『ラビさん!!!』
いつか来るだろうくるだろうとは思ってはいた、が遂に来たとげんなりしつつ出た通話、直後に発せられた爆弾のような音量の声に耳が痛くなりながらも返答する。どうせいつの日かは来るだろうとは思っていた事が来たのだ、とあきらめて応対する。
『如何してサトシさんとレッドさんが来てるって教えてくれなかったんですか!!?』
『そうですよ俺達トレーナーにとってあの二人は憧れなんですよ!!?』
『そ~だそ~だ!!』
ネモだけかと思ったらハルトとアオイも一緒になっていた。まあネモにも負けない位にはバトルが好きな二人からすれば当たり前か……と納得してしまう自分もいた。
「と、言われましても……事は結構デリケートですから、下手に教えてあっという間に波及したらまずいですし私の独断で教えるとかは出来ませんよ」
『『『むぅ……』』』
不服そうに唇を結ぶ三人。出来る事ならば教えてあげたい気持ち自体はない訳でもないのだが、流石に有名人が来ているから遊びにおいでなんて言える胆力は自分にはないのである。
「少なくともサトシさんについてはジムチャレンジしてる訳ですし、自分達で探すのも一つの手ではありますよ。ご迷惑をおかけしない程度、というのは言うまでもないですよね」
『あっそうか!!そう言えばさ、トップから各地ジムを巡ってくれませんか?って言われたよね、それを利用するチャンスじゃない!?』
『あっそれナイスアイデア!!』
『何ネモって天才だったっけ!?』
『『『それじゃあ急げ~!!』』』
と通話は切られてしまった、何という切り替えと行動への変換の素早い事……これはこれで羨ましいと思える程に若さゆえの特権なのだろう。自分も昔あんなことあったっけな……と少しだけアンニュイになりかけるラビだったが、直ぐにサトシへと連絡をする。
「という訳です、すいませんサトシさん私のご友人がご迷惑をかけるかも……」
『気にしないでくださいラビさん、この地方のチャンピオンクラスの子達がバトルしに来てくれるんでしょ?むしろ大歓迎ですよ、なっピカチュウ』
『ピッピカチュ!!』
『……楽しみ』
何気に一緒にいるレッド。基本自分の家に居るが偶にサトシに同行してジム巡りに付き合っている。この二人がジムに来たジムリーダーは冷や汗が止まらなくなった事だろう。尚、ラビの師であるコルサは
「何とアヴァンギャルド!!!この出会い、正しく運命にして奇跡である!!おおっアイデアが、アイデアが止め処なく溢れ出てくる!!この興奮を表す為に、いざっバトルと参ろうか!!」
と芸術家の感性が大爆発したらしく、サトシとレッドを苦戦させる程に善戦したとの事だった。
「まあ、あの子達は中々に凄いので期待していいと思いますよ」
『んじゃ期待させて貰いますね』
『同じく』
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」
「ムクホオオオオオオオオ!!!!」
「ムクホークです」
| ・おおっムクホーク!! ・カッコいいのが来やがった!! ・リーゼントリ!! ・リーゼントなのに全然不良っぽさねぇのがスゲェよな ・寧ろカッコよさしかない。 |
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「ムクホークは飛行とノーマルの複合タイプ。シンオウ地方に多く生息しているムックルさんの最終進化形ですね。相手がどれほど大きくても全く怯む事なく戦いを挑む程の勇ましく、獰猛な性格へと変化しています。特に翼と脚の筋力が大幅に上がっており巨漢を持ち上げてしまう程に凄まじい力を発揮します」
| ・そうそう、可愛いかったムックルがこんなになってビビったわ。 ・超勇ましくなったもんな。 ・だがそれが良い!! ・頼もしいんだよなぁ…… ・実際すげぇ頼りになる。 |
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「そんなムクホークの特性は威嚇、夢特性が捨て身です。何方も勇猛果敢さが現れていると言ってもいい感じですね」
| ・攻撃低下に火力アップか。 ・俺は威嚇のままでもいいかなぁ~安心するし ・実際威嚇は優秀だからな。特殊相手はきついが。 ・そこは使いようさ。まあ流石に耐久させるには向かないけど。 ・ムクホークは攻撃一本槍で良いんじゃね? |
