週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:厄除けキョジオーン

リーグ部に属するラビの弟妹達が集った、彼らは定期的に集まって閣議を開く。と言ってもそこまで物々しい物をする訳でもなく近況報告やら新しい戦法がどうたらこうたらと話し合う場、なのだが今回ばかりは奇妙な程に重い空気に満ちていた。

 

「見たわねロル」

「見たし知ったし間違いないし」

「あの人がスグリ君とゼイユさんが言っていたサザレさんね……」

 

と言っても内容は当然ラビの事、ラビと一緒に来た女性ことサザレについての事だった。こんな事に巻き込まれているレベとラバイはいい迷惑だと思うが、内容が兄の事なので参加しない訳にもいかない……主に二人の暴走を止める役目という意味でも。

 

「おいおいお前ら、野暮な事だけはすんなよ?サザレさんってのは兄さんの旅仲間でもあるんだ」

「そうそう、カントー地方で迷惑掛けられたっていうイクハって人と違って長い時間旅をしてたらしいんだからさ」

「そんなの分かってるわよっ明らかに信頼の絆があったわ、きっと兄さんも心から信頼している人だって事は、分かってるわよ……!!」

「でも、でも……お兄ちゃんはウチらのお兄ちゃんだし……」

 

その意見にレベも同意ではある。兄には多くの事で助けられたし、此処に入る前はよく遊んでもらったし自分達の相棒だって兄からプレゼントとして渡されたポケモン達。自分達にはどうしようもなくラビという存在がある。難しいとは思っているが、今度は皆で兄と一緒に旅をしたいとさえ思う程に大好きな人なのだ。

 

「でも、ウチ……お兄ちゃんが幸せなら、応援したいし……お兄ちゃん、旅してる時でもウチらのこと凄い気にかけてくれてたし……」

 

自分達の両親の仲はハッキリ言って異常に良い、故に夫婦としての時間が多かった。そんな両親の為なのか分からないが、自分達の面倒をよく見てくれたのがラビだった。兄というよりも最早もう一人の父親のような感覚がある。

 

「写真とか一杯送ってくれたよね」

「俺も一緒に旅したりとか、一時的に兄さんの旅に加わった事もあったな……レベなんて化石ポケモンゲットの為にな」

 

思えば迷惑を掛けまくっているしラビも自分達の事を優先してくれている、きっと彼はそれを苦にも感じていないのだろう。ならば自分達は何をするべきか?簡単な事でしかない、兄の幸せを素直に喜んで祝福する事である。

 

「そうすべきなのは分かるわ、だけどあの人が本当に兄さんに相応しいかはまだ分からないわ」

「おいおいレビ」

「分かってるわよ、バカな事言ってるのは分かってるわよ!!でも、でもこの位はいいじゃないのよ!!私にとって兄さんは大好きな人なんだから、その人の隣に立てるかぐらい、考えたいなんて思う事位!!」

 

そう言いながら飛び出していくレビを見送る、ラバイにとっては一番予想外だった事態だ。自分を含めた中で一番冷静で合理的な考えをするレビがあんなことを言いだすとは……失礼だがロル辺りが言うと思っていた。

 

「ホント、バカすぎる事を思ってるのは自覚してるし呆れてるわ自分でも……醜い嫉妬も分かってる、だけどね……妹ってそういう物なのよ、ごめんなさいねサザレさん、これから貴方に面倒な事言ったり失礼な態度をとるかもしれないわ」

「気にしないよそんなのに、いいお兄さんなのはラビ見てれば分かるし……私の方が好かれるように頑張ればいいだけの話だよ」

「全く……貴方が嫌な女なら簡単だったのに、いい女そうだから困っちゃうわね」

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。引き続きブルーベリー学園から特別講師としてお送り致します。今回紹介するポケモンは此方」

「シオーン……」

「キョジオーンです」

 

・うわ出た。

・や、奴だ……塩の巨人だ!!

