週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:バルーンアート・カラミンゴ

「……まさか本当にここに戻ってくる羽目になるとはなぁ……」

「どんだけその気がなかったのさ……」

「卒アルとかの場所が全然分からないレベルには」

 

パルデア地方から飛行機でイッシュ地方へ、そこから再び飛行機に乗って揺られる事数時間……色んな意味で辛い旅をした後に漸く到着したブルーベリー学園。海の上に浮かぶエントランスロビーに立つラビとサザレ。

 

「それにしても……海の中にあるって聞いたけどマジだったんだねぇ……」

「ああ、海底資源開発プラントに併設する形で建設された学校だからな。海中に作られてる、今思うとかなり変な学校だったな……此処」

 

ブルーベリー学園は海底で運営している資源プラントに併設しているという都合で大部分が海中に沈んでいるという人工島。窓の外から見える景色は海中という色んな意味で変わっている学校になっている、取り合えず……受付で職員室に行く許可を貰わなければ……ゲートにいる教員に話を通そうとするラビだったのだが―――

 

「すいません、職員室に取り次いでもらえますか?」

「職員室に何の御用……えっと貴方みたいな生徒いたかしら、生徒証忘れちゃったとかかしら?」

「ブフッ……!!」

 

思わずサザレが噴出した。そうそうこれだこれ、もう直ぐ三十路だというのにこの対応だ……此処でもそれをされるのかと思いながらも笑顔を取り繕って言う。

 

「リーグ部顧問のラバイ先生を呼び出して貰えますかね」

「ラバイ先生に何か用かしら、今日先生はお客様が来るって聞いてるけど……お兄さんが来るって聞いたわ」

「私が、その兄です」

「冗談は顔だけにしてくれるかしら、如何見ても貴方は弟さん……」

「ちょっもう無理……!!」

 

久しぶりに見るそれにサザレの腹筋は持たなかったらしい、ラビは財布から免許証とポケモン図鑑の身分証明書を取り出しながら額に青筋を立てながら言った。

 

「これでも三十路手前のこの学校のOBなんですよ、いいからさっさと取り次ぎやがれこの野郎」

「えっ……ええええええええええ!!?うっそぉぉぉ!!?」

「間に合わなかった……」

 

受付のお姉さんが身分証と免許証を見比べながらも絶叫を上げる中、ゲートから出てきたラバイがあーあ……と言いたげな顔になりながらも此方を見てきた。

 

「おいおいおい、俺の客人ってのは此方の俺の兄さんなんだ。丁重に頼むぜ?」

「だ、だって如何見てもお兄さんには見えませんよ!!?頑張ってもレベ君の一つ上が限界ですよ!!?それなのに30手前ぇ!!?詐欺も良い所じゃないですか!!?」

「すいませんねぇ童顔で……!!」

「もう駄目、無理ぃ……アハハハハハハッ!!!」

「しばくぞサザレテメェ!!」

 

膝をつきながら地面を殴る程に爆笑するサザレに流石のラビも物申したくなった。改めて童顔な自分を呪いたくなってきた……この場合、防御が上がるのかダメージを与えるのかどっちなのだろうか……と思うのはトレーナーの性だろうか。

 

 

「まあまあ兄さん、そんなに気を悪くしないでくれよ……俺も遅れて悪かったからさ」

「だからって客人って分かってあのコメントはねぇだろ、あそこまで言うか」

「ラビは本当に童顔だからね」

「サザレ、お前マジで覚えとけよ」

 

応接室へと通されたラビとサザレ。ラバイはゲート前で出迎えるつもりだったのだが、授業の採点やらに思った以上に時間を取られてしまった事を謝罪してくる。

 

「ンでそっちがサザレさんだな?今回はうちの写真を撮ってくれるって事で有難う御座います」

「いえいえ、私も仕事で来てる訳ですし」

「まあそのカメラマンさんが兄さんと一緒に来る事にはビックリしてるけどな……」

 

学園で仕事を依頼したカメラマンが自分が個人的にお願いをした兄とともに来る、それだけでもかなりのインパクトを受けているラバイ。今思い出したが、兄が旅をしている時に同行している女性がいたというが、確かその名前がサザレだった。こんな偶然があるとは……。

 

「というか、分かってて出したと思ってたんだけど」

「いやカメラマン云々は俺関わってないからなぁ……今の今まで、兄さんの旅仲間なんて事忘れてたし……というかまさか付き合ってたり、なぁ~んて……えっマジなの?」

「同棲はしてる」

「マジかよ……」

 

