「おや?おやおや、本日は随分と多くの物をお求めになりますね。何か素晴らしい物を描いておいでなのでしょうか?」
「そんな所ですよ、再現と表現の為の色が難しくて……漸く再現できたと思ったらこの通りです」
「それはそれは……ああっ素晴らしい物になるのですね。こうして取引が行えることも喜ばしい」
「私もです」
ラビの家には一定の周期で訪れる商人がいる、何やら物々しい物に身を包んだそれを出迎えたサザレは思わずひっくり返る程に驚いてしまったがラビが直ぐに事情を説明すると直ぐに謝罪し打ち解けた。何故ならば、彼は重厚なマスクと皮膚を一切出さない真っ黒な服に身を包んでいる。
「今日も良い取引でした、有難う御座いますアグ」
「此方こそ。とても楽しい取引でした、貴方の素晴らしき夜明けを祈ります」
丁寧に頭を下げて去っていくアグ、そんな彼をラビと共に見送るサザレ。アグはそれに対しても頭を下げる。漸く帰った所でサザレは溜息を吐く。
「いやぁ何度見ても慣れないなぁ……あれで優しいんだから変な感じするよ」
「あれでもやり手な商人だからな、俺も絵を描く道具を調達するにはあの人の世話になってる訳だし、なんだったらコルさんも頼る位の人だ」
それと同時に自分の絵の一番の買い手でもある。特異な姿こそしているが、ある意味で自分最大のスポンサーとも言える。と言っても無理を言われた事もない、強いて言えば伝説か幻のポケモンの絵が欲しいと言われた事くらいだろう。分かっているが、この世界では資料も碌になく、あったとしても口伝程度のそれを明瞭に絵にする事も問題になるので匙加減が大変だった。
「でも、毎回毎回ラビの絵を凄い値段で持って行くよね……受け取るラビも凄いけど」
「慣れちまってるだけさ、最初なんて震えて変な声出たからな……でも突き返しても正当な物に正当な価値を支払うのは当然ですの一点張りでな……ンで受け取るようになった」
サザレは本当に思う。ラビの交友関係は本当に広くて深い、まさかあんな人までいるとは思わなかった……そんな人にも慣れつつある自分がいるのも少し怖かった。
「さてと……これで漸く仕上げに入れるな、サザレ」
「えっ何?」
「―――あと少しだけ、待ってくれ」
唐突にそう言われ反応に困る……というよりも真剣かつ澄んだラビの瞳に目を奪われて言葉が出なかったのだ。そのままアトリエへと入っていくその背中をボンヤリと見続ける事しか出来なかった、アイスを堪能していたシロナはニヤニヤしながらそれを見ていたのであった。
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」
「ウー……!!」
「バイウールーさんです」
「メエエエ」
| ・おおっ可愛い!! ・バイウールーじゃん、とその前のウールーも ・すっげぇモフモフだ ・ふわふわしてそう…… ・ふわふわなのね…… |
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「バイウールーさんはノーマル単タイプのポケモンさんです。見たとおりに極めてふわふわな羊毛は極めて弾力性に優れていて、これでカーペットを作るとまるでトランポリンのように跳ねる事すら出来てしまう程です。私はこれらで寝具に使わせて貰ってます」
| ・ふわふわなのね……!! ・なんかふわふわに執着してる人おるんやけど。 ・まあふわふわはみんな大好きだから。 ・抱きしめたらスゲェ気持ちよさそう。 ・実際気持ちいいよ(ガラル在住) |
|---|
「この角も彼らの自慢の一つです、これらは異性へのアピールへにも用いますので戦闘では使いません。といってもこれだけが武器ではなくこの毛も武器として使えますし、脚力も優れているので其方も強いです」
| ・まあつのっつったらそういう用途だわな。 ・中にはエグい使い方する奴いるけどな ・いるいるwww ・ふわふわの毛で攻撃、相手を尊死させるとか? ・ンな訳あるかよwww |
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「特性はもふもふに不屈の心、夢特性は防弾です」