・あれ巨人なの?俺、巨城って聞いたけど。

・どっちもなんじゃね?

・なるほど~

 

「キョジオーンは岩単タイプのポケモンさんです。名前の由来は塩の巨城にして巨人と言われてますね。その身体はミネラルが豊富であり、多くのポケモンさん達が身体を舐めに集まってきますが当人は気にする事もなく寧ろ舐めさせてあげる程におおらかな性格をしています。因みに指先から出す塩は治癒能力があるらしいです、傷に沁みたりしないんですかね?」

 

・あ~見た事ある、野生のキョジオーンが舐められてるの

・あれ、集られてるだけじゃなかったんだ……

・ちゃんと理由あったのか。

・それでも怒らないって不思議だなぁ

・ナンジャモ:それだけ優しいって事だよね、初心者にもおすすめな一匹だし。

・キバナ:そうだな、その進化前のジオヅムに打ち落とされて浮遊ムウマージ活かせてなかったな

・ナンジャモ:それこの場で言わなくてもよくない!?

 

「特性は清めの塩、頑丈、夢特性がクリアボディですね。矢張りキョジオーンと言えば清めの塩ですね」

 

・あ~なんか滅茶苦茶強いのだけ知ってる。

・なんか鬼火が効かなかった不具合があったな。

・それ不具合じゃなくて特性の仕様です。

・えっマジで?

・ハッサク:マジですよそれ、アカデミーでもその間違いをする生徒は多いですね。

 

「清めの塩はその名の通りにゴーストタイプに対して有効な特性でして、ゴーストタイプの技の威力を半減するという物です。これによってゴーストテラスタルをする事で実質的に弱点を悪タイプのみにするという事も可能です、そして状態異常にもならないという能力もあります。この特性によって耐久型が本当に強いんです」

 

・ゲェッそう言う事だったのかぁ!?

・ゴースト半減って割ときついよなぁ……ゴーストって通り悪くないし。

・サブウェポンでシャドーボール持ってる奴も多いもんな。

・キバナ:ゴースト半減か……てなるとシンプルに弱点を突くのが楽だな。

・ナンジャモ:テラスタル考慮しないと岩タイプだからそれには苦労しないけど、けど

・ハッサク:キョジオーンの場合はそれが難しいのもあるのですよね。

・キバナ:どういうことだ?

 

「コメントからいいパスを頂けました。キョジオーンには塩漬けという得意技があります、この技は相手を塩漬け状態にするという攻撃技なのですが、この技は相手に継続的なダメージを与え続けます。しかも塩で攻撃する為か、相手が水タイプか鋼タイプだった場合そのダメージが倍に跳ね上がります。つまりジュラルドンさんにとってはかなりきつい相手なのです」

 

・キバナ:マジかよ!?まてジュラルドンは錆び易いから余計にやべぇよ!?

・あ~そう言えば耐食性が高くないんだっけ?

・そういえば塩害対策重要だよって言ってたな。

・ハッサク:因みに、水鋼の複合相手に使っても更に倍になるという事はありませんよ。

・ナンジャモ:あっそうなんだ、なると思ってたよ。

・そうなるとあっという間に体力枯れるな

・そうじゃなくても対耐久戦術ポケモン相手に馬鹿みたいに強いじゃん。

 

「では、此処からは折角特別講師として招かれている訳ですからこれまであまり言及してこなかった道具についても言及しましょう」

 

・おっマジで?

・いいぞやれやれ~!!

・先生!!

・ハッサク先生もいるんだから気を付けろよ採点されるぞ

・ハッサク:そこまで上から目線な事はしません、ですが興味深いです

・ナンジャモ:思えば、これまでってあくまで紹介だからある意味自重してたのかラビ氏

・キバナ:つまりこっからが本気か。

 

「塩漬けをメインに据えるならば矢張り耐久型になりますので食べ残しなどの体力回復系の道具との相性がいいですね。ですが清めの塩と合わせると絶大な効果を発揮するクリアチャームなども良いかもしれません。

 

・食べ残しは耐久型には鉄板だな。

・回復技覚えない奴には生命線な事も多いからな。

・でもクリアチャームってなんぞ。

・さあ……?