ラバイからすれば衝撃的な内容だった。まさか兄に恋人が出来ているなんて……しかもこんな美人な人がお相手なんて……自分はまだ全然そっち方面の事がないのに……と若干恨めしく思う一方である事が不安になってきた。

 

「だけど、兄さんこの事あいつらには話してるのか?」

「る訳ないだろ、何処から同棲してますなんて話に繋げればいいんだよ」

「だよなぁ……まあ取り合えずさ、兄さん久しぶりのブルベリ学園へようこそ。取り合えず何する?今は授業中だからあいつらが来るのは放課後になるけど」

「そうだな……」

「ああそうだ、一応配信の許可は取ってるから。どうせ兄さんの事だからやるんだろ?」

「勿論―――んじゃリーグ部の部室でやるか」

「だと思ったよ」

 

そのやり取りを見てサザレは流石兄弟だと感心した。自分でも此処までラビの行動を理解する事は出来ない。いやする事は出来るが此処まで順序良くは出来る自信がない。

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日は自宅を飛び出してイッシュ地方のブルーベリー学園へと来ています、実は母校なんです」

 

・い~いやいやいやいやサラッとすげぇ事言ったぞ!?

・えっあのバトルの名門のブルーベリー学園出身なん!?

・そりゃ強い筈だわ……あそこって相当にバトルに力入れてるからな。

・でもなんか放任主義すぎるって話も聞いたぞ?

・ナンジャモ:ラビ氏ブルベリ学園生なのか~……

・キバナ:オレンジアカデミーとは姉妹校って聞いたけど、実際どうなんだ?

・ナンジャモ:噂程度だけど、なんかバトル特化って話は聞いた。後なんか保健室がない。

・キバナ:なんじゃそれ

 

「そんなどうでもいい事は放り投げておくことにして……本日ご紹介するポケモンさんは此方」

「カァァァミンゴ」

「カラミンゴさんです」

 

・おおっ鳥ポケモン!!

・ピンク!!

・ピンク!!

・ピンク!

・キバナ:おめでとう!!

・ナンジャモ:ちょっwwwwキバナ氏それはwww

 

「カラミンゴさんは格闘と飛行の複合タイプです。首元がまるで結ばれているかのように絡まっていますが、これは元からです。嘴から体内に溜めたエネルギーが漏れ出るのを防ぐためと言われています。まあ食事とか大丈夫なのかとも思いますが、支障はないようです」

 

・ええっ……

・お前、尖りすぎだろ。

・そこまでせんでも……

・ま、まあ大丈夫ならいいけどさ……。

・よくもまあ……。

 

「普段は群れを成して生活をするポケモンさんで、敵に襲われると仲間とシンクロする習性によって一斉に一糸乱れぬ攻撃を仕掛けてきますので悪戯はやめておいた方が懸命です。普通に強いですから」

 

・まあ弱くても数が相手だとなぁ……

・数で圧倒されたらきついわな……。

・というかこいつそんなに強いん?

・パルデア民の印象は?

・クソつよ鳥。

・マジ?

 

「そんなカラミンゴさんの特性は肝っ玉、千鳥足、夢特性が共演です」

 

・うわぁどれも分からねぇ!?

・何か聞いた事あるけどなんかわからん。

・ポケモンの特性ってマジでいっぱいあるからな。

・素直に聞こう

・同感。

 

「肝っ玉は本来ゴーストタイプに無効化されてしまうノーマル及び格闘タイプの技を当てられるようになるのと同時に威嚇を無効化するという物です。技に見破るという物がありますよね、それと同じ感じです。肝っ玉では相性は普通としてダメージを与えられます、千鳥足は混乱状態の時に自分が受ける技の命中率を半分にするという物です。まあ混乱の自傷リスクはそのままですが……中々に面白い特性ではありますね」

 

・うおお、ノーマルと格闘にとってすげぇ嬉しいじゃん。

・得意技で行けるのは有難いなぁ……威嚇無効も有難い。

・千鳥足は……活かすのは難しいかなぁ……。

・自傷リスクがきついからなぁ……。

・でも回避率アップは面白いなぁ。

 

「そして共演です。共演はダブルバトル専用の特性で場に出た時に味方の能力変化をコピーするという物です。能力変化なのでダウンもコピーしてしまうという点に注意が必要ですが、適切なタイミングで投入さえ出来ればバトンタッチの能力アップをそのままコピーできるので、その場にバトンタッチで能力アップしたポケモンさんを二匹並べる事が可能になります」

 

・なにそれ怖い。

・バトンタッチに拘る事なくても龍舞とか剣舞でもいい訳だし

・ダブルバトルだとかなり使いやすいんじゃね?

