週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:クロロマルマイン

「どうかな、君が口添えしてくれるならばなんとかなるのではないかね?」

 

特別講師として様々な事をするラビ、そろそろ講師もいいんじゃないかと思い始めてきた今日の頃、元担任であるブライアからの相談を受けてラバイと共にそれを受けるのだが……それはある意味で予測の範疇内のものだった。それはエリアゼロへの立ち入り調査許可に関する事。

 

「エリアゼロっつうと……パルデア地方の中央にあるあれの事だよな、なんでそこに」

「あそこにはテラスタル現象の根幹があると私は睨んでいる、そこでの結晶の採取と調査をしたいと以前から思っておりずっと申請を出している訳だ。しかし……中々許可が下りない、エリアゼロは危険区であるが為にという理由でね」

「そりゃそうだろ……そこは並のトレーナーが立ち入ったら生きていけない世界だ」

「兄さんがそれを言うかよ」

 

ラバイからすれば並のトレーナー以上に強いアンタが言うのか、という感じなのだろうがラビ自身は実際にエリアゼロに入っているので実体験に基づいた言葉である。あそこに足を踏み入れたメンバーだってアオイにハルト、ネモにペパー、ボタンと全員がポケモントレーナーとして申し分ない実力者だったからこそ。そこに+αという形で自分もいた。それでも危ない所がそれなりにあった。

 

「ラバイ、ハッキリ言っとくぞ。あそこに踏み入るなら最低でも俺とお前、いやレビ、レベ、ロル位には腕が立つトレーナーがいる」

「ブルベリーグ四天王クラスじゃないと入れないって事か?」

「入る入れないの問題じゃない、身を護る為にはその位の実力がいる。知り合いに入ってしまったトレーナーが居てな」

「ほうっ!?それは実に興味深い、その人物に話を聞けないものかな!?」

「まだ続きがある」

 

スンっと静かになるブライアが腹立たしい……シンボラーの時だけじゃなくて面倒事を起こして漸くこれなのだから……全く以て度し難い。

 

「そのトレーナーは相棒のポケモンに大怪我をさせてしまいながらも命辛々でエリアゼロを脱出した。だがそのポケモンの大怪我はポケモンセンターでも完治させられなかった、つい最近漸く治療方法が見つかったが……分かるか、あそこはその位に危険って事だ」

「それはっ……軽率な発言を許して欲しい、本当に私は唯、話を聞いてみたいと思っただけで……」

 

流石にそういうのはあってくれたかと安心してしまった、というか思うと自分は本当にブライアに振り回されていたなぁ……と思える学生時代だった。飛び級する為とは言え無茶し過ぎだった気がする。イッシュ本土だけではなく、時にはアローラやガラル地方にまで調べにいくバイタリティだけはブライアから唯一受け継いで旅で活用したものかもしれない。

 

「そうなると……最低でもリーグ部最高戦力全員が行かねぇときついか……」

「正直な話、それでもキツいと思う。旅をしてない影響がもろに出る」

「ど、如何いう事かな?」

「―――不意への対処か」

 

流石にラバイは即座に気づいた。そう、学校でバトルの技術は教えられるしそれらを受けて向上するだろうが野生の野良バトルはハッキリ言って何でもあり。地形を利用して本来鈍い筈のポケモンが何倍も素早くなる、攻撃する、防御する、それらが多発するし最も危険視するべきは不意打ちへの備え。野生で生きるが故に不意打ちでの先制で相手をいかに仕留めるかを極めるポケモンも多い。

 

「言うなれば、野生のポケモンはサトシさんの環境利用バトルを常に行うからな」

「そ、そうか……そうなると、難しいか……」

「それと―――ブライア先生アンタ本当にポケモン育ててるか?」

「ギクゥ!!?」

「そう言えば先生のパートナーポケモンの欄空欄だったような……」

 

ほらこれだ……研究者としてはいいかもしれないが、エリアゼロでは完全な足手纏いでしかないのだから多少なりともポケモンを使えるようにしてほしい物だ。

 

「……俺はアンタのお守りはもうごめんだからな。何度酷い目にあった事か……」

「マジで何やらかしたんだよブライア先生、兄さんが此処までキレるとかねぇぞ」

「それは、そのぅ……」

「シンボラーが守ってた社の一部を壊したり、不用意に進んで土地の守り神に敵対者と間違われたり、入るなって言われてた神聖な領域に入ったりっ!!」

「う、ううぅぅぅ……」

「アンタは子供か……」

「返す、言葉もない……」

 

一先ず、エリアゼロ関連は行くにしてもメンバーの選出が出来ていないし自分は絶対に口添えはする気はない。そもそも自分はパルデア地方のリーグとは無関係の人間なのだから、今はこの学園の特別講師としての仕事しかしない。

 

「そう言えば兄さん、なんか人呼んだって聞いたけど」

「別に特別講師が他に講師呼んでも可笑しくは無いだろ」

「ああそういえば今日来る筈だったが……一体誰を呼んだんだい?」

 

流石に自分だけでは好い加減に生徒達が飽きると思って自分でもゲストを呼んだまでである。それは―――

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。引き続きブルーベリー学園から特別講師としてお送り致します。本日ご紹介するポケモンさん―――を紹介する前に本日はコラボ編とさせて頂きます、それでは今回コラボしていただきます方をご紹介します」

「貴方の目玉をエレキネット!!ナニモンナンジャ?ナンジャモです!!今回は何とコラボ回だぞ~!!なんと、ボクはパルデア地方を飛び出してイッシュのブルーベリー学園に来ちゃってま~す!!」

 

・おおっ!?まさかのコラボ!?

