「それにしても……此処は情報の宝庫ね、これらを整理するだけでも色んな物が前に進むわね。よくもまあこれだけの資料を集められたわね」
「集めたとも言えません、押し付けられて預かって返すに返せないでいるだけです」
「暫く此処に滞在したいわねぇ……ヒスイのこの資料なんて興味深すぎるにもほどがあるわよぉ……」
ラビのアトリエは単純な絵を描く場所というだけではなく、これまでラビが旅の中で築いてきた絆の終着点でもある。そこにあるものは託されたり強引に押し付けられたりしたものばかりだが世に出すには些か危険な物ばかりなので管理を確りしているだけの話でしかない。特にサザレの実家にあった資料は全部ここにある。
「向こうも持て余していたらしいですからね、それなら下さいって言ったんですよ。いらないって言ってた癖に渡す時には渋ってきましたけど」
「私としては分からなくはないけど……それでどうしたの?」
「バトルで決めようって事になりまして、ダイケンキで30タテしました」
「……サラッとフルメンバー5人抜きしてるの?」
「そもそも強くもなかったですからね、ジムバッジが3~4個位の実力でしたから」
「あ~……分からなくもないわね、寧ろPPの方が心配ね」
妙にリーフィアが多かった記憶もあるが、草タイプだから有利で勝てる程自分もダイケンキも甘くはないのだ。結局無双して資料は勝ち取った。
「―――えっこれヒスイ地方時代に起きた事件の資料!!?こ、これ読んでもいいかしら!!?」
「ああどうぞ、確かそこはバサギリの辺りだったかな……?」
「バサギリって確か失われたストライクの進化形よね!?ナナカマド博士にも見せてあげたらよかったのに絶対喜ぶわよ!!?」
「ンな事したら、あの人何日、いや年単位で此処から離れませんよ」
「それもそうね!!」
ナナカマド博士に見せても良かったのかもしれないが、見せたら見せたで大変な事にはなるしナナカマド博士はそっちに集中してしまうので今ある研究が疎かになりかねない。だから見せるタイミングを失ってしまった。
「ンでシロナさん、どれぐらいこっちにいるつもりです?」
「えっ?あ~そうね……こっちでも調べたい事はあるしアカデミーの方でも講師をお願いされちゃったから暫くは居る予定よ。その間、此処にいてもいいでしょ?レッドさんやサトシ君だっている訳だし」
「こっちとしては微妙なんだけどねぇ……まあいいけど」
「フフフッ安心して家賃は払うしその分お手伝いもするわよ。ポケモンの相手だって喜んでするわよ?パラドックスポケモンなんて興味深いし」
「そっちはレッドさんと要相談ですかねぇ……」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさんは此方」
「ファアアアアアアイ!!!」
「ファイアローさんです」
| ・おおっ今度ファイアローか ・サトシさんも使ってる奴。 ・カロスだとホントメジャーな鳥ポケ。 ・他地方にもいるよな~ ・だから色々と安心するのよね |
|---|
「ファイアローさんは炎と飛行の複合タイプです。火山帯から湿原まで幅広い範囲に生息しており、性格が攻撃的です。興奮すると翼から火の粉を放出し、それを推進材にして更に加速する事が可能となっており、最大速度は500キロを超えるとまで言われています。100キロ以上の物を持ち上げる事も可能な程の力自慢でもあります」
| ・うえええ…… ・マジかよ、親しみ持ちやすい鳥ポケモンと思ったら想像以上の武闘派だったでござる ・500て……新幹線以上じゃねえか…… ・リニアモーターカー並みだな…… ・それでいてパワーもある、最強かな? |
|---|
「羽は炎を通す事がない為に昔の消防士が防火服の材料にもしていたそうです。そんなファイアローさんの特性ですが炎の身体、そして私のファイアローが夢特性の疾風の翼です」
| ・炎の身体か、そう言えば育て屋で見た事あるな。 ・鳥だから様になるしね。 ・でも疾風の翼?聞いた事ないな。 ・まあ夢特性自体特殊なの多いしな~…… ・研究者ですら悩むのにポンポンいうよね |
|---|
「疾風の翼というのは自身の体力が万全の状態ですと飛行タイプの技が普段よりも素早く出せるという物です」
| ・??? ・えっと、つまり? ・どういう事だってばよ? ・分かる? ・全然分からん!! ・ナンジャモ:えっボクも全然分かんない。 ・おいジムリーダー |
|---|
