週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:変身、マイティイルカマン

「あの子ってそんなに珍しい子だったんだぁ……」

「そっ、ブリジュラスは新発見されたポケモンの類って事」

「でもブルベリ学園でも進化させた子がいるのよね?」

「じゃあ態々ラビさんのブリジュラスを研究しなくても良いんじゃないんですか?」

「……美味しい」

 

家のメンバー揃ってのおやつタイム中にブルベリ学園の特別講師の話をする、と言ってもメインの話はブリジュラス云々だろうが……。

 

「進化させたのはカキツバタという生徒らしいですけど……」

 

リーグ部は基本的にポケモンバトルの腕を競い合う部活。それはポケモンを育成する部活でもある為にポケモンの進化に関連するあれこれも沢山あったのだが、如何せんアイテムの数が凄い量になってきたので整理をしていたのだが……珍しくリーグ部部員として活動をしてくれたカキツバタが誤ってアイテムの山で雪崩を起こしてしまった。その際に手伝いとして出ていたジュラルドンが進化道具を見つけて進化してしまったとの事。

 

「あっちゃぁ……それじゃあ何が何だか分からないですね」

「まあ完全な偶発的な進化だった訳です、それに彼にとってもジュラルドンの進化はシンプルに好ましかったんですよ。進化した事で強くもなったし特性も変わった、それで今その把握に努めている訳で研究に協力している暇はないし、相棒であるポケモンを研究したいというのも容認しきれていない訳です」

「納得な意見ね、研究者的な目線からの意見も納得は出来るけどそれでも自分のポケモンを喜んでそういう事に参加させたくはないわね」

「同感……」

「俺も……何度かピカチュウの電気エネルギーの限界を知りたいって人に声を掛けられましたけどピカチュウが嫌がったので全部断ってますし」

「ピッカチュ」

 

カキツバタが協力に拒否を示しているのも相棒である元ジュラルドン、現ブリジュラスがそれらを嫌がっているのも大きいとの事。そんな事に協力するよりもカキツバタとのんびりしたり一緒にバトルをする方が楽しいからか、教員たちには全く協力の意を示す事がないとの事。

 

「それでラビのブリジュラスに白羽の矢が立ったって訳ね、でもそれならもう一回その道具を探せばいいんじゃない?」

「リーグ部のアイテム数は相当な物らしいんですよ。バトル中にポケモンに持たせて効果を発揮する道具とか進化道具、育成する時に持たせる道具の数を考えると相当な数になるから時間が掛かるってリーグ部で顧問をしている弟が言ってましたよ」

 

真っ先に頷いたのがレッド。木の実だけではなく、拘り系や玉系などなど……それらを全て考えると確かに凄い数になってしまう。しかも雪崩が起きた際に進化してしまった為にどの種類の道具だったのかも特定が難しくなっているのも事態をややこしくしてしまっている一助になっている。

 

「それで、皆さんに少しお願いしたい事が」

「あらっ何かしら?」

「弟からの頼みですから特別講師を受けようと思ってます、ですので留守番をお願い出来ませんか?サザレにもカメラマンとして学園の紹介写真を撮って欲しいという仕事が来ているので連れて行きます、お客様にこんな事を頼むのは可笑しいとは思いますけど……」

「その位なら大丈夫よ、私は引き続きヒスイの資料を読み漁りつつこの地方の事を調べるつもりだから」

「任せてくださいラビさん、と言っても俺もジム巡りしながらになりますけどね」

「……バトルしていいなら」

「有難う御座います。ダイケンキは置いていくので、何かあれば彼に」

 

「ンで、本気でいいのか?お前まで来て貰う事になって」

「ラビの行く所私有りだよ、それに弟さん達にも会ってみたいし」

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」

「ルルルルルァ」

「イルカマンさんです」

 

・おおっ遂に来た!!

・海のヒーローイルカマン!!

・この子が、ヒーロー……?

・如何頑張ってもアイドルなのでは……。

・ナンジャモ:だったらどれだけ良かったことか……。

 

「イルカマンさんは水タイプ単タイプのポケモンさんです。超音波によって相手の心の微妙な変化を感じ取り、私達人間とも高度なコミュニケーションを取る事が出来ます」

 

・お~流石イルカマン

・可愛い~な~……なんでヒーロー?

・ナンジャモ:知らないって、いいよね……

・何かナンジャモ荒んでね?

・イルカマンアンチとは珍しい。

・ナンジャモ:アンチというか苦い思い出が……

・キバナ:ボコボコに負けたもんな!!

・ナンジャモ:ぐはぁ!!?

 

「そんなイルカマンさんには秘密があります、それではイルカマンさん!!」

「プルァ!!ルルルルゥゥッ、プルゥ、ラァ!!」

 

・お、おおおっ!!?

・凄い勢いで回転しながら水を纏った!!?

・何が起きているんだ!?中が全く見えねぇぞ!?

・あ、あれは!!

・ピジョンだ!ガブリアスだ!

・いいやあれは―――

 

「ルルルルルゥゥゥラァァァ!!」

 

・イルカマンだぁぁぁぁ!!!

・変身したぁあああああ!!?

・さっきの可愛い子は何処にいったぁぁ!!?

・いやマジで何処行ったの!?

・私の癒しは!!?

 

「説明しよう!!イルカマンの特性はマイティチェンジ。誰かの声が彼に届いた時、彼に刻まれた太古の遺伝子が覚醒し、心優しいイルカマンはナイーブフォルムから誰かを救い、誰かの為に戦う正義の味方たる姿、マイティフォルムへとフォルムチェンジをする!!それはさながらメガストーンを必要としないメガシンカ、それを可能とする種族こそがイルカマンなのだ!!」

 

・な、成程!!

