「……」「……」
並び立つガチグマ。一方は原種、一方は赫月。姿こそ違うが同胞である事に変わりはなく、赫月にとってはもう出会う事も叶うまいと思っていたであろう同胞の姿がそこにあるのだ。嘗ての自らの姿とも言えるそれに赫月ガチグマは何とも言えぬ郷愁を享受していたと言わざるを得ない。
「ワギィ」
「……ワ、ワギィッ」
一方で困惑に近い感想を抱く元リングマこと原種ガチグマ、彼は赫月ガチグマとは同族という事もあって距離が近かったが、進化してからは如何にも此方を見る目に変化が訪れている事に戸惑いを覚えずにはいられなかったが徐々にだがそれを受け入れつつ、ガチグマとして如何するべきかを、先人へと尋ねていた。
「ラビ~また連絡来たよ」
「ハァッ……」
そんな二人の様子をゆっくりと観察する時間すら与えられない、こうなる事は予測はついていた筈だが、予測の範疇にあるのと現実になるのでは全く話が変わって来る事をラビは改めて痛感する事となった。
「はい、ああはい……今のところそれらのお話はお受けしない事にしてます。それでは」
「想像以上の話題性だねぇ……」
「分かっちゃいたんだけどな……博士たちのお願いだからやっちまったけど……」
サザレからしたらガチグマに関する事は家の資料である程度は知っていたから新鮮味は薄い方かもしれない、だが世間的にはそんな事はない。既に絶滅したとされるポケモン、現代では廃れてしまった進化の形が復活したとなればこうなるのも自明の理。故か、ラビの下には連絡が殺到してしまっている。各地方のポケモン学会に研究者にポケモン好事家だったりと後を絶たない。
「アカデミーの先生からも是非お話を聞きたいってのが来てるよリーグ経由で、恨まれてるね」
「そりゃ向こうだって今は大変な騒ぎだろうからな、まあ必要経費だと思って貰おう」
「随分とぼったくるね」
「生憎商才がないもんでね」
さて、今回の事で自分は改めて大きな注目を集める事になっている。それで何かを変えるつもりはないが過去の事が掘り返されて騒がれるのも覚悟しておくとしよう……だがそれだけだ。
「サザレ、離れたかったら離れてもいいぞ?」
「や~だよ。私の助手は君だけだもん」
「分かってるよ、分かってて聞いたんだからあんまり強くクビに圧を掛けんでくれ」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」
「フィィィ~」
「リーフィアです」
| ・おおっブイズ!! ・リーフィアだぁ!! ・う~んふつくしい ・というか、さん付けなしか ・なんか関係あるのか?結局結論出てねぇけど。 |
|---|
「リーフィアは草単タイプのポケモンさんです。イーブイの進化形の一つ、草タイプとして有名なポケモンですね。進化する為にはリーフの石か苔むした岩が必要という不思議なポケモンです、一説には苔むした岩は進化の石に近い特性を持っているという話です」
| ・へ~リーフの石でもOKになってたのか。 ・ホント不思議だよなぁイーブイって ・進化でガラッと変わるからな。 ・どれもこれも違うしな ・全部可愛いけどな!! ・禿同。 |
|---|
「細胞は植物に近い物へと変化している為か、晴れた日にはリーフィアが光合成を行う姿を見る事が出来ます。光合成によってエネルギーを作れるためか、イーブイの進化形の中では最も争いごとを好まない温和な性格です、綺麗な川が流れる森の奥深くで静かに暮らしている事が多いそうです。体臭も植物に近く、若い個体程青臭さが強く、老成していくと落ち葉のような香りになります。抜け落ちた葉から作る香水は大人気なんですよ」
| ・イーブイの香水、そりゃ売れるわ。 ・俺だってほしいもん、何時も売り切れだけど。 ・イーブイスキーはそこいらじゅうにいるからな、しょうがないさ。 ・青葉と落ち葉……でも結局良い匂いって感じそう。だってブイズだもん ・確かになwww ・それはそうwwww |
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「温和な性格と言っても外敵から身を守る為には勇ましく戦います、尻尾と頭の葉を刃に見立てて攻撃する際の一撃は大木すら両断する程―――なんですけど」
