれを見越していたゴルシに肩を掴まれて逃げられなかった。
「ひい!無理です!私にはそんな物騒なの無理です!」
「んじゃ他をあたるわ。ちぇ、期待してたのになー」
ゴルシは何故かあっさりと引き下がった。
「ふえ?」
トレセンでも有名な奇人。そのゴルシがあっさり引き下がったという事にミラ子は不信感よりも疑問が勝った。
「せっかくトレーナーからおやつ減らされて可哀想だなって思って声掛けたのにな〜」
「何で知ってるんですか?」
「結構有名だぞ?」
「そうなんですね」
「まあ無理ならいいわ。今度料理の感想聞かせてやるよ。じゃあな」
ゴルシはもう用事はないとばかりに立ち去ろうとする。
「まっ、待って待って!」
それをミラ子は引き止めた。
「あん?」
釣れた!ゴルシはそう確信した。
「何で私を誘ったんですか?」
「え?だってオメェ意外と強えじゃん」
「いやいや、私普通の女の子ですよ?」
「普通?冗談だろ。菊花賞とか春天勝ってるのに?おめーエンジン掛かるのが遅いだけで調子上がれば普通に強い奴らと遜色無いだろ」
「そ、そうですかね?」
ゴルシに褒められたことによってミラ子は調子に乗ってニヤニヤしている。
ここでさらに畳み掛けようとするが、意外なことに次の言葉はミラ子から発せられた。
「もし戦争に勝てたらその料理好きだけ食べられるんですか?」
「好きなだけは無理かも知らないが、勝てば多少は無理な条件押し付けられるぜ」
「へ、へぇー。でも、難しそうですね〜」
「確実とは言えねーけど、オメェが協力してくれるなら確率は上がる」
「しょうがないですね〜。期待された分だけ頑張りますかね」
「お、おう」
ちょっと煽たら乗ってくるとは思ってたゴルシだったが、ここまで簡単に行くとは思ってなかったようで少し驚いていた。
ヒシミラクル参戦。
次はアイツだな。
「おーい、ダイヤ」
「ゴルシさん!こんにちは」
清楚なお嬢様であるサトノダイヤモンド。しかし彼女は印象とは異なり、意外にも破天荒な性格をしているのである。
「ダイヤ〜。今から戦争するからちょっと力貸してくんね?」
「戦争ですか?」
「そうそう、実は今回攻めるところちょっと難しくてな。なんて言うんだ?難攻不落ってやつ?」
「難攻不落!」
ダイヤのジンクスクラッシャーの血が騒ぎ出し、目を輝かせる。
ゴルシはその様子を見て勧誘が上手くいったと確信する。
「ダイヤ難攻不落の土地を落とすの興味ない?」
「やりましょう!」
「お、おう」
サトノダイヤモンド参戦
さて、最後の1人は実はもう決めてある。
「フク幸せになる花育てようぜ」
「なんですかそれ?」
最後の1人はマチカネフクキタルだ。
「よくわかんねーけど、なんか面白そうじゃね?」
「確かにそんな花があったら見てみたいですね!」
「実はさ、この花を作るのタキオンが協力してくれるんだけど、作ってみねぇか?」
「な、なんと!タキオンさんが協力してくれるのですか!」
「おう、なんか作れそうじゃね?」
「作りましょう!」
こいつホントチョロいな。半分詐欺みたいなことしてるあたしが言うのもなんだけど大丈夫か?
マチカネフクキタル参戦。
さて、とりあえず戦力は揃った。あとは宣戦布告するだけだ。
「おーい。スペ」
「どうしましたか?」
廊下を歩いていたらスペを見つけて声をかける。声をかけられたスペはあの時の怖い顔が嘘のようにいつも通りのアホそうな笑顔で駆け寄ってきた。
「畑管理してる5人を呼んで会議室に来てくれ」
「どうしたんですか?」
「宣戦布告だよ」
数十分後、会議室に畑を管理してるスペ、フラワー、ヒシアケボノ、カツラギエース、ライスの5人とゴルシ、そしてなぜか理事長が集まっていた。
「何で理事長がいるんですか?」
「不明!ゴールドシップに呼ばれたから来た」
「よく集まってくれたな。単刀直入に言うぜ。あたしらはアンタらに宣戦布告をする。我々の要求は畑で採れた野菜と我々に畑の一部提供し、そこに植えた植物の管理を要求する」
「お前何をする気なんだよ」
「懇願!なるべく畑を荒なさいで欲しい!」
カツラギエースと理事長が苦言を呈した。しかしゴルシは構わずに続ける。
「まあぶっちゃけどうしても欲しいかって言われるとそうでもねーけど、殺されかけておめおめに逃げるのは性に合わないからキッチリお返ししてやんよ」
「畑の荒らそうとしたのが悪いのではないでしょうか」
フラワーからど正論を言われたが、それも無視する。
「そこで理事長。ルールを基に模擬戦争をしてーんだけどいいか?」
「要求、説明してくれ」
理事長はこめかみを抑えて説明も求める。
「この模擬戦はスタミナと賢さのトレーニングになるんだぜ。将棋のトレーニングあるだろ?戦略を考えながら実際に走り回るのは結構いいと思うんだけどどう?」
「理解、まあそれなら許可出来そうだ」
「それじゃ改めて、我々の要求は畑の一部提供と週に1回、無償で料理を提供することを要求する!」
「我々は今参加者全員が無条件の労働力としての協力を要求する」
スペ達もゴルシに続いて要求を口にした。
「まあ妥当な要求だな」
「そうですね」
ここまでは良い。相手の要求も想定通りだし、こちらの要求も通すことができた。
次は戦争のルールだ。
「戦争を開始するにあたって具体的なルールを用意した」
ゴルシはそう言って手元の紙を配る。
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野菜争奪戦争
今戦争は学業及びレースに支障のない範囲で行うものとする。
上記の条件を基にルールを設定する。
一、参加者は非参加者に迷惑をかけてはならない。
ニ、戦争期間は2週間とする。
三、開戦時間は平日1600〜2000までとする。なお双方の同意あれば終了時間を早めることができる。
四、武器はなるべく相手を傷つけない物を使用せよ。
五、戦闘中、捕虜となった者は各陣営に設置されている専用の牢屋に待機させる。1日の終了時点で牢屋に捕虜がいれば、その捕虜は戦闘不能と判定し、次の日以降、この戦争の参加を禁ずる。
六、戦闘不能と判定された者は戦争期間中は強制的に補習を行うものとする。
七、戦争期間中の戦力の勧誘は認める。なお、戦力を増強しても必ずしも相手に伝える必要はない。
八、上記以外のルールを新たに設定する場合は双方の同意を得て追加する。ルール設定の話し合いの場は各日1230〜1300の間に会議室で行うものとする。
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「これでどうだ?」
会議室の一同はその書類に目を通す。
「ここまでしっかりとしたルール設定してるとかどんだけ暇なんですか?」
「まあ遊びだろうと全力を尽くす主義だからな。それで?何か問題あるか?」
「いや無い」
両陣営の面々は特に不満が無いようなので、この場の最高決定権を持つ理事長に視線を向ける。
理事長はその一同の視線を受け、もう一度書類を見て頷いた。
「承認!双方学業に支障の無い範囲で存分にやりたまえ!」
こうして野菜争奪戦争が始まった。