・いや分かりそうで分らんぞ!!?

・キバナ:メガストーンなしで自力で此処まで変化するたぁ面白いじゃねぇか!!

・ナンジャモ:しかもこの姿滅茶苦茶強いんだよねぇ……ボク、前にボコボコにされたの彼だし

・あっ度々水統一のヌシに負けたって、これか!!

・イルカマンはこの姿になれば強いからなぁ……。

 

「この姿になったイルカマンは50ノット*1の速度で海を泳ぎ、片腕、もとい片ヒレでクルーズ船を持ち上げる程のパワーを誇ります。加えて背中の噴気孔から高圧の水を噴き出す事で空を自由に飛び、尾ビレのリングは救命浮き輪やボートのようにして溺れているポケモンや人を助け、その目は数十キロ先の物を見渡せる程―――という感じで、もう特撮ヒーローの域に脚を突っ込んでるポケモンさんです」

 

・うわぁっ急に冷静になるなぁ!!?

・実際マジで特撮ヒーローみたいなスペックしとる……。

・お前マジでポケモンか?ポケモンの皮被ったヒーローだろ。

・ヒーローだぞ

・ヒーローだよ

・ナンジャモ:パルデアだとイルカマン主役のアニメとか特撮がある位には大人気だよ。

・マジか……。

 

「さてそんなイルカマンですが、今回は特別にこの場でマイティフォルムになって貰いましたが、本来は一度場に出た後手持ちに戻るという事が必要になります。なのでクイックターンなどで戻るコンボが有効ですね。そしてマイティフォルムにさえなればその強さは圧倒的、攻撃力はあのラムパルドに迫る程の物になりますし耐久もありそれでいて素早いという凄まじさです」

 

・あ、あのラムパルド並み!?

・どんだけやべぇんだよこいつ。

・キバナ:だとすると真正面から相手するのは愚策だな……

・ナンジャモ:愚策だよ?アーカイブでボクとのコラボ見てみたら分かるよ。

・ああ、あの時のか……。

 

「やはり高い物理攻撃力を活かしたい所ですね、イルカマンには先制技であり得意技でもあるジェットパンチがあります。アクアブレイクやウェーブタックルなどでガンガンと圧を掛けていく事も可能ですが、サブウェポンとしてドレインパンチやアイアンヘッド、冷凍パンチにインファイト、逆鱗に思念の頭突きなどなどの豊富なタイプを兼ね備えています。ドレインパンチの威力を上げつつも耐久も上げられるビルドアップも覚えられますのでかなりの耐久を誇ります」

 

・う、うおおおお……。

・ひっこめないといけないから速攻が難しい反面、こりゃすげぇわ……

・そうそうたるラインナップだ……。

・どれも高威力な技ばっかり……。

・強すぎない?

 

「特攻が低い訳ではないのですが、なまじ物理面が素晴らしいので此方を活かすのは必然的に難しくなるでしょう。それでも爆音波や冷凍ビーム、波動弾、気合玉に草結びと言った物も習得可能なので差し込める程度に留めておく程度だと思いますね」

 

・だとしても低い訳ではないんだな

・それがまた恐ろしい所だ、物理ばっか気にしてると不意打ち気味に特殊技を喰らう。

・あ~……

・ナンジャモみたいにな

・ナンジャモ:ぐふっ……!!

 

「相手がイルカマンを知っているならば、それを利用して剣舞などを積みに掛かる事もあるでしょうからアンコールなどをして相手の動きを封じてしまうのも手ですね。黒い霧も出来ますのでかなり動けるポケモンさんです」

 

・キバナ:確かに、オレ様も龍の舞をする事考えたな。

・そこを逆に利用されちゃうって訳か……。

・ナンジャモ:壁展開するのがいちばんだったかな……?

・キバナ:だったらいっそのこと晴れにしちまうってのは如何だ?

・あっ成程メインウェポンの水の威力を奪える!!

・なんだったら天然もちの水タイプをぶつけるでも行けそう。

 

 

キバナとナンジャモが中心となって対策会議が行われつつあるので配信はこの辺りにする。決まってこの後はスレへと移動して様々な討論が行われる事が定番になりつつある。流石の影響力だと言わざるを得ない。

 

「イルカマン、ブルベリ学園に付いて来てくれって言ったら来てくれるか?」

「プルゥゥゥゥゥゥゥゥラァ!!!」

 

サムズアップのガッツポーズで応えてくれるイルカマン、いい笑顔だ。感謝しよう。

 

 

彼の為ならば私は力を尽くす、そう誓いながらもイルカマンはラビを見つめ返した。イルカマンは最初から強かったわけではない。寧ろ進化前のナミイルカの時など酷く臆病でバトルなど以ての外な程だった。だが、まるで亀の歩みのような速度でしか前に進ませない自分を信じてくれた彼の為に自分は戦うと決心した。

 

「プルルルゥゥゥゥゥゥゥゥラァァァ!!」

 

その誓いこそがこの姿なのだ、このマイティイルカマン、例え何処であろうとも彼の困難を砕くヒーローになってみせよう!!

 

そんな意気込みを表すが如く、暴れ続けるアーマーガアを宥める為に空へと飛び立つ。が結局、アーマーガアは落ち着いてくれる事はなく拳で黙らせることになってしまった。

 

「アーマーガア……いやお前も連れてくか」

「ガアッ!?ガアアアアアアアアアアアア!!!!!」

「プルルルラァ……」

 

あれだけ戦ったのに元気な姿を見せるアーマーガアにイルカマンは肩を竦める事しか出来なかったのであった。

*1
時速約92.6キロ




イルカマンの事調べたら、マジで仮面ライダーのスペック説明みたいな事がいっぱいあって思わず笑いそうになった。
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