「電光石火やマッハパンチは他の技よりも素早く繰り出せますね、私はそれを優先度が高いと表現しています。技の出などが他の技より早い上にスピードも乗る為です、そしてこの疾風の翼はその優先度を体力が万全の時に飛行タイプの技に与えることが出来るのです。つまり―――ブレイブバードが電光石火並の速度で飛んでくるって事です」
| ・はああああああああああああ!!!!? ・うっそだろ!!? ・ブレイブバードってパワーチャージが必要な筈ですがぁ!!? ・それが要らねぇの!?そんなのずるじゃん!? ・ナンジャモ:う、うわぁ……そ、それって追い風とか羽休めにも乗る、よね? ・―――あっ |
|---|
「当然乗ります。ですからこの特性は極めて凶悪です、が逆に言うと体力が万全でないと発動しませんのでステルスロックなどを使えばファイアローの場合は大ダメージを受けた上で特性が使えなくなる事と同義ですしサイコフィールドを展開されると完全に封じられもします」
| ・あっそう言われたらなんか安心した。 ・た、対応策があってよかった……。 ・炎飛行だから余計にステロが刺さる訳か。 ・う~むステロとか使えない技と言ってる馬鹿を殴りたい。 ・ナンジャモ:実際ステルスロックは重要な技だよ?戦う前に相手の体力を削れるし ・ナンジャモもそうだそうだと言っております |
|---|
「単純な突撃隊長枠でも大成しますが、追い風や羽休め、挑発と鬼火に剣の舞なども覚えられるので耐久しながら相手を削っていく役目も負う事が出来ます。思っている以上にファイアローさんの引き出しは多いのです」
「ファアアイッ♪」
| ・自慢げに胸を張りながら翼を広げるファイアロー ・可愛いwww ・肩に止まってるけど、あれ大丈夫なのか重さ的な意味で ・ファイアローは25キロ程度だから平気平気。 ・いや、十分重くね……? ・肩だからまだ、マシ、か? |
|---|
「炎の身体でもニトロチャージを使えば素早さを上げる事は可能なので疑似的な再現は可能です。寧ろ、そっちの方が相手への火傷も考慮できますから便利かもしれませんね」
「ファロッ!?」
「貴方は貴方のままが一番ですから安心してください」
「ファロ♪」
| ・一瞬でえっ!?からだろぉ♪になるファイアロー ・可愛すぎかwww ・表情豊かで笑うわwww ・マジで面白いwww ・可愛いwww |
|---|
「私はオーバーヒートなども上手く使って特殊と物理を切り替えてますね、テラバーストを考慮すると面白い二刀流が出来ますから」
| ・あ~成程、それは面白いな ・初手テラスタルで飛行テラバーストもありかな? ・ありじゃね?ブレイブバードと違って反動もない訳だし ・テラスを使っちゃうのが辛いのが欠点だな。 ・それでオーバーヒートで調整か。 |
|---|
「疾風の翼で駆け抜ける赤い流星、それがファイアローさんです。皆さんも如何でしょうか」
配信を切る。ファイアローは変わらずに肩に止まったまま、流石に重いのだがファイアローもそうしたいのならばそうさせてやる。地味に暖かいのもある。
「ぷぃぃぃぃぃ?」
「ファイ?」
「ぷぴぃぃぃぃっ」
「ファアイイイイ!!」
何やらやって来たウルガモスと何かと会話をしていた二人、炎タイプ故に仲良しなのだろう―――と思っていたらウルガモスが背中にドッキングしてきた。
「ちょっバカっ重……!?おま、お前らまたなんかアニメか特撮に影響されただろ!!?」
「ファイ、ファイイロ!!」「ぷぴぃぃぃ!!」
「満足げな声出してねぇで降りろぉぉぉぉ……!!」
ラビはいい奴だ。何時も馬鹿をやっても乗ってくれるし怒っても最終的には許してくれるのだから、故にこの前ウルガモスと一緒に見たアニメの再現をしてみた。頭にはファイアローメカが合体して兜の役目、背中にはウルガモスメカが翼の役割をする。爆熱ロボファイアーン、他の誰と一緒にすれば再現できるかなぁ……と考えているとラビが重さに耐えきれずに倒れてしまった。だが背中のウルガモスを潰さないように前に倒れる辺り矢張り優しい男だ。
「お前らなぁ……!!!今日の昼飯抜き!!」
「ファイッ!!?」「ぷぴぃ!?」
「少しは反省しろっての!!」
そう言って歩き出すラビを慌てて追いかけながら必死にウルガモスと謝罪するのであった。結局ダイケンキの力も借りてご飯抜きは回避出来た。尚、ダイケンキには酷く呆れられた上に説教されてしまった。だって、再現したかったんだもん……。