週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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リユニオン:イクハ

こうしてあいつに会うのは本当に何時ぶりになるのだろうか、カントー地方で別れたっきりなので本当に10年ぶりか。まさか再び会う機会が来るなんて想像だにしなかっただろう。というか、向こうもどんな顔をして自分に会いに来るのだろうか……と様々な事を思っているとその時が来たのだという事を自覚せざるをえない事態が起きた。こういう言い方をするのもあれな気がするが、そういう気分なのだ。

 

「ラビッ!!ああっまた、会えた……!!」

「……ああ、10年ぶり」

 

10年ぶりに見たその姿は、自分の記憶の中にあったイクハが順当に成長した宝塚系美人といった感じになっている。ファッションには疎いがそれでも御洒落だなと感じさせるのだから、きっと分かる人が見たらもっと御洒落だと思うのだろう。

 

「ホント、久しぶりだね……ああっ僕、君と会ったらいっぱい話したい事があったのに、ああっ何から話したらいいんだろう……えっとその―――また会えて嬉しいよ」

 

涙ぐみながらもそう言ってくるイクハ、純粋な好意と嬉しさが詰まっているのは分かる。彼女の中での自分への評価は基本的にそういう物しかないのがよく分かる。兎も角気持ちを落ち着けたいのでベンチに腰掛ける、話をするにも落ち着けた方が良いだろうと思うのだが、イクハの距離が近いので自分が離れて調整するが、それを見て笑う。

 

「ンだよ」

「いやね、カントーでも僕が近くに座ったらラビが離れた事を思い出してね」

「弟扱いに飽きたからな」

 

王子様系少女に童顔少年が大人としては絵になるのかニヤニヤしながら近寄ってくる、そんな光景がラビにとっては軽くトラウマになっている。あれほど気持ち悪い光景も中々無かった、楽し気な思い出のように語っているがそれはお前の中でだけだ。

 

「その、ラビ……あれから君は如何してたんだい……?」

「旅をし続けた、それだけ」

「そうなんだ……あっシンオウリーグでの活躍は凄かったよ。僕も応援してたから」

「そっ」

 

イクハは距離を掴めないような感じを出しながらも必死に引っかかる話題を探っている。

 

「そ、それで今は何をしてるのかな!?まさか君が配信者をやってるなんて僕は驚いたね!!僕と一緒にいる時なんて寧ろ人に注目されるのを避けていた位だったじゃないか!!」

「……別に、嫌いな訳じゃねぇよ。嫌いだったんなら態々チャンピオンリーグまで行ってねぇよ」

「そうなのかい、だったら僕と一緒にもっと撮影に応じてくれても―――」

「好い加減にそういうのをやめてくれるか、気分が悪い。さっさと用件を話せ」

 

ジャブを受け続けるのにも飽きた、早く何故会いに来たかを話せと急かすラビ。ハッキリ言って再会して言葉を交わしたが、矢張りこいつとは合わないと感じている。それを受けてイクハは咳払いをしながら言った。

 

「ラビ、僕と……僕ともう一度―――僕と旅をしてくれないか!?」

 

ある程度予想がついていた言葉にラビは溜息を漏らしそうになったが一先ず、言い切るまで待つ事にした。

 

「僕は君と一緒に歩んでいきたいんだ!!君こそ僕のベストパートナーなんだ!!島巡りを失敗して、色々と駄目だと思ってた僕を励ましてくれて、一緒にいてくれた君と僕は一緒に居たいんだ!!」

 

さて、如何返答してやるべきか……決まっているが方向性の話だ、如何いう風に答えてやるべきか……。

 

 

「……クス」

 

少しだけ呆れたような声を出すオノノクス、その視線の先には珍しく落ち着きがなくそわそわと歩き続けているダイケンキの姿があった。長い付き合いだがあそこまで冷静さを欠いているダイケンキは見た事がない。

 

「ケェン……ケ「ラグァッ……!!!」キ!?」

「きゅうんぬ?きゅうううん」

「ラグゥ~……」

 

突然降ってきたラグラージにぶっ飛ばされてるダイケンキ、如何やらアシレーヌの日課で吹っ飛ばされたラグラージが良い感じにダイケンキがいる場所に降ってきたらしい。ラグラージは完全に目を回して戦闘不能な様子からアシレーヌが勝った事は明白だった。尚、ラグラージはアシレーヌに勝った事がない。腕力勝負なのに勝った事がない。

 

「ダ、ケンキ……ケェェエン!!!」

「きゅうん?きゅううん、れぇえぬん」

「ケッ……ングゥ……」

 

文句を言ったのだろうが、普段の貴方ならこの程度避けるのは簡単でしょう、らしくないと言い返されて何も言えなくなるダイケンキ。此処まであっさり言い負かされるのも珍しいどころかあり得ない光景だ。それ程までにダイケンキは心を乱されているという証拠でもある。

 

「きゅううううんぬ、きゅうううんきゅんきゅんぬ」

「ラ、ラグゥッ!?ラ、ラグゥゥゥ~!!?」

「……クス」

 

アシレーヌに引っ張られながらも悲鳴を上げるラグラージ、それをダイケンキは止める事もなく唯々見つめるだけだった。これもあり得ない光景だ、それ程までにダイケンキの様子が可笑しいのは単純明快、ラビがイクハと会いに行っているからである。この中でイクハの事を知っているのはカントーでゲットしたメンバーを除けばダイケンキのみだから致し方ない。

 

「……ケンッ!!」

「駄目だよダイケンキ、君は此処に残らないとさ」

 

思い立ったが如く、勢いよく立ち上がったダイケンキをサザレが横に座りながら制止する。相棒が大切に思っている女性の言葉を無下にする程ダイケンキは無礼ではない、自身を諫めながらもサザレへと視線をやった。心中穏やかではないという意味では彼女も自分の事が分かる筈だと言わんばかりの視線に微笑んだ。

 

「確かにラビの事が心配なのは分かるよ?だけどラビは君に此処を任せて行ったんだよ、それはラビがいつも通りに元気なことのいい証拠だよ。不安だったりしてたら君を連れて行ってた、だけどそうしなかったって事はラビは平気って事だよ」

「……」

 

言われてみれば相棒に心の揺らぎがあるようには見えなかった、自分は当時のラビばかりを思い出して今のラビを無視していたのだろうか?それは相棒の成長を無視しているのではないか、と思い至る。

 

「大丈夫だよ。ラビは―――私に此処はお前の家だからって言ってくれたんだからさ」

「―――ケン!!ンダイケン!!!ケェエエン!!」

「きゅるん?きゅきゅきゅ……♪」

 

元気になったダイケンキは奮起しながらも先程連れて行かれたラグラージの下へと向かって行った、そしてそれを見たアシレーヌは漸く貴方らしくなったわね、と言わんばかりに微笑んでいた。オノノクスは自分達のリーダーを元気にしてくれた事にお礼を言うようにサザレに向けて膝をつくのだが、サザレは直ぐにそんな事しないでと言うのであった。

 

「私は分かり切ってる事を改めて教えてあげただからだよ」

 

 

「もう旅をする気はない」




ポケモン主体の話も面白いと思ったので少しそれをブッ込んだ。
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