週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:無邪気な綿毛エルフーン

「ウェイウェ~イ!!皆アガッてる~!?」

『ウェ~イ!!!』

「ウェイウェイウエェエエエ~イ!!イイねイイね皆マジバイブスアガッてるんね~!!それじゃあ今日も一発楽しく、騒がしく、自分らしく!!爆上げ全開でバイブスアゲテこ~!!」

『ウェ~イ!!!』

 

此処はテラリウムドームの一角、コーストエリア。特徴としてはトロピカルな海岸地帯がテーマになっており、海の中にある南の島の海岸という一見すると意味が分かりにくい状況だが、その実は本当に南国のビーチと言った感じになっており、アローラ出身者なら故郷を思い出してテンションが上がること間違いなし。そしてそんなエリアのスクエアに併設されているのは巨大な音楽ステージ、そこではDJとしてロルが立ち、マイク片手にステージを盛り上げながらも多くの生徒達が声を張り上げていた。

 

「な、何この熱量……!?」

「凄い音だ……でも凄い皆ノリノリだ」

 

ロルの趣味が前面に出ているというかなんというか……四天王なのでエリアの管轄権を所持しており、常識の範囲内で改造する事は許可されている……のだがあれは本当に常識の範囲内なのだろうかとラビはツッコみたくなった。

 

「YOYO、今日は俺はテンション全開、だけど踊りのキレは前の3倍!!それじゃあそれじゃレッツゴードテカバシィ!!」

「今日こそ勝負は俺らの勝ち!!見とけ見とけよザングース!!」

 

「ハッそれはこっちの台詞だぜぃ、それじゃあキレよく行こうかハブネーク!!」

「そんなビートじゃ俺のハートは消せないぜ、俺らのビートは大絶叫!!それじゃあこっちも行くぜバクオング!!」

 

酷く賑やかな様子だが、実際は此処まで見てきたエリアの中で最もバトルが行われており、それらを観戦する部員たちもカメラなどの録画機材を抱えており、それらをチェックする為の施設も完備しているなど一番バトル向けなエリアになっている。

 

「ふ、雰囲気に吃驚してたけどやってること滅茶苦茶ガチだ……!?」

「うわ、今あのザングース何やったの!?剣舞で防御しつつポイズンテールを弾いて隙を作ってドデカバシの溜めをカバーした!?そのままブレイククローで防御!?攻撃を防御に変えて、危ない!?うわっタイミングギリッギリ!?」

「いやバクオング何やってんの!!?ハブネークを剣みたいに持った?!ハブネークも身体を伸ばした!?そのままポイズンテールで嘴キャノンをぶった切ったぁ!?」

「驚いたでしょ、ロルはリーグ部ではワントップに人気なんですよ。彼女の周りには常に人が居て彼らに元気を分け与えてその元気で自分も元気になっていくのがロルですよ。その元気をポケモンバトルへと注ぎ込む、それがあの子のやり方なんですよ」

 

見た目と話の雰囲気に騙されがちだが、ロルは人心把握に最も長けている。気づけば相手のテリトリーに入って相手の心に同調して仲良くなっていく。エリア別に活動するリーグ部の部員の実力を分けるとこのコーストエリアが一番レベルが高い。

 

「おおっお兄ちゃんじゃね!?ウェ~イ楽しんでくれてる~!?」

「そこそこね、相変わらず元気だね」

「アハハッ!!ウチが元気がない時なんてそれこそ色違いとの遭遇確率ぐらいだしね~!!おおっパルデアのWチャンピオンもいるじゃん!?どうどうコーストエリアの感想は!?」

「い、いやマジでビックリだよ。音楽で盛り上げてるのかと思ったけど、本質的には音楽を土台にして個人個人が凄い盛り上げてる」

「凄い士気だね……これ、エリア別バトル大会とかやったらここが一番強いんじゃない?」

「そりゃそうっしょ!!ウチらは皆で強くなってるからね、それにエリア別バトル大会なら9回連続でコーストエリアが優勝してるよ」

「「マジで!!?」」

 