| ・もふもふってなんかすげぇファンシーだなwww ・でも不屈の心って…… ・ギャップがスゲェ、防弾もそうだけど。 ・何か分かりづらいな。 ・どういう効果なん? |
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「もふもふは直接攻撃によって受けるダメージを半減するという物です、これによって実質的に弱点である格闘タイプのダメージを半減出来ます。格闘タイプの技の殆どは直接攻撃ですからね、と言っても気合玉とか波動弾は無理ですけど。それと炎タイプの技は問答無用でダメージが倍加されてしまいます。不屈の心はアイアンヘッドやエアスラッシュなどで発生する怯みが起きた際に素早さが上がるという物です」
| ・えっもふもふつおい。 ・確かにそれなら格闘タイプの対処は容易……但し特殊とかがきっついのか。 ・特殊アタッカーには特性なしか。 ・不屈の心は怯みで素早さアップか、ちょっときついかも。 ・運用は難しいかもな。 |
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「そして防弾ですが、これはエナジーボールやシャドーボール、種爆弾や卵爆弾、岩石砲やオクタン砲、種マシンガンやロックブラスト、ヘドロ爆弾やアシッドボムと言った技を無効化します。私は便宜上、これらの技を砲弾系と呼んでいます」
| ・あ~うん、何となくわかった気がする。 ・ホントニュアンスだけな?厳密に言えっていわれたら困る。 ・でも結構強くね? ・でも割とピンポイントな気もしなくもない。 ・それな。 |
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「バイウールーさんは出来る事も多いです。コットンガードや剣舞、バトンタッチなども習得します。防御面は中々ですのでそれらをガードシェアやガードスワップで味方に与えるのも面白いです。そしてボディプレスも習得出来ますのでコットンガードは防御を上げるだけではなく一気に火力を増強する事にも繋がります」
| ・も、元々硬い物理がさらに硬くなるのか ・もふもふが2倍、3倍に……!! ・そ、そういう考え方もある、のか? ・まあ実際更にもふもふなるから間違ってない。 ・鉄壁を超える技だからなぁ |
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「飛び跳ねるも出来ますので相当に持久戦法への適性は高いポケモンですね。電磁波にカウンターまで使えるので相当凄いです。加えて進化前のウールーさんから性格は大きな変化はなく、人懐っこい上になんだかんだでバトルも好きなのでガラル地方では初心者向けポケモンとしても重宝される一方、その防御力から手練れのトレーナーからも頼りにされる頼もしい羊さんです」
| ・私ガラルに行って来る ・ふわふわ好きがいったぞ ・まあ実際頼もしいから。 ・ダンデさんの弟さんも使ってるしな。 ・俺も持ってるけど凄い頼りになるぞ。 |
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配信を切る。するとウールーが自分の膝の上に乗ってきた、このウールーはバイウールーの子供でまだバトルもさせた事はないがきっと強くなるだろう。何せこのバイウールーはガラル地方のリーグ戦で大活躍したほどだからだ。
「この子の将来が楽しみだな」
「メェェェェ」
「さてと俺も頑張るかぁ」
「ウ~……メエエエエ」
「メェェェェ!!」
やる気十分な我が子、あの人の膝から降りて自分の後に続いてくる。彼はこの子の将来が楽しみだと言っていたが自分は不安だ。ガラルのジムは色んな意味で過酷だった、特にダイマックス相手は本当に大変だった……彼も彼だ、私のもふもふでも限度はあるのだからあのガラル空手のトレーナーにぶつける事は無いだろうに……まあ勝ったが。
「メエエエエエエ!!!」
我が子が何時の間にか小さな岩の上で大きく鳴いて勢いよくダイブして、私にどう!?と言いたげな目で見てくる。ラビめ、あの子にガラルの戦いを見せたな……?せめて真似をさせるのはもっと成長してからにさせないと……。