週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:ビックハンマー掌デカヌチャン

テラリウムドーム。ブルーベリー学園が誇る海中庭園、強いトレーナーの育成環境を強化する為に建設され内部はポケモン達が過ごしやすい環境が人工的に整備されている施設。ドーム内は大きく4つのエリアに区分けされ、それぞれのエリアに点在するスクエアという施設に四天王がジムリーダーのように構えているのが現在のテラリウムドーム。

 

「にしてもすっごいなぁ此処……色んなリージョンフォームのポケモン達がいる……」

「ガラルのヤドンとアローラのナッシーが一緒に居たり、如何いう環境なのよ此処……」

 

ハルトとアオイが思わず首を傾げてしまうのも当然だろう、テラリウムドームでは本来なら各地方の環境下でしか成立しないリージョンフォームの再現にも成功している。加えて各エリア毎に季節が異なるという性質があるのか、四季によって姿を変えるシキジカ系統も一つの空間内に季節によって異なる姿が順応し共存を果たしている。普通に考えれば頭が可笑しい所だ。

 

「流石ラビさんの母校だな……オレンジアカデミーでは考えられない位には施設が凄い」

「其処、感心しなくていいから……オレンジアカデミーの方は教員の方で圧勝してるから」

「どんだけ酷いんですか此処の先生」

「先生というか殆ど研究員みたいもんだからね」

 

アオイとハルトの二人はブルベリーグランキングに挑戦する為にもBPを貯める為にブルレクに挑戦中。ミッション内容は泳いでいる、飛んでいるポケモンを撮影しろだったり捕まえろだったり色々だが……それらを忠実にこなしていく二人を見守るラビ。

 

「そう言えば、二人は誰から戦うか決めたんですか?」

「四天王の誰からって事ですか?」

「それです」

「う~ん……実は全く」

「俺も迷ってます、誰と戦うべきか」

 

シアノとリーグ部の推薦がある為の上位スタートになっているが、正直な所不安が大きいアオイと寧ろダブルバトルは好きで誰と戦うか迷っているハルトと見事に分かれている。

 

「ランキングだけで言えばスグリ君になるけど、正直な話弱いって訳じゃないからね」

「伊達に四天王って訳じゃないって事かぁ……にしてもダブルかぁ……」

 

アオイは何方かと言えばシングル専門に近くダブルバトルの経験はハルトに付き合わされての物とヌシポケモンでのペパーのタッグ位しかない。ハッキリ言って初心者と言っても過言ではない。

 

「ラビさん的に強さは如何なんですか?」

「一概にランキングを鵜呑みにしたら痛い目を見る、ですかね。レビとレベはチャンピオンの座の奪い合いが恒例行事と化すぐらいには戦ってますし3位のカキツバタが何時チャンピオンに挑戦しても可笑しくはない……まあ狙うならロルかスグリがベターですかね、だとしても今のアオイさんだと敗北濃厚ですけど」

「ああやっぱり……?」

「そりゃ明らかなシングルパーティですからね」

「そう言えばラビさんはダブルとか行けるんですか?」

 

ハルトが素朴な疑問を持った。配信でも基本的にやるのはシングル前提、偶にダブルの事も出すがそれもメインではなくあくまでサブといった印象が強い。だが実際はどの位なのかは全く分からない。アオイと同じくシングルメインでも可笑しくはないのだが―――

 

「此処に通ってた時点でダブルはそれなりに鍛えられましたし、イッシュ地方はそれを超えるトリプルバトルやらローテーションバトルまでありましたよ。あれらに比べたらダブルなんて軽いんですよねぇ……ええ本当に」

「あっ……そうか、イッシュでしたっけ……?」

 

バトル好きのトレーナーの間でもイッシュ地方は一種の魔境扱いされる。それはダブルバトルすら超えるトリプルバトルやローテーションバトルの本場だからである。当然ラビもそれらの経験はある。どこか遠い目をしていたラビは咳払いしつつもアオイを見た。

 

「と言ってもダブルバトルの基本はシングルバトルとそうは変わらないんですよねぇ……大切なのは視野を広く持つ事、そして技の組み合わせぐらいです。猫騙しで相手の初動を潰しつつも追い風やトリルを展開してから高火力で押し切るとかが分かりやすいですかね」

「ンで交代して高火力と広範囲を組み合わせていくとか」

「ですです、なんでしたらサトシさんのポケモンリーグ予選でも見ても良いと思いますよ。あの人、ダブルバトルでマグマラシとリザードン相手にジュプトルとオニゴーリで勝ってますから」

「「何それ怖い」」

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。引き続きブルーベリー学園から特別講師としてお送り致します。今回紹介するポケモンは此方です」

「ヌチャ!!」

「デカヌチャンさんです」

 

・おおっ可愛いってデカぁ!!?