マジである。カキツバタがその気になった次回大会は分からないが、此処までコーストエリアは圧倒的なバトルへの熱量とコンビネーションを発揮して勝ち続けているのである。

 

「あっそうだお兄ちゃん、ウチらのエリアにいるポケモンで取り上げて欲しい奴がいるんだよね~」

「んっ誰よ、俺持ってるやつ?」

「やつやつよ~」

 

 

 

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。引き続きブルーベリー学園から特別講師としてお送り致します。今回紹介するポケモンは此方です」

「フゥゥ~ン♪」

「エルフーンです、コラ頭の上で綿を散らさない」

「エ~ル~♪」

 

・おっ可愛い!!

・エルフーン!!

・こりゃまたガチな奴が……

・エルフーン―――憎き、エルフーン……!!

・えっエルフーンって嫌われてんの?

・まあ一部だと嫌われてるな

・アンタ絶対ドレディアスキーだろ

・ああ聞いた事ある、ドレディア好きとエルフーン好きはライバルだって

 

「エルフーンは草とフェアリーの複合タイプ。見ての通り、大きな綿を背負っているような感じなのですが、後ろから見ると背中に(がく)があります。これを中心に綿が広がっている為か横から見ると意外に背中の綿には厚みはないんです、イメージ的には背中にポンデリング状の綿を背負ってる感じです」

 

・なんかかわいいなwww

・でも凄いボリューミーに見えるんだろうなぁ。

・そう見えるだけって奴っしょ。

・にしてもニッコニコやぞ

・笑顔を絶やさない良いポケモンだな。

 

「この綿は太陽の光でどんどん成長と膨張を繰り返します、増えすぎて邪魔になれば自分で千切って小さくもしますし、強い風で千切れたりもするので強度自体はないですね。そして性格は無邪気で悪戯好きです。つむじ風や季節風に乗って世界中を流離いますが、その途中でよく街にもやってきます。その際に風の流れで家の中にも入ってきますが、気に入った家では綿をまき散らしたり、家具を動かしたりする悪戯をします」

「エル~♪」

 

・あらららwww

・フェアリーらしいと言えばらしい性質だなww

・綿撒くのは勘弁してほしいなぁ……www

・でもその綿を再利用するのも風物詩だぜ?

・アイリス:イッシュだとその綿を使って服とか布団を作るのも定番だね

・へ~悪い事だけじゃないんだな。

 

「そんな悪戯っ子なエルフーンの特性は悪戯心にすり抜け、そして夢特性が葉緑素です。葉緑素は晴れ状態の時に素早さが上がるというすいすいの晴れ版みたいな感じです。実際エルフーンは晴れには空気が温まりやすくなるので浮き上がりやすくなり、一番活動しやすい時間帯とも言えます」

 

・悪戯心持ちかぁ……まあ納得だけど

・そりゃ憎きとか言う人もいる筈だわ

・あなたもそうなのか

・―――エルフーン……!!

・な、何だろう文字から凄い圧が……

 

「エルフーンがある意味で嫌われているには悪戯好き故の所以があります。悪戯心が適用される技の範囲が非常に幅広いんです。ご存知でしょうが悪戯心は変化技を先制で出せるという特性、これを十全に活かせるんです」

 

・えっそんなに?

・オーロンゲとか居たけど

・いやある意味あれよりひどいぞ。

・ロン毛はある種攻撃も出来るから許されてるのもある。

・でもこいつはなぁ……

 

「コットンガードでの物理受け、状態異常の草笛に痺れ粉や毒々、回復の宿木の種、相手の動きを妨害するアンコール、挑発、威張る、ミストフィールド、すり替え、味方を活かす追い風、置き土産、嘘泣き、光の壁、可愛さを活かすメロメロと甘える、防御に使える守るや身代わり……これらを相手よりも早く繰り出せると考えると凄まじく辛いでしょう?」

 

・うわキッツ!!?

