週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:ウィルオウィスプシャンデラ

「ラ、ラビさんっ!!トレーナーとして、漢としてお話があります!!」

「……?」

 

講師として何をするべきかと割と真剣に考えている時に彼は話しかけてきた。自分なりにラバイの負担を減らせる方法はないかと苦心している時にとある生徒が話しかけてきた。

 

「君は確か……ランキング7位のアカマツ君、だったかな?」

「そうです、分かって貰えて光栄―――じゃなくてお話があります!!」

 

恐らくファンなのだろうか、表面に出そうになったそれを必死に抑え込みながら何故か持っているフライパンを握りしめながら言う。なんでフライパン持ってるんだろうか……

 

「あ、あのっ……タロ先輩とは、如何いう関係なんスか!!?」

「……あ~……」

 

そっちかぁ……と即座に理解出来てしまう自分がいた。周囲には他のリーグ部員などがいるのだが彼らは気にも留めていない所を見ると割とバレバレな様子、というよりも応援してくれているのだろう。これはアオハルだな……さてどういう風に弄って、もとい相談に乗ろうかと考えていると広げられているノートにアカマツが気付いた。

 

「あ、あれその広げてるノートは?」

「ああこれ、講師として旅先でも出来る簡単な料理教室でも開く事を検討してましてね、その見本というか例題というか」

「へぇっラビさんって料理も出来るんですね!!あっそう言えばこの前リーグ部でスパイスの香りがしたと思ったけどもしかしてあの時も」

「おやバレましたか。あの時は妹達にカレーを振舞ったんですよ、ガラル地方だと大人気且つ定番の料理でしてね」

「へぇ~美味しいんですか!?」

「折角です、作ってみます?」

「是非!!」

 

そこから仲良く話し始め、鍋やらフライパンをセットしてリーグ部全員分のカレーを作り始める二人。食堂のメニューとは違う物が食べられると喜ぶ一方、アカマツ君確り!!と応援兼叱咤の視線を向ける者が一定数居たとの事。

 

「アカマツ君はどんなポケモンさんを使ってます?」

「俺は燃え滾る炎タイプっす!!俺、炎タイプの統一パーティを組んでます。あっでもレビ部長に勝つためじゃないですよ!?というか負けまくってますし!!」

「別にそうは言ってませんよ、そうですね……今回はあの子にしましょうかね」

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。引き続きブルーベリー学園から特別講師としてお送り致します。今回紹介するポケモンは此方です」

「シャラララララン」

「シャンデラです」

「おおっでっかいですね!?」

 

・でた火力お化け!!

・文字通りの火力お化け!!

・いや後ろの子の言う通りでかいなおい!?

・ナンジャモ:というか、何で鍋が用意されてるの?

・キバナ:おおっ?ありゃカレーか?オレ様もカレーには煩いぜ?

・ハッサク:特別講師という事ですし、授業の一環なのでしょうか?

・ナンジャモ:あ~旅の中でカレーを作るってなんか楽しそうだな~

・それは言えてる。

 

「特別講師として来てますので、少しは生徒さんのお力にならないといけませんからね。レビ、御肉のマリネは出来ました?」

「大丈夫よ、トマトももうすぐ茹で上がるからそっちに回るわ。アカマツ君、手を休めちゃだめよ、タマネギは飴色になるまでじっくり丁寧に、目も手も休めちゃだめよ」

「ウッス!!」

「姉ちゃんたちトマトの中身取るの手伝ってくれよ」

「ウエェ~イ!!」「分かったわ」

 

・に、賑やかだな。

・まあ一緒に料理するのは楽しいもんよ。

・キバナ:オレ様も偶にジムトレーナーと一緒にバーベキューやるけど楽しいぜ?

・ハッサク:アカデミーでもこういうことをやってもいいかもしれませぬな……。

・ナンジャモ:良いと思うよ、サンドイッチからレベルアップするようなもんでしょ。

・いやなんでも挟めば終わるそれとは違う気が……。

・まあカレーも下手打たない限りマズくはならんし。

 

「シャンデラは炎とゴーストの複合タイプです。ゴーストタイプらしく古びた洋館などに生息していますが、矢張りゴーストタイプという性質を持っています。シャンデラだけに言えた事ではありませんが人間の魂を好物としています、魂まで行かずとも相手が怖がった際の感情をエネルギーにするという性質があります」

 

・タ、タマャシィ!!?

・なにそれこわ!!?

・遂にガチゴーストな性質持ちが来たか……!!(ジョボボボボボ)

・漏れてる!!カッコつけてるところ悪いけどえらい量が漏れてる!!