・キバナ:オレ様とはコラボしないのにナンジャモとはするとはいい度胸じゃねえか!!

・ハッサク:まあまあ……彼女は先輩みたいなもんですし

・アイリス:いいな~私も行きたいな~

・というかパルデア飛び出していいん?

 

「うん大丈夫~ちゃんと前以て連絡貰って手続きはしてきたから、ジムリーダーには一応代理立ててきたからね。この辺りはちゃんとやればボクだって他地方に出張ぐらい出来ちゃうんだよ」

「という訳で今回はナンジャモさんをお迎えした上で配信をしたいと思います」

「うむ苦しゅうない!!あっ後でラビ氏の弟妹さん達に挨拶させてね~」

「というかそこにいるんですけどね」

「其処はほら、配信の本番中だし」

 

・そこは確りしているナンジャモであった。

・放送局だとネタ枠な印象強いけどネットリテラシーはかなり確りしてるからな。

・でもジムチャレンジでいきなり番組出演はありなのか?

・それはまあ……前以て話はされるだろうし。その上で是非は問えるし。

・一応拒否は出来るらしい。

 

「さて、今回は以前紹介したヒスイウインディと同じヒスイポケモンを取り上げようと思います」

「おおっマジで!?バズりそうないい感じのネタと言われてきたけどまさか!!?」

「はい、電気タイプです。それでは今回ご紹介するのは此方」

「マルルルルルンッ!!」

「マルマインのリージョンフォーム、ヒスイマルマインさんです」

「うわなにこれ面白い!!?」

 

・こ、これがヒスイの時代のマルマイン!?

・なんか、木っぽい?

・確かに質感がそうっぽい……。

・キバナ:これが昔のマルマインか……。

・すげぇ木っぽいけどボールだ。

・基本は変わらねぇ感じかな

 

「ヒスイマルマインさんは電気と草の複合タイプです」

「何と草タイプも入ってんの!?」

「はい。恐らくぼんぐりの実で作るモンスターボールに擬態しているものと思われます、ボール職人のガンテツさんに御尋ねした所、作られているボールは意図的に現代のボールに似せていたり、加工で現代の物と遜色ない様にしているそうです」

 

・あっそうなの?

・まあ言われてみたら木の実があそこまで鉄みたいな質感になるのはおかしいとは思うが

・やっぱりそうする事あるのね。

・でもなんでそんなことするん?

・確かにしなくても使える事は使えるんやろ?

 

「何故こうするのか分かりますかナンジャモさん?」

「えっ?え~っとえ~っと……あっもしかしてだけどさ、ボールの保護機能がないとか?」

「正解です。ぼんぐりから作るボール、これにポケモンさんを入れる事は出来るんですけどボールによるセキュリティが無いに等しい状態なんです。つまり、加工前のぼんぐりボールで捕まえたポケモンは他のトレーナーがボールを投げると奪う事が出来てしまうという事です」

 

・あ~……成程そう言う事か。

・確かにそれはマズい……。

・偶に子供が遊びでやるもんな、まあ出来ないって分かってるみたいだけど

・それが遊びじゃすまなくなるのか。

・キバナ:オレ様達が何時も当たり前みたいに甘受している当然を付けてくれてるんだな。

・アイリス:う~ん感謝感謝大感謝だね。

 

「そうなるとビリリダマさんとマルマインさん、そしてモンスターボールは何方が早かったんだ?というのも考古学においては論議の一つにもなっています。まあそれは置いておいて……このマルマインさんは原種と同じくデリケートな扱いを要求されます、苛立った際に放電する電気の強さは落雷20回にも匹敵します」

「やっばいねぇ!!」

「何かテンション上がってません?」

 

・鶏が先か卵が先か、だっけ?

・まあその辺りは専門家に任せよう。

・興味が尽きない話ではあるんだけどな。

・にしても落雷20回とかやべぇなおい

・尚原種は苛立ったら大爆発する。

・どっちがやばい?

