「「お久しぶりですラビさん!!」」
「まさかこんな所で会うとは……意外でしたね、お久しぶりですアオイさん、ハルトさん」
特別講師をしているラビの元を訪れてきた二人の生徒、それはオレンジアカデミーにいる筈のアオイとハルトであった。遂にオレンジアカデミーからの留学の時期がやってきたのかと……と思いつつも二人を歓迎する、したい所なのだが……そうなると藍の円盤が本格始動した事にもなるのでいまいち喜べない所がある……
「ナンジャモさんとのコラボ見ましたよ、あんなポケモンもいるんですね!!」
「いるんですよ、因みにナンジャモさん目当てなら流石に無理ですよ。もう帰りましたから」
「まああの人もジムリーダーさんですもんね、無理は出来ないでしょう」
ナンジャモも名残惜しそうにだが帰っていった、妙にレベとの別れを惜しんでいたような気もしなくもないが……まあ自分はそう言う事には余り首はツッコまない、ギャロップに蹴られて地獄へと落ちたくないのだ。
「それにしても、ラビさんとまた会えるとは思いませんでしたよ」
「会おうと思えばパルデアでも会えますけどね、前以て連絡は欲しいですけど」
「いやぁ……だって会いに行き辛いですよ」
色んな意味で有名になってしまっているラビ、各界の著名人が出現する為にラビの家へと突撃を敢行する愚か者が次々と検挙されてニュースにもなっており、アカデミーでもかなりキツい注意を受ける程だったのでこの二人も自重していたのである。尚、今家にはトリプルチャンピオンがいる。
「あら、兄さんお客さんかしら?学園の転入生かしら」
「いや違う、オレンジアカデミーからの交換留学生だよ」
「成程、それで見たことがない顔だった訳ね」
リーグ部の部室ゆえ当然弟妹達もいる、リーグ部の部長をしているレビは丁寧に頭を下げながらも挨拶を行う。リーグ部の品格を落とさないためでもあるが、それ以上に兄の名前に傷をつける訳にはいかないというのが大きい。
「ようこそブルーベリー学園リーグ部へ、此処ではポケモンバトルへの熟達と洗練、研究を目的として様々な活動を行っています。ポケモンリーグを模しているというだけではなくポケモンとの接し方、手入れ、交友、様々な目的でこのリーグ部に所属している方はいますので一概にバトルの為だけの部活ではない事をご理解ください。申し遅れました、このリーグ部で部長をしているブルベリーグチャンピオンのレビです」
「チャンピオンッ!!あっえっと、オレンジアカデミーから来ましたアオイです。一応パルデアリーグでチャンピオンクラスをしてます」
「同じくチャンピオンクラスのハルトです」
「あらっそうなのね、兄さんから話は聞いているわ。とても、お強いんですって……?」
最初こそ丁寧且つ細かく説明をしたレビの雰囲気が変化、氷のような冷たい視線を携えながらも此方を見定めるかのような物へとなった。ネモとは真逆とも言えるそれに二人は驚くが、確りと見つめ返すと―――
「わ、わやじゃ。アオイとハルト!?」
「あっマジじゃん!?どうしたの二人とも、まさかこっちに転校してきちゃったとかないよね!?」
「「ゼイユにスグリ!!」」
キタカミの里で共に苦難を乗り越えた友の存在に思わず嬉しそうな声を出して手を取り合った。その様子にレビは特段嫌な顔はせず友人同士の邂逅を邪魔する事はしない。
「交換留学ねぇ……ならそっちにもウチらから行ってるのよね、誰が行ったのかしら」
「そ、それより二人は如何してリーグ部に?」
「いやシアノ校長先生からうちの学校の自慢だから是非見てって言われたから……」
「全くあの痴呆校長……私達に留学生の世話やら説明を完全に丸投げする気ね?」
「こらレビ、言葉遣い」
「あの校長先生本当に自分の責任を果たさないわね?」
「よし」
「いや何も良かねぇだろ兄さん」
なんにもフォローになってねぇよ、と言いたげなラバイにラビは無視を決め込む。そんなレビは二人にとある提案をした。
「そうね、折角来て頂いた訳だし姉妹校のチャンピオンクラスの実力も拝見したいわね……」
「おいレビ、何考えてんだよ?」
「簡単な事よラバイ兄さん、お二人にブルベリーグランキングに参戦して貰おうと思ってるのよ」
突然の事に肝心の二人どころか、リーグ部にいる全員が驚きを表していた。留学生である二人には本来ブルベリーグランキングへ参加する権利はない、だがチャンピオンであるレビ、そして顧問であるラバイが許可を出せばそれは確実に通せる。