・デカヌチャンあるある、可愛さとハンマーのギャップにビビる。

・あるあるwwww

・あり過ぎて困るわwww

・ナンジャモ:デカヌチャン初見からこそ摂取出来る栄養素、あると思います!!

・超わかる。

 

「デカヌチャンはフェアリーと鋼の複合タイプ。デカヌチャンの特徴と言えばこのハンマーですね、進化前から持っていたこれはここまで大きくなりました。ガラル地方では空の王者とも言われているアーマーガア、それがパルデア地方では姿を見せないのはこの子達のせいです。何故かと言えば……この子達が金属部を狙ってくるからです」

 

・そうそう、アーマーガアを狙うんだよこいつら。

・えっあれを?

・いや此処の戦闘狂じゃねえよ!?

・あの戦闘狂は前に寧ろ狙って来るデカヌチャンを狩ってるらしいからな……

・あの戦闘マジでホンマ……。

・よくもまあアーマーガアいるのにデカヌチャン持てるな。

・この前、アカデミー前で野生のアーマーガア目掛けてハンマーフルスイングしてる奴いたな。

 

「金属の身体を持つポケモンの一部を使ったハンマーを作ったりします、野生の個体は進化前のカヌチャンに鍛造技術を教えたり、彼らの練習のために獲物に忍び寄って狩って来る事もあります。このハンマーを携えたまま」

 

・なあこいつら本当にフェアリーなん?

・ただの戦闘民族の間違いだろ絶対。

・そんな戦闘民族を超えるアーマーガア

・だから主の限定だっての

・流石にヌシのアーマーガアは狙わんやろ……仲間でもあるんだし。

 

「いえバチバチ狙ってますよ、色違いなのもあって目の色を変えて顔を合わせる度にバトルになってます。見つけたぁぁぁ!!って感じでデカヌチャンさんが近づく、アーマーガアは来いやぁ!!!って感じで迎え撃つのが日常です」

 

・やだよそんな日常!!?

・どっちも怖いなぁ!?

・あのアーマーガア相手に度胸あるなぁ……

・度胸で済ませていいのか……?

・キバナ:オレ様のジュラルドンにも嬉々として向かってくんだぞあのアーマーガア

・ええっ……

・それって、キョダイマックスの状態とか

・キバナ:関係なく突っ込んで来るぞ。

 

「そんなデカヌチャンさんの特性は型破りとマイペース。夢特性は悪い手癖です。悪い手癖は直接攻撃してきた相手の道具を奪うという物ですね」

 

・面白くはあるけど、通常特性がどっちも強すぎる

・特性無効化に混乱、威嚇無効がつよい

・これは流石に前者一択だな。

・どっちよ

・どっちでも。

 

「私の場合は型破りですね。この特性ならば相手の特性を気にする事もなく電磁波やアンコール、ステロを撒く事が出来ますしミミッキュが相手でも化けの皮を気にすることなくデカハンマーで殴る事が出来ますのでかなり安定します」

 

・パルデア地方だと化物みたいな特性あるからなぁ……

・ああ、あの金ぴか陽キャか。

・ステロも関係ないってどういうこと?

・ナンジャモ:マジックミラーじゃない?あれあったら逆に自分の場に撒かれちゃうし

・ああ成程。

 

「そして意外にも思われるかもしれませんが、此処までの大物のハンマーを持っていますがデカヌチャンの攻撃種族値は決して高くはありません。それを補強するための剣の舞を覚える事も可能ですので、連続使用する事が出来ないというデメリットがあるデカハンマーの火力を存分に発揮させることが可能になります」

 

・デカハンマーって連続で使えないのか。

・まああんだけでかいのを振り回すんだからな

・でも野生だとあれを使ってアーマーガアを落とすんだよな。

・でもいう程成功率高くはないんだろ?アーマーガアの天敵なのか?