・どっちもやばい。

 

「こんなマルマインさんの特性は防音と静電気、夢特性が誘爆ですね」

「誘爆って倒れたら相手にダメージを与える奴だっけ?」

「そうですね、ですが爆発系という事もあって湿り気で無効化可能です」

 

・音技無効、麻痺、ダメージか。

・個人的には防音かな、此処で散々音技の辛さを知ったし。

・身代わりとか貫通だしなぁ……

・でも静電気も良いと思う。

・麻痺を撒けるしな。

・撒きたいなら電磁波でええやん。

 

「さてそんなヒスイマルマインさんは草タイプも入った事で技範囲が広がってます、原種と同じく素早いポケモンですのでガンガンと上を取って攻める感じですかね」

「草タイプの変化技を覚えられるとしたら凄い厄介だと思うんですよボク、宿木とか痺れ粉とか」

「其処で地面にも通る痺れ粉をチョイスとは流石ですね、覚えます」

「やっぱりか」

 

・なんか順当にすげぇ厄介になってる気がする。

・マルマインって言えば地面ならば楽勝な奴なのに

・それに草がついて厄介になってんなぁ……。

・ソーラービームとかエナボ使えるんだろうな。

・うわぁ面倒だ。

 

「そんな中にヒスイマルマインさんは専用技と言ってもいい技があります」

「おっマジで!?何々!?」

「クロロブラストと私は呼んでます、これは草タイプの技でして使用感的には徹底光線に近いですかね。威力は此方が上な感じですが」

 

・草タイプの特殊大ダメージ技か

・半分とは、またきついけど徹底光線並の火力は魅力だな。

・キバナ:こればっかりは見てみたりしないと分からねぇけど、面白いな。

・ハッサク:う~む、どんな技か気になりますね。

・同じく

 

「なのでナンジャモさん」

「えっボク?」

「はい、実はヒスイマルマインさんを貴方に託したいんですけど」

「えっ―――ええっ~!!?」

 

・突然すぎる!?

・えっそんな激レアポケモン譲っていいの!?

・ヒスイポケモンって今も色んな人捜してるけど全然なにゃぞ!?

・なにゃぞ

・やめろ!!

 

「ナンジャモさんは電気タイプのスペシャリストですし、調べて頂くならそちらの方がいいかと思いまして。私も少しずつやってますけどなかなか進んでないんですよ……本業もありますし」

「ああそうか、ラビ氏って配信は趣味だもんね。収益化しちゃえばいいのに~」

「趣味の領域越えるから嫌です。後―――(少しお耳を)」

「(おっ何々?)」

「(正直、私はパルデアリーグから色々言われてますから多少はサービスしてあげないとまたチリさんが文句を言いに来るでしょうから)」

「(あ~……それは、まあうん……確かにね。それでボクを身代わりにするって訳なの?)」

「(それはそうですけど、ナンジャモさんだって凄い気になるんでしょう)」

「(うんだって凄い興味深い)」

 

・おいこれ配信ぞ!!

・こっちに聞かせてくれよ!!

・キバナ:まあ待て、これは色々関わる事なんだろよ

・ハッサク:待ちましょう、それも大人です。

・ネモ:私子供です!!

・うわぁチャンピオン!?

 

「でもいいの本人というかマルマインは」

「マルル?マルルルンマルルルン」

「気にしてないそうです、というよりも仲良しだったアローラライチュウさんが今ナンジャモさんの方に居ますし寧ろ喜ぶと思います」

「ああっ成程、よし分かった。そう言う事なら先輩のボクが引き受けるよ、配信で出すか出さないかはトップとかと相談してから決めるけど良いよね」

「お任せします」

 

・流石ナンジャモ、思った以上にネットリテラシーが高い。

・その辺りキッチリしてるよな。

・まあ今回は配信で出してもいいんじゃね?研究資料として保存も出来る訳だし。

・ガチグマの時なんて色んな所の博士が使ってるって噂だしな。

・キバナ:ガラルでも使われてるぞ

・アイリス:イッシュでもそうだね。

 

「そんなヒスイマルマインさんですけど、非常に素早いので此方のペースを乱してくる戦いを得意とします。かと言って、相性のいい相手を繰り出そうとするとクロロブラストを放ってきて自主退場で場面をリセットする事も出来ます」

「でもボク的な主観だけど基本マルマインに草タイプが入ったってイメージだし、ヒートロトムとかタイカイデン、ストリンダー辺りだとかなり安全に行けそうだね」

 

その辺りで配信を切る、訳ではなく今度はドンナモンジャTVへとバトンを渡す事にした。ブルーベリー学園の生徒達にインタビューをしたり、食堂でメニューに驚いたり、実際にポケモンバトルをしたりと配信者としては寧ろナンジャモの方が余程正しい事をしているような気分になった。

 

「マルマインエレキフィールド!!さあライチュウノリノリでライジングボルトだよ~!!」

「うわちょっは、速過ぎ!?た、対応出来なっ―――わぁぁぁバシャーモ!!?」

 

アカマツとバトルをするのだが、そこでいきなりマルマインを実戦投入するが、ライチュウとのコンビで見事にアカマツを翻弄して勝利を収めるのであった。

 

「如何だいラビ氏、僕も中々のもんだろう!!」

「すいません素直に感服しました」

「むっふんもっと褒めたまえ!!」

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