・ナンジャモ:ゲッ、ラビ氏エゲツな……。

・ハッサク:これは何というコンボ

・えっ何々、何なの?

 

「クリアチャームは相手による技や特性で能力が下がらないという疑似的なクリアボディを付与する道具です。これによって状態異常にならず能力低下もしない難攻不落の巨城となる事が出来ます。と言ってもあくまで道具ですので叩き落とすなどには弱いので注意が要ります」

 

・あ~よかった対処法ある……

・いやあるけどエグい強くない……?

・ナンジャモ:これやられたらマジでキツいよ……電気タイプにとって麻痺って結構生命線だから

・ハッサク:真っ向から突破する事を強要されるわけですからね……。

・キバナ:状態異常にならねぇか……投げつける活用も有効か。

・あっそうか、シンボラーの時に言ってたような活用が出来るのか。

・だとしたら相手を状態異常にも出来るのか……。

 

「そうですね、相手のトリックを警戒して敢えて状態異常を起こす火炎玉や電気玉、毒々玉を持っておいていざという時は投げつけるで相手を状態異常に追い込むのも十分にありです」

 

・お~流石ジムリーダー、当たってるよ。

・キバナ:ドラゴンストームを舐めるなよ?

・なおキョジオーンは舐められる。

・キバナ:上手い事言ってんじゃねえよwww

・お後がよろしいようで

・終わらすな馬鹿!!

 

「キョジオーンは自己再生なども覚えるので耐久は大得意ですが、攻撃面も中々に侮れませんので油断を許さないポケモンと多くのトレーナーが警戒の対象にしています。特に相性が悪い相手への攻撃として三色パンチを習得出来ますので範囲もあります。鉄壁からのボディプレスも仕掛けてくるときもあります」

 

・これだよ……これが怖いんだよ。

・単純な耐久キラーじゃないんだよこいつ……。

・こいつ自身もパンチあるからなぁ……。

・殴れるだけに。

・地獄におちろ。

・ひでぇ

 

「強いて言うならば素早さがないのでそこを上手くつけるかが対処の幅を決めるという所ですね。攻めるならば草タイプをお勧めします」

 

・ナンジャモ:ボクならカットロトムで攻めるね。浮遊だし。

・キバナ:地震も無効だしリーフストームもあるからな、いい手だ。先生さんは?

・ハッサク:小生なら……そうですね、アップリューのGの力で対処します。

・キバナ:なんだかんだで真っ向が安定しそうだしなぁ……

・ナンジャモ:塩漬け警戒しながら押せ押せかな~

・おおっジムリーダー達が真っ向勝負しかないと仰ってる。

・しかないっつうかそれが一番楽だと思う。

・実際草タイプで対応とかが塩漬けとかに怯えにくいからな。

 

パルデアの覇権の一端を握っているキョジオーンというポケモンへの反応を楽しんだところで配信を切る。今回は講師として、授業で使えるような内容にしたつもりだがこんな感じでいいのだろうか……と少し悩みつつも折角だからキョジオーンの塩を少しだけ貰う事にした。

 

「うん美味い」

 

 

塩を舐められる、キョジオーンにとって当たり前の行為ではあるがそれをされてキョジオーンは喜んでいた。自分自身が何かの役に立てたという自覚を得られるからである、自分は鈍間で力しかないのでバトル以外では役に立てていない事を気にしている。

 

「なんて目してるんだよ、お前はお前だよ」

 

そう言いながら胸を叩くボス。だが他の主力に比べたら自分は出来る事が少ない、だからこそ役に立てているという自覚が欲しい、それが得られた時自分は……幸せなのだから。

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