講師としてもう少し何かやるべき事があるかなぁ……一先ずチャンピオンから順繰りに四天王一番槍まで巡ったから次は如何するかなと考えているラビだがそんな彼の元に一人の少女が歩み寄ってきた。太眉とたれ目が穏やかそうな印象を与える彼女は自分が気付いた事に一際笑っていた。
「お久しぶりですラビお兄さん、まさかこうしてお会い出来るとは思いませんでした。あの、私分かります?あの時はまだ小さかったから分からないかな……?」
そんな不安げな表情を浮かべている彼女、忘れている事なんて事はない。飛び級してすぐにイッシュ地方を巡っている時の事、ホドモエシティでモグリューをゲットしようと思ってた時に……
「もしかして、タロちゃんですか?これはまた御綺麗になりましたね」
「あっ良かった覚えててくれたんですね?実はちょっと心配だったんです」
そうホドモエシティのジムリーダー、鉱山王とも呼ばれる事のある地下世界のボス、ヤーコンの娘のタロ。本来であれば彼女はブルベリーグ四天王の一角を務めている筈なのだが弟妹達が暴れている関係で四天王ではないが元気にやっているらしい。
「配信でのご活躍は知ってましたけど、最初は吃驚しましたよ。ラビお兄さんがナンジャモさんと一緒に映ってた時は」
「思えばあの時が色んな意味で転機だったかもしれませんねぇ……それはそうと、ヤーコンさんはお元気ですかね?」
「パパですか?この前も電話で話しましたけど元気でしたよ、最近新しい鉄道計画が出てるみたいでその路線開発に協力の話が来てるって言ってました」
「バトルサブウェイでも拡張するんですかねぇ……?」
矢張り同じイッシュ民という事もあって話も弾む、タロの地元はライモンシティ。それを考えるとマジでバトルサブウェイが拡張されるかもしれない……そんな事を思っているとタロが隣に座ってきた。
「知ってます?ここ数日でレンタルバトルトーナメントへの参加者が増加してるそうですよ、レンタルポケモン育成担当の先生が悲鳴上げてました」
「それが私に関係あると?」
「ブライア先生が言ってたんですよ。特別講師のラビさんに迷惑を掛けないように、彼は我が校を飛び級で卒業し、レンタルバトルトーナメントで42連勝した麒麟児なのだって」
「あの人は……」
ブライアからすれば特別講師のラビの凄さを分かりやすく強調し、失礼がない様にと配慮したつもりだった。これだけの事をしている人なのだから変な事で絡む者はいないだろう。ラビ的には声高に喧伝して欲しくない事なのだが……。
「それでラビさんの伝説の記録を乗り換えるのは俺だぁ!!って挑む人が増えたんです、まあその大半はレビさんとロルさんに告白して玉砕した人なんですけどね」
「何ですか、それが何でレンタルバトルトーナメントに繋がるんですか」
「それが―――」
『私の好み?ラビ兄さんよ』
『ラビお兄ちゃんに決まってるっしょ~♪』
学園内でも人気の高い二人、告白される事も多い二人だが基本的に断っている。そんな二人に好みのタイプを聞いた猛者がいた、その時の答えが上記の言葉である。そこへその兄がラビであるという情報が明らかになった。つまりラビよりも強くなればチャンスがあるのでは!?という事でレンタルバトルトーナメントへの応募者が一気に増したのである。
「短絡的ですねぇ……いや私を断り文句にする二人にも一言言いたい気分ですけど」
「愛されてますねお兄さん」
「う~ん喜んでいいのか……あっそうだ、次の紹介はタロさんに合わせてフェアリータイプにしましょう」
「えっ本当ですか?それならリクエストが」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。引き続きブルーベリー学園から特別講師としてお送り致します。今回紹介するポケモンは此方です」
「フィィィイァ!!」
「ニンフィアさんです」
| ・おおっブイズ!! ・ブイブイちゃんズの可愛い枠、ニンフィア!! ・あ″っウチのブーちゃんが可愛くねぇだと? ・サンダースのちくちくかっこかわいさが分からねぇだと? ・シャワーズの鰭の良さがわからんと? ・ブラッキーの月の光の素晴らしさを知らんと聞いて ・エーフィの気品の中にある可憐さを愚弄するか貴様。 ・リーフィアの日光浴中の可愛さを知らずによく言えるなテメェ ・グレイシアのツンの中にあるデレの破壊力は雪崩並みだぞ ・集中砲火されてて草www ・こ、降参だ、ノーカウントだノーカウント!!マジかよ、夢なら覚め――― ・処されたか |
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「ニンフィアさんはフェアリー単タイプのポケモンさんです。イーブイの進化形でも有名なブイズの一角です、フェアリータイプらしく花畑が大好きで野生の個体ではしばしばそこを住処にする事もあるそうです。まるでリボンのような触角からは気持ちを和らげる波動を発する事が出来る為、その波動を使って喧嘩の仲裁などもします」
| ・へぇ~そうなんだ。 ・うちの父さん母さんも俺のニンフィアが良く仲裁してるわ ・ンで、そこから弟や妹が――― ・やめろ!!想像したくねぇ!! ・そんな家無いだろ |
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「……なかったらよかったな……が、戦いを余儀なくされると自分の何倍にもなろうかというドラゴンポケモンにも勇敢に立ち向かっていきます。鋭い攻撃技で相手の急所を躊躇なく狙ったりとかなりワイルドな一面を見せます。一説には戦意を削ぐ波動も相手を油断させる為の狩りの道具という研究者もいる程で、可愛げな見た目とは裏腹にかなりワイルドなポケモンさんです」