・キバナ:天敵ってのは明確な倒す手段を持つ敵って意味でもあるからな。

・アイリス:そういう意味だとデカヌチャンが天敵ってのも納得。

 

「デカハンマーの後は守るで防御し再びデカハンマーを繰り出すというコンボもありますね。それとデカハンマーという分かりやすい切り札をスカす為に守るを使ってくる相手へのフェイント、猫騙し、叩き落とす、イカサマ、地均しと相手へ強く出られる技も多くあります。変わり種でアイスハンマーという技もありますので中々なテクニシャンでダブル適性も高めなポケモンです」

 

・う~んアーマーガア狩る所さえ何とか出来ればいいポケモンかも

・実際いいポケモンだよ、野生のアーマーガア見たら豹変するけど

・お前、アカデミーの生徒だろ、その時俺見たぞ。地形利用して近接攻撃試みるデカヌチャン

・アハハハ……サトシさんの映像一緒に見たら凄い動き出来るようになっちゃって……

・キバナ:だとしたら相当に有望株だな、大事にしろよ

・はっはい!!

 

「大きなハンマーを携え相手へと立ち向かうデカヌチャン、貴方も如何ですか?」

 

・キバナ:にしてもフェアリーか……いや相棒で鉄壁プレスで押せるか

・ナンジャモ:ボクならジバコイルかな、電磁波効かないしデカハンマーも効かないし

・アイリス:私なら……地面技主体で攻めるかな。攻撃も低いみたいだしそこを突く。

・なんならデカハンマーに合わせてトリックで拘り押し付けるのもありだよぃ

・あっ確かにそれはいいかも。

・アイリス:あれカキツバタ?

 

 

そんな所で配信を切る、背後では拍手を送るアオイとハルトが居た。そしてアオイは徐にデカヌチャンを繰り出した。如何やら彼女も持っていたらしい。

 

「ねぇっデカヌチャン、ブルーベリー学園だとダブルバトルがメインなんだけど一緒に頑張ってくれない?」

「ヌチャチャンヌッ!!」

 

任せとけ!!と言わんばかりに胸を張りながら叩くのだが、思いのほか強かったのか軽く蹲ってしまった姿に本当に大丈夫なのかなぁ……と軽く心配になるラビであった。

 

「アオイのデカヌチャン、仕切り屋で面倒見がいい奴なんですよ。まあ張り切り過ぎて空回りする事多いですけど……」

「それはそれは」

「ってあっやばい!?」

「待ってデカヌチャンストップストップ!!?」

 

そんな時だった。トレーナーが持っているであろうアーマーガアが真上を飛んでいた、それを見たアオイのデカヌチャンが飛び出そうとするのをアオイは必死に止める、だがラビのデカヌチャンは!?とハルトは其方を見るとデカヌチャンは微動だにせずにじっとそれを見ているだけだった。

 

「あ、あれ?」

 

 

あれは自分が狙っているアーマーガアじゃない、狙う価値もない。興味を失ったかのように視線をズラすと大切なハンマーの手入れをし始めた。自分にとって狙うべきアーマーガアはたった一匹。そう、仲間たるあの色違いのアーマーガアのみ。仲間であるならば狙う意味はない、必要もないのだが……自分は勝ちたい。自分を一蹴するあいつに。

 

『ガアアアアアアアアアアアア!!!』

 

雄々しくも猛々しい、重厚でありながらも軽やかなあの鎧を纏った鋭い眼差しを携えているあのアーマーガアを……必ず仕留めたい。そして彼の鎧で武器を作りたい、アーマーガアの鎧は時折剥がれる。換毛期ならぬ換鎧期というのがあってラビはそれを使うか?とも言われたが矢張り戦って得た物でなければ意味がないと断っている。

 

「ヌチャァンッ……!!」

 

必ずあのアーマーガアを射止めてみせる、自分に釘づけにしてやるんだ……自分の心を奪い去ったあのアーマーガアから自分を取り戻し、今度は自分が奴を奪ってやるんだ!!とデカヌチャンは意気込んでいた。

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