・いやこれらを一匹で出来るの!?そりゃ憎きとか言われるわ!!

・キバナ:だからオレ様相手に出してくる奴もいるんだよなぁ……

・アイリス:ダブルだと相当に強いだろうねこれ……

・ナンジャモ:シングルでも相当に厄介だけどねこれ。

 

「これによって基本的に悪戯心による変化技を押し付けるのがメジャーでもありますね。それらを逆手にとって特殊アタッカー運用などもありますね。悪戯心だという事を踏まえて悪タイプを出して来た所をムーンフォースで逆に狩ると言った事も出来ます」

 

・あ~成程……

・確かに刺さりそうではあるけど悪タイプ読みがきついかもな……

・キバナなら普通にサザンドラで狩るのが一番じゃね?

・キバナ:エルフーンは悪戯心ぬきではやいんだぞ。

・えっそんなにはやいの?

 

「速いですよ?体感的にはニューラさんより早くてエンニュートさんよりも遅い位ですかね、この素早さでギガドレインを撃って耐久、サイコキネシス、エナジーボール、シャドーボールなどで攻める特殊アタッカーもいますし」

 

・いやそれとんでもなく速くね?

・はやいね、間違いなく。

・アイリス:ドラゴンタイプで抜こうとするとオンバーンかドラパルトぐらいかな?

・キバナ:その位だな、神速とか抜きにすると。

・えっやべぇじゃん。

 

「個人的にはシングルでもダブルでも活躍出来るポケモンさんですね、ダブル初心者はこの子を採用してサポートの重要性を実感してみるというのもありかもしれません。気儘に風に乗って流離う無邪気な綿毛、エルフーン。貴方も如何?」

 

・いやぁ……これどうすればいいの?

・すり抜けシャンデラとか?

・普通にありだな、マジックミラーエーフィとか

・キバナ:オレ様はダブル形式だから余計に面倒なんだよなぁ……こいつ出てきたら集中だな

・アイリス:それが妥当だよね、私もこの子出されたら真っ先に最優先に倒すし。

・ナンジャモ:あっボクならマルマインで対処できるか

 

 

そんな所で配信を切る。頭の上では時折吹く風に声を上げながらも頭に居座ろうと頑張るエルフーンがいる。特にこのエリアは潮風が吹くので大変なのだろう。

 

「FUUUUUU!!流石お兄ちゃん、エルフーンの良さを爆紹介してんじゃん!!」

「まあトレーナーだしな、この位余裕さ」

「うんうん!!いやぁウチもさ、エルフーン入れようかなぁと悩む事もあんだよなぁ!!でもでもさ、此処までエスパー統一だから崩すのも如何しようかなぁって、あれこれ前にも言ったっけ?まあいっか、取り合えず皆、爆上げでいこう~!!

『イエ~イ!!!』

 

相変わらず賑やかな妹ちゃんだぁと思いながらもエルフーンは周囲の賑やかさを楽しんでいた。時折、膨張した綿を千切って他の部員の頭に乗せてアフロにしてあげる悪戯をすると逆に感謝されるのでドヤ顔をする。

 

「エルフーン、適当な所でやめておきなさいよ」

「エルフ♪」

 

風に乗って世界を巡るのもいいけど、地に足を付けてのんびりと世界を見つつ触れて回るのも楽しい。それを教えてくれたラビには感謝している、だからラビには悪戯はしないと決めている。だけど―――

 

「うわぁっお前、アフロじゃなくてリーゼントになってんぞ!?」

「わあああああっゴジラモヒカンかこれ⁉あっでもこれ一回りしてイケてね?」

「コラエルフーン!!」

「エル~ン♪」

 

悪戯をしないとは言ってないも~ん♪

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