・キバナ:それこそ相手の変化技に注意さえしてればいい訳だからな

・ナンジャモ:相手の妨害型が最大の天敵だね。

・やっぱダブルバトルって頭使うわぁ……。

 

「カラミンゴさんは同じタイプのルチャブルさんとの比較が分かりやすいですね。スピードではルチャブルさんよりも劣りますが、物理攻撃力ではルチャブルさんを大きく上回ります。この攻撃力から繰り出されるブレイブバードやインファイトの威力は極めて高く、それを受けようと出てきたゴーストタイプは肝っ玉ならば問答無用でねじ伏せる事が可能です。アクアブレイクといった水技も覚えますよ」

 

・キバナ:飛行タイプの時点で通り良いからな、その泣き所が消せるか。

・ナンジャモ:鋼、岩、電気、格闘で行けるもんね。格闘が苦手なのも飛行で行ける。

・そうか、自分のタイプで行けちまうのか。

・そうなるとシングルバトルだと肝っ玉が最有力?

・一番楽と言えば楽。

 

「仮に肝っ玉ではないにしても悪タイプの地獄突きを覚えるのでカバーは利きます。エスパータイプには蜻蛉返りと何とかなると言えばなります。サポートとしては先制技、範囲攻撃技を防御するファスト及びワイドガードを覚えます。追い風や挑発なども、ダブルバトルで使用するに当たっては範囲攻撃技を覚えないのも泣き所です、あるにしてもエアカッターぐらいですので上手くカバーしてあげたいですね」

 

・キバナ:て、なるとダブルで共演前提だと腹太鼓とか龍舞コピーか

・ナンジャモ:相方としては誰が良いかな、弱点を補填出来るとすると……ジバコイルかな?

・キバナ:逆に倒すとしたら、ヤドランみたいな物理耐久エスパーとかだな。

・上から殴るのが一番かな。

・それもあり。ドラパルトで殴り潰すとか

・いやルチャブル程じゃないならドラパじゃなくてもいける

・ナンジャモ:ボクだったら天然を持ってくるかな~

・キバナ:それなら共演も怖くねぇってか。有りだな。

 

そんな風に考察が進んでいくが、この辺りで配信は切っておく。何故ならば―――

 

「おっいい感じに授業終了の時間だ。狙ったのか兄さん」

「別に狙ってはない。だけど……あいつらが来るだろうな、とは思ってる」

「まあ来るだろうな」

「話には聞いたけど仲いいんだね~」

「俺はそこまででもねぇけど、レベ達は大好きっ子だからな。サザレさん覚悟しとけよ?」

「は~い」

 

 

ボスは何やら話をしている、何の話かは分からないが、自分は自分らしく生きるだけである。自分とボスの出会いは何時の間にか群れが何処かに行ってしまった時から始まった。いつも群れからはのんびりし過ぎと言われていたが、まさか旅立に置いていかれるとは思わなかった……そんな時に自分はボスの群れに入れて貰ったのだ。ボスは力自慢な群れの長、自分も何時かボスのように群れを統率してみたいと思っている……まあ無理だろうが。

 

 

「ちょっちょっと姉ちゃんにロル待ってってば!!」

「急ぎなさい!!あの背景、絶対に部室よ!!」

「お兄ちゃんってばウチらに何も言わずにサプライズ訪問とか気が利いてるじゃぁ~ん!!これは久しぶりにお兄ちゃん吸いするチャァアアアンス!!!」

「んなことしてるのロル!?」

「待ちなさいそれは私が先よ!!」

「レビ姉ちゃんもするのかよ!!?」

「「レベはしないの!?」」

「いやしねぇよ!!?なんだよお兄ちゃん吸いって!!?ラバイ兄ちゃんで我慢すりゃいいじゃん!!」

「駄目よラバイ兄さんは良い匂いしないもの!!」「同感~!!」

 

「ぶへっくしょん!!!」

「おおっでっかいね!?どうしたのラバイさん」

「な、なんか急に鼻が……」

「どうせレビがなんか言ったんだろ」

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