| ・なんか言った? ・俺のログには何もないな。 ・嘘だ、俺のニンフィアちゃんがそんな事あるもんかぁ!! ・ポプラ:ガラルにはニンフィアの竜退治の伝承があるからね、あっても可笑しくないさ ・うわぁピンクソルシエール!!? ・ピンク! ・ピンク!! ・ピンク!!! ・ポプラ:おめでとう!!!! ・ビート:やめてくださいあの時の事は忘れさせてください!!? ・サラッと混ざるなやジムリーダー!!? ・そして流れるように乗ったポプラさん。 |
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「フィフィフィ~♪」
「はいはいはい、ニンフィアさんの触角には相手の気持ちを感じ取る力があります。その為か、自分が認めたトレーナーの腕に自らの触角を絡ませて一緒に歩く事が大好きです」
| ・ポプラ:いいピンク加減だねぇ…… ・ピンク加減とは…… ・ピンクとは一体…… ・ピンクは、哲学だった……!? ・ビート:否定出来ないのがなんとも…… ・ポプラ:ニンフィアは好きなトレーナーにしかあれをしない、清らかな心がないと無理なのさ。 ・ピンクとは心を映す言葉……!? ・なんか混乱して来た ・自傷ダメージ、引いてどうぞ。 |
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「ニンフィアさんの特性はメロメロボディ、夢特性がフェアリースキンです。このニンフィアさんはフェアリースキンです」
| ・メ、メロメロボディ……!? ・見るものすべてを魅惑する、特性!? ・強ち間違ってないのがまた…… ・ブイズだから男女問わず人気だからなぁ……。 ・否定しきれねぇ |
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「メロメロボディは直接攻撃をしてきた別の性別の相手をメロメロ状態にするという物です。メロメロは性別が違わなければ使えないという条件がありますが、通用さえすれば行動不能率は混乱や麻痺を上回ります」
| ・メロメロ、ミルタンク、転がる、ミルク飲み…… ・うわああああ圧し掛かりで麻痺って踏みつけで怯んだぁ!! ・アカネちゃんフルセットやんけ!! ・やっぱ、皆苦労すんのな。 ・トラウマ製造機やぞ。 |
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「そしてフェアリースキン、此方はノーマルタイプの技をフェアリータイプへと変換した上で威力を上げる事が出来ます。ノーマルタイプであれば破壊光線だろうがギガインパクトだろうがフェアリータイプへと変える事が出来ます」
| ・えっつよ。 ・フェアリータイプに変わるのは一長一短な感じもするけど…… ・ビート:何を言います、半減されたとしてもタイプ一致を踏まえると相当にいいんですよ。 ・あっそうか。 ・威力が不足気味な電光石火も火力上がるな。 ・ナンジャモ:スキンって面白い特性だね~他にも持ってる子いないかな、エレキスキンとか。 ・いるのかね? |
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「これによって様々な技を強化可能です、身代わり貫通のハイパーボイスを強化出来るのも見逃せません。電光石火もフェアリータイプならば無効化されることもありません、ブイズである為に様々な変化技も習得出来ますのでサポート、アタッカー両面の適性が高いです」
| ・ブイズってマジで色々出来るからなぁ…… ・基本的にサポート、そこに進化で色々付与される感じだよな。 ・それが軒並み優秀だからなぁ……。 ・キバナ:この前、ハイパーボイスが異様に効いたのもこれか……まあ、勝ったけどな。 ・フェアリーはドラゴンに強いのに流石。 |
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「耐久を目指すなら瞑想と甘える、つぶらな瞳を組み合わせたり、バトンタッチで後続に繋いだりと役割は無数にあります。テラスタルを使えばテラバーストの打ち分けも出来ますので研究のし甲斐がありますね」
| ・あ~ウェザーボールもそうかな? ・キバナ:何もしねぇならノーマルからフェアリーになる筈だからそうだな。 ・対応するならどうすればいいんだろ。 ・ナンジャモ:ブロロロームとかいいんじゃないかな?フェアリー効かないし ・キバナ:オレ様だったら防音のジャラランガでいくな。 ・あっそっか防音でハイボきかねぇ!? ・でもフェアリー技は? ・キバナ:それこそ鋼や毒技で対処だろ。 |
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そんな所で配信を切る。タロは自分にニンフィアに興味津々、ニンフィアもタロの優しさを読み取ったのか身を委ねている。
「可愛いですね~♪私もイーブイゲットしたいなぁ~♪」
「気に入りましたか」
「勿論♪」
此処は中々に強そうなトレーナーがいっぱいいるじゃない、とニンフィアは視線を巡らせる。基本的に穏やかな気質だが、イーブイの時からバトルが大好きだった為かニンフィアに進化してもそれは変わらない。
「そうだラビさん、この子とバトルさせてくれませんか?」
「いいですよ、ダブルですか?」
「いいえ3対3のシングルで!!」
それは好都合!!と言わんばかりにニンフィアは嬉しそうに駆け出してタロに向き合った。さあどんなポケモンと戦えるんだ、あのバ鴉に勝つためにも自分は強くならなければいけないのだ。
「いやぁ~……ビックリしました、此処まで強いのに負けそうになったら即座にミストバーストを発動するなんて……」
「ある種の悪癖でもあるんですけどね……」
「フィッ」
無様な負け姿を主に見せる位ならば相手を道連れにするまで、それが私のポリシーよ。と言いたげに胸を張るニンフィア、ラビの中ではこの子はそれなりの問題児として認識されている。