「アオイさんにハルト君、如何かしらこのブルーベリー学園でもそのバトルの腕を競ってみて下さらないかしら?」
「ちょっと待ちぃや部長」
困惑する部員を代表するようにカキツバタが声を上げた、珍しい奴が声を上げたとレベ、ロル、そしてレビは顔色を変えた。
「あら何かしら、反対意見?」
「うんにゃ、オイラとしても面白そうなのはいい。だけど態々参加してもらう理由はなんだぃ?それ相応の物がねぇと納得しねぇ奴らも出るぜぃ」
「単純な話よ、余りにも停滞してるからよ」
現在ブルベリーグランキングの変動は基本的に無い。チャンピオンと四天王に大きな変動はなく、それらがお互いに鎬を削ってランキングの変動こそするが、誰かが四天王から落ちると言った事もなくチャンピオン交代もレビとレベの間でしか起きない。その事にレビは危機感を感じている。
「環境が行き詰まる事自体が問題になっているのよ、私は相応しい敗北なら受け入れるわ。だけど何時まで経っても変わらない、今はスグリ君、以前は貴方すら倒せる生徒は出て来てないじゃない」
「まあそうだねぃ」
「それは、まあ……」
アカマツやタロ、ネリネなどがスグリに挑戦する事があってもそれ以外という事は余りない。一種の諦めムードに近い物がある事をレビは感じ取っている。
「だからこそ大幅な改革がいるのよ、外からの風はそれを行う大きなチャンスよ。如何かしらチャンピオンのお二人、ブルベリーグランキングに参加してみないかしら」
「面白そうだから私やる!!ハルトは?」
「やるに決まってんじゃん、チャンピオンとしてチャンピオンからの挑戦を蹴るなんて野暮だし」
「話が早くて助かるわ。それじゃあ兄さん、手続しといてね」
「おいそこで俺に丸投げかコラ、ったく分かった分かったしといてやるよ」
まあ顧問が話を通した方が早いのは事実だから間違いではない。
「パルデアリーグのチャンピオンと俺も戦ってみたかったし、いい機会だよね。何時でも来てくれて良いからね」
「ウェ~イ!!なんだか凄い楽しい事になってきたくね!?ウチも全力で迎え撃つし~!!チャンピオン経験者としても四天王としても~!!」
「楽しそうな事になってきたねぇぃ……相手はチャンピオンか、相手にとって不足無しって所だねぇぃ」
「え、えっと俺も四天王として二人を迎えるよ。友達としても、ね。でも負けないから」
四天王の皆からの言葉にアオイとハルトは思わず笑っていた。顔を合わせるだけでも彼らが強いのは分かる、そして彼らと早くバトルしたいと思う気持ちを抑えきれない……それを察してレビが言った。
「それならウォーミングアップ代わりに良い事を教えてあげるわ、此処だと四天王に挑戦する為にはブルーベリー・スペシャル・レクリエーション、通称ブルレクという課外活動で得られるBPが必要になるわ。フィールドワークを生徒達に代行させて、その見返りとして学園内通貨のBPを支給している感じね。まずはそれらを遂行しながら学園のテラリウムドームに慣れる事をお勧めするわ。四天王への挑戦もテラリウムドームで行うから一石二鳥になるわ」
「有難うレビさん凄い丁寧に教えて貰っちゃって!!」
「いいのよ、貴方達は言うなればこの学園に迎えられたお客様に近いのよ?この位は当然の事なのよ、寧ろこれをすべきなのは校長先生なのに全く……」
「なんか、苦労してるんだな……」
「それなりに、ね……こうなったら―――」
ぐるんと勢いよく振り返るとそのままラビヘとダイブ、頬擦りしながら甘えだした。
「兄さん吸いして気力を高めないとね♪」
「ちょっとレビ姉今それするのはなしっしょ~!?」
「いいのよ、私は生徒会長も兼任してて生徒の顔とかも全部覚えるの大変なんだから」
「いやそれは姉ちゃんが可笑しいだけ……」
「というか客人の前だから控えろって事だと思うよぃ……」
「あっ大丈夫、ゼイユ経由でラビさんの事が大好きだって聞いてますから」
「俺もスグリ経由で」
「ほら見なさい」
「そんなことドヤ顔すんなよ……」
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。引き続きブルーベリー学園から特別講師としてお送り致します。今回紹介するポケモンは此方です」
「リィィィンッ」
「ポリゴン2です」