「フィィィィィ……」
「あの、頭の上で寝ないで貰えます?シンプルに重いです」
「フィ!!フィイイイイッ!!!」
「イテテテッ!?だってしょうがないでしょ貴方普通に重っいたほんと痛いから勘弁して!!」
| ・リーフィアのパンチパンチパンチ!! ・ああっリーフィアのお手手…… ・羨ましい ・でもリーフィアって28キロぐらいあるだろ、寧ろよく乗せてるわ ・うわっこっち睨んだ!! ・成程、この子は女の子だな?確かに女性に体重の話は野暮ですな ・もっと見て下さい、踏んでください!! ・それはお前の話か?それとも主に対する話か? |
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「いってぇ……えっと何処まで言ったんだっけ……ああ、特性はリーフガード、夢特性は葉緑素で何方も天候関係特性ですね。何方も日差しが強い状態で発動します、リーフガードは状態異常無効で葉緑素は素早さアップですね」
| ・なんかドリュウズっぽい? ・えっなんで? ・どっちも天候関係だからだろ、ドリュウズは夢特性型破りだけど ・あっ成程。 ・天候を使うって意味だと同じなのはある意味有難いな。 |
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「リーフィアの強みは攻撃と防御の高さですね、此処に晴れを加えると状態異常にならないかスピードアップが加わりますから晴れ主軸パーティのエースになれます。仮に夢特性ではないとしても草分けで素早さを自力で上げる事も可能なのでそこの心配も無用です、剣舞も出来ますので攻撃の補強も出来ますし、晴れ下では回復量が上がる光合成も覚えますので耐久も可能です」
| ・こうして見ると晴れ下で一気に化けるタイプだな。 ・物理アタッカーにぶつけるとかなり強いタイプかこりゃ ・物理防御も硬いから行けんじゃね? ・ブイズだからある程度技は共通してる筈だし、欠伸とかもいけるんじゃない? ・甘えるも? ・出来るだろ、ブイズだぞ |
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「甘えるは出来ますね、それを使えば益々耐久型としても強みが増しますしバトンタッチも覚えます。剣舞と草分けで強化しつつ、身代わりなども活用してバトンタッチで後続に託すというのもいけます。それと晴れ下では炎テラスタルのテラバーストの威力もかなりの物になりますのでそれもお勧めですね。勿論、晴れ下なので溜め時間を大幅に短縮したソーラーブレードで押しまくるという戦術もありです」
| ・おーそうか!!その手もあった!! ・ソラブレ連打かぁ……やべぇな。 ・あれ、想像以上に武闘派じゃね? ・晴れ下だとマジで武闘派だな。 ・武闘派リーフィア、有だな!! |
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「晴れ下では安定したフィジカル、超スピードを手に入れるリーフィア、さあ貴方のお好みは何方でしょう?」
そんな言葉を最後に配信を切る、頭の上ではいまだにリーフィアが居座っている。いい加減に勘弁してほしいのだが……
「サザレ~……お前のリーフィアに交渉を頼んでくれ~……」
「アハハッ分かった分かった、写真撮ってからね」
「うぉい」
此処は自分の特定席だ、イーブイの頃からそれは変わらないし今でも譲るつもりはない。重いと言われるとまるで拒絶されているような気持がして嫌なのだ。だから言わないで欲しい。
「フィィィ、フィ~」
呆れたような目で自分を見て来るサザレのリーフィア、いい加減にしてあげたら?少しは大人になればいいのにと言ってくるが自分は子供のままでもいい。自分は何時までもこの人の弟でいたい。いつも自分を可愛がってくれる優しい兄の傍で……日光浴をして過ごしたい、だから偶には膝の上で勘弁してやる事にしよう。そうしても撫でてはくれるのだから。