週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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オーメン:藍の円盤

「あいつ、ブリザポスなんて何時の間にゲットしてたんだよ……?」

 

思わずそんな言葉を出してしまう程度にはラビは驚いていた。確かに自分だってダークライを持っている、故に幻のポケモンなどを持っていたとしてもそれは有りえる事態ではある。だが……

 

「くっブリジュラス、ラスターカノンを連射だ首を上げさせるな!!キングドラハイドロポンプ!!」

「駆けなさいブリザポス!!ユキノオーは回転しながらウッドハンマー!!」

 

蹄から冷気で放出して地面を凍らせ、滑る事で己の鈍足をカバーしながらも回避をする氷の白馬、ブリザポス。幻を超えた伝説のポケモンとされる氷タイプのポケモン。それと見事なコンビネーションを取るユキノオーは凍った地面の上で高速で回転しながらウッドハンマーを繰り出す、しかも緑色のエネルギーを伸ばしてリーチを確保した上でそれを行う事で攻撃力と防御力を高めており、ラスターカノンと雨下のハイドロポンプを完全に打ち払っている。

 

「この雨も好い加減に邪魔ね、ブリザポス雨雲に向かって冷凍ビーム!!」

「シロォォォオオオオオッス!!!」

 

空へと放たれた冷凍ビーム、それはカキツバタのギャラドスが後続のキングドラに繋げる為に雪降らしによる雪を雨乞いによって上書きした雨雲。だがそれに向けて極低温のエネルギーが放射されると雨雲が一気に凍て付き、雪へと天候が塗り替えられてしまった。

 

 

「おいおい、天候技じゃないのに上書きしたのかっ……!?」

「ブリザポスにはこの程度容易いわ、さてどうするの、降参かしら?」

「冗談。ブリジュラスにキングドラ!!まだまだ行くぞ!!」

「ジュラァス!!」「ジュグラァ!!」

 

激しい攻防戦が繰り広げられる中でラビは思う、矢張りこの世界における幻及び伝説のポケモンは他のポケモン達とは一線を画す能力を持っているのだと。ブリザポスは典型的な鈍足アタッカーで無駄を排したとまでされる程に高火力高耐久を実現した種族をしているが、特攻は攻撃に比べれば半分もない。それなのに冷凍ビームは天候を塗り替える程の威力……。

 

「というかどうやってあの馬を捕まえたんだ……?」

 

気になったのはそこだ。ブリザポスは豊穣の王と言われる伝説のポケモン、バドレックスが調伏し愛馬として人馬一体となり力を尽くしたという話があるが、そうなるとこの世界だとバドレックスの愛馬は闇夜の黒馬になるのだろうか……?と考えていると。

 

「あいつは前に課外授業の時におやつに釣られて出て来た所を捕まえたって言ったぞ、大丈夫か兄さんズッコケたけど」

「……おやつかよ……」

 

おやつに釣られる伝説とは、と言いたくなったが確かにそういうゲット手段もあったな……と自分を抑える。事実としてレビは捕まえているのだから、きっとあれも複数存在するのだろう。カントーの三鳥だって複数いるんだし……可笑しい話ではないのだから……。

 

「ブリジュラス戦闘不能!!よって勝者、チャンピオンレビ!!」

「くっ……届かな、かったぁ……だけど……」

 

ブリザポスという伝説のポケモンを相手にカキツバタは一切怯む事が無かった。真っ向から立ち向かい、戦いながら戦術を練り、方向を変え、あらん限りの攻撃をぶつけた。その結果として敗北こそしたが明確にブリザポスは疲弊しておりレビに好物である冷たい人参を貰っている。

 

「レビ、オイラぜってぇお前にリベンジさせて貰うぜ。その時は―――ブリザポスごとお前を砕いてやるぜぃ……!!」

 

敗北したはずなのにカキツバタの足取りは重さを感じさせず、堂々としていた。仲間達を労いながら回復マシーンへと歩みを進めていく彼を馬鹿にするものは一人もいない、寧ろカキツバタへの眼差しが明確に変わっていた。

 

「何時でも相手になるわよ、ねぇブリザポス」

「シロッス」

「こら、私の髪をハムハムしないの」

 

一方のブリザポスもカキツバタを見つつもレビに甘えている。本当に懐いているのが分かる。

 

「なぁラバイ」

「何よ兄さん」

「お前らも似たようなポケモン持ってるのか?」

「さてどうでしょう?」

 

こりゃ持ってるなと確信するラビであった。まあ自分だってダークライを持ってるんだから人の事は言えない、何だったら最近は此処にオーガポンやらパラドックスポケモンも居るから本当に言えない。

 

「カキツバタ、これからどんどん強くなるな」

「ああ、そう思う。壁にぶつかってもあいつ、笑ってたし」

 

以前のカキツバタだったら負けたとしても飄々として特に気にもしていない風を取り繕っていた事だろう、だが今は明確な熱を以て次のバトルに望む為の気持ちを滾らせている。あれは強くなる、レビもうかうかしてられないかもしれない。

 

「それと兄さん、耳に入れときたい事があんだよ」

「何だよ改まって」

 

真面目な顔になってラバイは告げた、それは―――ブライアが申請し続けていたエリアゼロの調査申請が認可される事になったという事だった。思わず身を固くしてしまう自分が居た。

 

「まだ俺の所で止めてる、あの人が聞いたら飛び出しかねないからな」

「ナイスだラバイ、だが出ちゃったかぁ……」

 

パルデアリーグとしても何時までもエリアゼロを野放しにしておくわけにはいかないし、エリアゼロから出てきたイダイナキバとテツノワダチの一件もあり踏み込んだ調査を行う必要があると判断、そしてバトルに力を入れているブルーベリー学園の教師から調査申請を出して来ているからお願いしようという流れだろう。

 

「前にも言ったがレビ達でも無理だ。旅の経験がない奴らをあそこに連れて行く事は出来ない」

「最悪俺が行くしかないか……」

 

ラバイはラビほどではないが旅を経験しているし腕前も確かなので戦力としては数えられる、だが他の面子は如何するべきか……と考えた時に思いついた事があった。

 

「そうだ、あの人達に頼めばいいじゃん護衛」

「えっ何心当たりあんの?」

「あるよ、とびっきりのが」

「おおっ!!いやなんかすっげぇ嫌な予感するの俺だけか!?」

 

ラビの心当たりとは詰まる所―――

 

「リザードン、ブラストバーン!!フシギバナ、ハードプラント!!カメックス、ハイドロカノン!!」

「ピカチュウ、ボルテッカー!!」

「ガブリアス、ドラゴンダイブよ!!」

 

今現在、ラビの家で留守番をしているチャンピオン三人の事であった。

 

「いやぁ凄いですねパラドックスポケモンって。力強さが尋常じゃないですよ」

「全くね、その分技の洗練さがないのが助かるわ。キレで勝負すれば勝てない相手じゃないわ」

「……ダイケンキと戦っちゃダメかな」

「駄目ですってせめてラビさんに許可とらないと」

「慣れてるわねぇ……あのイッシュのパラドックスポケモンを一人で抑え込めるんだもん」

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