・きょ、恐怖を喰らうならまだ、何とか……。

 

「昔はシャンデラを照明代わりにする屋敷も多かったとの事ですが、葬式も絶えなかったという話もあります。シャンデラが魂を燃やしてエネルギーに変えていたから……というのも……そんなシャンデラが、それは彼らなりの弔いにして感謝の示し方という説もあります。ですから必要以上に怖がらないでください」

「シャ~ン」

「こんなことする奴もいますから」

 

・シャ、シャンデラがヌシの頭の上に合体しとる……www

・お前の話をしとったんだよ!!何笑かすんだwww

・雰囲気ぶち壊しだよwww

・まあ時代が進んでシャンデラのスタンスも変わってる可能性あるしな。

・それはある。

 

「そんなシャンデラの特性は貰い火、炎の身体、夢特性がすり抜けです。まあそんな事が如何でもよくなるのがシャンデラの火力、シャンデラの能力は特攻が最も優れています。その火力は弱点込みとはいえあのシールドフォルムギルガルドをオーバーヒート一撃で葬る事が可能な程です」

 

・ゲェッ!?あのクソ硬いギルガルドを!?

・オーバーヒートとはいえ、一撃かよ……。

・何そのバカ力。

・すっげぇなおい……。

・こわ……。

 

「この圧倒的な火力こそがシャンデラ、という訳ではなくゴーストタイプらしい搦め手も得意とします。鬼火からの祟り目、能力変化を無効化する黒い霧とクリアスモッグ、相手を逃がさない炎の渦、大ダメージを相手に押し付ける痛み分け、他にも溶けるや瞑想、小さくなる、などの技を使えますが、下手な小細工をするより高火力で殴った方が早いと言われてしまう程です」

 

・そうそうたるラインナップなのに

・殴った方が早いとは……。

・キバナ:鬼火から祟り目するよりシャドーボール撃った方がいいって聞いた事あるな。

・ナンジャモ:でもここまで積み技が豊富なのも相当に厄介だなぁ……

・難しいなぁ……違った意味で。

 

「私も基本的に火力を押し付ける戦い方をしますね、その時のパーティ編成に応じて戦い方は変えますけど……そこまでタフネスではありませんが防御と特防が低い訳ではないので耐える事が出来ます。最近ではニトロチャージや草分けで素早さを補強する戦術も出来るようになりました」

 

・キバナ:やっぱり先制か?そこまで硬くないならやりようはある。

・ナンジャモ:そうだね、サブウェポンで弱点ついても結構な痛手に出来そう。

・ハッサク:と言っても相手はゴースト、確かサイコキネシスも出来た筈なので

・げぇっあのエスパー技覚えるのかよ。

・というかゴーストタイプって大体エスパー技覚えるよな。

 

「よしっラビさん下拵え終わりました!!大鍋に火お願いします!!」

「ではシャンデラ、お願い出来ますか?」

「シャン、シャンシャンシャァァン」

「おおっ見事な電気技!!」

「いやなんで調整した電撃波?」

 

・げっ電気技まで覚えるの!?

・ナンジャモ:うわ、それは知らんかった、水タイプでも危ないかな?

・キバナ:エナジーボールも覚えるしな、トリトドンじゃアブねぇな

・ハッサク:しかし地面タイプはいいのでは?特にガブリアスなんて

・キバナ:っつう事はオレ様のフライゴンでも行けるな!!

・ナンジャモ:ウチだとキラフロルなんてよくない?

・ハッサク:毒と岩タイプ、成程有効ですね。

・意外に対抗策って出て来るもんだな。

・そりゃそうさ、ポケモンバトルが出来てどれだけ歴史があると思ってんだよ。

・強いポケモンへのメタはトレーナーの性だぜ

 

 

そんな所で配信を切る。カレーの方も大詰めの様子だからそちらにも目を向けてやらなければ……

 

「うしこれで完成!!」

「じゃないですね、隠し味を入れてない」

「えっまだなんか入れるんですか!?」

 

 

「林檎をすりおろして加える、こうする事でコクが出ます。甘い林檎ほど良いコクが出ます」

「あっそれって」

「ええそうですよ、貴方の故郷の林檎さんです」

「へぇ~林檎が美味いって聞いたけどマジなんだな!!」

「う、うん自慢の一つ……」

 

美味しそうな匂いが広がっている、自分もこの香りは大好きだ。自分の分もあるんだろうな、と視線を向ければ戦友は当然と言いたげな顔をする。そうでなくては……気づけば周囲の自分への目が幾分か和らいでいる事に気づく。

 

「シャァァン」

 

住まっていた洋館を全焼させた悪魔のポケモン、主の願いを聞き入れ、その魂を自分の糧にしてあの世への旅路の始まりにした。それに後悔はないが……恐れられ、孤独の中で文字通りの灯となっていた自分を迎え入れた戦友は馬鹿だと思う。だからこいつを主とは仰がない、仰ぐ理由がない。だから―――私は戦友と呼ぶ、友と呼ぶには相応しい人だからだ。

 

「さあシャンデラ、貴方の分ですよ」

「シャァァァンッ♪」

 

そう、友と呼びたい……ずっとそう呼びたい……だから、だから……またカレーを作ってくれ。シャンデラは美味しいカレーを堪能しながら何処か思いを押し殺したように少しだけ渇いた笑いを浮かべた。

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