|---|
「筋力の発達に影響してか、ムクホーク最大の得意技が守りを捨てて攻撃するインファイトです。加えてブレイブバードや捨て身タックル、などといった自らが傷つく技を行使する事にも一切の躊躇がありません。私のムクホークなんて進んで傷つきに行きますからね、アーマーガア程じゃないけどお前さんも結構あれだからな」
「ククホ~……」
「いや十分過ぎる位にあれだよ」
| ・あれと同類かよって顔してるwww ・まああれと一緒は嫌だろうな…… ・マジであの戦闘狂なんなん?ガチグマとレッドさんのバトルにも乱入して来たし ・それで同時にぶっ飛ばされたのに嬉々としてツッコんで来るというね ・歪みすぎだろアイツ。 |
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「ムクホークはそこまで器用なタイプではありませんが一応サポートも出来ます。味方の素早さを上げる追い風を発動させ、追い風に乗って高火力を叩き込むのもいいでしょう。私のムクホークは捨て身ですから、捨て身タックルやブレイブバードで相手に圧をかけて行くのが基本です。インファイトも覚えるので広い範囲にダメージを押し付けられます」
| ・なるほど~ ・追い風、そういうのもあるのか!! ・テラスタルで火力上げるのもいいかも。 ・それこそアオキさんみたいにか? ・社会人の得意技、宜しいですか ・あなたは休んでくれ……。 |
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「それとは趣が違いますが私のムクホークは基本的に命懸けを使って相手を可能な限り削ろうとする戦法を好みます」
| ・い、命懸け? ・何その物騒な技 ・ダメージ、技なのか? ・変化技っぽくはないが ・どんな技だよ |
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「命懸けは自分に残っている体力を全て使い、残っている体力と同程度のダメージを与えるという物です。なので初っ端でこれを使うとほぼほぼ最大火力ですね」
| ・自爆!? ・いや体力分って事は半減とかされないって事じゃね? ・あれ、強くね? ・でも使い所も難しそうだなぁ…… ・体力が残ってる分だから大爆発とかと違う感じだなぁ…… |
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「だから使い所が難しい技でもありますが、ムクホークは苦手な相手だと判断すると即決でこの技を使って可能な限り相手を削ろうとしてます。有難いと言えば有難いんですけど、勝手に突撃するのやめてくれます?」
「ムクホ!?」
「どんだけ突撃厨なんですか、ラッパ吹きますよ。突撃ぃ~!!!~♪」
「ムクホオオオオオオオオオオオ!!!!」
| ・どっから出したそのラッパぁ!!? ・そして突撃していくムクホーク ・何処行くね~ん!!! ・あっそっちにはアーマーガアが!? ・激突した!? ・あっ喧嘩し始めた ・すげぇあのムクホーク、あのアーマーガアに真正面からインファイトで渡り合ってる……。 |
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配信を切る、だがまあなんだかんだでムクホークはシンオウ地方を旅している頃は突撃隊長として本当に重宝した。相手のパーティを切り崩すには本当に丁度良かった、中々にテクニカルに戦う事も出来る。オーバ戦でも活躍してくれた事もあった。
アーマーガアと戦いながらもムクホークはラビを横目で見た、ムクホークは感謝している。何故ならムックルの頃は愚図で鈍間で群れから爪弾きにされていた落ちこぼれだった。それなのにラビは自分を信じてくれた、何度負けても信じてくれた。それに応える為に進化もしたのだ、だから決めている。自分の全てをあの人に捧げる、自分の命は既にラビの為に捧げている。
「ムクホオオオオオオオ!!!」
「ガアアアアアアアアア!!!」
だから今日も自分は強くなるために突撃する、たとえ玉砕覚悟の特攻だと言われても止めるつもりはない。それが自分の生き様だからである。